22(二十三)
ほんとだー。大人の隠れ家って感じー。
だろ?気に入ってて、よく来るんだ。
男はいかにも通い慣れた客を気取った調子でカウンターの椅子を引き、「いつもの」みたいな感じでドライマティーニを注文した。
マスターから男がここに来たのは二回目だと聞いているので、私と富永は見つめ合って笑いを噛み殺す。
マスターは余計な事を言わず表情もそのままで注文を受けている。
君は?
私は、あんまりカクテルのことよく分からないんだけど。
マスター。彼女にはどんなのがいいかなぁ。
そうですね。甘いものとさっぱりしたものとではどちらがよろしいですか?
んー。じゃあ、甘いやつをお願いします。で、少し軽めのものが。
承知しました。
「彼ね」
富永はカップルに応対しているマスターを眺めてぼそっと告げた。「室谷に逮捕されたことがあるの」
「え?」
「傷害事件でね。もう十年以上前になるのかな。奥さんをボコボコに殴っちゃったの。奥さんは眼底骨折して歯も折れちゃった」
私は思わずマスターを振り返った。
マスターは寡黙に若いカップルの前でシェイカーを振っていた。
あの優美に動く手で自分の妻を殴りつけたというのか。
しかも骨が折れるほど強く。
「原因は……何だったんですか?」
一瞬躊躇った。
赤の他人の私がそんなことを訊いても良いのかと思った。
しかし、口をついて出た言葉を途中で飲み込むことはできなかった。
「奥さんの浮気ね。彼、当時は一流商社に勤めてて、海外出張が多かったの。それで出張先から帰ったら奥さんが大学生の男を連れ込んでベッドインしてたのよ。ドラマでありそうなシチュエーションでしょ。その大学生は素早く服を着て出て行った。残された奥さんは開き直っちゃって、『別れましょ』って言い出して。彼はカッとなって奥さんを力任せに殴りつけて、すぐに果物ナイフを手に大学生の男を追って家を飛び出したの。奥さんは彼がその男を殺しかねないと思って一一〇番した。ナイフ持って走り回ってるから彼はすぐに街の人にも通報されて、警官と一緒に駆けつけた室谷が取り押さえたと」
私はもう一度マスターを振り返った。
あの穏やかで温和な彼が我を忘れて暴行事件を起こしていたとは、やはり俄かには信じがたい。
あるいはその事件が彼を静かで無口な人間に変えてしまったのか。
私はかつてマスターに「どんな恋をしてみたいか」と訊ねたことを思い出していた。
彼は「二度と恋はしたくない」というようなことを言ったように記憶している。
知らなかったとは言え私は罪なことを訊ねたものだ。
アルコール中毒で頭がおかしかったということで許してもらうしかない。
「彼は何もかもを失ったわ。奥さんにも非があったから暴力行為は示談で済んだし、持ち出した果物ナイフも小さくて人を殺せるようなものではなかったから起訴にまでいたらなかったけど、仕事は当然クビで奥さんとも離婚。子供もいなくて天涯孤独の身。彼の口からは聞いたことがないけど、多分死ぬことも考えたと思うのよ」
私は唸るように頷いた。
彼の身になってみれば当然の帰結だろう。
彼も自分から逃げ出したい人間だったのか。
誰の身にも自分というものを辞めてしまいたくなるような場面や状況はあるものだと私は今更ながら自分は自分から逃れられないという当たり前の現実に戦くような気持ちになった。
「彼にこの店の仕事を紹介したのも室谷なの。もともとここは室谷の行きつけのバーで、当時のマスターと仲が良かったみたい。そのマスターは高齢でそろそろここを畳もうと思ってたらしいの。最後の務めのつもりで彼にシェイカーの振り方から教えてくれて。彼もこの店とバーテンダーの仕事が性にあったみたいで、そのマスターから引き継いで今にいたるわけ」
「そうだったんですか」
