四百五十七話 バーレンティンの過去

「ンン――」


 黒猫ロロは俺の肩の上に乗ってきた。

 肩に肉球パンチを当ててから泣いているバーレンティンを見る。


「にゃ~」


 『どうして泣いているにゃ~』

 といったような気持ちだろう。


「……済まない。神獣様を見ていると、わたしが嘗て手塩にかけて育てていた闇虎ドーレのゼルウィンガーのことを思い出してしまうのです……」


 黒豹タイプのロロかな。


「少し前にスゥンも語っていたようにここへ導かれた理由は震動音だけではないのです。そのゼルウィンガーの亡霊が……」


 涙を流しながら語るバーレンティン。

 少し間があいてから、


「朧げな狩りを楽しむゼルウィンガーの姿が……狼たちの幻影を追いかけていく姿がはっきりと見えたのです」


 息が詰まったような口調のバーレンティン。

 彼の双眸は充血していた。


「亡霊というと、そのゼルウィンガーは死んでしまったんだな」


 と、聞く。

 バーレンティンは頷く。


「……そうです。魔導貴族の勢力争いに巻き込まれたのだ……」


 獰猛さを持った視線を俄に作り憎しみが籠もった口調で語っていた。


「わたしは吸血鬼となって助かりました。しかし、代わりにゼルウィンガーが……」


 怒りから悲しみの表情に変わっていた。

 血色の涙を流しながら黒猫ロロを見る彼の姿を見て……。


 俺も心を打たれた。


「そうだったのか……」

「バーレンティンはあまりそういう話をしないからね」


 墓掘り人たちもそう頷きながら呟く。


 闇虎ドーレのゼルウィンガーは霊魂となっても育ててくれたラシュウを忘れなかった。

 ラシュウがヴァンパイアに変化を遂げても変わらずに彼のことを陰ながら見守っていたんだな。


 だからこそ……。

 死しても、なお、主人を守っていたことを知った同じ獣類の神のような感じの神狼ハーレイア様がそのゼルウィンガーの気持ちに応えてあげる形で、似た姿を持つ神獣ロロディーヌとラシュウことバーレンティンを会わせるように誘導したのかもしれない。


