パワハラ
@kawasakiz900rs
第1話 パワハラ
「みなさん。おはようございます」
定例の朝礼で一斉放送が流れた。
「先日、高木部長がセクシャルハラスメントで訴えられました」
ざわつく職場。動揺する社員。
「これから彼のことは高木セクハラ部長と呼ぶことにします」
穏やかな声で放送は続く。
「今後こういったことが行われた場合に管理職には例外なく、このようなミドルネームがつくことになります。また、酔っ払い運転でひき逃げした社員はミドルネームではなく、ファストネームで「ひき逃げ山田」会社を無断欠勤した社員は「ずる休み斉藤」という形で呼びます。みなさん注意してください」
「また、この決定に逆らい。彼を普通に呼んだ場合は理由のいかんに関わらず減俸に処します。以上で朝礼及び連絡を終了します」
顔を真っ赤にして職場を出て行く高木部長。どうやらトイレに逃げ込んだようだ。
「おい、どうなると思う」
「高木部長か?辞めちゃうんじゃないか。針のムシロじゃん」
「絶対わざとだよな。今朝の放送」
「普通辞めるところ粘っているから、社長が頭に来たんじゃないか」
「部長のところ住宅ローン組んだばかりだから、辞められないだろ」
「うん、子供二人とも私立に入れているからきついしね」
「再就職なんて40台は無理だからな」
「無理無理、20台だってないんだぜ。ホームレスになるしかないよ」
「セクハラ一発、家庭崩壊だな」
「くわばら、くわばら」
「つるかめ、つるかめ」
「で、誰をセクハラしたのよ」
「総務課の山本さんだって」
「ゴクリ・・・ゴージャス山本」
○○物産七不思議の一つ。気の弱い男子社員などびびってしまうほど美人。美人という形容詞がインパクトに欠けるということから、「ゴージャス」の異名となった。なんで会社でOLなどをやっているのか謎。仕事に関しては可もなく不可もなく、一部熱烈なファンがいて、「ゴージャス山本」に嘗めた口を利く奴は鉄拳制裁されるという噂もある。
「男の夢ですよね」
「夢だよなあ」
「○カップ・・・」
「バン・ボン・バン」
「おっと、セクハラ、セクハラ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます