第21話「パニック・イン・ジャスコ(前編)」

 此処は土曜日、東京で最大の店舗数を誇るJapan All Stores Conect Organization、通称JASCOジャスコに今日は少年かれ少女達ブラウ&奈々少年かれの兄から貰った映画の試写会と兄が招待されたメンタル・ギアの展示会に兄の代わりに来て居る。

 映画の方は、[新訳とある宇宙うみを行くタイタニック]というタイトルのSF作品で中身は少女エージェントほむらが行方位不明に成った友人が残した謎の言葉[支援者インキュベータ]を調査する中で豪華宇宙客船タイタニックにその支援者インキュベータなる人物が居る事を突き止め乗り込んだ。

 だが、中は代替指揮官ラストパタリオンを名乗る少佐が宇宙吸血族カンプグルッペの戦闘団を率い乗客を襲ったり、客船を設計したテロリストが操縦室を奪い地球へ客船を落とそうとしたり、密輸入されたサメやワニや怪獣が逃げ出し暴れ回ったりする地獄絵図に成って居た。その中で少女エージェントが活躍する物語で有った。


「ウェー頭が痛い…何なのあの物語、最初3秒で麻美マミって子が怪獣に頭を食べられた所しかインパクトにしか残っていない」


「最後は、感動しましたわ!地球に直撃するコースを飛んできた巨大隕石アルマゲドンを破壊するために全員が協力するなんて、少女も女神と成った友人に会えて二人は幸せなキスをして終わり」


「嗚呼そうだね、[地球をこんな隕石如きアルマゲドンにやらせはせん]と言いながらまた一人と散っていくのは感動だったね、有れが悪役ヒールの美学という物なのかな?」


「ブラウさんも会長も、良く覚えているね…」


「「B級映画にしては良く出来ていたよ、一度でいいと思ったけど癖に成る物語だね!」」


映画館のロビーの休憩場所で頭を抑えている少女ナナと二人の男女が居る


「さて、次はお待ちかねメンタル・ギアの展示会だよ、奈々さんもブラウさんも行こう」


少年かれが言うと少女達は其々彼の両脇にくっつきながら彼にエスコートしてもらう事にした。


***


 此方は警視庁地下の観測所こうあんしれいぶの暗い部屋の中、女性の横に居る男がジャスコ館内からの映像を見ながら聞く


「あの室長、対象[M]と[ダブルエッジ奈々]と[ブラウ]の観測はしていますが何か問題でも有りましたか?」


『いや問題は無い、イヤな起こるとしたら此れからだろうな、テンプレ的にはテロリストとかが襲撃とか、流石にオークとかゴブリンの襲撃は無いしな』


「ですが先日、N・G・Oノン・ギア・オーガナイゼイションの幹部多数が違法武器所持容疑で一度に捕まりました、此れを奪回する為に人質事件を起こすとか」


『無いな、アイツ等は今、組織の再編と今回の逮捕についての総括内ゲバで忙しいハズだ』


「其れでは、何も起こらないと…」


『馬鹿か!起こるに決まってるだろ!』


ディスプレイを動かしながら多数にコマ割りされ表示されるのは多数の外国人らしき男女の姿だ


『アメリカ、エウロパ連邦、英国、ロシア、イスパニア・ポルトゥス連合王国、民生中華連邦シビックチャイナ、選り取りみどりの工作員のフルコースだ』


「之では…」


『そうだな、何もしなくても彼等の方からアクションを起こしそうだな!』


少年かれ少女達奈々&ブラウの移動に合わせてストカーする集団を見つめながら言い合っていた。


***


 此処はメンタル・ギアの展示会場、多数の付焼連合ツケヤキコングロマリットの様な大企業や中小企業がブースを展開し民間用から工業用果ては警備・軍事用までを展示している。民家用では[電気不使用掃除機ギア・クリーナー]、工業用では[無資源運搬機ギア・フォークリフト]、そして警備用等人型の機械のメンタル・スーツM・S等が有る


「おおすごいね!此れが最新のメンタル・スーツM・Sか!」


 少年かれが目をキラキラさせながら声を上げると傍に居た説明員らしき女性はパンプレットを渡しながら


「はい!此れが四谷よつや重工の最新のメンタル・スーツM・S[スケルトニア]と成っております、もう暫くしたら駆動の実演が始まる予定に成っています」


 パンフレットを受け取り傍で3人で見ると全高4.5mはフル装備で7t装備にはアイ・カメラ、メンタル・バイブレーション・ソードMVS: 精神波振動剣、アンカー射出機、ランス、メンタル式アサルトライフル、オプションでメンタル式大型キャノンロケットランチャーなどが有る等が書かれている。


