激烈ワナビ戦

常木らくだ

激烈ワナビ戦

プロローグ

プロローグ

 新品の学ランに身を包んだ俺は、詰め襟を整えながら、赤レンガ造りの校舎を見上げた。

 春特有の優しい日差し。

 生徒達の希望に満ちた話し声。

 舞い散る桜吹雪が視界を遮るが、それがまた心地よくて、思わず口元に笑みがこぼれる。

「これが名高い文想ぶんそう学園か……」

 私立文想学園。

 今日から始まるこの三年間、我が学び舎となる高校である。

 俺がこの学校を選んだのは、女子の制服が可愛いセーラー服だからではなく、ましてや他の高校よりスカート丈が短いからでもなく、文想学園で採用されている『ワナビ戦』というシステムに惹かれた為だ。

「よし、それじゃ行くとするか!」

 俺は誰にともなく呟いて、最初の一歩を踏み出した。


 ああ、その通り。

 俺の最強伝説が今日から始まる。

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