六百七十二話 塔烈都市セナアプア


 遠くに塔烈都市セナアプアが見えた。

 浮き袋が川面に幾つか浮かぶ。

 川底にアンカーでも設置されている?

 ハイム川は海とほとんど同じ。


 セナアプアは沖合にある人工島っぽい。

 ケーソンらしき防波堤には構造物もあった。


 腰に巻く両手を緩めたヴィーネ。


「ご主人様、セナアプアの他にも、あのような塔が」

「あぁ」


 軍艦島か、はたまた塔烈〝中立〟都市という名があるという意味を表す要塞か。

 内部には人族たちの魔素以外にも魔道具もある。

 魔力量もかなりあった。


 長細い灯台を備えた街が幾つもある。

 塔はスポーツ会場的な構造で、観客席にはたくさんの人々が入っている。

 空を行き交う空魔法士隊を応援していた。

 

 空魔法士隊には学生も多い。

 専用のプロチームもあるのかな。

 

 スポンサー的な大商会のマークが至る所にある。

 VIPが座るような席も高台にちらほらと……。

 アキエ・エニグマが座っていそうな位置に別嬪さんの魔法使いが何人も座っていた。キサラのようなアイマスクをかぶっている。オペラでも聞くようなスタイルだ。


 三角洲には似たような構造物が点在しているようだ。

 前来たときには結界でもあったのか、低空過ぎた飛行だったせいもあって気付かなかった。


 そして、この塔烈都市。

 上界と下界の浮遊岩が生む高低差が造る都市だという意味かと思っていたが……。

 上界と下界の建物の塔は水平ダイアフラム的な形の塔と巨大な鋼管が多い。

 更に、蒸気を発した金属管が無数に組み合わさって立体的な複合構造の魔塔街を形成していた。


 塔烈都市セナアプアは凄まじい。


 色々な意味がありそうな旗も揺れていた。

 貴族か王家か大商人という意味か?


 空魔法士隊のメンバーが、その周囲を飛翔。

 ――人数が多くなったり減ったりと、サッカーのようなフォーメーションを組む。

 杖に乗った魔法使いが最後尾。

 その最後尾の魔法使いは、ボールのようなモノを持っている。


 クォーターバック?

 いや、投げていない。ラグビーか?


 最後尾のボールを持った魔法使いを守ろうと、傍を飛翔する味方の魔法使いたちが、防御魔法を空中に展開。渦的な魔法の流れだ。

 

 最後尾のボールを持つ空魔法士の頭部はツルツルしていない。

 その空魔法士は茶色の髪。女性と推測。

 しかし、そのボールを持つ空魔法士を狙おうと、攻撃魔法を繰り出す相手側チームの空魔法士隊。


 ボールの奪い合いは熾烈か。

 んだが、そのボールを持つ魔法使いのチームの防御側のほうが優勢だ。


 防御側かと思ったが、攻める側でもある?

 トランジション、守から攻めのカウンターを実行中か。

 

 ボールを持った魔法使いは、最後尾から巧みなドリブルを披露するように杖を基点に、くるりぐわらりと、空中を回転しながら突進――。

 味方の魔法の援護を利用しては、杖をくねらせボールを誘いに『エラシコ』のフェイント的な動きを、杖と体で再現すると、攻撃側の魔法使いたちを、宙空に置き去りにした。


 ボールを持った魔法使いは敵側のフィールドプレイヤー空魔法使いたちをあざ笑うように突破する。


 そうして、ボールを持った魔法使いが大きな円に向けて持っていたボールを投げ込んだ。


 ボールが大きな円の中心を通り抜ける――。

 と、スコアボードにあった16対16だった数字の片方が18になった。

 ホイッスルの音が響く――刹那、大歓声が上がった――。

 歓声からうねるような圧力を感じた。

 一種の共振か。魔力の共振であちこちの魔道具が誤作動を起こす。

 

 大歓声が物語るように、あのボールを投げたチームが勝ったと理解した。


 バスケ、アイスホッケー、アメフト、サッカーと似たスポーツを合わせた新種の空魔法士隊スポーツか。


 面白そう。


「ヴィーネ、加速中に悪いが、あのスポーツの名前は分かる?」

「『リゼッチドロウズボウル』という名前らしいです。『リゼッチ』と略されることが多いようです。元々は魔法学院と寄宿学校の運動会にあった一競技だったようですね。古い歴史があるらしいのですが……名前の由来に元祖を巡る争いがあるようで、あまり調べていません」

「いや、十分だ。ありがとう」

「はい!」


 そんな『リゼッチ』のスポーツ大会が行われている魔塔街を通り過ぎた――。


「――見えた、相棒! <無影歩>は港に着地する瞬間解除する。が、一応低空飛行に移ろう。その時、荒鷹ヒューイも解放してやってくれ」

「ンン――」


 小型コンコルドスタイルで爆速中の相棒。

 手綱を握る触手は、俺の腰と足にも絡まっている。

 ヴィーネが背中にいるが速度を出すスタイルだ。

 ヒューイは相棒のどこかに絡まっている。


 向かい風が凄い。

 魔力粒子の放出も弱まった。

 

 衣装は半袖スタイルだと少し寒い――。

 魔竜王と牛白熊とヒトデのバージョンを組み込んだ新衣裳。


 滑空からハイム川の川面スレスレを飛翔――。

 川面から水飛沫が迸る。

 下界の港に突入――。

 

 ――ドライドックで建設中の軍船が見えた。

 ――どの大商会の船か不明だが……。

 魔導船の類いの船もちらほらとあった。

 魔導人形ウォーガノフを連れている貴族もいる。


 ミスティっぽい姿の方々も見えた。

 小型魔導人形ウォーガノフもある。


 用心棒的な冒険者や空戦魔導師っぽい姿の魔法使いも甲板にいた。

 貴族関係ってわけではないはず……。

 ん、上院と下院に分かれていると聞く評議員は貴族なのか?

 

 ま、こまけぇこたぁ、気にしない。

 先の魔塔街と同じで様々な方が住んでいるんだろう。


 ここはハイム川。

 海と通じるし、海上都市の一面もある。

 先と同じく上界と下界は浮遊岩と魔塔が織り成す凄まじい大都市だ。


 それが塔烈都市セナアプアだ。

 

 相棒は――無数の船が並ぶ間を縫う。

 甲板の上の船乗りたちを驚かせつつ――。


 港のウォーターフロントに着地。

 目を瞑っていたヴィーネを優しく立たせてあげた。


「なんだぁ、嵐かよ!?」

「おいぃ~、ハイム川に嵐ってか?」


 船乗りたちには突風が吹いたように感じられたかもしれない。

 <無影歩>を解除。


 相棒も黒猫スタイルで、肩に着地。

 荒鷹ヒューイも肩に着地。


「ングゥゥィィ」


 ヴィーネを連れて――。

 港の待ち合わせの場所に急いだ――。

 ――いた!

 黒猫の旗を振るエヴァだ。

 

 エヴァとレベッカにユイ、キサラも!


「――シュウヤ!」

「ん――」

「シュウヤ様! 新しい眷属ちゃんが!」


 皆、駆け寄ってくる。

 レベッカとユイが偉い勢いで抱きついてきた。

 だが、エヴァの抱きしめが一番強烈だった。

 背骨が痛いが、竜頭金属甲ハルホンクが刹那の間に空気を読んだ結果だ。

 偉いぞ、ハル君。

 が、キサラも中々の圧力だ……ヴィーネは遠慮しているが、表情は少し引き攣っている。


 ヘルメは左目から出ない。

 沙もだんまりだ。


 ヴィーネは遅れて皆とハイタッチ。

 エヴァは荒鷹ヒューイと、


「キュゥ」

「ん、ヒューイちゃんよろしく」

「キュ♪」

「ん、額の可愛いマークが光ってる!」

「キュッ」


 嘴から小さい舌を出すヒューイは翼を拡げた。


「わ、飛びたいの?」

「キュッキュ」


 翼を畳むヒューイ。

 そんな会話をしてからエヴァは、ヴィーネを見て、


「ん、東の旅のことは聞いている。シュウヤは優しくしてくれた?」


 そう聞いていた。

 エヴァの問いにヴィーネは力強く頷く。


 そして、勝ち誇った表情のままチラッと俺を見てから、


「むろん、最高だ……」

「「でしょうね!!」」


 レベッカとユイの嫉妬が爆発。

 そして、そのユイに向けて、


「ユイ、早速だが【魔塔アッセルバインド】の会長さんのとこに案内をよろしく」

「うん、上界に行ってからよ。分かっていると思うけど、ここも大都市だから、それなりに覚悟・・してね」

「了解。総長とか盟主の立場を忘れるなってか?」

「ん、襲撃のこと?」

「そう」


 ユイは俺とエヴァに対して頷いて答えていた。


「ここじゃ、わたしたちは、ただの新入りだから」

「血長耳におんぶにだっこの新参のお月様? だっけ」

「そう、蛙顔の吟遊詩人が歌ってたから、イラッとしちゃった」


 一瞬、過去を想起しようとしたが、止めとこう。


「【血星海月連盟】もここじゃ、あまり意味がないの。海賊と海運の同業者なら、通じるけどね」


 ユイの言葉に頷きつつ周囲を見渡す。

 浮遊岩が行き交う場所は、渋谷の駅前か、上野のアメ横の如く、様々な種族でごった返している。

 そんな通りの端で、血長耳のメンバーらしき人物がちらほら見えた。

 魔通貝らしきアイテムを備えたエルフ。


 弓を持ったエルフが奥で佇む。

 天凜堂の戦いと、ビックママの宿屋でも見掛けた血長耳の幹部だ。


 他にも多種多様の魔素を内包した様々な種族たちが行き交う。


 気にせず皆が案内してくれた浮遊岩の近くに移動した。

 浮遊岩の岩エスカレーターに乗る。


「――岩のゴンドラか。速い」

「うん。上界に向かう専用の浮遊岩」


 空気感が変わった。

 刹那、滑りのようなモノを通り抜ける。

 結界か……一瞬、身構えた。

 アーカムネリス聖王国でのできごとを思い出す。


「……空には結界のようなモノがある?」

「ある。吸血鬼とか魔族に反応するタイプではないから大丈夫。サージベルト魔法学院とユーリベトル魔法学院の生徒たちの仕事の一つらしい。<迷魔想>を習うのと一緒ってリズさんが教えてくれた」

「へぇ、空魔法士育成を兼ねている結界作り?」

「そう、力がある評議員は魔法学院を持つ」

「ん、先生も同じ事を教えてくれた」


 俺はエヴァに対して頷く。

 そのクレインとリズさんは……。

 この浮遊岩が行き着く上界にある街の中か。

 

 レベッカが、


「あとカリィも『そうだよ~、ユイちゃん、闘技場の結界も違うよ?』と、ユイの神鬼・霊風を見ながら『……ユイちゃんも凄く強いよね、闘技場にいって戦わないの?』とか語って、レンショウさんが『おい、カリィ、<筆頭従者長選ばれし眷属>様を刺激するなよ。盟主の大事な女なんだぞ。お前は、素直に敵対するゴミ掃除をしていればいいんだ……ユイさん、済まない』と謝りながら語っていた」


 蒼い双眸のレベッカは真剣に物真似というか演技をしていた。

 女優さんかよ。と、ツッコミを入れたくなる。


 あの細い顎にレンショウのガスマスクを装着したら似合うかもな。


「……物真似が進化したな」

「え、そう?」


 すると、俺の手を握っていたエヴァが、


「ん、レベッカ専用のマスクを買う?」


 とか聞いていた。

 俺の気持ちを代弁してくれたようだ。


「ううん、あんな防具はいや!」


 と、いやがるレベッカに、買い物のことを聞くか。

 ユイもエヴァもいい匂いだし、ここは指摘しておかないとな。


「皆で買い物を楽しんだと聞いたが」

「うん。途中までエヴァと一緒。けど、お師匠さんのクレインさんとエヴァは別件で、カフェでお茶してから別れた。だから、わたしはユイとデートって感じで買い物を楽しんだんだ。闇ギルド連中がちょっかいを出してきたけどね」

「うん。買い物は楽しかったわ。シュウヤとも一緒に行きたい」

「俺も楽しみたいところだが、キサラと魔塔にレザライサの血長耳のこともある。今は時間がなさそうだ。買い物の詳細を頼む」


 そう語りつつ浮遊岩からの景色を楽しむ。

 中々、ゴンドラから覗かせるような景色の移り変わりが面白い。

 浮遊岩の機動も、ゴンドラ風で未来的だ。

 宙を行き交う空魔法士たちの制服もカッコイイ。

 郵便局的な空中の岩場もある。

 局員の空魔法士が手を振っていた。


 岩場の魔法陣が外れて、岩の機動が狂ったのか、仲間を呼んでいるようだ。 

 他にも斜めに移動する浮遊岩。

 上下に垂直に移動する浮遊岩もある。 


「うん。買い物達人のレベッカに手伝ってもらって、名工が残した業物がないかと一緒に調べた」

「……見たところ、可愛い髪形と、その籠手と首と肩防具だけかな? 新調したのは」

「ふふ、ありがと! 髪形、少し変えたことに気付くなんて、さすがね――」


 ユイは迅速に間合いを詰める。

 俺の頬にキスしてくれた。


「あぁ~、素早い!」


 レベッカが真似しようしたから、額を指先で押さえた。

 「なによ、この手は!」と蒼炎を纏った手で、俺の手を叩くが、そのままにした。


 皆、笑った。

 俺はユイに話を促す。


「いい武器は、たくさん売ってた。けど、わたしが扱う神鬼・霊風には及ばない。魔刀・アゼロス&ヴァサージも一級品だし。いつも通り防具だけ新しくしたってわけ」

「そっか」


 そのタイミングで、レベッカの額から手を離す。

 勢い余ったレベッカは、「あぅ」と、俺に近付くと抱きついてきた。


 そんなレベッカの背中をさすってから、脇腹をくすぐる。


「ぁん、ばか……」


 弱点を突かれたレベッカは嬉しそうに体を仰け反らせた。

 そのレベッカに、

 

