五百話 強からんと欲するなら己を征せよ
『了解』
『こっちは平和よ。魔力の動きはない。やはり<無影歩>は通じている。それと、これを見ていると思うユイとヴィーネも頼むわよ』
『ルッシーちゃんが居るお陰もあるのかな。<血道第四・開門>ってやはり凄い能力ね……』
地上に居るレベッカとミスティの血文字が浮かぶ。
俺の近くに居るヴィーネとユイは目の前で浮かんでいる血文字を見て頷いていた。
『ルシヴァルの血とロロの嗅覚は頼りになる』
俺は皆に向けて、そう血文字を送った。
『うん、さすがはマスターと神獣様ってことね。それと、ジョディさんが使っていたフムクリの妖天秤の効果も感じられなくなったけど、ちゃんと、わたしの<血魔力>と連動したゼクスの<光魔吸>を用いたから、この辺りで派手な魔法を使っても魔力探知はされないはずよ』
『おう。ミスティも頼りになる<筆頭従者長>だ』
血文字の返事を送りながら簡易地図を見ようとした。
だが、再び、地上に居るミスティからの血文字が目の前に浮かぶ。
『キサラさんが〝霧の魔術師〟と似ているかもしれない敵の対策に向けて、百鬼道ノ八十八を展開しても大丈夫か聞いている』
『砂漠地方で戦った相手か』
『そうなんだ。その霧の魔術師について詳しくは知らないけど』
『いいよ。新型
『うん、地下でヴィーネの上級言語魔法の
『なら頼む。キサラにも遠慮せず
『……四天魔女として、キサラさんの能力を随分と信用しているのね』
そりゃな。
『当たり前だ。お前たちと墓掘り人たちも居るんだからな』
『うん』
ミスティの血文字が簡易地図の立体映像の中に染み入るように胡散した。
簡易地図のディメンションスキャンを見る。
<無影歩>もだが、このディメンションスキャンも優秀だ――。
小さい範囲だけだが、地下施設の詳細な地図がアイテムボックスの上に立体的に浮かぶ。
通路の形は、二人か三人が通れるような幅を持つ。
その通路の中でリアルタイムで歩いているだろう敵の位置が赤い点として動いていた。
簡易地図というか簡易レーダーだな……。
赤い点として歩いている敵の位置は、掌握察で感じ取れる魔力とも合う。
その魔力の大きさは人だ。
すると、肩に居たルッシーが簡易地図の中へと突入しては、小さいヘルメのように宙を泳ぎ出す。
泳ぐルッシーから微かな葉緑素のような形をした血が舞い散っては、消えていく。
「あるじー、なにこれー」
「地図だ」
ルッシーは浮かんでいる地図の中を泳いでいった。
『妾も地図の中に突入するかの?』
『しないでいい』
サラテンに、そんな逆水平チョップ的な思念ツッコミを入れたところで、目の前の扉を見た。
さて、
扉は……他にも二つある。
人の魔力を感じるのは……他の二つも同じだ。
むしろ、敵の魔素の数は扉の大きさと反比例するように多い。
俺は手首を下ろし、踵を返すように腰を捻り、皆から少し離れて巨大な扉の前へと足を向けた。
中央の扉は縦に高く横幅も広い。
巨大なシャッターが上から下りてきたような扉だ。
この中央の扉は、俺たちが下りてきたコンクリート系が多かったスロープと繋がっている。
見た目は、広大な空間がありそうな地下駐車場の出入り口と似ていた。
この世界的には、巨人の口のような出入り口といえるか。
高さは十五メートルぐらいはありそうだし、幅もかなり広い。
扉が全開すれば馬車どころかダンプカーでも余裕で中に進めるだろう。
そして、右と左の端に監視カメラでもありそうな雰囲気だが……。
ぽつんと寂しげな提灯鮟鱇のようなランプがあるだけ。
俺はアイテムボックスを備える手首を持ち上げた。
丸いガラス面の上に浮かぶ簡易地図――。
ディメンションスキャンを見る。
中央の巨大なシャッターが閉じた扉の向こう側を、このディメンションスキャンで透視でもするように把握していった。
立体地図で、入り口付近が少しだけ映る。
奥の形も範囲内に映る形だと、地下駐車場のように広そうだ。
と、入り口付近を把握してから、立体地図の浮かぶアイテムボックスを装備する手首を下げながら、振り向いた。
俺たちが下りてきた道を見る。
コンクリートと交ざっている土の斜面。
途中の坂道にもあったタイヤ痕からして……。
今見ていた巨大な地下シャッターのような入り口といい……やはり白色の貴婦人ことゼレナード側の勢力は車を運用している?
