すがるいのちに宿ったマホウ
浦山花房
~過去なき青年と喋る右腕~
ガダリア 襲撃 1
穏やかな春の陽光が照らす中、青年、ハーニーは汗だくになって鍬を振り下ろしていた。立派な民家の横にある小さな空間はもうすぐ耕し終わる。
これで終わり。鍬を振り下ろしたその時、横合いから声がかけられた。
「おうい。もういいぞ」
立っていたのは土地の持ち主。初老の男で背中が少し曲がっていた。
「こんなもんかねえ……よし、これで上がっていいぞ。ああ、今日は昼から来なくていいから。昼から用事があるんだ。ほれ、これは一週間分のお礼だ」
何枚かのレイン銅貨が手渡される。お小遣い程度の金額。
「いいんですか? ただのお手伝いなのに」
「いいんだいいんだ。君のところのウィルさんにはお世話になっているからね。その金は投資みたいなものさ。彼にどうかよろしく言っておいてくれよ」
「……そうですか」
結局ウィルさんにあやかりたいだけか。それが分かるとハーニーは感謝が馬鹿らしくなって、もらった銅貨を雑にポケットへしまい込んだ。
「そういえば……今日かな? 君がこの街、ガダリアに来て三年になるのは」
「え、あ、それは一昨日でした」
ハーニーが苦笑すると相手もそうかそうか、と笑った。
「まあ色々あっただろうが三年も経ったら居心地もよくなってきただろう。また明日もよろしく頼むよ」
ハーニーはひきつる笑みを隠すように「はい」と強く返事した。身を翻して帰路に就くと嫌でもため息がついて出る。
「居心地か……」
ため息は重く、表情は暗かった。
◇
ハーニーの住むこの街、ガダリアは西国で交易が盛んな街として知られている。東国との国境沿いであることは不安要素だが、商業的に活発になる理由でもある。防衛のためにガダリアは3m以上もある壁で囲われているが、交易都市のため門は常に開かれていた。
先の戦争は十年も前の話。それ以来外壁や門が本来の用途として機能したことはないという。
ハーニーが歩く道の両脇には露店が所せましと並んでいて、日用品から珍品まで様々な物が売られていた。それに伴って商売文句や道行く人の話し声が大きく、喧噪はひどい。
人の出入りが激しいこの街では、ハーニーの土まみれの服は珍しくない。やってきている旅人や行商人の目を引くことはなかった。
だが、それはこの街に暮らしていない人だけのこと。ガダリアの人間は違う。
露天商はハーニーを見て鼻を鳴らして一瞥し、店を回る貴婦人はハーニーに聞こえるほどの陰口をたたく。
「見てくださいまし、あの汚れた服……恥ずかしいと思わないのかしらね」
「成金平民のウィルに拾われた記憶喪失の子でしょ? 聞きましたわ。最近は畑を始めたチャールズさんに取り入ろうとしてるんですって」
喧噪がうるさくて話し声が大きくなるのは仕方ないことだ。こう言われることも仕方のないことなんだ。
そう自分に言い聞かせて歩みを速める。不快な言葉たちは離れるとすぐに雑音でかき消され、ハーニーは詰まるようだった胸をほっとなでおろした。
「ハーニー! 来てくれよ!」
声がした途端、横から伸びた手がハーニーの腕を掴んだ。そのままぐいぐい引っ張られて、ハーニーは雑多な裏通りに連れられる。
露店通りが表なら、整備されていない薄暗いこの通りは裏だ。
「ちょっと……そんな引っ張らなくても大丈夫だって」
ハーニーがそう言うと引っ張っていた小さな手は離れる。そこには10歳ほどの男の子が立っていた。身なりはお世辞にもいいと言えず、どこかで拾ったようなぼろぼろの服を着ている。
「だってタックが呼んでるんだ。ハーニーがぼおっとしてるから悪いんだろ」
少年はそう言って通りを先に歩いていく。ハーニーも後に続いて追いかけた。