「誰かと思ったら、諸刃重工の奈々さんじゃないですか?」


 3人が振り返ると其処には顎と首が一体化しハゲ散らかした頭にギトギトした額に樽に手足が生えた様な姿の男が居た。イメージ的には230年前に放送されていたエピソード6で完結した暗黒面ダークサイドと正義側が戦い、エピソード7の新シリーズは盛大に爆死デススターし経営陣が金欲面ダークサイドへ落ちたと言われた映画で有る。男はその映画で、銀河を舞台にしたで砂漠の惑星で出てくる借金を踏み倒した男を炭素凍結カーボン・フリーズしてコレクションにしたナメクジの悪役を人間として二足歩行している姿に収めた様な姿をしている。


「誰?」


「ブラウは知っている?私は知らないわ?」


「ワタシついサイキン来たバカリノ外人デース、彼は人間なの?ホワーイ、ジャパニーズピープルは爬虫類ジャバザを散歩させるの?」


「なんだと!奈々さん、僕は四谷重工・財閥の後継者!四谷入堂よつやにゅうどうだ!」


「あ、思い出した!私の会社と合併する代わりに私と婚約を迫ったっていう男ね!写真だと随分加工されていた用だけど!」


その男は顔を真っ赤にさせながら


「何で貴様が此処に居る、今日はVIPしか入れないはずだぞ!もしかして、僕に会いに来たのか?」


「違うわ、私はツケヤキ君と一緒に来ただけよ」


「此奴!ツケヤキだと!何処の会社の息子だ!パパに言って潰してやる!」


赤くペイントした樽の様に顔を紅くして言い放つと


ツケヤキの会社は其処に有りますーねー彼は其処の会社の役員ですー」


 彼女ブラウは指を指すのは付焼連合企業ツケヤキコングロマリットM・G・Sメンタル・ギア・スーツ会社カンパニーのブースだ、更に指輪型端末リングを出し情報を見ながら


「貴方の会社はメンタル・ギアのコアは作れていないわ。ねぇ、ツケヤキ君の会社でコア部品が全て作られ日本で85%世界で55%のシェアを持っているわツケヤキ君が役員で一言、貴方の会社に売らないといえばどうなるか分かっているわよね?」


男は彼女ブラウの言葉を暫く思考した後赤くなった顔を元に戻しながら


「だが、まだ日本15%世界45%でしか付焼連合企業ツケヤキコングロマリットM・G・Sメンタル・ギア・スーツ品が使われて居ないではないか!いずれ、我々四谷重工もメンタル・ギアのコアも作れる様に成り付焼連合企業ツケヤキコングロマリットM・G・Sメンタル・ギア・スーツ会社カンパニーに肉薄するのだ!今日は最新のメンタル・スーツM・S[スケルトニア]を十分に見ていって来れ給えHAHAHA!!」


踵を返しながら[スケルトニア]へ歩いて行った。彼女ブラウは溜息を付きながら


「あの人は、独占禁止法とか知らないのですかね?ツケヤキ君の会社とアメリカ最大手のトーマス・ワールド・エレクトロニックT・W・Eのシェア率の配分を政治的決着●●●●●によって決めている事を…そして、付焼連合企業ツケヤキコングロマリット品のライセンス品がトーマス・ワールド・エレクトロニックT・W・E品だと知らないとは幸せですね」


意見を述べていると少年も[スケルトニア]を見ながら


「まぁ、此方は社員2人に向こうT・W・Eは万単位の社員を抱えているから仕方が無いね、多少の政治的決着で済むなら安いかな?あと、ドッチが売るかの問題で有ってロイヤリティは変わらない訳だからね。でも、向こうT・W・Eは人が関与するから不良が多くて前に国防総省ペンタゴンの人が来てどういう風に生産しているか見せて上げたけど自動人形オートマタに全てやらせるという行為に嫌悪感を持たれて様でその後はコンタクトはして来ていないな…」


呟いて居たが其れを打ち消すように


「皆さん、四谷よつや重工の最新のメンタル・スーツM・S[スケルトニア]の駆動実演始まりますので奮ってご参加ください!」


アナウンスがされ人々が人型機械の前に集まり始めたので有った。

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