樹海に道はないが、樹海に対応した足回りが超絶に柔軟な車輪を備えたスーパーな車を持つとか?
姿はまったく違うだろうと思うが、前に地下オークションで落札した潰れたゴミ収集車の姿を想像してしまう。
ゴミ収集車はミスティたちが分解し、新型
だから、あの巨大なシャッターの奥には車があるかもしれない。
しかし、別に車が欲しいわけじゃないし、無理に調べなくていいだろう。
巨大な貯水槽を彷彿とする地下空間の見学を続けていく。
ふと、宙に浮かぶジョディの姿が気になった。
彼女は鮟鱇のランプを凝視して、片手に握るサージュの柄頭を差し向けている。
首に巻き付いているイターシャの白い鼬も鮟鱇を見ていた。
「ジョディ、そこの魚のようなモノは光源だよな? 監視カメラではないと思うが」
「油の匂いがします。はい、ただのランプのようですね」
「そっか」
と話をしながらも、ジョディは血の蝶々を周囲にまき散らしていく。
首に巻き付くイターシャは本当に彼女のマフラーのように巻き付いた。
イターシャは彼女に懐いが……サラテンは無言だ。
サラテンを久しぶりに使う場合、ジョディが近くに居ない方がいいかもしれない……。
そのジョディは反対の手に持つフムクリの妖天秤の能力を発動させた状態だ。
天秤の左右の器から淡い色の八角形と六角形の紋を生み出していた。
角の形が湾曲し魔力を伴う紋のような幾何学模様と化すと、魔力の粒となって、飛び散って、儚く消えていく。
<光魔ノ蝶徒>が作り出す幻想的な光景だ。
ジョディは<魔絶>を実行しながら、何か、別の能力でも発動しているっぽい。
だとすると……。
あの鮟鱇の形をしたランプが監視カメラだったと、仮定して……。
俺の<無影歩>がない場合だったとしてもジョディの能力で俺たちの姿はあのカメラに映っていないかもしれない。
ま、鮟鱇は監視カメラではなく、ただのランプだと思うが。
一方、ヴィーネとユイは
つぶらな瞳を向けてくると、俺の下に戻ってきた。
足に頭部を衝突させてくると……なぜか、ブーツの甲を踏んずつけてくる。
尻尾の先端で脛を払うように動かしてきた。
そんな足下で動く
避けられる……天邪鬼な相棒だ!