通りを進むと、街はずれの廃屋に通じている。そこは、居場所のない子供が住み着いている、と街の人間から嫌悪されている場所だ。
「よお! きたか!」
その中でも一番大人びた少年が手を振った。
「やあ、元気そうだねタック」
タックもぼろぼろの服に穴の開いたマントを羽織っていた。15,6歳に見えるが、本人も年を知らないのだという。ハーニーは自分の方が一つ二つ年上なんじゃないかと感じていた。
「そりゃあ元気さ! 冬が終わってやっと暖かくなるんだからな!」
誰よりも春を喜んでいるんじゃないか。そう思わせるほど快活に笑う。ハーニーもつられて口元が緩んだ。
ここにいる子たちは皆親がいない。同じ境遇で徒党を組んで生きているのだ。集まって悪いことをしていたこともあったらしいが、今は大人しく、生きるため協力しているという。
普通ではない集まり。
こんな集団につるめるのは同じような境遇の人間だけなんだろう。
「それで何の用さ。僕にだって用事はあるんだよ」
「見りゃ分かるだろ」
タックの視線の先には魚を串刺しにした木の棒が束になっていた。
「これはもしかして」
「盗んだりしてないぞ! これは川で獲ってきたんだ! 街の東のカガン川で!」
「ならいいけど……それで?」
「火だよ、火! 早くしてくれよ!」
タックの前には藁などの燃えやすい物が積まれていた。これに火を付けろ、ということなのだろう。
「……魔法は苦手だけど」
実際ハーニーは火魔法を使えない。いや、魔法という魔法を使うことはできない。できるのは色のない小さな魔力の塊を生み出すことだけ。
だから火を起こすのも、魔力同士をぶつけて弾けた石火によってだ。やっていることは古典的な着火に過ぎない。
目をつむって魔力の塊を二つ想像する。
結果を頭に描いて、過程を追う。魔力同士をぶつけあって火花を散らさせる。
ボウ、と音とともに手が熱に驚いて引っ込んだ。手のひらがヒリヒリする。火はすぐに燃え移って大きくなった。空気が乾燥しているせいかよく燃える。
「熱いなあ……」
「サンキュー! さすが魔法だな!」
「魔法ってほど魔法らしくないけどね……て、聞いてないか」
礼の一言を皮切りに皆すぐに火に群がって魚を炙りはじめた。魚が焼けるのが待ち遠しいのか、もうハーニーに見向きもしない。
「……僕もお腹空いたな。そろそろ行くよ」
「んー!」と言葉にならないタックの相槌を受け取ってハーニーは廃屋を離れようとした。
「あ、お前今日で3年だったっけ? ここはいい街だよなあ!」
タックが大きな声で言った。
「そ、そうだね! いい街、だよね!」
振り返って笑って見せる。しかし皆焼ける魚に夢中で、ハーニーのぎこちない笑みに気付くことはなかった。
◇
人目を気にしないようにしてウィル邸に着いたのは、丁度太陽が真上に来る頃だった。
視界いっぱいに広がるのは三階建ての豪邸。手前に花壇が左右に広がっていて、広い敷地を囲うのは子供の背丈ほどある木々。屋敷は白系統の色で彩られており、気品を感じさせる。窓一つ取っても豪華な家にハーニーは帰らなければならない。
「お帰りなさいませ。ウィル様もお嬢様も奥でお食事を召し上がりになるところです」
出稼ぎで来ているという40代の家政婦が出迎えてくれる。その目は合わせられることはなく、また今まで一度も名前を呼んでくれたことはない。
「ただいま」
空虚に言葉を響かせて、ハーニーは自分にあてがわれた部屋へ着替えに行く。青年らしいさっぱりした服装になって、いつも食事を摂る部屋に向かうと、二つの声がかけられた。
「帰ったか」
「おかえり!」
低く落ち着いた声と喜びをたくさん含んだ少女の声。低い声の男は縦長のテーブルの奥で書類に目を落としていて、少女はその左にこじんまりと座ってにこにこしていた。