「ごめんなさい、しんみりしちゃったわね。こんなこと喋ったらマスターにも怒られちゃうかな。でもね、室谷にもそんな優しいところがあったの。私とじゃなく一人でもよくここに足を運んでたみたい。彼のことを心配してくれて、彼のことを心配してる私にも気遣ってくれて。……つまり私が知ってる室谷も怖いだけの人じゃないってことを青木さんに知っておいてもらいたかったの」
「分かります」
私が知ってるテツオだって大人しいだけの人間ではない。
私のことを守ってくれた強くて優しい人だった。
「だけど、室谷が公園で三日間も漫然とベンチに座ってたなんて、よっぽどショックだったのね」
「癌のことですか?」
「それもあるけど、きっとそれだけじゃないの」
「警察に裏切られたこと?」
「そう。でも正確にはちょっと違うのかな。私の推理と憶測では」
「と言うと」
「室谷が尊敬してた上司がいるの。その人は度量がとても広くて、一匹狼だった室谷の味方になって彼が問題を起こすたびに助けてくれてた。何度も何度もかばってもらってたから傍若無人な室谷もその人にだけは頭が上がらなくて、その人の言うことだけは素直に聞いて。でも……」
「でも?」
私は唾を飲んだ。
富永が作り出している空気が重苦しい。
「その人がおそらく室谷が追っていた横領事件の黒幕なの。少なくとも私はそう睨んでるし、室谷もきっと私と同じだったはず。信じたくはなかっただろうけど」
「テツオさんはその人に裏切られて、横領の犯人に仕立て上げられちゃったってことですか?」
なんと理不尽な。
想像しただけでも現実として受け入れるにはあまりにつらすぎる。
「悲しいことだけどそういうことになるわ。室谷はもしかするとその人のためなら自分が犯人として死んでいくことをよしとしてたのかもしれない。……彼ね、一度だけ電話をくれたことがあるの。その時に、迷ってるって言ってた」
「迷ってる?」
「何を迷ってるのか彼はそのときには教えてくれなかった。そして今も明確な答えは分からないまま……。でもきっとそういうことなんだと思う。死を目前にして好きだった仕事も辞めてまでして横領事件を追った彼が迷うことといったら他にはないと私は思ってる。恩人である上司の罪を暴くことが自分にとって正しいことなのかどうか。死にゆく自分さえ黙っていれば、その人は救われる。その人が築いてきた地位も名誉も家族も」
「でも……」
「ん?」
「それを言い出したら、どんな犯罪者にもそういう築いてきたものがあるわけでしょ?」
私がそう言うと富永は酔いで垂れ下がっていた目尻を上げて私を見つめた。
「それはそうよ。私もそう思うわ。だけど室谷には自分が死の間際にあっても迷ってしまうほど、それだけその人のことが特別な存在だったのよ」
「それでもやっぱり罪を犯したら償うべきじゃ……」
富永は私の言葉を遮るようにテーブルに手をついて立ち上がった。
「そんなきれいごとより」
彼女の声の大きさに酔っぱらいを非難するような目でカップルがカウンターの方からこちらを見ているのを感じる。
その視線に自分を取り戻したのか、富永も糸を切られた人形のように力なく椅子に戻った。「ごめんなさい。でも、きれいごとよりも室谷がどう思っていたかが大事じゃないかな。……少なくとも私はそう思うの」
言われてみればその通りだと私は思った。
テツオに託された富永も、その富永を手伝うような格好の私も、今さらテツオが望んでいなかった結果を求めても仕方ない。
テツオの遺志を果たすのが弔うということだろう。
私たちはしばらく通夜のように押し黙った。
富永はいつの間にか空になってしまっていたグラスを弄んでいるだけで、口を開こうとしない。
カウンターのカップルのつまらない会話だけが耳に届いてきて鬱陶しい。
私はずっと気になっていることを富永に訊ねてみた。
「小説の最後はどうなるんですか?」
富永はいったいエンディングをどのようにまとめるつもりなのだろうか。
テツオは何も解決しないうちに死んでしまった。
黒幕の正体は分かっていても、それを暴くことをテツオが望んでいるのかさえ分からない。
「まだ分らないの。でも何となく青木さんに会えて今日それがつかめたような気がしてるわ」
