千二十三話 自由な槍剣師無双
二槍を扱っていたローブを着ていたマーマインは倒れた。
そして、――<累剣・
古の風戦師フィーリーが使っていた剣術系統のスキルと分かる。
蒼聖の魔剣タナトスと義遊暗行師ミルヴァの短剣から風を感じた。
速度もかなり速いと分かる。
この古の風戦師フィーリーの仮面は、二十面相の渾名がある聖魔術師ネヴィルの仮面の一つ。
衣装変換魔道具の魔装天狗かそれに似たアイテム。
隠天魔の聖秘録などにも記されていた伝説……。
【光ノ使徒】でもあった聖魔術師ネヴィル。
聖盗、盗聖などの渾名もあったのは記憶に新しい。
そして、魔塔ゲルハットの屋上から見た旭日と
「源左の首級百を超える魔将ヴィスファント様が一瞬で倒されるとは……」
「あぁ、あの仮面を被った途端、槍から剣にスタイルが変化したが……」
「「「構うな、数で押せ――」」」
手斧を持つマーマインが押し寄せる。
退かず、前に出ながら古の風戦師フィーリーの仮面を消す。
「ングゥゥィィ」
同時に魔槍杖バルドークを右手に召喚。
その魔槍杖バルドークを持つ右腕を引きながら<血道第一・開門>を意識し、全身から<血魔力>を放出させ魔軍夜行ノ槍業にも<血魔力>を送る。
魔槍杖バルドークを握る右腕を前に突き出す――。
と同時に<女帝衝城>を発動。
震動した魔軍夜行ノ槍業と魔槍杖バルドークが<血魔力>で繋がる。と、魔軍夜行ノ槍業から女帝槍レプイレスさんの、
『ふふふ、さすが魔界九槍卿! 妾の使い方を心得ておる――』
という思念が響く。
女帝槍レプイレスさんの朧気な幻影が無数に誕生。
レプイレスさんが分身したように見える。
複数の女帝槍レプイレスさんの幻影は各自意識があるように体をくねらせつつ<血魔力>を吸い寄せていく。
と、『『『アァッンン』』』『『『う、ふふッ♪』』』
それぞれの女帝槍レプイレスさんの幻影は喘ぎ声を響かせながら体が痺れたような仕種を取る。
更に魔軍夜行ノ槍業から濃厚な魔力を纏うレプイレスさんの幻影が出現。
その幻影は、他と違い、魔槍を前方に突き出しながら進む。
複数のマーマインを屠った。
濃厚な魔力を纏うレプイレスさんは、周囲のレプイレスさんの幻影を吸い寄せつつ魔槍の槍衾を形成しながら突進していく。
幻影を吸い寄せる度に点滅し、本物の体を得たような実体化と幻影化を繰り返した女帝槍レプイレスさんの足下から血濡れた魔槍が次々に生まれでる。
それらの血濡れた魔槍の群れが前へ前へと迸る度に、マーマインたちが吹き飛んでいく。
血の茨が悠然と進むように直進する女帝槍レプイレスさんの幻影が、地ならしを行う魔界の槍女神に見えた。
一瞬でマーマインたちは血濡れた魔槍に貫かれて肉片と化した。
ガレ場の一部を吹き飛ばし、マーマイン瞑道の前にひしめき合うマーマインたちがごっそりと消えた。
<女帝衝城>は強力な<魔槍技>だ。
女帝槍レプイレスさんの幻影は、魔軍夜行ノ槍業に引きつつ、
『――弟子よ、良い<女帝衝城>であった』
そう思念を寄越すと、腰にぶら下がっている魔軍夜行ノ槍業の中に消えた。
隣のフィナプルスの夜会が揺れる。
フィナプルスも使うか?