と、避けた
相棒が注目しているのは、宙に漂うジョディだ。
ジョディは、宙に八の字を描く血色の蝶々を作り出していた。
そのまま、消えて現れていく不思議な蝶々たち。
――相棒は瞳孔を散大させる。
頭部を低くした。
そして、腹を地面につける形で後脚を震わせていく。
ロックオン状態、狩りの体勢だ。
さらに尻尾で、俺のブーツの甲を叩いてから、
「ンン――」
と、喉声を鳴らした直後――後脚で地面を蹴って勢いよく前進し跳躍した――。
血色の蝶々の中に突入する
その蝶々に飛び掛かった
両の前足は武道の構えのように、後脚は片足で中段蹴りでも繰り出す姿となった。
その姿は『にゃろめ~』といったカンフーキャット。
面白く、絵になるが、興奮しているし微妙に間抜けな姿だ。
姿は黒豹の神獣だが、やはりネコ科の動物だからな。
獣の習性には抗えない。
古代狼族の森屋敷の沼の上でもジョディと
「しゅごじゅーだんす~?」
ルッシーの疑問げな声だ。
相棒の飛び跳ねるカンフー遊びに交ざりたいらしい。
ポケットから跳躍している。
お手玉していた魔造虎たちは、ポケットの中だ。
第六の指と化しているイモリザも、同意するように動く。
すると、血文字が浮かぶ。
『皆も気付いているように中央の扉の先には魔素がある。中央からもロンハンの反応がある場所に進めると思うけど、ロロちゃんの示す扉から行くことにしましょう』
と、ユイが報告してくれた。
だが、鍵穴は見当たらない。
普通の鉄製の扉だ。
『鍵はないようです』
と、見て分かるが、近くに居るヴィーネが報告してくる。
さて、その扉から侵入するとして、左目に宿るヘルメに、
『ヘルメ、扉の下から中に侵入できるか?』
『はい』
同時に血文字で、
『ヴィーネ、奇襲はヘルメにやってもらう』
『分かりました』
ヴィーネは華麗に腰を捻り回転しながら退く。
俺の右手後方に付いた。
翡翠の
ユイも続く――俺の左手の隣に移動する。
彼女は神鬼・霊風の太刀を左手に持っている。
腰に差す魔刀・アゼロス&ヴァサージはそのままだ。
<ベイカラの瞳>を発動中の彼女は白銀の瞳を俺に向けて微笑む。
「最初はやっぱり、精霊様よね」
「
と、俺の言葉を聞いたユイは、前髪を揺らして頷く。
三刀流の剣術はまだ使わないらしい。
まぁ当然か、彼女の剣術もカルードと同様に発展している。
<ベイカラの瞳>から派生した<銀靭>も、<銀靭・二>、<銀靭・三>、<銀靭・一式武>といったすべての新しい斬り技は<十字斬り>へと繋げることができると血文字で報告しては喜んでいた。
そんなユイを見ながらエヴァへと血文字を送る。
『侵入と同時に敵へと攻撃を開始する。<無影歩>が通じている以上、慎重過ぎるかもしれないが一応、ツラヌキ団たちの紋章はすぐに外せる準備をしておけ』
『ん、大丈夫、オフィーリアさんとツラヌキ団たちの心理面のフォローは任せて』
『頼む』
エヴァの血文字の返事を見て、カルードたちにも、
『アルゼの魔法陣に傷をつける準備だけ頼む』
と、念を押した。
『マイロード、お任せを』
『了解です』
『はい』
カルードたちの血文字はすぐに胡散した。
そして、
相棒は、血色の蝶々と不思議な魔紋を捕まえようと飛び跳ね続けていた。
蝶々はすぐに消えるから捕まえることはできてないが、楽しそうだ。
「ふふ――」
ジョディも笑っていた。
フムクリの妖天秤を猫じゃらしのように扱って楽しそう。
そんな感想を持ったところで、
「ロロとジョディ、遊びは仕舞いだ。進むぞ」
「にゃ」
相棒は足下に駆け寄ってきた。
ジョディはヴィーネの隣に着地し武器を合わせてリズミカルなハイタッチ。
三人の美人さんたちは話し合うと頷いてから、俺を見つめてきた。
その眷属たちの視線に応えるように、頷いてから、再び、扉に視線を移す――。
そして、左目に宿るヘルメに向けて、
『ヘルメ侵入を開始しろ。侵入経路を把握しながら、邪魔な敵は殺さず気絶だけに止めておけ』
『分かりました――』