「私と会って何か参考になりました?」
「すごく助かったわ。何よりも室谷の遺志を大切にしたいって自分の気持ちに気づけたことが大きかった。室谷が真犯人を究明するような結末を願っているなら、私にそういうメッセージを伝えると思うの。室谷の行方が分からなくなったことで警察は私を一時期徹底的にマークしてて、そんな私に何かを伝えようとするのは難しかっただろうけど、彼ならそこを何とかしたはず。でも、私に届いたのは日記のようなメモだけだった。私にとってあのメモは小説を書いていくうえでとても参考になるものだけど……。ねえ、青木さん」
富永は射すくめるような眼で私を貫いた。
「はい」
「室谷から何か預かってない?あるいは、メモを見て何か思い当たることはないかしら?どんな些細なことでもいいの。室谷の私たちへの遺志がどこかに垣間見えない?」
私は押し黙った。
テツオの遺志。
どこかにテツオのメッセージは残されていないか。
私は意識を胸の裡に向け、閉ざした記憶の扉を一気に開いて隅々を検めた。
私がテツオと過ごした部屋には彼が残したものは何もなかった。
きれいさっぱりなくなっていて、テツオが存在したことすら自信が持てなかったほどだ。
となると、彼との会話の中に何か大事な意味があっただろうか。
いや、ないだろう。あの寡黙なテツオの口から零れた言葉の一つひとつがはっきりと耳の奥に蘇ってくるが、どこかに富永が言うようなメッセージが隠れているとは思えない。
私は仕方なくゆっくり首を横に振った。
落胆する富永を見ることができなくて、私は俯くしかなかった。
「気にしないで。何も遺さなかったっていうこと自体が彼の遺志なのよ。彼は悩んだ末にそういう結論を出したということね。私たちはそれを尊重する。それでいいかしら?」
私は努めて笑顔を作り大きく頷くと、鞄の中からテツオのメモを取り出し富永の前に返した。
富永は押し戴くように受け取ると、どこか諦めきれないような表情でメモを開いた。
パラパラと読むとはなしに捲っている。
「青木さんの御主人はどんな方?私が知ってる室谷みたいに狂犬って感じ?それとも青木さんが知ってる猫っぽい哲夫さんに近いの?」
「んー。少なくとも狂犬ではないですね。強いて言えば羊かな。ほんと頼りなくて」
テツオも私にとっては猫のように静かで大人しい人間だったから一緒にいられたのだろう。
そういう意味では青木のような穏やかな性格の人を私は好んでいるのかもしれない。
「羊も意外にここぞっていうときは度胸があるのよ」
「そうなんですか?」
「そうよ。テレビのドキュメント番組でキレた羊が牧羊犬を追い払ったとこ見たことあるの。羊は目に見えないところに胆力を隠し持ってるのよ」
「だといいんですけど」
普段の夫の様子を思い出してみる。
腹の据わった夫。度胸のある夫。行動力のある夫。
……全然結びつかない。
思わずため息が出て、私は大げさに首を横に振った。「うちのは全然だめです。要領が悪いって言うか、間が抜けてるって言うか。悪い人じゃないってのは分かってるんですけど、しょっちゅうこの人大丈夫かなって心配になります。今日だって泊まりがけの出張に行ったんですけど、一緒に行く上司と気が合わないのがストレスだったのか、昨日の晩に飲めないお酒を飲んで、その結果寝坊して電車に乗り遅れることになっちゃって。全く何やってるんだかって……」
情けなくなってくる、と言いかけて私は口を噤んだ。
夫の愚痴は後から後から際限なく出てきて、ここで止めておかないと収集がつかなくなりそうだった。
富永は眉を八の字にして困ったような申し訳なさそうな不思議な顔つきをして私を見ていた。
私に同情してくれているのだろうか。
でも狂犬と言われるような頼りがいのある男性と結婚していた彼女には私の気持ちなど分かるまい。
しかし彼女が次に語り出したのは意外なことだった。
「私が今から言うことを御主人には内緒にしてくれる?」