と思いつつマーマインたちを見るが、<女帝衝城>を見てもマーマインたちは退かない。
今もマーマインたちが瞑道の出入り口を覆う半透明な膜から現れ続けていた。
今の<女帝衝城>を見ていたマーマインの部隊がいたのか寄ってくる。
そのマーマインたちが、
「範囲攻撃の<魔槍技>か」
「紫の騎士へと見た目が変化したら魔剣師から槍使いへ戦い方も変化……か」
「あぁ、しかも地形を削る大技を連発……ヴィスファント様を倒すだけはある」
「戦いの最中に衣装ごと戦い方が変化するとは、変わった魔界騎士だな」
「……紫色の騎士姿には貫禄を感じる……」
「あの黒髪は槍剣師とでもいうのか……」
「……トロイスが語っていた話は本当か」
「たぶんな、源左の者と見た目は同じだが、異邦人で間違いない……」
「……槍から剣にスタイルを変えやがって、いかさま師が!」
なんでいかさま師なんだ。
と心の中で笑いながら、そう叫んだ新手のマーマインを見る。
オーガと呼べるほどの体躯で、大柄なマーマインだから目立つ。
身長は三メートルは有に超えていた。
先ほどの二槍流のマーマインと同じく強者か。
その大柄なマーマインは毛髪が少なく、
後頭部の正中線を辿り腰のほうにまで続いているようだ。
その鰭は少し動いているが、魚類や水棲哺乳類の運動器官と似た効果があるんだろうか。
モヒカンの髪形に見えた。
太い首の皮膚は銀色と緑色の鱗が多い。
えらの張った顔だが、太い首の左右に対になった
鰓弁(さいべん)の表面は櫛(くし)状で凹凸になっていて,そこに血管が分布し水中から酸素をとる。また、塩分を排出して浸透圧を調節する塩類細胞があるという事は知っている。
大きな
その大きな
呼吸するごとに胸元が盛り上がり、
先ほどのローブを身に纏った二槍使いより強そうだ。
左手が持つ魔力が漂う巨大な棍棒には、針金が付いている。
他のマーマインの武器は手斧と素槍が多い。
素槍は少し長く、魔力を備えている。
四人の素槍持ちマーマインの身なりは、武者のような鎧。
ローブ姿の二槍使いのマーマインや大柄なモヒカンのマーマインとは異なる。
<魔闘術>系統に荒さが見えた。
観察している間にも、海食洞的なマーマイン瞑道の出入り口から新手のマーマインが現れ続けている。
ゼメタスとアドモスにアドゥムブラリとツアンと
サシィとリューリュ、パパス、ツィクハルも奮闘し次々にマーマインを倒してはいる。が、数十人規模の新手が数秒ごとに出現してくるから切りがない。
と、魔皇獣咆ケーゼンベルスが「『気色悪い膜など、我が消し飛ばす!!! ウォォォォォォン!』」と、神意力を有した咆哮を発した。
マーマイン瞑道の半透明な膜と一緒に複数のマーマインが吹き飛んでいく。
お陰で、ぼんやりと見えていた奥がハッキリと見えた。
ケーゼンベルスのブレスのような衝撃波を浴びて転がったマーマインたちと、奥から前進してきた新手のマーマインたちが衝突していた。
奥行きは数キロメートルはある。
マーマインの数は、数百、数千はいるか?
【ローグバント山脈】のマーマイン砦から出撃していた軍隊が進軍中だった?
それとも洞窟には他にも敵勢力がいるのか?
……奥のほうから増援が現れているが、倒し切るとしよう。
「モヒカンのマーマイン、お前の隊は、俺に突貫してこないのか?」
モヒカンのマーマインは双眸を大きくさせるようにギョロリと眼球を動かし、棍棒の先を俺に向け、
「……黒髪が、調子に乗るな……」
と喋ってきた。
他のマーマインが、
「源左と似た黒髪が!!」
そう叫び手斧を放ってくる。
――その手斧を魔槍杖バルドークの嵐雲に似た矛で貫くように弾く。
長い素槍を持つマーマインが、
「……魔将サヌラキヌ様も直にここに来るだろう」
「あぁ、しかし、ヴィスファント様をあっさり倒した槍剣師だぞ……魔将様をもっと呼ぶべきだと思うが」
