第25話「校内戦:二年生の部:エキシビジョンマッチ」


 今日の臨時に造られた闘技場は多数の人で溢れかえっている、校内の殆どの生徒達が此処に押し掛けたが入りきらない為に臨時で場外に大型のディスプレイが設置されている。

 また、闘技場には多くの放送局がこの試合だけを撮るために押しかけているが中には明らかに一般人とは異なる雰囲気を醸し出している報道関係者も居るようだ…校長の挨拶が終わりエキシビションマッチが始まろうとしている。


『校内イヤ全国津々浦々の皆さん、放送委員3年の川平純かわだいらじゅんことジュン・カビラと』


「同じく放送委員3年、北沢剛きたざわたけしことキタザワがお送りしてます、それではエキシビジョンマッチ選手入場の前に新しい解説者を紹介します、先日は吉良大和きらやまと氏でしたかが先日のジャスコ事件で用事が有り来れません。替りに本日は、校内序列3位の爆弾魔ボマーこと緋色結衣ひいろゆいさんと校内序列2位・現世界3位・魔王の妻●●●●こと諸刃奈々もろはなな氏です!」


「こんにちは、緋色結衣ひいろゆいです!番組は其の儘で!見れくれないとお前を殺しちゃうぞ!」


「誰が!魔王の妻だ!私は只の彼奴と一緒に住んでいるだけであってな!!やましい事はない!嘘言うと燃やすぞ!」


 茶色のショートヘアに茶色の瞳の小動物の様な可愛さのある少女ユイ、朱茶色の髪に赤茶色の美女ナナが物騒な言葉を並べながら画面に手を降っている


「両氏には後ほど解説をしてい戴きますが、奈々さんどうして手に火を持って!ジュンさん!!選手紹介、お願い、アチャアチャ」


解説席側の画面が消えると席あたりから爆発音と黒い煙が上がった


『ハイ、此方ジュンです!其れでは選手の紹介をしたいと思います』


歓声がする青コーナの方から出てくるのは大男と少女が出てきた


『青コーナ!黒髪黒目の大男は鉞金太郎まさかりきんたろう選手です。武器は巨大な斧です!使う様は名前の通り金太郎と呼ばれています。豪腕から繰り出す攻撃は多数のライバル達を場外に吹き飛ばして来ました!

 続いて、黒髪に碧眼のポニーテールにスレンダーな躰が特徴の一寸褒子いっすんほうこ選手です。武器は小槌で躰の大きさや武器の大きさを変えたりするエキセントリックな攻撃で決勝戦では金太郎選手を翻弄しその様は物語の一寸法師の様だと評判を受けています』


今度は更に大きな歓声とブーリングが聞こえながら少年が入って来た


『朱コーナ!黒髪に左目が琥珀色のこの方こそ校内序列1位・現世界1位・魔王の異名を持つ付焼匡央つけやきまさひろ生徒会長です!武器は不明ですが[万象の太刀ばんしょうのたち]と言われて居ます。多くの生徒や関係者が彼のメンタル・ギアの使う所を一目見ようと鵜の目鷹の目で見ています!会長に取っ手は自分の手を晒す事に成ります!キタザワさん生きていますか!?どうぞ!』


「ケホッ…此方、キタザワ大丈夫です!

 所でお二人は会長はどの様に戦う様に思われますか?」


彼奴あいつのことだから間違い無く」


「多分、何時もの公式戦で戦う様に舐めて戦うな、何時か殺す…」


「舐めるとはどういう事ですか緋色ヒイロさん?」


「つまり、刀の柄に触れるだけで抜かないな絶対にな…」


「アイツが公式戦で最後に抜いたのは昨年の世界選手権大会の決勝だけだ!」


「マジすか!!」


「「まじだ!我々相手では少し抜くが刀という形以外我々も会長の武器を知らない!」」


『あー解説席、試合の準備が出来た様です!』


 審判が手を上げると少年と大男、少女が互いに礼をして審判が手を下げると試合が開始し、即効で動いたのは少年で直ぐに姿が消えた。次の瞬間に、大男と少女は自分の背後へ向きを変えて武器を構えたが何時もなら現れるだろう少年の姿は無かった。

 少年カレは彼等が振り向く前の方つまり少年カレが居た側に現れ、彼等の肩に触れると一歩二歩三歩とバックステップをし次の瞬間に彼等の足元で砂嵐が起き彼等の姿が見えなく成った。


 やがて、砂嵐が晴れると其処には巨大な斧を持った大男と小さい躰の少女が火花を散らし戦っていた


『此れは仲間割かー!!一体何が起きている!!』


「あー此れはー」


「あー掛かったな!馬鹿め!」


『何なのでしょうか?ご説明願えませんか奈々副会長!?』


「有れは、奴の十八番おはこ幻絵ファントムペイントだ!」


幻肢痛ファントムペイン?」


「ペイント!幻絵ファントムペイント!彼奴は会長の仕事が嫌で研究とか他の事をしたい時に仕事をする様に見張っている私とか生徒会の人物に触れて、自分が机に向かって居るように幻影ファントムを見せて抜け出す為に技を開発したのだ!お陰で私の仕事は進まず何時も締切ギリギリまで決済が進まず、どれだけ苦労したか…後は、たまに会長の部屋に夜に入ったら何故かベッドに居るブラウに幻絵ファントムペイントが掛けられて居て朝まで抱きついたらブラウに抱きついているとかな!!私を謀るのもいい加減にして欲しい!!」


