プレゼント

水円 岳

プロローグ

 誰かに何かを贈る。それはあなたの心を切り取って、贈る相手に捧げるということ。捧げたものが相手に受け入れてもらえなければ、あなたは切り取られた心の穴を抱えて、寒空の下をさまようことになります。


 プレゼント。あげて当然も、もらえて当然もありません。だって、あなたは自分の心を粗末に扱いますか? そんなものはなくなっても構わないと思いますか? 違いますよね? 自分を全て失ってまで何かを贈ることなんか出来ない。そう考えるでしょう? 自分に出来ないことを人に要求しても、無視されるだけ。


 じゃあ、あなたは。どこまで自分の心を切り取って、それを人に捧げることが出来ますか? いやいやではなく。心からそうしたいと思えますか?


 あなたが贈れるもの。贈りたいもの。贈らなければならないもの。そして、贈って欲しいもの。


 それは……なんですか?


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