千五話 <魔皇獣の心>とローグバント山脈の景観

 魔皇獣咆ケーゼンベルスの思念と声……。

 神意力と呼ばれているプレッシャー的なモノは魔界王子テーバロンテに負けていない。

 全身に重りが載ったような感覚、皮膚がひりひりと痛む。

 頭部と胸元が万力で挟まれながら、精神や心が鷲掴みにされているような感じだ。


 ヘルメたちも苦しそうだ。

 相棒は平気そうに見える。

 ケーゼンベルスは鼻をフガフガと動かし、


「『魔槍を持つ黒髪の男、どこか懐かしい臭いだ……ん? まさかな……』」


 そう言葉と思念を寄越した。

 すると、ヘルメが、


「……神意力を有した言葉と思念は強力ですが、魔界王子テーバロンテのような邪悪さは、あまりないですね。神界セウロスの神々ともまた違う……」

「あぁ、神格を有した存在も様々ってことだろう」

「この思念と言葉だけでも、魔界王子テーバロンテがこの森を支配できなかった理由が窺いしれます……」

 

 ツアンがそう渋い顔色で語る。

 頷いた。ツアンも頷く。

 

 ツアンの左後方にいるアクセルマギナも少し様子がオカシイか?

 瞳の中にある黄金比率の数字が前後している。


「マスター……魔界王子テーバロンテの時もそうでしたが、魔界の神々、諸侯が発する〝神意力〟を受けると、自然とマスドレッドコアの消費量が高まり、人工知能・カスタムマインドシステムversion12.Qの<攻防一体型バロスルク>の防御層の上層部も削られていきます」


 人工知能システムの精神を司る部分か。


「神意力の削りはナノマシン的なモノでもあるってことか」

「はい、そのようです。超高度な<エレニウムワード>のようなナノハック技術を網羅した攻撃にも思えます」

「俺も圧迫感がある……」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスをチラッと見て、攻撃してくる様子はないことを確認し、アクセルマギナに、


「この神意力の精神攻撃的なモノを、アクセルマギナの分析した事象で説明してくれ」


 アクセルマギナは瞳の端に、薄く黄金比率の数値と図形に銀河の螺旋地図を浮かばせる。


「はい。人工知能システムのナノセキュリティー防御層を有した<攻防一体型バロスルク>の第八層と第七層が自然突破され、第六層と第五層もほぼ同時に削られている感覚を受けます……次元が異なるので物理現象は多少異なると思いますが……次元の重なりが極めて近いからでしょうか。狭間ヴェイルの穴や亜空間を通してセラの宇宙次元と繋がっている部分もあるからと推測します。そして、バイコマイル胞子は感知できませんでしたが、感知不能な亜空間粒子、時空素粒子が魔界セブドラにはあるのかもしれません」

「……分かった。念の為アクセルマギナは戦闘型デバイスに戻ってくれ」

「はい――」


 敬礼したアクセルマギナの体は一瞬で銀色に煌めく魔力の粒子に変化し、戦闘型デバイスに吸収されるように戻った。


 隣にいるグラドはアクセルマギナの様子を不思議そうに見ていた。


 俺の右腕に嵌まっている戦闘型デバイスは未来的で、ナ・パーム統合軍惑星同盟の宇宙文明の品だ。魔界セブドラにはないだろうな。そして、この魔界セブドラにも空はあるが、宇宙はあるんだろうか。気になる。

 

 フラットアースのような天蓋だったりして……。


 戦闘型デバイスの風防硝子の上には、小さいアクセルマギナとガードナーマリオルスの立体映像が浮かぶ。

 同時に宇宙船の内部のような背景も映し出されていた。

 

 ツアンも凝視中。

 

 グラドも感心するように見ていたが、馬魔獣ベイルの頭部を撫でて落ち着かせると、肝心の魔皇獣咆ケーゼンベルスのことを睨み、


「……如何なる神意力だろうと、私は負けぬ! そして、陛下と敵対するつもりなら、この光魔騎士グラドが先んじて相手をしよう!」


 そう勇ましく発言。

 