『チョッ待って、奈々さん!転校生で王族のブラウさんが会長の家のベッドに居るとか其処の変を詳しく!!』


「ジュンさん!!試合を!」


『うっさい!キタザワ!!ボッシュトーーー』


「キタザワ…貴様を殺す」


キタザワ氏の椅子の下が爆発したかと思いきやキタザワの姿は床下に消えて行った…


 一方、試合の方はどうなっているかと何方もボロボロに成りながら戦って居る、彼等は互いに向き合いながら戦っているのが彼等は会長かれと戦って居る様に見えているのだ!

 やがて大男きんたろうが渾身の一撃で、斧を少女ほうこの華奢な躰を真っ二つせんとばかりに横に振った瞬間に少女ほうこの姿は消えた、イヤとても小さくなって大男きんたろうの背後に廻ったのである。

 次の瞬間に、少女ほうこは元の姿に戻り大男きんたろうの頭を小槌で叩くと大男きんたろうはとても小さくなり見えなく成った。そして、思いっきり少女ほうこが小槌で大地をペチンと叩きもう一度小槌を振ると其処にはボロボロに成った大男きんたろうが其処に現れた、少女ほうこは其れを見てガッツポーズをしながらどや顔でそらを見ながら


「やった!会長に勝った!!世界一位に!!!!はぁァ!?」


 驚きの声を上げた、何故ながら宙に巨大なシャンデリアが煌々と火を付けながら浮いており其処には会長かれが居たのだ!先程潰したはずなのに…と思いながら潰した方を見ると一緒に戦うハズだった大男きんたろうがボロ雑巾の様に転がって居た


「え、え、なんでどうして、私は一体!何を何が一体どうして!!」


 ぐにャーっと少女ほうこは躰を捩りながら両手をムンクの叫びの様に両手を顔につけると何時の間にか落としていた小槌は消え始めていた…どうやら動揺の余りにメンタル・ギアとの接続が切れ始めた様だ


「さてと、じゃ、行くよ、今考えた我が必殺技!業火奈シャンデリアファントム・オブ・オペラ!!」


 余りの非常識な光景に膝を付き上を向き向いている少女ほうこへ向け会長かれが乗った巨大なシャンデリアは無慈悲にも落下し、倒れている大男を巻き込み吹き飛ばしながら地面に激突しガラスや金属の割れる音がし土煙が舞い散った。


「うん、今度は峰打ち成功したみたいだね」


 煙が晴れ、シャンデリアの上に立っていた少年かれは本来なら尖っていた●●●●●シャンデリアの先が丸まり●●●少女ほうこの躰を地面に穿つようにめり込んでいるのを見ながら地面に降りると嬉しそうに声を上げた。

 因みに少女ほうこ選手の様子は白目と口から血を吐き大きく広げた股間から流れる液体が大地を濡らすという惨憺たる状態であり此れが全国に流され社会的にある意味死んだ●●●●●●と言わざるを得ない状態であり、大男の方も起き上がっておらず躰の彼方此方にシャンデリアの破片が刺さりピクリとも動いていない。


暫くして何時の間にか待避所に入っていた審判が我に返った様に


「ウォンバイレッド!付焼匡央つけやきまさひろ


 声を上げると闘技場が静まりかえっていた震えるように声が上がった、ある者は褒めある者は罵倒しているとアクアブルー蒼きドナウ色の髪の乙女ブラウ会長かれの元へ妖精が飛ぶように歩いて行き抱き付きながら唇にキスをした


『此れは、どういう事でしょう!ブラウさんも会長の嫁、イヤ正妻に成ったのでしょうか?という事は奈々氏は側室!?奈々さん?此れは?』


 降ったが其処に副会長ナナは居らず、闘技場中央の会長かれとブラウの方へひとっ飛びしながら両刃を展開すると


「我が業火の炎にて死ぬがよい、ブラウ!!!」


 闘技場に隅から隅へ響き渡らんばかりの声がすると同時に全局の映像が赤く成り闘技場の大地は朱く燃え上がり周りにも燃え広がり人々は逃げ始めたが会長かれとブラウの周りは燃えて居らず、会長かれが飛んできた奈々を抱きキスをしていた。

 会長かれが唇を離し


「えと此れでブラウさんと奈々さんおあいこだね!問題無いね!」


声を掛けたが聞こえて居らず


「初めてのチュウ、男の人とキス…」


 カクんと気絶したかと思いきや闘技場中心に小型の太陽が生まれたと思いきや風船の割れるように壊れると灼熱の炎コロナが闘技場に広がり次の瞬間に奈々を抱いた会長かれと傍に居るブラウを巻き込みながら闘技場は爆炎で文字通り焦土とかした。

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