「新作のお菓子以外の買い物は?」


 と、聞くと、ヘッドバットするような勢いで頭部を持ち上げた。


「――それを聞いちゃうの?」

「おうよ、その小さい可愛い唇に聞いている! いやなら、エヴァっ子に聞こうかな~」


 と、レベッカから離れた。


「まった! 話す! 話しちゃうから、シュウヤ、もっと近くで、聞いて!」


 急に可愛くなるレベッカちゃんだ。


「おう、聞いちゃうぞ」

「ふふ、このブローチ! ミスティっぽいでしょう。あと魔力が上がる指輪とエヴァとお揃いの髪飾り! エヴァ好みの丸い金属と、ミスティが喜びそうな稲妻が迸った環の金属! シュウヤの槍に合いそうな布包みと、魔法のハンカチも買った! 化粧道具と火の魔法書も、髪の毛とか結べるバンドにもなる魔糸も買ったし、魔塔の地図とセナアプアの秘密って本もゲット。そして……大海賊キャットシー・デズモンドが秘宝を隠したという魔宝地図のような魔法の地図をゲット!! でも何故か、たくさん同じような地図があったから、お店の女主人に勧められるまま、片っ端から買ったんだ。主人が美人さんで綺麗だったし、化粧品もおまけでつけてくれたから、嬉しくて! ふふふん~。だから、もう手持ちのお金が、全部無くなっちゃったんだ」

「地図か。気になるが、手持ちを渡しとくか?」

「大丈夫。事前にメルからもらってる。月見宿の新事務所の運用資金も自由に使ってくださいって言われているから。でも、その時は遠慮して断っちゃったんだ」

「なら、大丈夫か」

「うん」


 そのレベッカはエヴァを見て、


「エヴァ、この間買った本は、もう読んだ?」

「ん、これ?」

「そう、セナアプアの魔塔に出現するモンスターが載ってるって」

「ん、もう読んだ。あとね、まだ言ってなかったけど、レベッカが気に入りそうな魔法の杖と手の甲の武器防具も買った、見て」

「え、わぁ! ありがとう! これって先生の?」

「うん! そう、先生の知り合いの店、あ、交換しよ?」

「あ、うん――」


 と、二人は互いを思って買ったアイテムを交換する。

 何か見ていてジーンとする……。


 いつもの二人の会話だ。

 微笑むユイも家族としての会話を聞いている気分なのか、凄く嬉しそうだ。

 そのユイに、


「ユイ、魔法書の件だが、ヴィーネが欲しがっていた飛行術を学べる魔法書は」


 ユイにそう聞くと、ヴィーネをチラッと見たユイは、


「前に話をしたように、普通の店での入手は無理。魔法学院でも権力が絡むから、難しいかも。ルマルディさんが言っていたように売ってなかった」

「ん、先生の知り合いの『なんでも屋のコレド』でも、飛行術の魔法書はなかった。でも、飛行術を備えた貴重な魔靴ジャックポポスなら一つ売ってた」


 と、エヴァが、その魔靴ジャックポポスを見せる。

 風のレドンドが前に話をしていたアイテムか。


「それは貴重な品だと思う。レドンドは、エセル界があるセナアプア独自の品っぽい言い方をしていた」

「では、それはユイかレベッカが装着すべきかと」

「いいのか?」

「はい、ユイは<筆頭従者長選ばれし眷属>ではありますが、前衛系。ガルモデウスの書がありますが、飛行術の魔法書を学べる保証は、わたしたちより低くなる」

「それもそうねぇ、サザーのような体を浮かせる剣術も学びたいかも……」

「ん」


 エヴァはお菓子を上げるようにユイに渡す。

 と、ユイは受け取った。


「ありがと、あとで試してみる」

「ん、つきあう」


 エヴァとユイは微笑む。 

 すると、キサラが、


「シュウヤ様、魔法学院ですが、ドイガルガ魔法学院もあります」


 と、発言。

 ピサード大商会にバーナンソー商会を持つ上院評議員。

 ドイガルガは親玉っぽい印象だが。

 どうも、八頭輝のエリボル・マカバインを思い出す。

 【闇の枢軸会議】の中核の【闇の八巨星】。

 【テーバロンテの償い】。

 それらの【闇の枢軸会議】という枠のグループ内には……。

 他にも組織がある可能性がある。


 だから上院評議員のドイガルガも小悪党に過ぎない可能性も?


