七百二十話 血長耳の緊急幹部会

 俺たちを乗せた浮遊岩は速度を緩めつつ斜め上空に向かう。

 硝子の床と皆が集結したペントハウスから離れた。


 硝子張りのペントハウス内にいる皆から視線を浴び続ける。


 ――まぁ、いいさ。


「あの人集りからして、もう緊急幹部会は行われているようですね」

「ん、下からだと分からないけど、人数的に【血長耳】の関係者が増えていた?」

「どうだろ、レベッカは何か聞いていないのか?」

「レレイさんとクリドススは下界から数人仕事人を呼ぶとか言ってたから、その方々じゃないかな。あと前にも伝えたけど、集まり次第緊急会議は始めるって言ってたからもう始まってると思う」

「そのようだ」


 レベッカの蒼い瞳を見てから魔塔エセルハードを凝視――。

 最上階の外観がよく分かる。


 ガーデンには神像と遺物が構成する半鐘台に露天風呂もあった。

 日本庭園的で風情があるな。

 四隅に角もあるが円盤の形に近い。 

 ペントハウスの屋根はモスク的。

 天辺には巨大な鯱か鯨のモニュメントがある。


 まぁ、洒落たペントハウスだ。

 と、その外装が煌めいた。

 その煌めきと同時に薄い魔線が最上階から放射状に散る。

 非常に薄い膜状のモノが魔塔エセルハードの上層部だけを覆った。


 魔塔エセルハードの最上階と上層階を守る結界か。


『多重的な防御魔法です』

『高層だけの結界か』

「ん、結界がある」

「はい。自然と、わたしたちの浮遊岩も結界の範囲に入っていたようですね」

「カフェにはなかった」

「魔力量も高層にいくほど高まる仕組み。高層を重点的に守っているのでしょう」


 皆の言葉に頷く。

 魔塔エセルハードの標高は高い。

 だから、すべての階層を守るのは不可能か。

 魔道具と魔術師にも限りはある。


 すると、最上階の回り縁に魔力が集まった。


「ん、ゆっくりと端のほうに浮遊岩は向かっている?」

「空を飛んでる気分~。最上階のガーデンに湖でもあるのかしら、大量の水が下の階層に流れ込んでるわ」

「ガーデンと高層部には魔力を含んだ水を活かした絡繰灯籠もありそうです」

「にゃお~」

「キュ!」


 各々美しい屋上の景色を見て語る。

 二人が言うように、回り縁では、ペントハウスとガーデンから流れた大量の水が滝となって下に流れる。

 一部の流れた水は高層の王冠を模した縦樋を通り、高層部の中に流れ込む仕組みとなっているようだった。


 最上階のガーデンには露天風呂でもある?

 それとも、下の階層に巨大プールでもあるんだろうか。


 縁回りには水を通すだけでなく、水を取り込む雨樋風の神像と遺物もある。

 水を取り込む神像と遺物は輝きを発していた。


「遺物に翼がある神像は砂漠地方でも見たことがないです」

「うん。神界セウロスの神々を模した像もあるようだけど、遺物は見たことがないわ。輝いてる! 不思議~」


 ガーデン付近には魔力を発している綺麗な遺物もある。


「うん。濃厚な魔力が浮遊岩の着地場に集中? あ、端が点滅を始めた」


 レベッカが縁を指す。

 俺も相棒の視線を促すように左手を上げた。


「ンン」


 尻尾で俺の首を擽りつつ相棒も魔塔エセルハードを見やる。

 その魔塔エセルハードの回り縁が、ヘリコプターの発着場のように点滅していた。


 夜間だし最上階が映える。


 すると、俺たちを乗せた浮遊岩の機動が変化した。

 魔塔エセルハードの縁回りを進み出す。

 左斜め上に上昇しながら移動する浮遊岩は魔塔エセルハードの窓に近付いた。

 そのまま魔塔エセルハードの窓硝子がある表面を螺旋状に回りながら最上階の縁に向かう。


 ゴンドラ的な機動の浮遊岩――。


 一瞬で過ぎ去る窓硝子から魔塔エセルハードの内部の部屋が見えた。

 厨房、個室、武器庫、無人の部屋、巨大な植物園か。


「浮遊岩の機動は不思議ね。魔塔エセルハードに引き寄せられるようで、くっ付かないわ」

「――はい、何か癖になる浮遊感です」

「にゃお~」

「少し緊張してきた」

「ま、ドシッと構えとけ」


 皆にそう発言したところで、ペントハウスに近づいた。


『器よ。妾たちで、この魔塔エセルハードの最上階を盛大にぶち抜くつもりだな!』

『オウヨ!』

『――え? ほ、ほんとうか? 本当に妾の<神剣・三叉法具サラテン>で、あの結界と最上階をぶち抜くのか?』

『はは、冗談だ。血長耳の結界を壊すわけがない。しかし、沙・羅・貂には、外へと出てもらう』

『あい分かった! 暗殺者対策だな』

『おう』

『――閣下、神剣サラテンたちを使うなら、わたしも外に!』

『精霊よ、ソナタは<精霊珠想>と<仙丹法・鯰想>を用いて器と周囲の者たちの守護を優先ぞ。最上階の連中は強者も多いが、同時に弱い人族もおるのだからな……そして、あの強者の中には器の敵側の存在が潜んでいるかも知れぬ……その強者の血肉は美味そうではあるが……油断はできぬ』

