ビニール傘

梅雨前に入ると町工場の一角で普段

使われていない機会が動く

金属の身体に透明な衣服を着せられて

私たちが大量生産されていく

梅雨の時季になると人々が次々と私たちを

買って雨をしのいでいる

でも私たちが梅雨の時期を過ぎると

次々に捨てられていく

私たちの中には一回使われただけで

捨てられるわたしもいる

高級な私たちと違って

安くて大量に作られる私たちは

愛着を持たれない

それでも私たちは『雨をしのぐ』

目的で作られているのだから

壊れるまで使って欲しい


だから私たちを捨てないで

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