あとがき
まい_すぺーすを読了いただき、ありがとうございます。でんでんと一緒に、暑い夏を体感していただけたでしょうか?
このお話。実は、最初全く別のテーマで展開しようと考えていました。基本的なアイデアは同じで、時間の流れの違う隙間があるのを知った女子高生三人が、その隙間の使い方を巡って右往左往する、というプロットをずいぶん前に作ってたんです。でも他作で女子高生を使ってしまったので、ネタが被るなあと思って主人公の年齢を上げました。ついでにテーマも変更しました。
『創る』ということ。
最初のプロットでは、隙間の存在を通して時間の意味を考える筋立てにしていたんですが、隙間の扱いを格下げして単純な小道具にしました。その代わり、でんでんに卒制の悩みをどっぷり背負ってもらって、そのブレークスルーにあの隙間が関わるという形にしたんです。
『創る』ということ。わたしもこうやっていろいろなものを書くようになってつくづく思うんですけど、見せないと始まらないんですよね。棚倉さんのきっつい一言がありましたが、それが商業ベースであってもなくても、創作物を見せる意識がないと創作から得られる満足感ががっくり減るんじゃないかなあと思ったわけです。
それは、創作に限らず自分の意味を考えるっていう点でもそうでして。他者との関わりの中で生きていかざるをえない以上、自分をどう創造していけるかが人生の豊かさを得る上で大事なんじゃないかなあと。それを『わたしの場所』っていう形で表現してみました。
今回、もう一つ素材として利用したのはブログです。読者の顔が見えないおもしろさと怖さ、限られた量の情報の中からわたしたちが拾い出そうとするもの、そこから生まれる繋がり……そういうのは宝の山だなあと。コンテンツにシンプルに同調すること、共感を感じることはもちろん大事だと思いますが、共感以上にダイナミックな心の動きがあった方が、もっとおもしろいんじゃないかと思うんです。確たるものが何もない世界で、わたしたちは想像力を試されます。そこが楽しい。そこがおもしろい。そんな風に考えられないかなあと。
それはそうと。恋バナになり損ねてる感じがあるかもしれませんが、そっちをあまり膨らましてしまうと話が発散するので、この後の展開はみなさんの方で妄想していただければと思います。野崎センセとしげのさんの方には、熱々のシーンがあるのにねー。いひひ。
おっと、話が逸れました。まあ、この話にはあまり小難しい要素は入れなかったつもりです。若干の謎解き要素はありましたけど、あくまでもスパイス扱いでしたし。暑い夏をでんでんと一体化してどたばた走り回っていただけたなら、それでいいかなあと思ってます。
読後のもう一つのお楽しみ。でんでんは、実際にどんな作品を創ったんでしょうね。そういうのも妄想して楽しんでいただければ。
最後に改めて、本作を通読してくださったことに深く感謝いたします。
おおきに!
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