『はい。閣下の傍で準備しておきます。閣下、空から襲撃があると予測を?』

『あくまでも備えだよ』

『分かりました。<神剣・三叉法具サラテン>たちに期待しましょう』

『まさに『備えあれば憂いなし』の考えか。サイデイルの<指弾>の達人の爺が、この言葉をよく喋っていたことは覚えているのじゃ』


 沙は、トン爺の諺を覚えていたようだ。

 何気にトン爺は皆の先生か?


 俺もトン爺との会話のお陰か、かなり博識になったような気がする。


『出ろ――』


 左手の掌の運命線のような傷が開く。

 と、そこから<神剣・三叉法具サラテン>の神剣が出た。


 一つの神剣は高速で上下にぶれる。

 ぶれた神剣は三本の神剣に早変わりするや重なったまま直進。 


 ミルフィーユ的、或いは多層式宇宙空母って具合の神剣三本。

 その重なっていた三本は分かれた。

 神剣は三つの魔力の特徴ある軌跡を宙に描き飛翔する。

 その綺麗な神剣の上に半透明の沙・羅・貂の三人娘が登場。


 神剣サーフィンを行う三人娘だ。


「綺麗ねぇ」

「はい、わたしも傍を飛翔したくなる」

「飛翔といえば、ヒューイちゃん! わたしの翼になってくれないの?」

「キュ? キュゥ~」


 荒鷹ヒューイはレベッカを見て、頭部を傾げてからエヴァの頭部を見やる。

 と、エヴァの豊かな胸元に頭部を寄せて甘えた。


 まったく、ケシカランな――。

 さっきも思ったが、ヒューイ・ケシカランと名付けたくなった。


 そんな皆の様子を見てから、塔烈中立都市セナアプアの夜を飛翔する沙・羅・貂を見ていった。

 沙・羅・貂はヘルメの衣装と似た衣装を装着している。


 可憐な<神剣・三叉法具サラテン>たちだ。


 直後――。

 魔塔エセルハードの外装の表面と縁に煌びやかな魔線が走る。


 ――え?

 最上階の縁際が建物の内部に引き込んだ。

 が、引き込んだ部分が――。

 逆に勢いを増して外側へとグィィンと伸びに伸びた。


「浮遊岩用の階段場でしょうか」

「たぶんそうだと思う。アクセルマギナ、あの動いている外装金属をどうみる?」

「エレニウムエネルギーはあまりありません。しかし、他にあまりないメリトニック系のエネルギーを内包した素材が使われているようです」

「そのメリトニックってのは、≪フォド・ワン・ガトランス・システム≫にあった粒子か」

「はい。この惑星の魔金属類は豊富。しかしながら、この塔烈中立都市セナアプアは次元軸と重力場に振動数もオカシイ。密度の高いクリプトンの元素も異常に増減を繰り返していますので、分析は当てにならないかと」


 と、アクセルマギナが発言した。


「アクセルマギナちゃんの言葉はワケワカメ」

「この戦闘型デバイスの文明の言葉だ。あまり気にするな。で、ゲストの方々もあの階段に乗ったのか」


 ――天空に階段でも作るつもりだろうか。

 最上階の端にできたタラップ的な階段は螺旋しつつ俺たちの浮遊岩を追いかけるように飛来してくる。


 その飛来する階段の左右の縁に聳え立つのは神像かな?


「それか、わたしたち専用階段とかだったりする? あ、他の縁には大きい発着場がある」

「飛空船らしき物もある。ゲストにミホザの第一世代の乗り物を持つ存在がいるのか」

「……聖櫃アーク


 そう言った短い会話の間にも魔塔エセルハードの最上階の縁から出た階段が蛇のように蜷局を巻く――面白い。遊園地の遊具みたいだ。


 その飛来してくる階段に立つ四メートルは超える神像が光り輝いた。


 両端の二体は燃えた杖を掲げている。

 自由の女神が近付いてくるような勢いだ、少し怖い。

 すると、その神像の輝きが増した。

 更に、二つの燃えた杖から、硝子状の膜と金属粒子が放出されるや二体の神像に付着した。その刹那――硝子状の膜と金属粒子が硝子の扉に変化を遂げた。


 金属の取っ手とサッシの枠も備えた物だ。


「わぁ、神像の間に硝子の扉が!」

「ん、びっくり」


 続けて、俺たちを乗せた浮遊岩が、その階段の下にできた硝子の扉と合体――。

 ドゥンッと重低音が響くし、カッコイイ。


 ――神像の硝子の扉が左右に開いた。

 硝子の先はエスカレーター状の階段だ。

 