そう喋ると、ヒャッハーなリーダー格が俺を見て、
「――大技もそうは連発できまい! のし掛かって仕舞えばこちらのものだ!」
「「「おう!」」」
「――よし、掛かれェ!!!」
「「「ウォォォ!!」」」
正面と左右に斜め右後方からマーマインたちが近付いてきた。
神意力ではないが、無数の剣戟音と掛け声が重なる重低音は威圧感がある。
戦場の音といえばそれまでだが、マーマイン瞑道の洞窟のほうにも、マーマインたちの
と、後方から相棒たちの気配を感じた。
「にゃご!」
「ウォォン!」
「シュウヤ殿!」
背後に回ってきた十数のマーマイン連中は皆と血霊衛士に任せよう――。
右に出ながら手斧を持つマーマインに近付いた。
手斧を持つマーマインは右腕を振るおうとしている――。
その出端を叩くようにマーマインの胴鎧を魔槍杖バルドークの嵐雲に似た<血穿>の穂先が貫いた――。
直ぐに魔槍杖バルドークを引きつつ後退。
左右から手斧が飛来――。
囲まれている状況だが、構わず斜め横に駆けた。
背後から俺が駆け抜けた地面に手斧が突き刺さったであろう音が聞こえた。
走りながら手斧を持つマーマインとの間合いを詰める。
左足の踏み込みから右手の魔槍杖バルドークを突き出す<血穿>を繰り出した。
魔槍杖バルドークの嵐雲に似た穂先がマーマインの首をぶち抜いた。
更に、リューリュたちをフォローさせていた血霊衛士を操作――。
手斧を持つマーマインの背後に向かわせた。
血霊衛士は甲冑の音を響かせながら<
迅速にマーマインの背後へと移動し、長柄の棍の<血穿>をマーマインの背中に繰り出した。
「ぐえぇぇ」
と悲鳴を発したマーマインの腹からは、棍の杭刃が突き出ていた。
刹那、棍棒持ちの大柄のマーマインが俺に寄ってきた。
迫力満点なモヒカンのマーマインは怖い。
「お前は俺が倒す――」
爪先半回転を実行――。
振り下ろしてきた長柄の棍棒を魔槍杖バルドークの螻蛄首で受ける。
螻蛄首と棍棒が衝突し、両方の武器から火花が散る。直ぐに横に魔槍杖バルドークを動かし、長柄の棍棒を横に弾いた。
そして、横に避けつつ斜め後方に退く。
同時にアイテムボックスを意識し古の風戦師フィーリーの仮面を装着――。
武器を蒼聖の魔剣タナトスと義遊暗行師ミルヴァの短剣に変更。
モヒカンのマーマインは俺を睨んで、
「チッ、風のような槍剣師……」
そう発言した。
左右から手斧が飛来、二体の血霊衛士を近くに移動させながら――。
蒼聖の魔剣タナトスを斜に構える。
と、その傾いた蒼い剣身で、クルクルと回りながら迫ってきた手斧を弾き落とす。
義遊暗行師ミルヴァの短剣を斜め前へと動かし、左から飛来してきた手斧をその短剣の刃で弾きながら前進――。
手斧を<投擲>してきた片方のマーマインには血霊衛士を向かわせる。
もう一体の血霊衛士はモヒカンのマーマインに特攻させた。
そのゼロコンマ数秒内に――。
<黒呪強瞑>を強めて加速力を上げ、手斧を投げてきたマーマインとの距離を詰めた。
剣圏内から左手の義遊暗行師ミルヴァの短剣と右手の蒼聖の魔剣タナトスで<黒呪仙剣突>を実行――。
両腕ごと剣になったような義遊暗行師ミルヴァの短剣と蒼聖の魔剣タナトスの切っ先が正中線の二つの魔点穴を突くように――。
マーマインの首と腹を同時に捉え穿つ。
両腕を左に引き、マーマインの首と腹を横に斬り裂きながら爪先半回転を行いつつ周囲を見る――。
首と腹を穿たれたマーマインは、傷から血飛沫を発して倒れた。
その血飛沫を吸い取りつつ飛来してきた手斧を見て横に跳ぶ。
その間に操作していた血霊衛士が手斧を持っていたマーマインの首を刎ねた。
モヒカンのマーマインは棍の<血穿>を棍棒で受けて防御に成功すると、反撃の左拳の攻撃を血霊衛士に繰り出していた。
血霊衛士を退かせる。
