恐怖の五期生編⑦
次の日、五期生から脱落者が出た。
本部長に泣いて懇願した、一般公募の1人が来なかった。
そりゃそうだ。人数合わせと言われれば、やってられないだろう。
こうして五期生は6人になった。
本部長は言う。
「さて、他店の店長の講義はおしまいだ。君らは全員、A店に行ってもらう。」
A店とは、当チェーン店当時最大級の店舗。
ワンフロアに1000台以上のパチンコ店である。
そして、当チェーン店最大の離職率を誇る悪名高き大型店であった。
ただ、人手が足りないから、そこに行けと言われているようなものであった。
「君らはそこで、無理だと感じたら、いつでも去ってもらってかまわない。」
まさに戦場。逃げれば退社。無職。
僕ら6人のうち、1人は一般公募、それ以外の5人は自分たちの働いてる店から閉め出された半端ものたち。
その戦場で何かを見つけるしかないのだ。
そして、A店に着いた僕ら6人は驚愕した。
朝の8時に店の表に、とぐろを巻くようにもうお客さんが並んでいる。
そこに拡声器を持って、大きな声を張り上げているのがそこの店長だった。
「おはようございます!」
そう言った僕らに、店長は拡声器で怒鳴った。
「早く中に入る!」
まさに戦場の入り口。
そこから出られるのか?
もう、誰にもわからない。
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