 そのエスカレーター状の階段は魔塔エセルハードを巻くように湾曲しながら最上階に向かっていた。


「ん、魔法の階段もある」

「凄!」

「はい、さすがは【白鯨の血長耳】の魔塔……」


 開いた硝子の扉は左右の神像の中に吸い込まれるように消えた。

 ――自動ドア風、魔法のドアか。

 動く魔法階段といい、消えた扉と神像もだが、魔機械と魔法が融合した魔科学がてんこ盛り。


 ミスティなら、その一端が分かったかもな。


「ん、凄い仕掛け。魔造家のような技術!」

「地下オークションの会場の魔改造された貴族の家とかもあったわね」

「魔迷宮サビードの内部にあったクナの魔法実験場もそうでしょうか」

「だろうなぁ。ミスティかクナなら分かるかも知れない」

「はい、魔道具その物かも知れませんし、オードバリー家の優れた職人たちのような能力者が造ったものかも知れないですね」

「ん、【白鯨の血長耳】は、やはり凄い組織」

「おう。さぁ、皆が待つ。行こうか」

「「はい」」

「うん」

「ンン、にゃ」


 相棒を肩に乗せた俺は動く階段に足を乗せる。 

 瞬く間にガーデンを通り抜けて、ペントハウスの出入り口に到達。

 天井はかなり高い。

 外はモスクに見えたが、内装は教会的。

 天井に向け湾曲した二重のサッシ窓が備わるステンドグラスが付いた吹き抜けだ。

 その両側の壁から湾曲しつつ天井に向かう部分には、ステンドグラスの他にも何かの古代文字とマハハイム共通語が刻まれていた。


 同時に会議場の席から見守る評議員たちの視線が俺たちを焦がす。

 当然だが好奇な視線。


 動物園の動物になった気分だ。


 あまりいい気分じゃねぇな。


 ガルファさんはニコニコ顔だった。

 クリドススにソリアードたちもいる。

 風のレドンドはいないか。

 他の【血長耳】の幹部たち……。

 レレイって女性は、あの美人か。


 秘書的な印象だが、渾名は魔速断。

 確実に強者だろう。


 あ、乱剣のキューレルもいた。

 キューレルは軍事的な敬礼。

 一人だけ深く頭を下げていた。

 片腕を覆う防護服がリニューアル。

 あれが移植手術を受けた新しい腕か。

 エルザのように邪神の眷属が棲んでいるのか?


 すると、クリドススが、


「やっと到着ですか、シュウヤさん!」

「シュウヤ殿!」


 軍曹メリチェグ。

 顔にある傷からして渋い人だ、【血長耳】の副長的な存在。

 そのメリチェグが、


「皆様方、あの方が独立不羈の槍使い。他にも知っているように数々の異名があります。そして、わたしたちの盟友【天凛の月】の盟主、シュウヤ殿です」


 俺を紹介してくれた。


「おう、待たせた」


 と、挨拶。

 するとガルファさんが立ち上がる。


「あいや、めでたい!」


 と、柏手を打つ。

 場が一気にシーンと静まる。

 空気感が変わった。


 ガルファさんはニコッと笑顔を作る。

 ――魔力操作を実行したようだ。

 全身に<魔闘術>系の銀色の闘気的なモノを纏うと、素早い動きで近付いてきた。

 ガルファさんは拱手をして挨拶。


 そして、


「盟友殿、遅くなったが、じらす作戦なら成功だ。交渉を優位に運ぶつもりだったのだな?」


 ま、多少は狙った感もあるが、口には出さない。


「たまたまです」


 と返したら、


「ふぉふぉ、さすがはレザライサの夫になる男。謙遜男じゃのぅ」

「え?」

「冗談半分じゃ、シュウヤ殿」


 と、目が笑っていないが笑顔のガルファさん。

 同時にお香の匂いが漂った。

 そして、懐が深いポージングから腕をさっと伸ばす。


「ではシュウヤ殿、こちらの席に――」


 腕先は、机と椅子がある方角だ。

 スムーズな所作だが、一流の執事的な動きでもあった。

 ガルファさんと一緒に血長耳たちの席に向かう。


 評議員たちの多い席が近くになると、その皆が、


「【天凛の月】の盟主か。直々にガルファ殿が誘導するとは……」

「……世話人が本気か。【天凛の月】と【血長耳】……ふむ」

「【血月布武】。【血星海月】の名は本物か」

「今回の主役か」

「ウレン、【血長耳】の緊急幹部会って名目があることを忘れないように」

「ククリセ。そう言うが、君こそ興奮しているではないか」

「ふふ、当然よ。黒髪の盟主、あの槍使い。イケメンだし素敵だわ♪」


 そう発言したククリセって女性評議員は美人さんだ。

 レベッカ、ヴィーネ、エヴァ、キサラが直ぐに評議員側を歩いて俺の視界を塞ぐ。

 

 相棒が俺の頬に肉球パンチ――。


「……オセべリア王国の王権争いにも関わる裏側の人物とも聞くが」

「魔竜王討伐では、個人で唯一結果を出した冒険者でもあると聞きました」

「そして、セナアプア評議会の最大派閥を瓦解させた要因の盟主……双剣フゼルを倒したのは、槍使いだという噂もある」

「あの黒猫ちゃんは可愛いぞ」

「わしも欲しい」

「わたしも猫を飼おうかしら……」

「ペットビジネスは拡大中だ」

「槍使いが連れた黒猫だ。ひょっとしたら、あの肉球には、人を癒やす力があるのかもしれん」

「……黒猫のほうはおいといて、槍使いのほうは飛行術も備えているようですし、【円空】の新しい空戦魔導師に欲しいですな」


 【円空】か。ってことはルマルディの元上司か?

 名はヒューゴ・クアレスマ。

 【血長耳】と揉めていたようだが、時勢で動いたか。

 が、普通は首が飛んでいるはず……レザライサの判断待ちか?  と、斜め前方を歩くガルファさんを見やると『その通りじゃ』と言ったような鋭い視線を返してきた。


 寒気がするほど殺気を帯びた視線。 

 思わずキサラに視線を向ける。キサラは笑みを浮かべた。

 気になる存在はいないようだ。

 武闘派とかいう評議員はいないのか。

 敵に回ったか、日和見か。


 評議員たちの近くを通り過ぎる。

 次は闇ギルドの同盟者たちかな。


「理力、理力、狙うは一時、されど時に非ず」

「あの時のダークエルフか……」


 ヴィーネを指摘した人物。

 見た覚えがある。


「あっ、銀髪の魔布使い……」


 と、そのイケメンな中年を見てヴィーネは驚いていた。


「え……三剣師ブハビ……【幽魔の門】」


 キサラが指摘。

 幽鬼族か、その三剣師ブハビは護衛のようだが……。

 黒髪を発見。面はアジア系。

 その人物が頭を下げてきた。

 背後のメイド風の美人さんたちも頭を下げる。


 えっと、まさか――。

 俺も自然に日本風の挨拶。

 頭を下げた。

 ガルファさんは足を止める。


「……黒髪の錬金術師マコトと知り合いか」


 そう聞いてきた。

 黒髪の錬金術師は俺を見やる。


「直接会うのは初めてです。しかし、うちの料理人と関わった際に使ったという『芸術は爆発ですよ』といったような言葉は聞いています。そして、ヴァルマスク家の<筆頭従者>の一人と争ったことや、クナと錬金術の素材で取り引きをしたとも聞きました」


 その黒髪の錬金術師が、チラッとヴィーネ的な立ち位置の部下を見てから、俺に視線を戻すと、


「ホムンクルスの一件ですか。ララーブインのことを? あまり広言はしていないつもりでしたが、ま、わたしも初めてですよ。しかし、そんなことより、『にっぽん』という島国の懐かしい・・・・匂いがします」

「あぁ、俺も同じさ。元にっぽん・・・・人」

「ふ、そうでしたか。やはりCERNのミニブラックホール実験に、それだけじゃなく、北は筑波研究所に南は東京湾、関東地方の地下深くに秘密裏に建設されて実験稼働中だった巨大粒子加速器の影響を受けたようですね」

「……それはあるかも知れない」

「CERNの研究者が歴史を書き換えたとも呼ばれたマンデラエフェクト。古代から続くDの遺伝子を色濃く受け継いだ特殊能力者。脳幹と首に強烈な痛みを伴う……時空間の断絶の影響を受けた平行世界への精神転移者ですか」

「……首に不自然な痛みを覚えることはよくあったが……他はあまり知らない。Dの遺伝子ってのが聞いたことがあるぐらいだ」


 CERNか、テロも起きていた。

 マコトは、俺の知る地球出身の可能性は低いと思うが……。

 ま、パラレル異世界の地球だとしても、日本出身なことは間違いない。


「多次元世界のお話ですね」

「そうだ」

「シュウヤ殿、話は後ほどで、今は席に座っていただこう。マコト殿もよろしいか?」

「勿論です」

「了解。ではマコトさん、また」

「はい」


 そうして、席に座ると、メリチェグが、


「それでは、同盟者の方々! 役者はそろった。という認識でよろしいか?」

「構わん、進行を頼む」


 そう発言したのは、身長が二メートルを超える方。

 しかし、体は細い。

 額に魔印を宿す。

 双眸は片方に魔眼を備えて、もう片方には瞳がない。

 真っ白、怪しい。ユイの<ベイカラの瞳>系の能力か?

 キサラが気にしていた三剣師の前に立つ方だから、【幽魔の門】のお偉いさんか。


 となると、フランとも通じていることになる。


 俺が興味を持って、そのお偉いさんを見ていると、クリドススがレベッカを退かして横に来る。耳元で、


「最初は美女に注目がいくかと思いましたが、意外ですね。あの方は、【幽魔の門】のセナアプア管轄局局長サーバロアス。護衛は【百森眼衆】の幹部、雷剣シベリルと三剣師ブハビ。因みに、あの方々はわたしより長生きのはず」


 と、教えてくれた。

 管轄局局長とか、お偉いさんだ。


 キサラは頷いたあと、そのまま【百森眼衆】幹部の一人、ブハビを凝視。

 ブハビは『はて?』といったような面で俺たちを見ている。


「ありがとう、クリドスス――髪の毛がいい匂いだ」

「――ひゃぅ、そんな唇を近づけないでください、ちゃんと聞こえていますから」


 サラサラしてそうな前髪を揺らして照れるクリドススは女の表情を見せた。

 言っちゃ悪いが俺は光魔ルシヴァル。

 <分泌吸の匂手フェロモンズタッチ>を使わずとも女の匂いで分かる。


 メッシュが似合うボーイッシュな髪形のクリドスス。

 そのクリドススの心臓が高鳴って脈拍が変化していた。

 

 クリドススの長い耳に息を吹きかけながら、


「――そうか? クリドススも美人さんだから、じっくりと見たい思いもある」

「あん……」


 クリドススが感じたような小声を発した。

 同時に両太股をエヴァとヴィーネに抓られた。


 レベッカは俺の首を拳でぐりぐりしてきた。


「――何エロいことしてんのよ、さっさと用事を済ませて、市場で買い物でしょうが! それに、エロいのはわたしだけにっ、してろっ、ての――」


 その瞬間、クリドススたちは微笑む。

 しかし、痛いがな!

 相棒はそんな皆の足下を行ったり来たり。


 更に、


「ゴッホン――」


 と、ガルファさんの咳ツッコミ。

 一度、ヴィーネに視線を向けてから……。


「ご主人様、いい匂いなら、わたしの匂いを嗅いでください」

「ん、わたしも」

「分かった。が、今度な」


 と、ヴィーネとエヴァの手を握りメリチェグを見る。


 そのまま『進行を頼む』と顎で合図を送った。

 メリチェグは、


「では、改めて緊急幹部会の続きを行います。ペレランドラとネドーの勢力争いで【天凛の月】が躍動。多くの闇ギルドを潰したことは聞いていると思います。そして、我ら【血長耳】も、盟友であるシュウヤ殿と【天凛の月】の動きを察して、逸早く上院評議会議長ネドーの首を取った。このことにより評議会は完全に瓦解した。敵対勢力としての上界管理委員会も崩壊は免れられないでしょう……しかしながら、大きな……問題が起きました。魔法学院とも関係します」


 と、メリチェグが発言。

 ガルファも、


「今宵はその案件に【天凛の月】のシュウヤ殿が必要だから来ていただいたのだ」

「戦果を上げた【天凛の月】の盟主が必須な敵対勢力がいる?」

「そうです」


 評議員の呟きにも似た言葉にメリチェグがそう答えていた。


「ん? 副議長の諸勢力に動きでもあると?」

「ネドー一派が崩壊したことで、魔法学院だと? 我らとも関係があるのか」

「どういうことだ? わたしの魔法学院の生徒たちには、何も説明をしていない」

「皆様方――ここは大人しく【血長耳】の軍曹殿の話を聞きましょう。説明をよろしく頼む」

「大人しくだと……無理だ。もしや! ピサード大商会との取り引き関係か? 【闇の枢軸会議】の中核の【闇の八巨星】共の暗躍は少なからず、南マハハイム全域の問題ではあるが……」

「邪教云々は置いといて、表のピサード大商会と取り引き関係にある者たちは、この場にいる評議員にも多い……皆、何かしらの商会を持つのだからな。ネドーは人身売買で多大な利益を得ていたようであるが……」


 メリチェグの話を聞いた評議員たちは各々語る。

 人身売買か。

 奴隷も同じようなもんだと思うが、もっと酷いのがあるのか。

 魔弓ソリアードが、


「正式な奴隷商売は勿論ですが、ある程度の違法人身売買は黙認しています。ペレランドラが唱えていた正義も分かりますが、それは理想論でしかない。正義の評議宿も、今では形骸化。訴訟技術はスキルを持つ者同士と政治家の別種の争いになった。ですが、超がつく……屑の人身売買は力で潰す方向です」