「え?何ですか、急に」
「絶対に言わないでね。きつく口止めされてるから」
「は、はい」
誰に口止めされているのか、と内心首を捻ったが、私は富永の迫力に押されて頷いていた。
「実はね、このメモは不動産会社から室谷の遺品としてもらったものではないの。ちょっとした家具とか身の回りのものとかは不動産会社から引き取ってくれって言われて、それはそれで事実なんだけど、このメモだけは不動産会社とは全く関係のない、ある人が室谷から富永硝子に渡してくれって頼まれて預かっていたみたいなの」
「は、はあ」
富永の言いたいことが分らない。
富永は嘘をついていたということだろうか。
しかし、何のために。
「そのある人って、あなたの御主人なの」
「え?」
あまりの驚きに私の眼球は飛び出しそうだった。
「あなたの御主人はあなたと室谷の関係をある程度知ってるんだと思うわ。そして、実は今日私があなたと会うことも知っているの。昨日飲めないお酒を召し上がられたというのなら、それは出張だけが原因ではないのかもしれない。……あなたの御主人はあなたのことを心から愛していて、優しくてとても強い方よ」
あいた口が塞がらない。
私は思わず背もたれにのけぞり、椅子から転げ落ちそうになったが何とかこらえた。
それこそ酒でも飲まなくては気が変になりそうだった。
頭を抱えて混乱する私に富永は順序立てて説明してくれた。
先月富永の携帯に一本の電話が入った。
それは青木と名乗る丁寧な口調の男性からだった。
室谷という人のことで話がある、彼から預かっているものがありそれを渡したい、と言うのだ。
青木の話し方から彼が警察関係者ではないことは富永には分かった。
富永はテツオが死んでしまったことで小説をどう展開させていくべきか分からなくなり、書き続ける気力も失ってしまっていたところだったから、青木からの連絡に少し希望の光が見えたような気がして、喜び勇んですぐに場所を指定して会うことにした。
待ち合わせに現れた青木は富永に室谷について知っていることを語り出したとのことだった。
「御主人はある日、仕事からの帰り道に突然一人の顔色のよくない中年男性に呼び止められたんですって」
その男がテツオだった。
テツオは青木に、自分は室谷という者で松山由香里さんに大変世話になったというようなことを言った。
命の恩人という言葉も遣ったらしい。
その松山さんが非常に体調を崩していて心配だ。
青木さんに彼女を支えてほしい。
それだけ言い残して逃げるように立ち去ったという。
「御主人はずっと前からあなたのことが好きだったみたいね。でもさすがに、見ず知らずの人にいきなりそんなこと言われても、と思ったみたいよ。当然よね。だけど、その日の深夜にあなたから電話が掛かってきて駆けつけたら部屋の中であなたが倒れてるのを見つけて……。救急車を呼んで病院に運びながら御主人は思ったみたい。あの人が言った通り僕が松山さんを支えていこうって」
どうやらテツオは私の前から姿を消した日に青木に会って私のことを託したようだ。
勝手に私を他人に任せないで、と文句の一つも言いたいところだが、その相手はもういない。
テツオがどうして青木にそんなことを言ったのか不思議だった。
青木のことは愚痴交じりに何度かテツオに話したことはあったが、その内容から私と彼の関係を相性良しと判断したのだろうか。
だとすればあまりに無責任だが、実際に結婚に至ったのだから、その眼力恐るべしとも言える。
「そして今から半年前に、職場に御主人あてに室谷から手紙が届いたらしいの。その手紙にはもう一つ封筒が入っていて、その封筒を三ヶ月経ってから富永硝子に届けてほしいって書いてあった。御主人にとっては迷惑でしかないわよね。でも室谷は死ぬ間際に実直なあなたの御主人に賭けたんだと思う。私はまだ警察にマークされていたから直接私に送るのは危険だった。自分が死んでほとぼりが冷めたころに何の関係もないあなたの御主人を経由すれば私に間違いなくその封筒が届くだろうって算段だったんじゃないかしら。そしてあなたの御主人はその通りにやってのけてくれた。そして御主人が私に渡してくれたのがこのメモなの」
私は富永が手にしているメモを見つめた。
そこまでしてテツオが遺したかったメモ。
富永がこのメモにこだわるのも深く納得できる。
テツオの遺志はやはり富永をして私に礼を言わせしめることで終わるというものではないように思う。
そう言えばこのメモを読み返していて何か違和感を覚えたのだった。
しかし、それがどこから生まれたのか未だにたどり着けないでいる。
どこだろう。どこに私は引っかかったのだろう。
「あなたは救急車の中や病室のベッドで室谷の名前を呼び続けてたみたいね。御主人はそれを聞いて、あなたが室谷のことをどれだけ想っているか理解して、自分があなたのことを振り向かせられるかどうかすごく心配だったみたい。結婚した今でもまだあなたの中で室谷のことが過去のものとして整理できていないんじゃないかって不安なんですって。室谷を題材にした小説を書いていて奥さんにも色々話を聞かせてもらいたいって私が御主人にお願いしたら、すごく悩んだ顔をされたけど、最後には快く承知してくださったわ。妻は時々物思いに耽っている時があって、まだ昔の彼のことをふっ切れていないみたいだから、今後の僕と妻との関係を深めるためにここでしっかり過去を振りかえって整理してもらいたいって」
私は自分のことが嫌いだった。
自分のことが嫌で嫌で、どうにかして私という自分から逃げ出すことができないか、といつもいつも思いを巡らせていた。
それがいつしかそんなことを考えないようになっていた。
あれだけ何十年間もの月日の中で片時も私の頭の中から離れなかったその思考がいつの間にか気付かぬうちに消え去っていたのだ。
私は思い至った。
夫との結婚を機に私は自分のことが嫌いでなくなったということに。
好きとまでは言えなくても逃れたいと思うほど嫌ではなくなり、今、私は無意識のうちに私という自分と折り合いをつけて毎日の生活を安穏と送っている。
それはきっと夫に愛されていると実感できているからなのだろう。
こんな自分でも明確に必要としてくれている人間がすぐそばにいる。
ただそれだけのことで私は私という自分を肯定することができるようになっていたのだ。
「私、自分からお願いしておきながら、怖くないんですかって思わず御主人に訊ねちゃったの。だって、私があなたと会うことであなたが昔の同棲相手を思い出すことになるでしょ。上手に吹っ切れればいいけど、逆にそれがきっかけであなたの御主人への気持ちが冷めちゃうってことも考えられなくはなかったから。でも、そのとき御主人はこうおっしゃったわ。怖くないと言えば嘘になるけど、どれだけ背伸びしようとしても僕は僕でしかなくて、ここで僕への想いが萎んでしまうようだったら、今回のことがなくても遅かれ早かれ夫婦生活は破綻してしまうだろうからって」
私は夫のことを思った。
夫は強い人だ。
自分という人間を隅から隅まで知り、誰よりも正しく自分を評価していて、その自分を装飾や小道具で華やかにしたり大きく見せようとしたりせず、逆に小さく卑屈になることもない。
苦しいときは苦しいと言うし、つらい時はつらそうな顔をする。
だけど自分の中にしっかりと芯を持っていて、周囲に何か言われたり思うように事が進まなかったりしても、自分を否定してみたり自分の価値を見失ったりすることなく、自分という存在をぶれさせることがない。
今後彼と一緒にいることで私も彼に感化され彼の強さをいくらかでも自分のものにすることができるような気がする。
あるいはもうすでにそれができているからこそ今日のようにいつの間にか自分を否定していない自分を発見できたのかもしれない。
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