モヒカンのマーマインは血霊衛士を追わず、意外に冷静だ――。
そして、マーマインの連隊を屠りつつ相棒の
「ンンン――」
<ルシヴァル紋章樹ノ纏>を実行――。
足下からルシヴァルの紋章樹の幻影が拡がる。
血霊衛士と相棒の下半身が暗い水に浸かったような淡い色合いとなり、ルシヴァルの紋章樹の根っこが絡む。
俺の両足にもルシヴァルの紋章樹の根っこが絡んだ。
「「――閣下ァァァ」」
少し離れたところにいる光魔沸夜叉将軍ゼメタスとアドモスの具足にもルシヴァルの紋章樹の根っこが絡み、月虹のような淡い光を発していた。
感覚が強く繋がったと分かる。
俺自身は前と同じく頭部の神庭、上星、百会、印堂、四白などの位置が熱を帯びた。
「ロロ、俺の背後と側面は任せた。そして、マーマイン瞑道の出入り口の敵を一掃するぞ」
「にゃお~」
古の風戦師フィーリーの仮面を消去。
暗緑色を基調としたハルホンクの防護服へと変化させた。
両手の武器を消し――。
両腕を斜め左右に向けた。
同時に両手首の<鎖の因子>マークから<鎖>を射出し、宙を直進する<鎖>の先端で先ほど俺に手斧を<投擲>したマーマインたちの頭部を貫いた。
<鎖>を消す。
同時に<血想槍>を発動――。
更に<血道第五・開門>を意識、発動――。
<血霊兵装隊杖>を発動――。
暗緑色のハルホンクの防護服を光魔ルシヴァル宗主専用吸血鬼武装へと変更する。
血の視界のまま――両手の<鎖>を消去。
血も同じ水だからか、水神アクレシス様の寵愛を感じる。
そのまま水神アクレシス様への感謝の想いを<血魔力>に込めつつ――。
その<血想槍>が扱う王牌十字槍ヴェクサード――。
聖槍アロステ――。
仙王槍スーウィン――。
槍にした夜王の傘、夜王の槍セイヴァルト――。
雷式ラ・ドオラ――。
霊槍ハヴィス――。
独鈷魔槍――。
魔槍グドルル――。
を周囲に展開させた――。
が、マーマインたちは興奮したまま怖じ気づく気配はない。
無数の槍を大量の血で周囲に浮かばせている状況なんだが……。
マーマインには恐怖の感情があまりない?
まだ数が多いから余裕か? 恐怖を力に変えるような種族でもあるんだろうか。
単に吸血神ルグナド様の眷属などが扱う<血魔力>を見たことがあり、<導魔術>も普遍的だからか?
ま、魔界セブドラだからな。
長柄の棍棒を持つ大柄のマーマインと、素槍を持つマーマインたちが寄ってくると、
「血の甲冑……」
「また防具服を替えやがった……
「血の甲冑がどうした! ルグナドの尖兵か魔界騎士だったとしても、ここで仕留めることに変わりはない! 皆、かかれ!!」
「おう!」
「ベベルア様に続け! 喰らえやぁ」
「うらぁぁぁ」
「あいつの足ぃ!」
素槍部隊のマーマインたちは突撃してくる。
気合いの入れ方からして頭は良くないと分かるが、動きはいい。
そして、頭部の
<血想槍>の王牌十字槍ヴェクサード――。
<血想槍>の聖槍アロステ――。
<血想槍>の仙王槍スーウィン――。
<血想槍>の夜王の槍セイヴァルト――。
それらの<血想槍>で操作した四本の槍を前方に繰り出す。
上下左右に動かして、四つの素槍をすべて弾く。
ほぼ同時に――。
<血想槍>の雷式ラ・ドオラ――。
<血想槍>の霊槍ハヴィス――。
<血想槍>の独鈷魔槍――。
<血想槍>の魔槍グドルル――。
を、素槍が上向いて体勢を崩しているマーマインに向け直進させた。その<血想槍>が操作する四つの槍で<血穿>を発動――。
「「――げっ」」
雷式ラ・ドオラ――。
霊槍ハヴィス――。
独鈷魔槍――。
魔槍グドルル――。
その長短様々な四つの長柄の穂先が、四体のマーマインの頭部を貫いた。
二体は反応していたが遅い、もう二体は反応できず、穿たれた首から血飛沫を発して倒れていく。
――<血想槍>で操作している雷式ラ・ドオラ――。
霊槍ハヴィス――。
独鈷魔槍――。