「……それを聞くと、セナアプアが一つの国のように思えてきた」


 俺の言葉に皆、黙り。

 そして、皆が頷く。

 ユイが、


「うん、評議員たちが治める国と同じかな。シュウヤが前に教えてくれた、共和制が近い。魔法学院では、セナアプアを守るための空魔法士隊を養成している」


 ヴィーネも、


「ハイム川の三角洲という土地もあるかと」

「そうだな、浮遊する岩場と魔塔の群れもある」


 レベッカが俺とヴィーネを見て、


「うん……魔法学院も複数あるし、エセル界に行き来できる扉があるからこその、この塔烈中立都市セナアプアよね。毎回だけど」

「……その魔法学院のペルネーテのロンベルジュ。血文字での報告通り、センティアの手と関係する」


 ユイは頷く。

 レベッカはキッとした視線で俺を見る。


「聞いた! シュウヤ、女子トイレで……」

 

 俺は『はは』と笑ってから、エヴァに視線を移す。

 エヴァは天使の微笑で応えてくれた、いい女性だ……。


 そのエヴァが、俺の手をぎゅっと握りつつ、


「ん、シュウヤ、センティアの手では一緒に転移はできないの?」


 そう、わざと聞いてくる。

 

 離れたくないって顔だ。

 俺は心で『大好きだぞ』と気持ちを伝える。

 と、すぐに頬を朱色に染めて瞳を潤ませるエヴァ。

 微笑んでから、『ちゅっ』と唇を細めてくれた。


 可愛い。


「あ、今、なんかエヴァとえっちぃな雰囲気があった!」

「ん、鋭い」

「くぅ、エヴァっ子! 可愛い顔して!」


 舌を出して微笑むエヴァ。

 レベッカも笑った。

 エヴァとレベッカは位置を交代。

 レベッカが俺の腕を握って上目遣いを寄越す。


 ……この二人の会話とそのリズムは素直に面白い。

 癒やされる。


 そのことは口にせず、


「……センティアの手を用いた転移は、俺だけだと思う。ヘルメとビアの声は聞こえたから、空間ごと転移は可能と推測できるが……」

「へぇ」

「アス家の女子生徒は気になりますね。ご主人様をお兄様と……」

「あぁ」

「ん……美人で、眼鏡が似合うから可愛い……」


 エヴァは俺の心を読んだか、嫉妬モードに入る。

 すぐにエヴァ大好きモードを意識。

 マインドを変えると、

 エヴァは耳まで赤くなった。


 えっちなモードに入ったから大人しくなった。

 そのエヴァと皆に向け、真面目に、


「……〝センティアの手を装着して親和性が高ければ、<覚式ノ従者>の空間と繋がり、転移も可能〟なようだ。俺とアス家の女子生徒は、スキルを獲得した。魔法については分かってくれると思うが、まだ俺も慣れてない。慣れるという魔法の感覚も、いまいちだ。アス家のお嬢様もこれは同じはず。親和性とあるように、感覚的な面が強いからな。そこが、お兄様と俺を呼ぶ理由の一つなのかも知れないが……」

「詠唱とか魔法陣とはまた違いますからね」

「そうだ。ランタン角灯も不思議だし……クナの話と通じるが、開かずの間とも関係する」

「これからのようです。そのクナには、ご相談されましたか?」

「少しだけ話をした……異空間の転移技術について蘊蓄を語り出したが、分からないからスルーした。猿と雉を凝視して……」


『相反する異獣を異空間の転移の触媒に利用しているのね、凄い……センティア』


「と呟いたからセンティアに関する記述で何かあるか? と聞いた。クナは、」


『はい、ローデリアの炎の賢者と群島諸国サザナミの水の賢者が争う『絶魔集』。そして、北の嘆きの賢者と、その水の賢者が悪神と対決する古い書物の『東邦の異聞録集』に登場していたはずです』


「と語った。嘆きの賢者の名はサジハリから聞いたことがあった。ルシェルは群島諸国サザナミのお伽噺を聞いたことがあるのか驚いていた。そのクナは……」


『アス家のお嬢様は魔法技術が高い。時空属性の魔法使いなら優秀な戦闘職業を有していることでしょう。魔法ギルドからの接触もあるはず。魔法ギルドは纏まりがありませんが、国側に近い幹部はそうではない。強引な人も多い。権力思考が強い宮廷魔術師に近い大貴族が絡むとめんどくさいことに……』


 皆、俺の話を聞いて頷く。

 レベッカは俺を凝視。

 昔、レベッカから魔法ギルドの説明を受けた。

 ペルネーテの魔法街には、至る所に魔法ギルドの紋章があったな。

 

 あの不思議な語りようの店主の爺さんも……。

 ひょっとして、魔法ギルドのメンバーだったりするんだろうか。

 ビーカーに入った不思議な魔精霊とかを売っていた。


 フンピッピーとか語っていた店主の爺さん。


「クナは表情を厳しくしてから『……昔のわたしなら闇ギルドの伝か、色々な手段を使い潰しますが……』と怖かった。で、六幻秘夢ノ石幢も説明したから興奮して大変だった。そのクナも、メル絡みと闇のリストの仕事がある。新しい弟子でもある紅虎の嵐のルシェルを連れて、サイデイルの転移陣補強の素材とかも色々とある。そして、俺が褒めると鼻血を流して大変なことになるから大変だった」