「すみません。待たせてしまいました?」
「いや」
そう簡潔に答えた低い声の主、ウィルの目はその手の紙の束にのみ注がれていた。ハーニーが適当な席に腰かけると、ウィルは読んでいた紙束をテーブルに置いた。
「少し遅かったのは……またあの子たちか」
「……皆悪い人たちじゃありませんよ」
「人間何が理由で悪くなるか分からないものだ。人によっては金であれ、何であれ……同じ境遇だから仲間意識を感じるのは分からん話ではないが──」
「パパ!」
「む……しかしなリア」
「むー!」
「……すまなかったな」
その目から威圧する色はなくなっていた。
ウィルはガタイがよく、肌は浅黒い。一代でこの豪邸を築き上げた男の顔は切り傷が目立ち、目つきはいつも何かを警戒するように厳しい。
貴族を押しのけて成った大金持ち。その威厳は多分に持ち合わせている男だ。
「そうだよ。せっかくお昼ごはんなんだから」
そう言って膨らませた頬を元に戻す少女、リアは母親似なのか肌は白く、カールがかかった金髪は長く綺麗だ。10歳らしい幼い顔立ちだが、整った部分部分は既に美人への道をたどっている。その無邪気な表情はいつも厳つい顔の父親と似付かない。
チラリ、とリアがハーニーに目配せした。
「ふふん!」
偉いでしょ!
そう言いたげな仕草にハーニーの顔は綻ぶ。
昼食を食べながらウィルは紙の束を読み続ける。リアはそれを行儀が悪いと言いたそうだが、父の真剣な顔から言い出せないようだった。
「何かあったんですか」
代弁するとリアは嬉しそうに笑った。その娘の反応に気付かないほどにウィルは集中していたらしく、ウィルは眉を寄せて答える。
「……なんでも東国で妙な動きがあるらしい」
「東でですか」
「前の戦争で世界がはっきり二分されて10年。たった二つとなった国同士がやっと落ち付いてきたところだと思ったが、やはり……」
「やはり?」
ウィルはことさらに渋い顔をして、一瞬これまでにない鋭い視線をハーニーに向けた。しかしすぐに目を背ける。
「いや、食事中に話すことでもない。それに、予想できたことだ。その対策はちゃんと……」
「パパ……?」
「すまんすまん。大丈夫だから安心しなさい」
そう柔らかく言い聞かせるウィルの目には慈しむ優しさが満ちていた。
ウィルは娘に対してのみ穏やかな表情を見せる。
「……はぁ」
ウィルがリアをあやすのを間近に見ながら、ハーニーは食べ終わった皿にフォークを置いた。カチャリと鳴らした小さな音は、ため息同様誰にも気づかれなかった。
◇
食後、リアと散歩に行くことになったハーニーは屋敷の正面扉で待っていた。ぼんやり待っていると一人でいるのに気付いたウィルが歩み寄ってきた。
「リアと出かけるのか。リアのことは任せる」
「あ、はい」
「……」
その頼みが終わってもウィルは立ち去らなかった。やがて重い口を開く。
「……一昨日は聞きそびれたが、3年経ってどうだ。何か思い出したことはないのか」
ジクリと胸に刺さるような痛み。
「すみません……3年より前のことは何にも……」
「しかしな、お前は魔法が使えるんだぞ。貴族にしか使えないはずの魔法が。つまり、お前も貴族の子ということだ。何か欠片でも思い出したことはないのか。お前を拾ってやって三年経つんだぞ。少しくらい何かあっていいんじゃないか? お前だって親に会いたいだろう?」
苦しさに強く歯を噛む。
誰よりも親に会いたいのは僕だ。誰よりも記憶を取り戻したいのは僕だ。
誰に向ければいいのか分からない悔しさを表に出さないよう必死に耐える。
「名字くらいはどうだ」
名字は貴族にしか許されない。ウィルはウィルでリアはリアだ。それで名前が完結している。