 俺たちも双月神と神狼の神様たちに導かれた。

 だからそう思いたい。

 いや、きっとそうなのだろう。


 そう納得していると、


「にゃ~」


 肩の位置から優しげに鳴いた黒猫ロロ

 御豆型の先端を持つ小さい触手をバーレンティンの頬へ伸ばしていた。


 彼の涙を黒豆触手で拭いてあげていく。


 ……ロロはやさしいな。


「……ロロ。黒豹の姿は、彼が昔、育てていたゼルウィンガーの闇虎ドーレと似ているようだぞ?」

「にゃ?」


 触手を収斂してから頭部を傾げる黒猫ロロさん。


「バーレンティンは闇虎ドーレとかいう名の黒色の獣を育てていたようだ」


 バーレンティンは頷く。

 涙はまだ少しだけ彼の頬を伝っていた。


「俺と相棒のような関係性だったようだな」


 黒猫ロロが理解しやすいように、バーレンティンに向けてそう喋った直後――。


 俺の肩から床に飛び降りた黒猫ロロ

 黒豹の姿へ変身しバーレンティンの折り曲げていた膝へと豹の頭部を衝突させていく。


「……神獣様……」


 バーレンティンは微かな声を発した。

 彼の膝に頭をぶつけることを止めた黒豹ロロは、そのバーレンティンを見て、


「にゃ」


 と、挨拶をしてから上半身をむくっと持ち上げる。

 内腹を晒す姿だ。黒豹だから大きい。

 そんなロロディーヌは跪く体勢だったバーレンティンの肩へ両前足を当てるように寄り添った。


 バーレンティンは神獣ロロディーヌへと両手を回し、


「ゼルウィンガー……いや、神獣様……今日は佳日となった。ありがとう……」


 彼は泣きながらロロディーヌにお礼を述べる。

 そのままロロディーヌの首下に自身の顔を寄せていた。


 ふかふかの黒毛の感触を味わうバーレンティン。


 絵になる光景だ。

 しかし、そんな絵になる光景も、


「ンン――」


 黒豹ロロはバーレンティンから身を捻りつつ離れて部屋の端の方へと走っていく。


 走りながら胴体の左右に小さい翼を生やしていた。

 ロロディーヌの視線の先は沼だ。


 俺も部屋の端から沼を見る。

 沼では、渡り鳥の群れと交ざるように低空飛行を楽しむジョディの姿があった。


 ジョディと一緒に空を飛ぶ気だな。

 床に爪痕を残しながら颯爽と広い部屋を駆け抜けていく神獣ロロディーヌ。


 ツラヌキ団のメンバーたちの間を通り抜けていく。

 その際、触手の一つがアラハの頭部を撫でていたことはご愛敬――。


 跳び箱を跳ぶように雁木棚がんぎだなの壁の横にある台の上に飛び乗ったロロディーヌ。

 そこに置かれてあった小型の植木鉢を吹き飛ばす。

 疾風の如く台から駆け下り端に到着するや否や駆けていた速度を生かすように沼へと跳躍――。 


 ――軒端に吊してあった風鈴たちから音が響く。

 ロロディーヌの四肢が沼の水面に触れる寸前、そのロロディーヌは黒の、いや、天魔の化身のように両翼を大鷹が羽ばたくように広げた。


 そのまま水面ぎりぎりの低空飛行から斜めの方向へとジャンプするような機動で上昇を開始する。

 沼の水面を四肢で突いたようにも見えた。


 沼に一対の風波が起きる。

 美しい。宙へと曲射したような水飛沫。


 四肢の足先と連なる水飛沫――。

 足から水滴を垂らしながら飛翔するロロディーヌはジョディの近くへ向かう。


 俺的には沼から宙へ曲面を描くような水飛沫がマスドライバーのような形に見えて格好良かった。


 飛翔を続けていたジョディはロロディーヌが近付くと、逆さまの状態で、微笑む。

 逆さまの彼女は全身から櫛比しっぴした血を纏う白色の蛾たちを出していた。


 不可思議な光魔の蝶たちはカタストロフィー現象を示す。

 闇を跳梁していた銀色の枯れ葉たちと衝突した――。

 光魔の蝶たちは火にくべた糸さながらにちりぢりとなって銀色の枯れ葉と共に燃えていく。

 が、粘質さを帯びた液体に変化した。

 さらに液体は破裂した音を立て、大気の中へと、その未知の液体が染みこむように儚く消失していった。


 ジョディは結界の技を繰り出しているようだが、双月神の加護か、恩寵が強いようだ。

 失敗している素振りを見せて飛んでいた。


 そんな状況の宙だが、もう雨は降っていない。

 さっきの雨は、にわか雨だったようだ。

 しかし、依然と銀色の枯れ葉は落ちてくる。

 空はドーム型のような植物の屋根が覆っているのが見えるが、陽が射していたように隙間もある。


 そんな宙を楽しげに飛翔するロロディーヌとジョディの様子をしばし眺めてから……。


 バーレンティンに視線を向けた――。

 彼の双眸はもう元通りだ。

 ネモフィラのような鮮やかな青い瞳に戻っている。


「バーレンティン。気まぐれなロロの行動だ。許してやってくれ」

「いえ、許すもなにも吸血鬼ながら心が温まりましたよ」


 やや痩せた顔だがイケメンなだけに笑顔が映える。


「そうか。良かった。んじゃ、ま、そこの椅子に座ってくれ。話の続きをしよう――」


 彼が椅子に座るのを待ってから、


「まずは闇虎ドーレのことから頼む」


 と、俺は喋る。


「はい。故郷を含めた地下社会では闇虎ドーレの飼育が頻繁に行われております。そして、第三位魔導貴族エンパール家は他の魔導貴族たちと競うように、より顕著な形で飼育が義務づけられていました」

「へぇ、前にダウメザランとデビルズマウンテンには行ったことがあった。その時に商人が飼っていた闇虎ドーレの姿なら見たことがある」


 近くに針鼠の像もあった。


「……故郷を知っているのですね」

「魔毒の女神ミセア様が支配するダウメザランだろう。俺の選ばれし眷属の一人、ヴィーネがダークエルフだからな」


 魔導貴族。

 ヴィーネは第十二位魔導貴族アズマイル家出身だ。


「なるほど、時代が違うとはいえ同じダークエルフだった者が眷属に……しかも同じ故郷とは」

「そのヴィーネとの血文字連絡の前だが、闇虎ドーレ闇獅子ダークブレズムと違うのか?」


 ヴィーネの言葉を思い出しながら語る。

 すると、バーレンティンは不機嫌そうに金色の細い眉をひそめた。


「……害獣の名ではない」


 バーレンティンの表情が変化。

 それは『失礼な奴だ』といったニュアンスだ。


「悪かった。話を続けてくれ」

「承知、子供の頃から闇虎ドーレを飼育し共に成長するのです。暗黒街道を彷徨う大害獣の臭気を持つ闇獅子ダークブレズムとは違います」


 似たような動物を想像して聞いたが……。

 かなり違うのかな。

 闇獅子ダークブレズムと比べた俺の言葉を聞いて、バーレンティンはむかついたようだ。


 そのことは告げず、


「子供の頃から育てていた、か」


 一緒に育ったか。だからだな……。

 あの涙と動揺の仕方は……。


「はい、地下の狩りを含めて、生活の様々な場面でも活用していました」


 ヴィーネのアズマイル家でも利用していたのかな。

 そういえば、ヴィーネは闇虎ドーレをたとえによく出していたっけ。

 彼女も闇虎ドーレを飼っていたのだろうか。


「さらに、各地下都市では闇虎ドーレ専用の闘技大会が盛んに行われていました。高位魔導貴族の一種の誇りの面もあるほどに格式高い血統も存在します。わたしのゼルウィンガーは……そんな格式戦い血統種ではなかったです。しかし、ゼルウィンガーは強く賢かった! わたしが過酷なダークエルフ社会で生き延びることができたのも、ゼルウィンガーのお陰だったのです! 信頼を寄せるとても大切な相棒でした」