 そう発言。ガルファさんは少し頷く。

 続けてクリドススが、


「ウン、当然。【評議宿ソシュール】はがんばっているけど、追いつかない。そして、生きて、皆の繁栄に繋がる商売は大事だからネ。でもネェ……子供の命を奪うのはダメ。屑な邪教と同じ、ネドー一派はやり過ぎた」

「……ネドーは【魔扉】などの下界の連中を使っていたからな。特に倉庫街のある【血銀昆虫の街】には魔界と通じた邪教が多く徘徊している……」

「【闇の枢軸会議】の中核の【闇の八巨星】共か。下界とレフハーゲンに主戦場を移したと聞くが……」

「それ関係ならば、上院評議員ドイガルガが擁する虚空のラスアピッドが動くだろう」

「メリチェグが言う〝問題〟とはソレか。これだから下界の連中は……」

「――あ”ぁ? 何か我らに問題でもあるってのか? 上院の糞ども……」


 一人の厳つい男の方が切れた。

 魔剣を背中にぶら下げている。

 近くにはヴィーネが苦戦した魔布使いもいた。


「ハリオン、そうイキるな。皆も落ち着け」


 ガルファがそう発言すると、ハリオンって方は黙る。


「ここにいない評議員が、我らに対抗して独自の反撃を準備中ということか?」

「その観点なら【魔術総武会】の幹部連中も、この場にいない者が多い」


 刹那、大魔術師アキエ・エニグマが表情を変えた。


「……話がずれるけども、わたしとシオンが、この緊急幹部会に出席している。これだけで、わたしたちの立場を理解できなくて?」


 と、発言。

 評議員は黙りつつ、複数の方々が頷いた。

 アキエ・エニグマの隣にいる方がシオンか。


 続いて、【幽魔の門】のセナアプア管轄局局長サーバロアスが眼光を鋭くする。

 と、体から半透明な魔力を放出させた。


 あの魔力操作……見覚えがある。

 あぁ、フランか。

 フランの片腕には眼球があったからな……。


 そして、サーバロアスが、


「アキエ・エニグマ……あの歴史が動いた一夜の出来事は聞いている。あの大規模な戦闘行為がセナアプアの【魔術総武会】の総意であると言いたいのだな」


 そう聞いていた。

 アキエ・エニグマは表情をニンマリとさせる。

 なぜか、俺を凝視してからウィンクしてきた。


「……現段階・・・では、そう思ってくれて構わないわよ。さすがは【幽魔の門】の方々は理解が早い。で、上院評議員レゼミッハ・パパンちゃん。隣に、サージベルトとユーリベトルもいるんだから、仲良くね。そして、くだらない探り合いより、今は素直にメリチェグの話の続きを聞いたら?」


 そう発言しながら、チラッと俺を見て微笑むアキエ・エニグマ。

 美人さんだからドキッとしちゃうがな。

 魔塔ゲルハットをくれたし、好感度が高い。


 と、まんま彼女の掌の上か。

 ま、美人の掌の上でなら楽しく踊るさ。


 と、評議員たちを見る。


「理解した」


 上院評議員レゼミッハ・パパンさんがそう発言。

 空魔法士隊と空戦魔導師の護衛は強そうだ。

 続いて、サージベルトとユーリベトルって評議員たちも、


「我らは、もとより【血長耳】と争うつもりは毛頭ない。当然だが【魔術総武会】ともだ。魔法学院を優先する」

「その通り。『リゼッチドロウズボウル』にはスポンサーも多いのだ。空魔法士隊と学生を抱えている身としては、闇ギルド同士の無闇な争いなぞ御免被る。そして、強いほうにつくのは自然の流れ」


 『リゼッチ』も興味深い!

 観戦したいが、そんな暇はなさそうだ。


 アキエ・エニグマに視線を戻すと、隣のシオンって方が俺を睨む。

 女性か男性か分からない大魔術師。


 そのシオンって方が、中指を俺に向けて立ててきた。


『閣下、あの指の意味は、どういうことでしょうか』

『クソ野郎、侮辱の意味かな、もしかしたら、好きって意味かも知れないが』

『……閣下を侮辱しているのですか。なんという罪深いことを。ならば、あの女か男か分からない大魔術師を水に埋める許可を』

『攻撃してきたらでいい』


 怒れるヘルメは少し怖い。 

 アキエ・エニグマはハッとした表情を浮かべた。 

 俺の視線とヘルメの動きを察知したか?


 シオンの手を急いで払うアキエ・エニグマ。

 表情には焦りがあった。

 シオンは、更に機嫌が悪くなったように見えるが……。

 あ、顔貌に魔力の筋を作った。


 その叩かれた手を見たシオンは、ジロッと俺を睨む。

 やべぇ、殺気だ。

 敵なのか?