俺の左目から螺旋した液体状のヘルメが出た。
ヘルメは地面に着水するや否や――。
しゅるるると音を立てるかのような奇妙な動きで、閉ざされた扉の下の僅かな隙間から侵入していく。
さすが常闇の水精霊ヘルメ――何事もなく侵入は成功だ。
地下施設の反応はない。
しかし、正直、不安だ。
クナからは『殺した場合は紋章魔法陣が反応をする可能性があります。気絶の場合は大丈夫なはずです。確かではないですが……』
と、聞いては、いたが、不安は不安だ。
このままヘルメを待つとして……。
ユイとヴィーネも緊張した表情を浮かべている。
一方、ジョディは余裕を感じさせるような笑顔を作っていた。
彼女の艶然とした姿は美しい。
上半身の神秘さを兼ね備えた和風衣裳も合うしな。
俺は視線を少し下げるイメージで、ジョディの腰から太股から伸びる細く長い足を注視していった。
両足の先端はドリルのような形状だ。
ジョディは、そのドリルの先っぽで
「にゃ、にゃ、にゃお~」
リズミカルに鳴く
ジョディの螺旋状に渦を巻くドリルの溝に自らの尻尾の幅を合わせていった。
黒色の尻尾で白溝を埋めながら巻き付けていく。
それは、ソフトクリームの表面に黒ごまクリームを巻きながら乗せるようにも見えた。
そうして、
片足を下にクイックイッと引っ張られたジョディさん。
しまった的な表情を浮かべている。
楽しそうだが、余裕だなジョディは……。
俺は、そんな楽しげなジョディを見ながらも……。
エヴァたちに……。
オフィーリアの紋章を外すように指示を出すべきだったか? と考えていた。
そして、
『エヴァ、オフィーリアたちは無事だよな?』
『うん、大丈夫』
……よかった。
しかし、ヘルメは随分と先に進んだようだ。
掌握察で分かる範囲の敵の魔力の位置は動かない。
簡易地図の赤い点も同様だ。
いや、動いて……魔力が一カ所に纏まっていく。
ヘルメは気絶した者たちを集めて移動しているようだ。
突入する俺たちは通路内を移動する予定だからな。
施設の内部を巡回している兵士たちが、廊下で気絶した者たちを見れば、侵入者ありと、皆に警告を促すことは必定。
バレたら、当然、俺たちの存在が敵に露見する。
白色の貴婦人は時空属性を備えた優秀な魔法使いだ。
すっ飛んでくるだろう。
その場合、人質救出が不可能になる場合がある。
そう思考している間も……。
耳から頬を擦りつけてきた。
臭い付け作業か、独占欲か、不明だが、毎回の作業だ。
首を上下させる仕草……。
単に、俺の表情から気持ちを和らげようとする優しい気持ちなのかもしれない。
この地下施設の向こう側では、百鬼夜行な者たちがのさばっているとはいえ、顔に出すぎたか。
可愛い相棒だ。
俺は「虎穴に入らずんば虎児を得ず」を考えすぎた……。
……「Would you be strong conquer your self.」という、強からんと欲するなら己を征せよというニュアンスの言葉を思い出す。
強く心を持たないとな。
そして、「座右の銘」じゃないが、ジョディと相棒の態度を見倣おう。
ユイもヴィーネもヘルメも居るし、座右どころから、座左も合わさっているが……。
励ましてくれただろう相棒さんの首下から出ている触手の方向は、ずっと同じ方向を指した状態だ。
優しい神獣の嗅覚なら信じられる。
だから、ノイルランナーの反応は消えていない。
よし……。
ヘルメが戻ってくる前に動くか。
「皆、<無影歩>とロロの嗅覚を信じて、ヘルメの後を追うとする。進むぞ」
「うん」
「はい」
扉の取っ手を握って捻る。
掌から鉄製らしい冷たさを味わいながら少し重い扉を引いて、慎重に、その鉄製の扉を開いた。
通路内が見えた。
床ではローブを着た人族たちと、メイドの格好をした者たちが倒れている。
武器は持ってない。皆、気絶状態だ。
書類、洗濯物といった物が散乱している。
メイドたちが倒れている床の色は、黄緑色と灰色が混じった色合いだ。
植木が乗った小さい机もある。
壁と天井は灰色の石英か?