 魔鎧の細かい唐草模様のような表面から魔力を放出させる。

 そして、朱色の魔槍に魔力を通したのか、銀色の魔力が魔槍から疎らに零れた。


 先ほど朱色の柄に銀色が混じって見えたのはそういう理由か。


「閣下の敵ならば、このゼメタスが一番槍を頂く!」

「我も続こう! ソンリッサが居れば、グラド殿を乗せたベイルの速度についていけるのだが……」

「ゼメタス殿とアドモス殿と連携致したい!」

「此方こそ! 強き光魔騎士グラド殿!」

「承知、閣下のため共に働きましょうぞ」

「はい!」


 グラドは額の中央と両端の小角から兜を展開させる。

 漆黒色の胸元の唐草模様と似ていた。


 ゼメタスとアドモスも兜の左右から槍烏賊のような防具を伸ばす。


 そんなゼメタスとアドモスとグラドの気合い溢れる三人衆が、得物の切っ先を魔皇獣咆ケーゼンベルスに差し向けた。


 すると、岩の上にいる狼たちが、


「「「ガルルルゥ」」」


 一斉に唸り声を発して威嚇してくる。

 刹那、魔皇獣咆ケーゼンベルスが口を広げ、


「『――カッ!!』」


 気合い溢れる声と共に紫色の魔力を放つと、大きな岩から跳躍を行った。

 紫色の魔力は波動か? 

 

 その紫色の波動が、俺たちに飛来――。

 右斜め上に浮いていたヘルメが、両腕を斜め上に伸ばし、


「閣下――」

「俺が対処する。皆、手出し無用――」

「はい」

 

 ヘルメは《水幕ウォータースクリーン》を縮小させながら俺の背後に移動してくれた。

 皆の動きを把握しつつ紫色の波動のような魔力に向け――。


 <超能力精神サイキックマインド>を発動――。


 衝撃波の<超能力精神サイキックマインド>で紫色の波動を霧散させた。


 直ぐに相棒が「にゃご――」と鳴きながら神獣ロロディーヌへと変身。

 口を上下に広げ、顎の歯牙を晒しつつ、周囲の微かな紫色の魔力を吸い込む。

 同時に触手の一部が捕まえていた大量の玉筋魚と似た魚を魔皇獣咆ケーゼンベルスに向けた。


 魔皇獣咆ケーゼンベルスと狼たちは巨大な神獣ロロディーヌの出現に驚いた。


「『――黒き獣だと!?』」

「「「キャンッ」」」


 ケーゼンベルスの眷属らしき狼たちは怯えた声を発して岩場から離れた。

 魔皇獣咆ケーゼンベルスは双眸の瞳孔を散大させながら真下のガレ場に着地。

 

 神獣ロロディーヌと対峙する魔皇獣咆ケーゼンベルス。


 両方とも体長三十メートルを有に超えているから迫力が凄まじい。

 相棒は触手と毛で覆った魔雅大剣を体の横に付けている。 

 鞘か? 触手と長い黒色の毛で鞘のような物を造るなんて、面白い。


 そして、魔皇獣咆ケーゼンベルスと喧嘩をするつもりはないだろうが……。

 

 ドキドキする。


 神獣ロロディーヌは首下のふっくらとした毛を皆に晒すように魔皇獣咆ケーゼンベルスを見下ろすと一呼吸。


 その相棒はケーゼンベルスと似た狼っぽい頭部を斜に傾けると、


「にゃお~」


 と鳴いた。可愛い猫声だから転けそうになる。

 魔皇獣咆ケーゼンベルスは驚き顔のままイカ耳になった。


 相棒の鳴き声が可愛い猫声だから動揺したのか?

 ケーゼンベルスは頭部を斜に傾けると、体を強張らせながら「『ガルルゥ』」と威嚇声を発した。対する神獣ロロは「にゃ?」と可愛く鳴きつつ少しずつ頭部をケーゼンベルスに寄せていく。


 ケーゼンベルスは体をビクッと動かし、毛を逆立てながら後退る。

 逃げたケーゼンベルスを見た神獣ロロディーヌは、俺に視線を寄越す。


 瞳は少し大きくなってウィスカーパッドのωは少し膨らんでいて、そこから生えている白髭が左右に真っ直ぐ伸びている。

 不思議そうな顔付きだ。


「ンン、にゃ~、にゃ~」


 とまた鳴きつつ、威厳を示すように頭部を少し上げた。

 魔皇獣咆ケーゼンベルスはまた体をビクッと揺らして、


「『ウォォン』」

 

 狼が鳴くような思念と声を発して後退した。

 後退したケーゼンベルスを追うように神獣ロロは己の頭部と体を前進させながら大量の玉筋魚と似た魚を魔皇獣咆ケーゼンベルスの前に放った。


 魔皇獣咆ケーゼンベルスはまたビクッと体を動かしてから、放られた大量の魚を見て、


「『この魚を我に献上するというのか』」

「ンン、にゃお」


 と鳴く神獣ロロは少し頷く。

 同時に大きな鼻がフガフガと動いていた。

 相棒的に、魔皇獣咆ケーゼンベルスの匂いが気になるようだ。


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは、


「『魚の献上には感謝するが……』」


 と思念と言葉を伝えると、また後退。

 岩に尻尾と後ろ脚の一部が当たる。


 神獣ロロは岩を背にしたケーゼンベルスを見ながら、


「にゃお~、にゃ、にゃお~」


 何かを語る神獣ロロディーヌ。

 ここからだと横顔の相棒しか見えない。


 片方の黒い瞳はまん丸となっている。


 猫語を翻訳して『ケーゼンベルスの臭いが嗅ぎたいにゃお』と予想。


 一方で対峙中の魔皇獣咆ケーゼンベルスは歯牙の間から荒々しい魔息を連続的に吐く。

 

 ケーゼンベルスの鼓動の速さが分かるような荒々しい魔息だ。

 

「『……神界の戦神が持つような魔力で我に威圧をかけるとは……』」

「ンン」


 神獣ロロは構わず前進。

 己の鼻を魔皇獣咆ケーゼンベルスの鼻につけた。


 鼻を突かれた魔皇獣咆ケーゼンベルスの双眸が見開く。


「『鼻を――』」


 そう思念と声を発しつつ大きな鼻を鳴動させると、頭部も震わせる。

 鼻の上部と頭部の毛が順繰りに逆立つと、全身の毛がウェーブしながら尻尾の毛も逆立った。面白い動きだ。


 ケーゼンベルスの胴体の逆立った毛は直ぐに戻ったが、長い尻尾の毛は膨らんだままだ。

 

 猫が興奮したときと同じだ。


 相棒と鼻を付き合わせる挨拶を行った魔皇獣咆ケーゼンベルスは、相棒から離れるように小川が流れる斜め後方の川辺を歩き始めた。


 大きい神獣ロロも魔皇獣咆ケーゼンベルスに合わせ斜め横を歩く。

 これは大きな獣同士でお尻の臭いを嗅ぐパターンか?


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは神格を有しているが、獣の習性が優るようだ。

 単に神獣ロロの迫力に負けたのかもしれないが……。


「――念の為、ヘルメ以外は少し下がってくれ」

「了解しました」

「「はッ」」

「承知!」

「閣下、背後はお任せを」

「「分かりました」」

「「「「はい!」」」」


 ヘルメと相棒以外は少し後退。

 すると、魔皇獣咆ケーゼンベルスが、


「『挨拶は分かったが、黒き獣よ……お前と、そこの黒髪の男は、どんな関係なのだ』」

「ンン、にゃ、にゃお」


 そう鳴いた神獣ロロは俺に向け頭部と一緒に両前足を下げながら、


「にゃお~」


 とまた鳴いてから立ち上がり、ケーゼンベルスの鼻に己の鼻を付けてから触手をケーゼンベルスに当てて気持ちを伝えた。


「『……ぬぬ? くろまてぃ、と、おっぱいほーむらんがよく分からないが……友であり相棒でもある。愛する者でもあり、使役を受けている存在で、『おおいなるあるじ』、『まくんしゅ』か! その男は<魔獣の心>のようなスキルを持つのか。やはり、魔英雄シャビ・マハークのような存在か』」

「にゃお~」


 相棒は親しげに鳴く。

 魔皇獣咆ケーゼンベルスは頷いた。


 ケーゼンベルスとロロディーヌのコミュニケーションは成功か。

 相棒はケーゼンベルスから少し離れた。


 とりあえず普通に、


「初めまして、森の一部を破壊してしまいすみません。俺の名はシュウヤ。魚を献上した神獣の名はロロディーヌ、愛称はロロ、相棒でもある。そして、貴方様は、魔皇獣咆ケーゼンベルス様ですね」


 俺がそう尋ねると、相棒を睨んでいた魔皇獣咆ケーゼンベルスは頭部を少し下げた。鋭い眼孔を寄越す。

 背筋が寒くなった。そのケーゼンベルスは、


「『……その通り、我は魔皇獣咆ケーゼンベルスである。魔英雄シャビ・マハークと似ているようだが、神獣ロロとお前たちは神界の者たちであろう。なぜここに……あ、もしや、お前がテーバロンテを!? 我も滅するつもりか!』」


 そう聞いてきた。

 頭部を微かに左右に振り、否定の意思を示す。

 ケーゼンベルスの両前足の爪は地面を穿っている。


 戦闘態勢となったケーゼンベルスに、


「神界と魔界に関係した俺のことを誤解するのも分かりますが、俺たちは神界や魔界の者の手先ではない。貴方様と戦う気もない。それに、神界の勢力や悪神ギュラゼルバンや恐王ノクターの勢力が今ここにいた場合、こんな風に暢気に話をしますか?」

「『……ふむ。道理が通っている。通常は脅すか、嗤うか、問答無用で襲い掛かってくるだろう』」


 頷いた。今の俺の態度は魔界セブドラでは珍しいだろう。

 大抵は叫びながら攻撃に移るはず。


 だから、話ができる神格を有した存在は貴重か。

 最大限のリスペクトを送りながら話そう。


 そして、理由の説明を、

 

「ここにきた理由を説明しますと、この【ケーゼンベルスの魔樹海】にいたモンスターたちに起因します。ロペル螟蛉蟻や緑竜カデルなどの大群がバーヴァイ平原やバーヴァイ城に向けて進撃してきたからです」

「我らの森を汚すモンスターたちか。では、我が蹴散らしたモンスターたちかもしれぬな……」


 そんなことだろうと予測はしていた。


「そうだったのですね。俺たちはバーヴァイ城に戻って、悪神ギュラゼルバンと恐王ノクターの勢力に備えるか、バーヴァイ城の地下の探索をしようとしていたところでした。しかし、この【ケーゼンベルスの魔樹海】からのモンスターの流入が止まりそうになかった。それ故、この森への侵攻を決行した。更に魔界王子テーバロンテ討伐後、この森と奥の山から謎の爆発音が何回も響き、山の一角が崩れたことも気になっていました」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは俺たちを睨みながら口を広げ、その口の前に魔力を集中させると、


「『やはり、お前たちが魔界王子テーバロンテを討伐したのか』」

「はい」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは俺をジッと見て、


「『俄には信じられぬ。が……真実か……神界の者ではないのなら、魔英雄シャビ・マハークのような存在なのは確定、ならば我は……』」


 そう呟くように思念と言葉を放つ。

 度々出てくる魔英雄シャビ・マハークを知るようだ。

 魔人ソルフェナトスも、魔英雄シャビ・マハークのことを喋っていたが……。

 

 ケーゼンベルスは口元に溜めた魔力を霧散させる。

 すると、常闇の水精霊ヘルメが前進しながら前転を行う。

 華麗に立つと同時に腰に片手を当てながら、右腕をサッと斜め上へ伸ばし、


「――はい! 閣下が魔界王子テーバロンテを討伐しました! 真実です!」


 と宣言。ゼメタスとアドモスはヘルメ立ちの真似をせず、骨盾を掲げながらヘルメの左右に立ち、


「――百足魔族デアンホザーと蜘蛛魔族ベサンの兵士たちに、右将軍、左将軍なども倒しましたぞ! バーヴァイ城を制圧した!」

「閣下が魔界王子テーバロンテを滅した!」


 と叫ぶ。ヘルメとゼメタスとアドモスの連携立ちは面白い。


「そうだとも! 俺の<ザイムの闇炎>を使って、神の一柱を倒してくれた。それは同時に破壊神の一柱だろうと憤怒のゼア様だろうと、主はぶちのめせるってことだ……だからめちゃくちゃ感動したぜ。なんせ、俺の故郷は……な……もう……」


 アドゥムブラリが単眼球に涙を溜めながら話をする。

 故郷の地獄火山デス・ロウの地域と幼なじみの悲話を知るだけに、こちらまでうるっときてしまうがな。

 

 続いて、グラドが、


狭間ヴェイルの穴に干渉できる壊槍グラドパルスを扱えるシュウヤ様だ。魔界王子などの称号を持っていようと、倒せると確信がある!」


 そう発言。


『……器よ。モフモフが気持ち良さそうなケーゼンベルスと交渉か。使役してモフモフベッドを得ようとしているのだな』

『神格を有した存在を使役するのは難しいと思う』

『グヌヌ』

『ま、俺もモフモフは好きだから、できたら挑戦しようか』

『『おおぉぉ』』

『モフモフに期待!!』

 

 <神剣・三叉法具サラテン>の沙・羅・貂の三人娘は、ケーゼンベルスのモフモフを堪能したいようだな。俺も堪能したい。しかし、今は大事な交渉中。

 魔界セブドラで自らの地名を持つ勢力の代表者だ。慎重に行いたい。

 そのケーゼンベルスは皆を見据えて、


「『ふむ。強そうな者たちだ。ここで戦えば我らは散るかもしれぬな……が、不思議とそれはないと分かる……』」


 そう優し気に語ると瞳から迸っていた稲妻が消えた。

 そして、


「『シュウヤ。お前は、我を滅する気はないと言ったが、ではなぜ、我の森、【ケーゼンベルスの魔樹海】を汚してまで、ここにきたのだ』」

「はい。モンスターが大群だったこともありますが、まずは、俺たちが【ケーゼンベルスの魔樹海】に侵入することが汚す行為だったなら謝ります。済みませんでした。そして、魔界王子テーバロンテの支配を拒み続けていた魔皇獣咆ケーゼンベルス様と話がしたかった」


 俺がそう発言すると、魔皇獣咆ケーゼンベルスの目付きが変化。


「にゃ~」


 神獣ロロも俺と同意するように鳴いた。


「『……謝罪をするとは予想外だ。そして、我と話をしたいか……それが本心で、真実なのだな』」


 頷いてから、


「はい。俺の行動指針を説明しておきます。俺は神界と魔界の神々と通じています。しかし、先ほども言いましたが、神界と魔界の神々の手先ではない。惑星セラで生きている存在が俺です。ですから、俺の眷属やセラで生活する無実の人々を苦しめる魔界セブドラの神々や諸侯とは敵対することが多くなるでしょう」

「『……魔界と神界に通じた存在、セラを守りし者がシュウヤか……それは分かったが、そのような者たちが、我に何の用なのだ』」

「平たく言えば交渉。ですから、神意力を有した言葉を止めてくれると助かります」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは魔息を吐いてから少し頭部を下げる。

 と、またも穏やかな雰囲気を醸し出す。

 魔皇獣咆ケーゼンベルスの眷属の黒い狼たちが、「ウォォン」と鳴き合ってまた集まり始めた。


「……ワカッタ。これで良いか?」


 プレッシャーが急激に薄らいだ。

 全身に受けていた圧力も消える。


「はい、ありがとうございます。質問がありますが、よろしいですか?」

「いいぞ、なんだ」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスと、その眷属の黒い狼たちを見ながら、


「……先ほどモンスターを蹴散らしたと仰りましたが、それらのモンスターと貴方様の勢力は戦っているということですね?」

「無論だ。戦いが常。先ほど魔界王子テーバロンテの結界が不自然に爆発し消えた。そこからリベーラの魔猿や緑竜カデルなどが大量に我らの領域に侵入してきたのだ。その大半を、我が喰らいながら撃退したが……リベーラの魔猿と緑竜カデルも、他のモンスターも、煙雨を吐く極大魔石を有した魔樹と共に湧くように森に現れる。そして、それらのモンスター共は我の眷属を食べるように【ケーゼンベルスの魔樹海】を汚すのだ……」


 汚すとは、環境破壊の他にも何かある?

 そして、極大魔石を有した魔樹は気になるな。

 ま、話が合いそうだ。率直に、


「納得です。リベーラの魔猿や緑竜カデルなどとは俺たちも相れない。ですから、魔皇獣咆ケーゼンベルス様とその眷属たちとは共通点が多いように思えます」

「うむ。たしかに……懐かしい臭いもな……」


 そう語った魔皇獣咆ケーゼンベルスは、何かを考えるように頭部を上げた。

 青空を見ているようで、見ていない。


「まだ質問があります。貴方様は、魔界王子テーバロンテが消えたことで、バーヴァイ城やバーヴァイ平原に進出し、この地方の覇権を狙いますか?」


 樹と樹の間から覗く空を見ていた魔皇獣咆ケーゼンベルスは視線を下ろし、


「……ウォォン! 我らは自由である!」

「「「ウォォン!」」」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスの眷属たちも一斉に鳴いた。


「我らを押さえ込もうと、従わせようと目論んでいた魔界王子テーバロンテが消えた今、古き羈絆を脱する思いなのだ。森から外に出たくなったらどこにでも向かう。森に帰りたくなったら森に戻る。お前たちが我を阻むつもりなら戦うことになる。それが覇権と言うならば、覇権を狙うということになるだろう」


 言い方と迫力が凄い。


「貴方様の自由を阻害するつもりはないです。【ケーゼンベルスの魔樹海】を汚すつもりもありません。しかし、デラバイン族が多いと目される【バーヴァイ平原】、【古バーヴァイ族の集落跡】、【ベルトアン荒涼地帯】、バーヴァイ城などのインフラが破壊されるのは困ります。ですから、互いの自由を認め、この地域の破壊行為をできるだけしない。更に他の神々や勢力の軍隊からこの地域を守るという、オーガナイズされた同盟を結びませんか?」

「グルルゥ……同盟か……」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは唸り声を発して呟くとバーソロンたちを見やる。


 そして、


「……小さい角を持つデラバイン族は魔界王子テーバロンテに与している勢力だったはずだが、皆、シュウヤに下ったのか?」


 ケーゼンベルスは威厳を感じる口調で、皆に語りかけている。

 バーソロンは、


「はい。我の名はバーソロン。シュウヤ様に命を救われました」

「お前、デラバイン族の首魁か。ん? バーヴァイ城の城主か?」


 ケーゼンベルスはバーソロンを睨む。

 バーソロンは姿勢を正して、


「……はい。過去のことを謝罪します。その清算は、シュウヤ陛下の許可が下り次第なんなりと申しつけください。その代わり、デラバイン族には手出し無用でお願い致します」

「ふはは、バーソロン、遺恨は互いにあるというのに、随分と殊勝な気概を持つのだな! その言葉と心だけで十分だ。今を以てデラバイン族との遺恨を忘れよう。そして、謝罪も清算も必要ない。が、今に至る経緯を少し聞かせてくれまいか」


 ケーゼンベルスはそう語る。

 バーソロンは感動したように瞳を震わせながら、


「ハッ、我が父はリュグラン。デラバイン族の王で魔王級の諸侯の一人でした。が、リュグランは魔界王子テーバロンテに倒された。ですから、仇を取ってくれたのはシュウヤ様。そのシュウヤ様と魔界騎士の儀式を済ませました。更に光魔ルシヴァルという種族へ転化させてもらいました。ですから我は光魔ルシヴァルの眷属、光魔騎士の一人です」


 そう発言。デラバイン族たちも、


「はい、俺たちデラバイン族は救われた。数千年越しの自由を得た気分です」

「うん。シュウヤ様は、わたしたちを救うためバーヴァイ城を制圧してくれた。魔界王子テーバロンテも、まさか本当に倒してくれるなんて……想像もしていなかった」

「あぁ、数千年の支配の象徴でもあった斜陽も消えた」

「バーソロン様の心臓部にあったバビロアの蠱物を除去してくれたのも凄かった。その前のテーバロンテの気配がまだ残る魔杖を持ちながらのフアタンタ隊長との戦いも見事」

「フアタンタ隊長は惜しいことをした」

「あの時か。シュウヤ様が持っていた魔杖バーソロンの内部には、まだテーバロンテの意識が残っていた。だから、フアタンタ様は命を懸けた特攻を行ったのよね」

「そうだろう。あの刹那の戦いが、バーソロン様の命を救った」

「……最後に命令を無視したけど、フアタンタ隊長は格好良かった」

「あぁ、そんなフアタンタ隊長は、本気でシュウヤ様を殺そうとしていたが、対峙しているシュウヤ様は、その事情を察して最初は手を出さなかった。格好良すぎだろう」

「修羅場を幾つも乗り越えた方だからこその瞬間瞬間の判断能力の高さだと思う」

「うん、<血魔力>の血鎖で素早くバビロアの蠱物を滅して、バーソロン様を救ってくださった。バーソロン様が光魔ルシヴァルの血と親和性が高かったから助かったんだと思うけど」

「ツィクハル、私も同意見よ。あの瞬間は見ているだけだったけどね」

「アチもリューリュも同じことを言ってたわね」

「そうそう。魔界騎士の儀式も素敵だった。ハラハラドキドキして……とても感動したんだから! あ、でも、バーソロン様が少し羨ましく見えてしまった」


 最後のほうのデラバイン族の女性兵士たちは、俺とバーソロンを交互に見ながら話をしていた。

 バーソロンと視線が合う。

 バーソロンの頬が赤らんでいた。少し恥ずかしそうな表情を浮かべている。


 勝ち気な面も素敵だが、この表情も女性らしさが出ていて、素直に可愛い。


 デラバイン族の他の兵士たちは、


「シュウヤ様は温情もある。バルミュグを使いセラの方々を苦しめていたのに、事情を察したシュウヤ様は我らを救って下さった」

「温情溢れる仁義を大事にする御方がシュウヤ様! だから俺たちはシュウヤ様に付いていく!」

「「「おう!」」」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスに怯えていたデラバイン族の兵士たちだったが、各自、俺を見ながら勇気を得たように発言してくれた。

 そんなデラバイン族を助けられて良かった。


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは、


「……デラバイン族を救ったシュウヤか。状況はある程度理解したが、シュウヤとロロには神界セウロスの神々の力を感じる……何かしら神々の神慮を有しているのではないのか?」


 俺の知る地球でもあった、特許の多い軍事技術にBMIなどの脳と機械を繋ぐ技術を思い出しながら、


「マイクロ波兵器、磁力、高周波電気インパルスなどの電磁波や周波数に光の波長で、記憶操作など、外から脳や人体に干渉できますから、俺が気付かないだけで、思考、意識が知らない間に操作されていた、なんてことがあるかもですね。しかし、俺は俺だと信じたい。梵我一如の精神を。そして、今回魔界王子テーバロンテを滅した理由も、セラに蔓延る邪悪なカルト宗教【テーバロンテの償い】の根元を断つため。神界側には好都合な結果なので、勘違いも分かりますが、神界側の使命なんてものは持っていない」

「セラに暮らす見ず知らずの者たちを救うために、魔界王子テーバロンテを討伐か。更には、魔界セブドラの魔族のデラバイン族をも救った英雄がシュウヤなのだな……それは同時に我らも救われたということだ……ウォォォン、最初の非礼を詫びよう、シュウヤ……済まなかった――」


