コイスルサカナ、夢をみる。
コイスルサカナ、夢をみる。
広い川の橋を渡る。
河川敷にこいびとが集う。
「愛された記憶があるひとは」
ふりかえる
「後年に渡ってぞんざいに扱われることはなくて、それが永遠にサカナを守り続ける」
サカナはだいじにされる
おとこのこはみんなサカナに恋をする
それはサカナが愛されたことのあるひとだからです。
ダイーブして
ばしゃんと落ちても
手をさしのべられる
守られている
「きみは」
「鏡を見たらどんなこと考えるのですか」
「鏡すら見なくなったな」
サカナはサカナに見られるより
誰かの見るサカナを見る方が、ずっと救われる気持ちになるから
サカナはサカナ
コイスルサカナ
誰も傷つけるひとはいない
かわいそうだねと
抱きしめてくれる存在があったから
嫉妬するんだ
僕がサカナを傷つけたら
サカナは他の誰かに
抱きしめられに行くから
見えない腕が
サカナを迎えにくるから
そいつを殴ることも
サカナの肩からはがすこともできないから
だから同じように恋をする
すきしか、適わない
水面にうつるのはイデア
つかみようのない月
サカナはサカナ。
コイスルサカナ、夢をみる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます