救われない救い

 甘えさせてくれたんだ。



 救われていたんだ。



 そんな、ある日。



「私、彼氏いるんだ。」



 え?



「んー……でも、ま、いっか。考えるのめんどくさい。」



 両手を広げてくる。そう、いつものように。



「おいで。」



 傷ついた心を、傷つけた本人が救ってくれる。



 ずいぶん、塩分濃度の高いお薬ですね。

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