 と、ケーゼンベルスは、右側のガレ場の石を吹き飛ばしながら両前足を揃えて香箱座り的な姿勢に移行すると、頭を垂れる。


「「「ウォォォン」」」


 ケーゼンベルスの眷属の黒い狼たちも一斉に同じように頭を下げてきた。

 謝られるとは、驚いた。


 皆も呆気にとられている。

 が、ヘルメが体から水飛沫を発して、


「はい! 閣下は神聖ルシヴァル大帝国の魔皇帝となる御方!」

「ほぉ……」

「ヘルメ、そんなつもりはないからな」

「にゃお」

「はう、すみません」

「はは、旦那はいつも冒険者の気概と槍使いの気概を通しますからね。しかし、精霊様は本気ですよ」


 ツアンはそう言うが、しらんがなだ。


「ふはは――」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは楽しそうに笑うと立ち上がる。

 

 のそっと前に少し歩いて神獣ロロディーヌの横を歩き、


「ンン」


 相棒は、そのケーゼンベルスのお尻の臭いを嗅いでいた。


「……」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは太股と尻尾の毛をぶるぶる震わせる。

 お尻の臭いを嗅がれて満更でもないのか、ケーゼンベルスは動きを止めながら、尻の臭いを嗅ぐ相棒を見ていた。


 神獣ロロはくちゃ~顔を披露。

 フレーメン反応は微笑ましいが、二大怪獣的な姿だけにシュールだ。

 

 ケーゼンベルスはなんとも言えない表情となる。


 そんなケーゼンベルスに、助け船ではないが、


「……魔界王子テーバロンテと戦う直前から説明しますと、俺が魔界セブドラに入った直後のバーヴァイ城には、百足魔族デアンホザーと蜘蛛魔族ベサンのテーバロンテの兵力がいる状況でした」


 ケーゼンベルスは頷くように頭部を下げた。


「俺たちは、それらの勢力と戦って倒し、バーヴァイ城を制圧。そんなタイミングで大軍を率いた魔界王子テーバロンテがやってきた。その大軍を撃破し、魔界王子テーバロンテも倒した。その戦いの流れでグラドの救出を行った。更に【ケーゼンベルスの魔樹海】からの大量のモンスターの襲来が起きたから、今俺たちはここにいるんです」

「ふむ。流れは理解したぞ。魔界王子テーバロンテを倒したシュウヤよ。もう一度聞こう。我らを滅ぼすつもりはないのだな?」

「はい、ありません」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは俺の真意を推し量るように凝視し続けた。


 双眸から発している稲妻の周囲には小さい魔印のような象形文字のような文字と螺旋機動の小さい狼の幻影たちも出現していた。

 鑑定眼には見えないが、鑑定眼のような魔眼かもしれない。


「……同盟を結んでも自由は自由なのだな?」

「はい、勿論です」

「にゃ」


 ケーゼンベルスは鼻をフガフガさせる。

 周囲の空気ごと魔力を吸引しては、俺を見て、深く頷いた。


「……ふむ。懐かしい男気溢れる匂いは、何度嗅いでも、魔英雄シャビ・マハークと雰囲気が被る。シュウヤは<魔雄ノ飛動>と似たスキルを持つようだな……よし、シュウヤとデラバイン族たちよ。条件次第だが……其方たちと同盟を結ぼうか!」

「「「おぉ」」」


 全員が歓声のような声を発した。


「条件とは……なんですか?」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスは巨大な相棒を見てから、俺に視線を向ける。

 頭部を下げて、


「まずは、我の頭部に乗れ」

「え」

「さっさと乗れ」

「にゃ」


 と神獣ロロの触手も俺の背中を押してきた。

 鼻を突き合わせたりお尻を嗅ぐような感じなのか?


