エルフっ子との会話

「えーと何を見てたんです?

 俺、昨日はろくな事をしてなかったと思うけど。」


 そう言った瞬間、2つ思い当たることがあることに気が付いた。

 俺がこの世界に来た瞬間を見られていた場合だ。

 これで、何もない所からワープしてきたとか言われたらどうしようか。

 あと、金縛りの能力に、気付かれたか。

 でも、魔法がある世界で多少の超能力的なものを使えた所ですごくも、珍しくもないとおもうのだが。

 まぁばれてしまった物はしかたない。

 前者のワープの言い訳はどうにかしないといけないが、後者なら、能力の説明くらいしても構わないかな?


「それは、あなたがメタルダマを一方的に殴っていたからです。

 普通あそこまでダラダラと殴っていたら、反撃されるか逃げられますよ。

 いったいどうやったのですか?」


 メタルダマってなんだろう。

 ああ、あの昨日倒した銀色の妙に顔のモンスターかな。

 あれは、ただ金縛りを使ってボコボコにしただけだからな。

 俺にとっては、まったく凄くない。

 後、ダラダラ殴ってたって、微妙に悪口


「あれは、まぁ適当に動きを止めて攻撃してただけなんだけど。」


「え、メタルダマって通常、状態異常に成りませんよね。

 いったいどうやったんですか?」


 あれ、会話が微妙にループしているような気がする。

 と言うより、あのメタルダマと呼ばれているモンスターは耐性持ちだったである程度強いモンスターだったのか。

 まぁ、金縛りの能力について、教えてしまっても構わないと思ったけど、普通出来ないことをできると、後々面倒ごとになるかもしれないかな?

 取り合えず秘密と言ってごまかして置くか。

 


「それは、まぁ秘密かな。

 詳しくは言いたくないんだ。」


 そう、適当に笑いながら誤魔かした。

 

「ああ、そうですか・・・。」


 なんか、悲しそうな顔でそう言われた。

 さて、この後どうしたものか。

 気まずい空気になってしまった。

 かといって、まだ朝食が残っているので立ち去ることができない。

 取り合えずこの子は、あれだ。

 理由はわからないがメタルダマを倒したいのかもしれない。

 ちょっとその辺の話題をふって、みるか。


「メタルダマを倒したい理由でもあったのかい。」


「え、それは速くレベルを上げたいからに、決まってるじゃないですか。

 だって、あのメタルダマ、変な顔しているくせに普通のモンスターの数倍の経験値持っているですよ。

 冒険者なら誰でも、倒せるものなら倒したい、そう思っているはずです。

 あなたも、経験値欲しさに頑張って、メタルダマを血眼になってボコボコにしてたじゃあないですか。」


 俺、そんな怖い目をしながらメタルダマを殴っていたのか。

 そういえば、あのメタルダマを倒した後、自分のレベルを確認していなかったな。

 一様確認しておくか。

 そう思って、冒険者カードを確認してみて驚いた。

 レベルが23になっていた。

 おお、一気に上がったな、ほとんどの能力値もレベル1の頃と比べて数倍になっている。

 あれ、かしこさだけ、そんなに増えていない。

 

 

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