 ヴィーネも混乱したようだ。


「……はい」

「ま、時空属性を有したアス家のお嬢様と俺は繋がった。それで転移ができるってことだけでいいさ」

「そうですね」


 すると、ユイが、


「センティアの手でミスティがいるペルネーテに転移するなら、お土産はシュウヤが持っていたほうが早く渡せそうね」

「おう、頼む」


 塔雷岩場の遺跡で手に入れた長細い蛍光灯素材をゲット。

 即座に戦闘型デバイスの周囲に浮かぶ。

 皆が、当然、軍人風のアクセルマギナの姿を見て、凝視した。


「……アクセルマギナちゃん!」

「小さいアイテムも分かりやすく浮いている~」

「ん、凄い……星々が動いている? 小さい丸い、ぼうるもいる!」


 ガードナーマリオルスのことだろう。


「エヴァ、お手玉ではないからな」

「ん」


 ま、これについては追い追いだ。

 俺はセンティアの手について、


「……センティアの手については、アス家のお嬢様の<覚式ノ従者>との繋がりもあるから、ヴィーネの言った通り、これからだろう」

「ん、なら、シュウヤ、ペルネーテにはメルたちも戻ったし、ヴェロニカとアメリちゃんのこともある。ホルカーバムにもカルードさんが戻ったから、また移動?」

「すぐには移動はしない。キサラから聞いた件もあるし、闇ギルドとの兼ね合いもある」

「ん」


 真剣なエヴァっ子。

 俺の肩におっぱいを当てているキサラも、


「……はい。魔法ギルドの【魔術総武会】の大幹部、アキエ・エニグマもいます」

「接触があったと聞いたが」


 キサラとはキスできる距離だから、ドキッとした。

 俺は、その蒼い双眸ごと抱きしめるように、キサラの肩を抱き寄せる。


「あぅ……はい、ありました……」


 相変わらず細い白眉が綺麗だ。

 そのキサラとひさしぶりに、キスは、まだ、しない。


 が、キサラを口説くように、


「詳しく頼む」

「ぁん」


 と、耳元に俺の息を感じたキサラ。

 ぎゅっと俺の腕を抱きしめながら体を震わせている。


「ちょっと! わたしも」

「ん、ここで?」

「エヴァ、まだ早い! シュウヤが喜ぶことはしちゃだめ」

「そうですよ、ご主人様。それはのちほど……」

「ここは、移動用の浮遊岩なんだから! あとわたしも参加」


 レベッカは止めているのか、止めていないのか分からない。


 エヴァは意外に大胆な面がある。

 皆がエヴァの腕を押さえると、エヴァは「ん、わかった」と頷く。


 と傍のレベッカの頬をちゅっとしていた。


「きゃ、エヴァっ子ったら、急に! もう、可愛いんだから」

「ん、新しい化粧品の匂いがした、シュウヤ用?」

「ばれたか、うん。ほら、この間案内した『ポル・ジャスミン』って店の新作化粧品。いい匂いだし、シュウヤが気に入ってくれるかなって」


 そうレベッカが語る。

 ユイとヴィーネも加わってイチャイチャガールズトークが始まった。


 俺はキサラに、


「キサラ、エニグマという大魔術師と接触した話の続きを」

「……戦いになりました。が、余裕な態度のまま逃げられました」

「魔術師戦だと、双方に戦う気が無ければ、戦うこと自体が難しそうな印象を抱く」

「はい、まったくもって、その通り。何かしらの戦略を以って相手にしなければならない相手が大魔術師。そのエニグマですが、シュウヤ様と神獣様のことを聞いてきたのです」

「え? 俺の?」


 ヴィーネを見る。

 ヴィーネも頷くと、目を細めて……。


『やはり、当初の接触に意味が……』


 と語るような銀色の双眸を寄越す。


 俺は頷いてから、キサラに視線を向けた。


「はい……アキエ・エニグマはシュウヤ様が持つフィナプルスの夜会と魔軍夜行ノ槍業に興味を持っていました。わたしは接近戦を挑みました。が、シュウヤ様の言われるように、アキエ・エニグマは魔法を使い逃げることを重視」

「大魔術師の目的は、俺と知り合いたいってだけではなさそうだが……」

「昔から魔術書、魔造書、古代の魔法書、秘宝を手に入れようと、必死でした。『輪廻秘賢書』は実際に手に入れたようですし、わたしの『百鬼道』の魔界四九三書も奪おうと、当時は激しく攻められましたので、警戒は必須かと……」

「フィナプルスの夜会はあわよくば、手に入れたいってだけで、たんに、俺という存在を直に見たいってだけなら、わかり合える気がする」

「シュウヤ様……」


 キサラは不安そうだが。

 と、岩エスカレーターこと、専用の浮遊岩が止まった。

 その先には繁華街がある。

 

 ネオン街的な印象で、商人や行き交う人々も多い。

 

 しかし、一つの大陸が空に浮いているようにも感じた。

 魔塔の群れが凄いな……。

 幾つ部屋があるんだ。

 不屈獅子の塔のような宇宙に出ているような塔はないようだが……。

 上のほうは見えないぞ。

 もしかしたら、不屈獅子の塔のような魔塔があるのか?