「分かりました」

「シュウヤ。我らの勢力と同盟を結ぶのだろう? 敬語は要らないから、普通に話せ。そして、さっさと乗れ」

「……」


 ヘルメたちを見ると、全員が微笑んで数回頷く。


「分かった」


 ケーゼンベルスの頭部に乗った。

 足下の毛は相棒のように黒くモフモフしている。


「ふむ。シュウヤよ――」


 ケーゼンベルスは頭部を上げる。

 一気に視界に広い【ケーゼンベルスの魔樹海】が拡がった。


 が、その視界は生温かい風と共に黒く染まる。


「――え?」


 大きい長い両耳が垂れてきた。

 耳の端には小さい耳輪の魔道具が付いているのか、微かに音が響いた。

 同時に大きく長い耳が離れながら、耳に付いていた魔道具が外れて、俺の手元に飛来してきた。輪を通していた耳の穴は自動的に塞がる。


 耳の内側は神獣ロロと似て桃色だ。

 産毛の量は神獣ロロのほうが少し多いかな。

 しかし、目の前でプカプカと浮く独鈷を彷彿とさせる輪の魔道具は……。


「これは?」

「魔皇獣耳輪クリスセントラルだ。それに触り魔力を込めろ」

「了解――」


 魔皇獣耳輪クリスセントラルを触り、その耳輪に魔力と<血魔力>を送った。

 刹那、魔皇獣耳輪クリスセントラルが閃光を放ちながら、魔皇獣咆ケーゼンベルスの両耳に向かい、瞬時に嵌まる。


 刹那、魔皇獣耳輪クリスセントラルの数が一つ増える。

 魔皇獣耳輪クリスセントラルを嵌めた耳が振動し、内側に大量の血の筋が発生した。


 俺の<血魔力>がケーゼンベルスの両耳に伝わったと理解した。

 足下からケーゼンベルスの魔力が噴出、その魔力と融合するように包まれた。


『<魔雄ノ飛動>ヲ持ツ魔英雄、魔君主シュウヤ……我ノ主トシテ、認メヨウ――』


 魔皇獣咆ケーゼンベルスの心の声か?


「ヴウォォォォォォン――」


 魔皇獣咆ケーゼンベルスが咆哮――。

 ほぼ同時に走り出していた。


「ンン――」


 ピコーン※<魔皇獣の心>※スキル獲得※

 ※<魔皇獣咆ケーゼンベルス使役>※恒久スキル獲得※


 スキル獲得の余韻もなく、曲がりくねった小川を一瞬で越える。

 魔界セブドラにも陽があると感じながら、積み重なったような石場を越えた。

 立ちこめた霧を抜け、流れ落ちる滝を越え、突き出た岩を吹き飛ばし、転がってくる石とモンスターを破壊しながら木々の列を越えて登りに登る。

 空を行き交う魔鳥の群れが俺たちを出迎えるように飛翔していく。


 【ケーゼンベルスの魔樹海】を越えてグングン山を登る。

 【ローグバント山脈】の頂上付近に着いたのか止まった。


 ついてきた神獣ロロディーヌも横で止まる。


 風を感じながら、ケーゼンベルスは振り返った。

 ――一大パノラマだ。【ローグバント山脈】から魔界セブドラを覗いた気分。

 遠くの岩稜と山の輪郭が、勇者の剣の刃を噛んでいるドラゴンの顎にも見えた。近くの無数の岩稜と山道が百足魔族デアンホザーの体に刺さる鏃の弓矢に見える。多種多様の木々がひしめき合っている万緑の森が【ケーゼンベルスの魔樹海】か。

 そんな【ケーゼンベルスの魔樹海】の木々の上部に霧のような薄雲が広がっていた。

 そんな雲を突き抜けている一際高い樹があった。あれが極大魔石を有した魔樹だろうか。

 長細い煙突にも見えるし、長細い山や魔塔にも見える。

 そんな高い樹と樹の狭間に煙のような雲が去来する。胞子のようなモノが周囲の樹に降りかかっていた。胞子は雨にも見える。無数のモンスターも影を落とすように飛翔していた。ドラゴンか蝶のモンスターかな。


 バーヴァイ城とバーヴァイ平原も見えた。

 左のほうは【源左サシィの槍斧ヶ丘】と【ベルトアン荒涼地帯】だろうか。


「ン、にゃお~」

「主、神獣なみの速さだったな、そして、ここは新たな〝魔界絶景六六六〟の一つと名付けたくなる美しい場所だ!」

「おう。しかし、アドゥムブラリも言ったが、相棒の全速力のような速さで圧巻だった。というか、俺は、魔皇獣咆ケーゼンベルスを使役したのか……」

『本当に使役しよった!!』

『神格を有した魔皇獣咆ケーゼンベルスを!!』

『触りたいです~』


 <神剣・三叉法具サラテン>たちも喜ぶ。

 あとで沙・羅・貂を出してあげよう。


「……主。使役は使役だが、これが同盟の証明だ。同時に我は自由だ」


 俺を頭部に乗せている魔皇獣咆ケーゼンベルスがそう喋る度に足下が微かに揺れる。


「当然だ。束縛はしない。ケーゼンベルスの眷族たちも自由だ」

「ふむ! そして、この素晴らしい【ケーゼンベルスの魔樹海】と【ローグバント山脈】の一部は、主の物だ」

「広すぎるし、俺の物ではないだろう。自然は神そのもの。俺はこんな雨奇晴好のような景色を見られるだけで満足だ」

「ふははは、自然は神そのものか……情緒を感じる。賛成だ。興味が無ければ放っておけばいい。我らケーゼンベルスたちも、もう自由なのだからな」

「にゃおぉぉぉ~」


 相棒の鳴き声が魔界セブドラに谺していく。

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