○△vsウルフと……

また僕は普通に学校に行き、授業を受け帰ろうとした。


「あっ!待ってよクロス!」


「ん?」


「今日はギルドに行くって約束したでしょ!」


「そういえばそうだったな」


「もう!しっかりしてよ!

じゃあサラちゃん行こっか?」


「……」コク


◇◆◇◆◇


「じゃあウルフ探し始めるよ!」


「……おー」


アホとサラは右手で拳をつくり高々にあげた。


ギルドには昨日までいた受付の人とは別の男性だったから気まずくならずに済んだ。

そして3人で受けた依頼の内容はウルフ6体の討伐。1人をメインに残り2人はサポートに徹して2体倒した後、メインを変えていく予定だ。


「……隊長、右の方にウルフ3体がいます」


「流石サラちゃ、サラ隊員!目がいいね!」


なんか変な芝居が始まったな。


「最初は私が行くから2人はサポートをお願い!」


「……うん」


「わかった」


サラがウルフ1匹を矢で注意を逸らし僕はそのウルフの気を引きつけた。

その隙にアホはウルフを斬ろうと剣を振り上げた。

僕は上空にむけ魔法を放った、魔法は途中で爆発しウルフの気を逸らし、その間にサラは矢でウルフの目を射抜きアホはそのまま剣を降りウルフ2匹を撃破した。


「サラちゃんクロスを援護するよ!

クロス!少し待っててね!」


僕は刀で2人が援護に来る前にウルフを殺した。



「あ!1人でやらないでよ!

3人で倒すってのが1番大事なことなのに!」


「ごめんごめん。

次から気をつけるよ」


「……」ポカ


サラにかなり軽くだが殴られた。


「……独断専行だめ」


「ごめん」


「……許す」


「あれ?なんだかサラちゃんと仲良くなってない?」


「魔力コントロールの授業のとき色々話したからね」


「え!ずるい!」


「何がズルいんだよ」


なぜかプンプンと怒り気味になったアホ。

まあ、そんなのは無視してウルフを探しては協力して倒していった。


「これで最後だな」


6体目のウルフの首をサラが射抜き依頼は達成された。


「うん!あ、ねえねえ!お腹すいたしさ報酬でレストランとかに行かない?」


「……さんせー」


確かに探すのに手間がかかって腹は減ったし何か食べたいな。


「うん、僕もお腹すいたし行こうか」


「やった!じゃあ帰ろうか!

先に待ってるね!」


アホはいつの間にか手に持っていた魔方陣がかかれた紙に魔力を流し消えた。

僕も続いて帰還用の転移魔方陣を懐から取り出し魔力を流そうとした。


「……あれ?」ガサガサ


「もしかして魔方陣落としちゃった?」


「……多分」


「僕のを使いなよ。

ここから国までは2時間ぐらい歩けばつくし丁度いい修行になるから気にしなくてもいいよ」


「……でも」


「アホにはレストランはまた今度って言っておいてね。あと僕の分の報酬も使ってくれていいから、じゃあね」


僕は魔方陣とカウントブレスレットを無理矢理サラに持たして走って離れた。


◇◆◇◆◇


「ふぅ、ここまで離れればいいかな?

丁度いいから今まで危険だから使ってこなかった重力属性を試してみるか」


闇と光の回復魔法以外の魔法がちゃんと出来るようになるまで禁止されてたけど、回復魔法みたく重力魔法も出来るかもしれないし。


「まずは初級魔法から、もがき這いつくばれ『グラ「莫大な魔力を持グワアアアアア!」……やば」


初級魔法『グラヴィティ』を発動させた瞬間に魔族が現れた。魔族は瞬く間に潰されてしまった。

そこから、とても小さなブラックホールのようなものが出来て周辺にあるものを全て吸い込んでいる。地面ですら例外ではなく既にクレーターのようなものが出来ている。


「って、のん気に状況を1つずつ確認してる場合じゃない!逃げなきゃ!」


ブラックホール(仮)に危機感を抱いた僕は四つん這いになって逃げようとした。


なぜ立って走って逃げないのかって?


足の踏ん張りだけじゃ吸い込まれちゃうからだよ!


「このままじゃ、どのみち吸い込まれる!」


僕は発動したことがある攻撃系の魔法を全てブラックホール(仮)に向けて発動しまくった。


しかし全て途中で爆発してしまった。


「くそ!やっぱり無理……か?」


爆発で出た煙が晴れるとブラックホール(仮)は消えていた。


「あれ?」


……とりあえず寮に戻ったら色々と考えるか。


もしかしたら僕の魔法がほとんど失敗する理由がわかった気がする。


◇◆◇◆◇


僕は魔物との戦闘を極力避け国に戻った。

そして駆け足気味に寮に帰ってベッドの上に寝転がった。


「あー!死ぬかと思ったー!

なんでかな?カイオスの時もかなりの窮地だった気がするのに、今回のは本当に死ぬかと思ったなあ……」


血の繋がったレイトが死んだかもしれないのに僕は何て酷いやつなんだ。こんな風に心の中で思っていても、どこか他人事だ。やっぱり転生して僕は僕じゃなくなったのかもしれない。


転生する理由となった疫病神への憎しみすら最近は薄れ疫病神を殺す作戦もあまり考えていない。

まあ、それは勝算が8割以上の作戦が現段階で3つに、3割の作戦が1つあるから油断してるってのも理由だけどね。


3割の方は期限が近いから急がないといけないな。


「と、これらのことは置いといて魔法について考えよう。僕の漠然と考えてることが正しければレイトが生きてたら見つけられるし疫病神を殺すのに一歩近づくしね」


◇◆◇◆◇


ーResultー


魔族(四天王序列3位)を撃破。

ブラックホールによって出来たクレーターで強大な敵がいるという恐怖心を人間と魔族に抱かせ互いに戦力強化を図る。

撃破された魔族が統率していた魔物が我を失い凶暴化。

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