 

 エセル界の力と相互作用して存在している都市だと思っていたが、想像の範囲外だった。

 とにかく、凄い空中都市だ。 

 ……俺の二十四面体トラペゾヘドロンでいける空島と関係があったりして……あの鏡から映った先は、神殿のような雰囲気だったし……さすがにそれは飛躍しすぎか。

 

「ん、シュウヤ、こっち。先生も戦いが終わって待ってるはず」


 エヴァに手を引っ張られた。

 ユイも足早に歩くと、振り返り、


「うん、【魔塔アッセルバインド】の事務所に行きましょう。リズさんもカリィと戦いたくてうずうずしているようだし」

「分かった。だが、別段急いでないから、ゆっくり行こう」


 と、エヴァの手をギュッとしたった。

 

 直後、魔素がチラホラと――。

 浮遊岩にあったマンホール的な穴が開く。


 そこから男が。


「……おめぇらが、新参だな」

「生意気に専用の浮遊岩を占拠しやがって……」

「……【魔塔アッセルバインド】風情の新入りが……」


 と、モヒカンの髪形をした渋い男性たちが語る。

 肩に担いだ素晴らしい魔力を備えた鉄パイプを持つ。


 いい武器だ。

 

「にゃご……」


 相棒は黒豹化して、跳躍。

 瞬く間に、男たちの背後に回った。


「なんだ、獣だと?」


 不意打ちもできたが……。


「貴方たちはどこの誰で、なんの用があって俺たちに?」

「……問答無用だ! 皆、掛かれ!」

 

 刹那、ぞろぞろ、相棒の背後からも男たちが現れた。

 繁華街から人が逃げていく。

 刀とメイス。

 鉄パイプに針金バット。

 射手が数人か。

 魔法使いは右に三人。


 色々と武器を持って、襲い掛かってきた。


「おい、待った」


 と告げたら襲撃者は動きを止める。

 ――素直だ。


 話せば通じるかも知れない。


「なんだ? 命乞いか! 魔塔のクズどもが」

「……はぁ? 勘違いにもほどがある。ご主人様」


 ヴィーネは『我慢できません、処置のご命令を』と言うように、体から<血魔力>を放出。


 ユイたちは、このセナアプアで慣れっこなのか。 

 冷静だった。

 レベッカなら、興奮して蒼炎弾が飛んでいると思ったが……。


 乙女的な態度で俺の背後に隠れている。

 チラッと俺を見て、微笑むレベッカ。


「シュウヤ、たすけて?」


 わざとらしいが、可愛い。

 女子力を上げてきやがった!


 そんなレベッカの片手をぎゅっと握ってからヴィーネに視線を移す。


 ヴィーネは翡翠の蛇弓バジュラを構える。

 自然と光線の矢が翡翠の蛇弓バジュラに生まれた。


「まった、ヴィーネ」

「はい」


 すると、


「おぃおぃ、何が、待った、だよ。女とイチャコラかよ!」

「いいから、話を聞け。理解できる頭があるなら素直に退け。道を空けて、消えろ」


 俺がそう話をすると、荒鷹ヒューイは肩から離れた。


「けっ、魔塔の黒髪の兄さん。いい女を連れていい気になるなよ? それに俺たちを舐めてもらっちゃ困る。新人は新人らしく散れや!」

「ここは上界、殿上人が棲まうセナアプアだぞぉ」

「下界の成り上がりが、調子づくんじゃねぇよ、アァ! 皆、やっちまえ!」


 射手が矢を飛ばしてきた。

 俺は矢を手掴みで掴む。

 

 その矢を、射手の相手に<投擲>で返して上げた。

 射手の頭部を、俺が<投擲>した矢が捉える。


「にゃご~」

「ピュ~」


 敵の裏側に回り込んでいた黒豹ロロが、戦士に飛び掛かる。

 荒鷹ヒューイもメイス持ちを襲撃。

 さて、威勢の良かったモヒカンさんへと――。

 俺は「え?」と声を発したモヒカン野郎の頭部を<鎖>で吹き飛ばした。


 敵集団は慌てふためく。


「――なんだ!?」


 ヴィーネは魔法使いたちに向けて光線の矢を放つ。

 魔法の防御シールドで防ごうとする闇ギルドの魔法使いたち。


「トウルハ、さすがだ――」

 