 なんで機嫌が悪いんだ……。

 アキエ・エニグマはそのシオンに小声で一言二言喋ると……。

 シオンは、俺に向けていた殺気を解いて、そっぽを向いた。


 アキエ・エニグマは溜め息を吐きつつ……顎でメリチェグに話を促した。


「では、評議会の上界管理委員会が支配する〝泡の浮遊岩〟、〝網の浮遊岩〟、〝烈戒の浮遊岩〟の、それぞれの魔塔に封じられた、我らの襲撃を予測し事前に移動させられていた。とも言いますが、その分霊秘奥箱が、ネドーの死により開かれました……」

「――分霊秘奥箱だと?」

「なんだそれは」

「……問題は何が封じられていたかってことよ。まさか……炎邪魔塔の乱のような事が?」


 そう発言したアキエ・エニグマは、ガルファさんを見た。

 ガルファさんは深く息を吐いてから頷く。

 そして、


「それすらも超える規模かも知れぬ。封じられていたのは三つ。〝泡の浮遊岩〟に暁の墓碑の密使が一人、ゲ・ゲラ・トーの魂。これは既に手遅れ。ネドーの魂を餌に泡の浮遊岩自体が迷宮と化した。魔法学院の生徒と空魔法士隊に、街のすべてが犠牲になっただろう。残り二つもだが、この事象は各都市の魔法学園にも影響する。次の網の浮遊岩では、魔界の魔元帥級のラ・ディウスマントルの五分の一にも満たない魂だったようだが、ネドーの魂と引き換えに無数のネドーの生きた違法奴隷の血肉を得て復活したようだ。その復活を果たした魔界の魔元帥級のラ・ディウスマントルは完全ではないとは思うがのぅ……周辺の浮遊岩と魔塔を襲い被害が拡大中だ。冒険者ギルドマスターは、この案件に掛かりっきりだ。で、あるから、吸血能力を有したキッカ・マヨハルトはいない。その魔元帥級のラ・ディウスマントルと関係があるのか不明ではあるが、十層地獄の王トトグディウスの狂信者が下界で暴れている。これはテーバロンテの償いの知らぬところのようだ。邪教同士で争いを始めた状況じゃ。更に最後……烈戒の浮遊岩なのじゃが……」