しかしハーニーはハーニー以外の名前を覚えていなかった。僅かにも魔法は使えるというのに。
「すみません」と頭を下げる。顔を上げると鋭い目があった。ハーニーはそこに打算めいたものを感じて視線をまた下げる。
「……まあ、いい。そのうち王都に行くこともあるだろう。その時は一緒に探そう」
ウィルはハーニーの肩を軽く叩いて離れていった。
ウィルが望んでいるものは簡単に予想できる。貴族は権益を持っているものだから、それを狙っているんだろう。富豪のウィルらしい欲望だ。
「……下手な演技なら、しなければいいのにっ」
苛立ちをぶつけようと床を蹴ろうとしたとき、パタパタと足音が聞こえた。理性が気持ちの宛先を打ち消して、足は静かに床に戻った。
「来たよ! いこ!」
屈託なく笑うリアを見てハーニーは胸がすっと軽くなった気がした。ここでの生活で唯一自分を真正面に見てくれている。そんな存在がリアだ。
リアは丸いつばのある白い帽子を小さな頭に乗せている。白いワンピースに合っていて子供らしい可愛さが際立っていた。
散歩といってもただその辺を歩き回るだけで、買い物などの目的があるわけではない。ただ春先のいい天気に、家でじっといるのはもったいないから。リアはまだ外で遊びたい年頃だから。その程度の理由だ。
ウィル邸は資産家だけあって立地のいい高級住宅街にあり、周りには豪邸がいくつも並んでいる。それらの家々は貴族のもので、平民──名字のない人間で豪邸を持っているのはこの街でウィルしかいない。ウィルは商才を持って成り上がった人間なのだ。
そのためウィルを見る世間の目はよくない。
「見てあれ。ウィルさんのところの……」
「いやね、あんな高そうな服……見せつけてるつもりかしら」
ウィルの屋敷から出たところを見ていた貴婦人たちの話し声が届く。それはハーニーのことではない。貴婦人が横目に見るのは同性のリアのことだ。
「……行こう。気にすることなんかないよ」
リアの手を取って歩みを進める。早歩きで声の聞こえない距離まで手を引いた。落ち着いたところまで移動してリアを振り返ると、リアは俯いて一歩先の地面を見つめていた。
「……リア、あまり気にしない方が──」
「知ってるよ。パパは悪いことしてお金もらってるんでしょ?」
リアは想像以上に平静に言った。
「だって皆指差すもん」
ウィルは確かに金に執着するところがある。非人道的な行いをするわけではないが躊躇う事のない人間だ。犠牲や人を押しのけることを割り切っている。
しかし、リアの言葉に首を縦に振れるほど正直になれなかった。
「それは……妬んでいたりもあるんだよ」
「ねた……?」
「妬み。自分よりいいなあ、とか、ああなりたいなあって。そういう人がいたらつい悪く思っちゃうんだよ。自分はなれないから……羨ましいんだ」
「ふうん……でもパパはリアじゃない人にひどいことするよ」
「特別なんだよ」
「ハーニーは?」
「僕は……」
「パパはハーニーのこと嫌いなのかな」
横を歩くリアが悲し気に呟く。日光を遮る帽子で表情は見えない。
「どうしてそう思う?」
「だってリアと一緒にしないから」
「……扱いが違うのは仕方ないよ。僕は本当の息子じゃないし、それに3年前来たばっかりだもの。身寄りも記憶も、何もない僕を引き取ってくれただけで感謝しなくちゃ」
「でもリアね、ハーニーがいない時のことあんまり覚えてないよ」
リアはハーニーの顔を見上げて言った。無垢な視線に気まずさを覚えて空を見上げる。雲混じりの青空が広がっていた。
「……僕は3年より前を覚えていないからよくわからないけれど、小さい頃の記憶ってなんとなくでしか覚えていないものなんだって。そう聞いたことがあるよ。……でもちゃんとそういう頃はあったんだよ」