 敵の連中が魔法使いを褒める。

 が、ヴィーネの光線の矢は、ただの矢ではない。

 光線の矢から緑色の小さい蛇が出る。

 無数の黄金色に輝く防御シールドを、それらの蛇たちが瞬く間に溶かすと、光線の矢は、魔法使いの額に吸い込まれた。


「糞が、俺が」


 と、反応がいい相手を見てからキサラとアイコンタクト。


「ふふ、はい――」


 俺は前衛の敵に向けて前傾姿勢で突進。

 ――右手の雷式ラ・ドオラで<刺突>。

 <刺突>で刀を持つ男の胸元を貫く。

 ――左手の魔槍グドルルで<牙衝>。

 <牙衝>で槍を持つ男の太股を貫いた。


 二人同時に倒した。

 が、仲間の死体ごと燃やす気なのか、魔法弾と矢が飛来。

 魔槍グドルルのオレンジ刃を活かすように振るった。

 魔法弾を、柄で弾き、オレンジ刃で矢を叩き上げ、次の矢も叩っ切る――。

 両手から武器を消去しつつ爪先回転。

 半歩足を下げた姿勢から、矢を避けつつ爪先半回転を実行。

 俺は踊るように、連続的に飛来する矢を避けた。

 ――キサラが一人二人と連続的にダモアヌンの魔槍で切り倒すところを確認。

 俺は左手に血魔剣を出しつつ前傾姿勢で左に向かった。

 

 射手の一人を、その血魔剣の<水車剣>の逆袈裟斬りで胴体から肩口を切断。

 が、異常に素早い敵がいた。


「ん、シュウヤ、右――」


 紫魔力が宿った黄緑色の金属刃が、戦士に向かう。

 その敵は短剣で、エヴァの攻撃を往なしつつ相棒の触手骨剣も弾く。

 短剣使いの隻眼男は魔闘術を活かしつつ俺に近付いた。


「ンン――」


 相棒の心配する声と同時に、その隻眼男の魔法の短剣を把握。

 狙いは、俺の腋から脇腹。

 血魔剣の柄で、その短剣の刃を受けた。

 血魔剣の柄に魔力を通して、ブゥゥゥンと血の十字架を造るように出た柄の両端からのミニブレードのような血の柄が短剣使いの肩と衝突。


「げぇ」


 隻眼男の肩を血の柄のミニブレードが貫いて、血の匂いが漂う。

 同時に居合いの要領で――逆手を出す。

 俺の逆手が握るものは、鋼の柄巻だ。

 

 反応が遅れた隻眼男の胸元に――。

 その鋼の柄巻の光刃放射口から出たムラサメブレード・改の青緑色のブレードが、隻眼男の短剣を弾きつつ胸元を抉った。


「げぇあぁぁ」


 返り血を浴びたが、その血飛沫を速攻で吸い取りつつ周囲を見る。

 レベッカの蒼炎を纏わせるジャハールが戦士の胸元を貫くのを確認。

 エヴァが魔導車椅子を特攻させて隊列を崩した敵集団に、キサラの刃を纏わせた鴉が襲撃。更に、ユイが、その集団にカチコミ。

 片手の神鬼・霊風の突きで短剣使いの喉を突いて倒し、左手のアゼロスで剣士の胴を薙ぎ払う――続けて、<ベイカラの瞳>の魔力を纏わせた二つの武器で連続した技名は失念した<刺突>系の技を披露。


 連続的に胸元を貫かれた大柄の剣士は、その胸元が一瞬で消失する。

 俺が言うのもアレだが、えげつない攻撃だ。


 ユイは、スキル名は口にしなかったが、ただの<刺突>系の技とは違う?

 新技かもしれない。


 が、そんなユイに斬り掛かる敵剣士。

 その剣士の白刃を、エヴァの紫魔力が宿ったトンファーが見事に防ぐ。

 そして、ユイに斬り掛かった剣士の鳩尾をレベッカのジャハールが突いた。

 ユイは「二人ともさすが!」と褒めてから素早く前進。

 エヴァの横に迫ったメイス使いの革襷ごと股ぐらを両断して倒す。

 凄まじい烈火のような神鬼・霊風の切れ味にも驕りを見せないユイは、ヴィーネとアイコンタクトしてから、ばっさばっさと敵を斬り伏せる。

 俺も武器を魔槍杖に変えて接近戦に交ざった。

 ――<豪閃>は使わない。

 シンプルな<槍組手>を使い、ユイの動きに合わせつつ<刺突>を突き出す。

 ヴィーネもガドリセスでユイと俺の動きに即興で合わせた。

 三人と背中を合わせつつ、敵を確実に屠る。

 相棒と荒鷹ヒューイも逃げようとした敵を襲撃。

 

 レベッカとキサラも加わった。エヴァは紫魔力を周囲に展開しつつ浮遊――。

 そうして、俺たちを襲撃してきた全員を倒した。

 

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