第10話「狙われたのはどっち?(前編:発端編)」
よく晴れた四月の昼下がり、
「よく逃げなかったな!褒めてやろう!」
「呼ばれたから、来てみた、ご用事は何だい?」
普通は、其処は[私はレディのお誘いを断る事が出来ない
「先日の…書記に剥かれて居た所を助けて貰ったお礼をしようと思って、お弁当作ってきた…」
「有難う、お腹すいてたから、丁度良いタイミングだね、さあ食べよう!」
其れに遅れて校内の非常用ベルがけたたましく鳴り始め、弁当ケースを閉じると二人は生徒会室に脚を急ぎ向けた。
***
何が有ったのだろう?先ずは、10分程前の生徒会室に遡る。
此処は、生徒会室、通常は生徒会長・副会長・会計・書記や用事の有る者しか訪れない部屋に、しかも誰も居ない時は
その人物は、生徒会室の中を物色した後、会長の席へ歩を進め机の引き出しを開けようとしたが鍵が掛かっている為に開けられず持って居た開錠装置を鍵に付けロックを解除させている間に副会長室へ入り机の周りや棚をぐるっと見渡していた。
やがて、何かを見つけ棚へ向かい棚から出ていた紐によりロックされて居なかった引き出しを引張って中を暫くの間物色して居たが、この世と思えない悲鳴を上げながら副会長室から出ると生徒会室の入口に倒れた。
入口では、その人物に頼まれ見張っていた翠色のリボンを付けて居る2年生の後輩は倒れた先輩を揺さぶって居たが、白目と泡を吹く先輩を見て此れはマズイと思い
後日その人物が意識が失う目に後輩に言った[まだらの紐]という言葉がこの事件の名前に成っていく。
同時刻、此方は食堂、食べ盛りの男子生徒達が昼飯を食べているが、その男子生徒はラーメンと炒飯にカツ丼を食べている、其れを見て友人達が
「食べ過ぎじゃない?」
「イヤ、大丈夫、何時も会長は此れを食べているから、俺も世界一位の星に成りたいんだ!先ずは食生活から同じにしてみたんだ!」
「会長の腹筋の割れ凄いもんな、この間のファイブスターズの戦いの時に湿布を貼って貰っていた時の映像で話題に成って居た」
「よく食べ、良く運動し、己の鍛錬を欠かさ無い事でメンタルをより鋭くするって前会長がインタビーで言ってた、メンタル・ギアに鋭さを持たせるだっけ?」
「…、…」
「おい、どうした、急いで食べて喉にでも詰まらせたか?」
横に居たその男子生徒の友人が肩を叩くと男子生徒は食べかけの料理をテーブルの上に有った腕でなぎ払いながら床に躰を打ち付け躰を伸縮する様に震わせながら泡を吹き白目を向いた、友人の生徒は急ぎ
***
「二人共、緊急搬送され男子生徒は胃を急遽洗浄、女子生徒は血清が有った為に何とか事なきを得ましが後もう少し遅れたら我が校始まって以来の死者に成ると所でした、何が原因かは警察と共に食堂と生徒会室は要調査中です、何か質問は?」
「先生!生徒会室に入れますでしょうか?どうしても、明日までに決算しないと行けない書類が有るのですが?」
「会長!!アレ、まだ決算してなかったんですか?先生!有れが押されないと各部の予算が承認されないのです!!」
「まあまあ、
一人の教師と3人の生徒が職員室で詰め寄っている、教師は首を横に振り
「残念ながら、応じる事は出来ません、生徒会室は特に厳重に封鎖されています。私の方から校長へ各部の予算の承認の遅れに付いては情状酌量の余地が有りますので、何とかします」
最初は絶望的な顔をしていた、3人の顔が明るく成り会計の彼はガッツポーズをした。
***
「で、どうしてお前がいるかニャ!」
「メタネコ、其れは僕が呼んだからさあ、もう少しで出来るから待ってね」
「ああ、言ったよ、何が起きたか知りたいとね!だが、出来るのか?高校のセキュリティは超頑丈だと聞いている」
バスローブ姿でパソコンの前に座っている
「出来た!そんな事も有ろうかと事前にバックドアを造って置いたからね!其れなら簡単だよ。そして、僕の会長室のパソコンから防犯カメラの映像データに繋いで昼休みの生徒会室に何が有ったか見てみよう」
映像が映り、その時の事が映されるが有る所で止めた
「此処で何か映っている映像を拡大してみると、斑模様の紐?奈々さん紐何て置いていた?」
「イヤ、私は紐何て置かないし、そんな気色悪い紐は私の趣味じゃないぞ!
メンタル・ギアの可能性は?」
「ウーン、メンタル・ギアの反応は出ていない…寧ろ、生暖かい生き物の様だと反応が出ている」
彼等の議論は映像の最後の音声によって止まった
「
「ああ聞いたぞ!
「キーワード検索情報合ったニャ、19世紀のイギリスの小説家アーサー・コナン・ドイルに書かれた短編小説と一致タイトルは[まだらの紐]。内容としては、双子の姉妹の姉が義父に殺され、その今際の際に放った事からタイトルに成って居る。その後、ホームズによって妹を殺すそうとする義父の陰謀は防がれ、義父は蛇に噛まれ死亡というストーリですニャ」
してやったりと無機質な胸を張り、どや顔で言う猫を忌々しく見つめる
「もしかして、私を狙った…何故?」
「自分の立ち位置に自覚が無い、馬鹿に付ける薬はないニャ!いっぺん死んでみる?」
「もう、一回言ってみなさい!駄猫!三味線にしてやる!!」
そんな、二人の何時もの
「明日も、奈々さん、お弁当宜しくね。あと護衛も付けるから。君の為だからね、さて、僕は寝るよー」
「アンタが、どうしても作って欲しいというなら、作るのはやぶさかじゃないんだからね!」
作ってくれと言われずにショボンとしている猫耳メイドにドヤ顔を見せながら
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