「ハーニーも?」
「うん。きっと……いや、絶対。リアだって絶対あるはずだから安心しよう?」
「うん!」
勢い良く頷いてリアは道の脇に咲く白い花の方へ駆けて行った。
ハーニーは一つ大きく息を吐いた。
「お母さんの思い出のこととか出されてたら、どう答えられたかな……」
苦笑する。母というものを知識でしか知らない自分に答えは見つからない。
「いつか僕も会えるんだろうか」
小さな呟きは自分に向けたものだったが、いつの間にか傍に来ていたリアは、それを聞いて不安そうにしていた。
「ハーニーのママに?」
リアは寂しさを堪えるように小さな手でハーニーの服の袖を掴む。
「ごめん、辛いこと思い出させたかな」
「ハーニーはハーニーのママに会ったら、どこか行っちゃうの? リア、やだよ? ハーニーがいないと寂しいよ……」
リアの言うことが、亡くなったリアの母のことではなく自分のことで面食らう。一瞬喜びかけたが、すぐに首を振った。
「そんなことないよ。大丈夫! 遠くに行ったりしないから!」
「うん」
元気はないが納得したような声。ハーニーは所在無く手を突っ込んだポケットの中で、カチャカチャ鳴る銅貨に気付いた。
お金のある家に引き取られて、暮らしに不都合はない。ウィルから人と関わるうちに記憶を思い出すかもしれないから、と言われてやっていただけの手伝いだ。そこでもらうお金は自分の自由。
「よーし、何か買いに行こうか!」
「お買い物!?」
リアが両手を合わせて、目を真ん丸にして驚く。思えば散歩は何度もしてきたが、二人で買い物に行ったことはなかった。
「うん。ウィルさんみたいに凄い物が買えるわけじゃないけどね。どう?」
「嬉しい! ハーニーとお買い物なんて初めてだね! やったあ!」
ぱあっと輝くリアの笑顔につられてハーニーも頬が緩む。何を買おうか。女の子らしい装飾品はどうだろうか。うんうんと二人で悩みながら、ガダリアの中央通りへ歩いていく。
小奇麗な比較的上流階級向けの店が連なる通りへ出た時、ガダリアのもっとも高い建物。街のどこからでも見える時計塔の鐘がゴーンゴーンと規則的に鳴った。
「あれ?」
耳を疑って時計塔を見る。
時刻は午後2時40分。
おかしい。
いつもなら朝夕6時にしかならない鐘だ。それに妙に長く鳴り続ける。
「まだこんな時間なのになんだろう……」
ハーニーが首を傾げる。わかんない、とリアも首を横に振った。
やがて数秒もかからず、周囲に変化が起きた。
道行く人は突然蜘蛛の子を散らすように駆けだす。家具屋や服屋など、店の中からは怒号や騒ぎ声がし始めた。
リアが喧騒におびえてハーニーの腕にしがみついた。
「すみません! どうしたんですか!」
横を通り過ぎようとした自警団の正装をした男を引き留める。振り向いた男の顔は焦りと苛立ちに満ちていた。
「なんだ!」
「何かあったんですか」
そう聞くと男は舌打ちをして、余所者か、と呟いた。
「さっきの鐘を聞いただろ。あれは非常事態の合図だ。原則としてあれが鳴ったら住民は中央広場に集まることになってる! 分かるよな? 外から来た奴なら分からないか!?」
「余所者じゃありません! 分かりますよ!」
「ならいいな!」
構ってられない。そう言いたげに男は背を向けて走り去ろうとする。
「何があったって言うんですか!?」
「ここは国境の街だぞ! 緊急事態っていったら一つしかないだろ! 平和ボケが!」
そう言い捨てて男は走り去る。
ウィルの言っていた、東国の妙な動きということが不意に頭に浮かんだ。
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