魔槍グドルル――。
の四つの槍を消去。
その<血想槍>を仕舞う光景は、端から見たら<ルシヴァル紋章樹ノ纏>が吸い寄せているようにも見えるかもしれない。
深呼吸しつつ、大柄なマーマインのベベルアを見据えると、新手の槍使いのマーマインが近寄ってくる。
他のマーマインは仲間が倒れても気にしていないらしい。
ベベルアは様子見か。
やけに長い素槍を持つ槍使いのマーマインは俺の足を素槍で狙ってきた――。
横にゆっくりと歩幅を刻むような風槍流の歩法『風読み』を行い、横移動を行いつつ――。
足に迫った素槍の攻撃を見ながら足を迅速に上げた。
<牙衝>のような下段攻撃を避けてから――。
その上げた左足を活かす――素槍の螻蛄首を左足で踏みつけて槍を押さえ込むことに成功――。
そこから<仙魔・桂馬歩法>を実行――。
素槍の柄の上を走りながら――。
その素槍を右足で蹴って槍使いのマーマインとの距離を詰めた。
刹那――右手にハルホンクから白蛇竜小神ゲン様の短槍を出す――。
その白蛇竜小神ゲン様の短槍で<白蛇穿>を繰り出した。
槍使いのマーマインの頭部を白蛇竜小神ゲン様の短槍の杭刃が貫き、頭部を粉砕する。
すぐに着地――。
着地際を狙っていた大柄のベベルアが、加速しながら右斜め後方から寄ってきた。
足下に<血魔力>と<生活魔法>の水を撒いて<滔天神働術>を意識、実行。
足下の血と水飛沫が一斉に持ち上がる。
「<愚皇突>――」
半身の姿勢になりつつ――。
体をスェーバックさせる機動のまま<水月血闘法・水仙>を実行――。
長柄の棍棒を視界に捉えながら、ゆらりと動いてその棍棒の<刺突>系統の攻撃を避けきり、即座に白蛇竜小神ゲン様の短槍の<白蛇竜異穿>を大柄なベベルアの胸に繰り出した。
短槍から無数の白蛇竜が前方に迸る。
大柄なベベルアはカウンターに反応できず、その胸を白蛇竜小神ゲン様の短槍の杭刃が突き抜けた。
「ぐあぁぁ――」
悲鳴を発した大柄なベベルアは吹き飛ぶ。
その大柄なベベルアはまだ生きている。
その体に<
宙を直進した三発の<
刺さった<
大柄なベベルアの腹と両足を光の網が覆った。
更に地面にもふりかかって地面にも浸透した。
白蛇竜小神ゲン様の短槍を格納。
「ぐぁぁ……くっ」
身動きが取れない大柄なベベルアは、他のマーマインとは異なり、まだ生きている。
タフだ。光属性に耐性があると分かる。
が、動きは止まった――。
<戦神グンダルンの昂揚>を発動しつつ前傾姿勢で前進――。
<血霊兵装隊杖>の血の錫杖を右手に召喚し、その血の錫杖に膨大な<血魔力>を込めつつ左足で踏み込み――。
光の網に変化している<
<血龍天牙衝>を繰り出した。
無数の血の龍が血の錫杖から迸る。
血の錫杖の杭と血の龍が大柄なベベルアの頭部ごと上半身を穿った――。
よっしゃ――。
血の錫杖を浮かばせつつ、右手に壊槍グラドパルスを出して周囲を見回す。
俺の周囲のマーマインは極端に減った。
「ンン、にゃお~」
「ひゅ~主の自由な槍剣師無双はすげぇ――」
アドゥムブラリは戦っている間も見ていたのか。
ケーゼンベルスと似た魔獣スタイルの
その
サシィと戦っているリーダー格のマーマインに近付き――。
壊槍グラドパルスで<龍豪閃>――。
リーダー格のマーマインの側頭部をホームラン――。
そのマーマインの頭部はへしゃげて吹き飛ぶ。
その死体と衝突したが、構わず
マーマインの部隊と戦っていたツアンとパパス、リューリュ、ツィクハルのフォローに向かう。
「シュウヤ殿、ありがとう――」
背後からの声に、
「おう――」
と答えながら前方のマーマインに向け直進し、壊槍グラドパルスを振るう<豪閃>で二体のマーマインの首を刎ねた――。
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