 ん? 俺を見たガルファさん。

 厳しい視線だ。魔力が眼球からにじみ出ていた。


「――ングゥゥィィ、ジジィ。ソノ、目、魔力、ウマイ、ゾォイ?」


 一瞬、ひざから崩れそうになった。

 が、気を引き締めて、相棒が足下でこけたが構わず、


「ハルホンク、今は大人しくな。で、ガルファさん、最後は、俺に?」

「ふむ。我らが気づいた時には烈戒の浮遊岩の表面はボコボコで周囲の魔塔と浮遊岩の多くが破壊されていた」

「それは……」


 皆も同じ思いか、頷く。

 ガルファさんは溜めた。


 緊張感が高まる。

 評議員たちは唾を飲み込んだ。

 闇ギルド云々を超えた話に展開したからだろう。


「……魔人ソルフェナトスと名乗る者が、一人立っていたのだ」

「会話をしたのか」

「そうだ。魔人ソルフェナトスは烈戒の浮遊岩で、モンスターと化した元住人のすべてを無償で倒してくれていた。その魔人ソルフェナトスは……」


『信用を示そう。が、この巨大な岩は俺がもらう。これが取り引きだ――』


「と語ってきたのだ。寄越してきたのは、ネドーの魂が入った真新しい分霊秘奥箱であった。わしは被害が拡大する前に、一時的ですが、と了承した」


 ガルファさんはその分霊秘奥箱を見せる。

 直ぐにヴィーネとキサラに視線を巡らせた。


「はい、本物かと」

「……もう意味はありませんが、ネドーは分霊秘奥箱を用いて自分の魂と引き換えに魔人への転生でも狙っていたのでしょうか」

「そうかも知れない。手っ取り早く種族進化を狙ったとか? 元人族のバーナービー・ゼ・クロイツもナロミヴァスやヴァーミナ様から力を授けてもらったようだったからな」


 更に、ガルファさんは、


「その魔人ソルフェナトスは……」


『魔英雄シャビ・マハークを知らぬか! 定命の者ども、話にならん……』

『……八魔人、八魔峡、八槍卿の関係者を呼べ!』


「と叫びつつ、空に魔雷を召喚しては魔塔の一つに風穴を開けたのだ。続けて……」


『異形の魔城の守り手の意思を宿す者を呼べ! この地に、神々を、異世界を貫く槍使いの強者がおろう……おぬしらの定命の範疇を超えた異質な者がな……』


「そして、『魔軍夜行が……』と語ると、あぐらを掻いてから『退いてほしかったら、俺の要望を早く叶えるんだな? 定命の者ども。とは、言えない老獪な爺……』」


「と、巨大な礫を放ってきた。わしはびびりながらも虎徹で打ち払ったが、強烈な攻撃であった」

「……だから俺か」

「その通り、シュウヤ殿に、烈戒の浮遊岩の乱を鎮めてもらいたい」

「ま、鎮めると言ってもな、会うだけだ。どうなるかは分からない」

「それで十分」


 ガルファさんはいい笑顔。

 俺は頷いた。


 すると、


『器、見知らぬ者たちが見えてきたぞ――』

『器様~、数が多いです』

『先手はどうしますか。沙が好きな不意打ちは可能です』

『状況からして襲撃者か。が、まだ様子見だ。俺たちが直に外に出るまでは防御優先。勿論、攻撃を受けたらやり返せ。問答無用で潰して構わない』

『了解』

『『はい』』


 俺は直ぐに皆に向けて、


「――皆、外に、空か。敵の気配ありだ」

「シュウヤ殿。それは真か?」

「たぶんだが、まぁ、数が多いようだし、襲撃者だろうな」

「「――え?」」


 素早い反応で評議員の護衛の方々の片方が外に出た。


「「なんだと!!」」

「槍使い殿は、魔塔エセルハードの風探知を超えた索敵能力者でもあるのか……」

「これは噂に聞いていた通り……」

「あぁ、世話人と軍曹に従って正解だ」

「やれやれ、【白鯨】として戦うのは何百年ぶりだろうか……」

「コトウも、セナアプアに留まって、それかレドンドを手伝ってあげてよ」

「……俺は俺だ、総長たちと一緒に皇都を見たい思いもある。が、今はお気楽に過ごさせてもらうさ。しかし、今回はがんばるとしようか!」

「当然♪」

「理力は刀でこそ輝く……」

 

 盲目の女性だが、ホワインさんを連想する。

 あの魔布使いと同様にレフテンの伯爵領で俺たちを攻撃する側にいた人物。

 巨漢が持つ肩に抱えたボウガンは、空中戦ならもってこいだが……。


 その巨漢が、


「アコ、出番だ。ま、こんな面子だ。俺たちは下から来るかも知れない浮遊岩に狙いを絞るか?」

「うん。理力がある者が勝つ。槍使いは強い」


 そう語る闇関係の仕事人たち。

 理力と語る女性剣士は俺を見るように頭部を動かしたが……。

 盲目ではあるが、それを補う才能を有しているっぽいな。


「……三つの乱があるというのに、副議長たちの戦力の襲来か」

「襲撃も折り込み済みだろう。だからこその、この戦力」

「【白鯨の血長耳】はゲリラ戦を知り尽くしている。蠅が群がるのを待ったか」

「ふははは、我らを餌に使うガルファ殿。あっぱれである」

「……閣下、興奮せずとも、わたしも対処しますので」

「雷剣シベリル、頼む。ブハビは……ん?」


 と、ブハビはキサラと対峙中。

 もとい、談笑か?


「上院評議員ドイガルガは逃げたと思うが、その空戦戦力はネドーの残骸たちに手を貸したか?」

「ふむ。ピサード大商会と関係した闇ギルドは多い。国や大海賊団など外部勢力もネドー一派の政治力に大規模な人財を掛けていたからな、セナアプアの地盤に影響力も失いたくないのだろう」

「……そうなると襲撃の主戦力は空魔法士隊【空闇手】と空戦魔導師の虚空のラスアピッドか」

「……空戦魔導師の虚空のラスアピッドは、ドイガルガの護衛だろう、血長耳の策に気付くはず」

「虚空のラスアピッドがいないのなら、それでいいが、背後の【闇の枢軸会議】の中核の【闇の八巨星】の戦力には得体の知れない者が多いからな。【八本指】などの戦力を得ることができたなら、三つの乱に乗じ、形成の逆転を狙うつもりで、乗り込んでくる可能性もあるか」

「三つの乱のほうに回っている可能性もあるが、武闘派評議員ヒュリコ・ソルベルッシと空極の迷想不敗ペイオーグも、この場にいない」


 評議員たちの会話とキサラとブハビのやりとりも気になるが、まぁ、外だ。

 ヴィーネも因縁のある魔布使いとは話をしていない。

 向こうも、プロはプロという態度だ。

 俺は右手に魔槍杖バルドークを召喚――。


「相棒、外だ」

「ンン、にゃ~」


 黒豹に変身したロロディーヌ。

 可憐な黒女王的にスタスタと闊歩する黒豹だ。


 その美しい黒豹の姿を見た評議員たちはどよめく。

 眷属たちの表情は、皆、自慢気だ。


 俺も誇らしい気分となった。


「にゃ?」

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