レーザーで削って造ったような滑らかそうな面を持つ。
軍の意味でもあるようなマークが、壁に刻まれていた。
天井には電気系統が通っている管らしきものはない。
魔力の通り道らしい小さい紋が連なったモノは記されていた。
殺風景だが、明るさはある。
天井の隅には光源もあった。
「行くぞ――」
「ンン――」
相棒が先を行く。
俺も施設の内部へと足を踏み入れた――。
一歩、二歩と、足裏の感触を確かめつつ、速攻で、エヴァたちに血文字を送る。
『エヴァ、オフィーリアたちの紋章魔法に、動きは、何もないよな?』
『ん、大丈夫』
よしッ、大丈夫だ。施設内でも<無影歩>は通じた――廊下を走る。
そして、別段に臭わないが……
微かな匂いの分子を嗅ぎ取っているようだ。
倒れている者たちの装備を視認しながら足早に先を進むと、廊下の横に階段が見えてくる――。
同時に、廊下を這って近づいてくる液体ヘルメが見えた。
煌めきを発した液体ヘルメはスパイラルの軌道を描きながら、走る俺の左目に入ってくる――。
その速度は雷の如く――。
俺の速度に付いてこられる奴が、端から今の光景を見たら……。
ヘルメから水雷撃の攻撃をカウンター気味に喰らっていると見えてしまうかもしれない。
それぐらいの衝突にも見える光景と思うが、左目にダメージはない。
痛くも痒くもないし、平然な視界のままだ――。
そして、左目に宿ったヘルメから、
『お待たせしました閣下』
『おう、報告を頼む』
『奥は長い通路です。途中の階段は二カ所。手前の階段を下りて少し調べました。その階段の先は幾重にも分岐した廊下があり敵も居ましたが、すべて、気絶させ空いた部屋に放り込んでおきました。奥の上り階段からはまだ調べていないです。あ、気絶させた者たちは人族で、武器は持ってない状態で弱い存在でした』
『分かった』
さすがは常闇の水精霊ヘルメ。素早いし、判断力も高い。
その間にも、
俺たちも下りようとしたが――足を止める。
壁ドンをするように階段の横壁を見た――。
そこには病院にあるような案内標識がある。
『一階樹海出入り口』、『オーク戦線地下出口』、『地下駐車場』、『第一研究施設』、『第二研究施設』、『第三研究施設』、『地下宮殿』、『武器保管庫』、『魔物隔離部屋』、『囚人部屋』、『食料保管庫』、『調理場兼食堂施設』、『上層転移陣』、『中層転移陣』、『下層転移陣』『最高幹部専用転移陣』と矢印の方法と共に標準語で記されていた。
俺の知る日本語はない。
その時、ユイが俺の視界を邪魔するように指を出してきた。
意味は『この階段の先に行きましょう』だろう。
または、『ロンハンの反応はこの先よ』かな。
彼女は<ベイカラの瞳>を発動させている双眸で、瞬きをしてから細い顎先もクイッと動かした。
ユイのキスしたくなる唇が向かう方向は、指先と同じ。
やはり、マーキングしたロンハンも
頷いた俺は、ヴィーネとジョディへと目配りしてから共に階段を下りていく。
下の踊場で
二本の後ろ足で立っている状態だ。
上半身を持ち上げた状態、馬でいう「クールベット」の姿勢だ。
「ンンン――」
素早い相棒の後脚の動きを追うように走った。
凜々しく躍動する
爪痕が残るが仕方ない。しかし、ジグザクな通路だ――。
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