 子供の頃を思い出しているバーレンティンの口調には元気がある。

 そんな彼には悪いが……。


「……そのゼルウィンガーだが、魔導貴族の勢力争いとは、どんな理由で……さしつかえなければ、教えてほしい」


 バーレンティンは……。

 沼を楽しげに低空飛行するロロディーヌの姿を一度見やる。

 そして、再び俺に青い双眸を寄越すと、


「……はい」


 と、短く返事をした。


「わたしが殺されかけ吸血鬼となった理由でもあります。結局は身内といいますか、わたしが男だったが故にゼルウィンガーは、死んだのです」

「ほぅ……」


 身内か。

 第三位魔導貴族エンパール家も女性上位だろうし。

 予想では、司祭の家系からのハラスメント系か。


「事の始めは、男である、このわたしが厳しい訓練を耐え抜きながら野生のゼルウィンガーを育て上げ、闇百弩に抜擢されたことから始まります。そして、当時の司祭レカシュホの女親族たちに疎まれた。表向きは魔導貴族の争いでした。しかし、裏で敵に情報を流していたのが憎きレデルス……」


 やはり……。

 しかし、その話は長くなりそうだ。


「身内同士のいざこざは予想できる。少し、歴史的なもの……そうだな、身内のレデルスが、お前を嵌めるために利用したであろう当時のエンパール家が争った魔導貴族のことを教えてくれ」

「……鋭いお方だ」

「いや、想像できるだろ。いいから教えてくれ」


 にやりと笑うバーレンティン。

 笑みがメルみたいだ。


「承知。第三位魔導貴族エンパール家は、当時、【第四位魔導貴族セレンガ家】、【第十五位魔導貴族ホーグレルン家】と争っていました」

「二つ同時か」

「はい。たとえ、三つ四つと束になって襲い掛かってきても、エンパール家はびくともしなかったでしょう。レカシュホたちの縁遠兵を含めて兵士たちは強い。さらに、その縁遠兵よりも強い〝闇百弩〟を抱えている不動の上位魔導貴族の一つがエンパール家なのです。戦争は常に勝利を収めていました」


 だろうな。

 ヴィーネの頃にも存続していた上位魔導貴族だ。


「闇百弩か。縁遠兵とは、エリートの親類で構成された朱色の近衛兵とか、親衛隊のような存在なんだろう?」


 ヴィーネが着ていた服。

 ヴィーネの過去の話にも登場してきた。

 彼女の仇を手伝った時、立ち向かってきたダークエルフたちの中にも朱色系の戦闘服を着込む者も居た。


「はい」

「そんな親衛隊よりも強い部隊を抱えているエンパール家でも、第三位だったのか」

「そうですね。しかし、闇百弩は、ダウメザランの内側の問題にあまり対処できなかったという面もあります。問題のあるダークエルフたちを地上へと追放できる唯一の組織。それは纏まりのないダークエルフ社会で、唯一ダークエルフたちが纏まっている組織でもあるということ。そして、わたしが所属していたように男もそれなりに居ました。闇百弩の登用基準も魔導貴族を問いません。だからこそ強い」

「それは驚きだ。エンパール家以外からも受け入れていたのか」

「はい。マグルと関わる仕事、そして、天蓋の外を見る不吉な仕事でもあります。だから人員は不足気味なのです」


 危険な仕事だから当然か。


「厳しい訓練と実戦もあります。鍛えられる面ばかりではない過酷な側面を持つ組織なのです。という理由からダウメザラン以外の都市だろうと、ダークエルフであり、かつ、実力が高い者なら闇百弩に入れます。勿論、本当に実力が高くないと闇百弩で生き延びることはできません」


 バーレンティンは自身の魔刀の骨喰厳次郎をチラッと見て語っていた。

 彼の剣術は演舞を見せていたようにすこぶる高い。


 ダークエルフ時代に相当の経験をしているんだろうな……。

 ヴィーネから子供時代の過酷な訓練話は聞いている。

 だから闇百弩という組織の経験はもっと厳しいんだろう。


 だが、採用に当たってはミセアが愛する行為もあるし……不正とかもありそうだが……。


「採用に関してはどうだったんだろう。必ずしも正義が勝つという状況では、やっていけないだろう?」

「はい。勿論、登用に不正があり問題と化すこともあります」

「だろうな」

「しかし、実力がなければ、死にますから」

「はは、それもそうか」

「闇百弩。広大な地下を巡回できる実力と経験は、他の魔導貴族たちの追随を許しませんからね。そんな部隊を抱えているエンパール家は強い。だからこそ、対外的な圧力のカードにも使える利用価値の高い魔導貴族でもありました。地下都市ダウメザラン第三位魔導貴族エンパール家という存在は、他の魔導貴族たちにとっても、存続している方が、内も外も何かと都合が良かったんですよ」


 なるほど。

 政治の面からしても生き残る理由があったか。

 対外の外交カードとしても使えるならなおさらか。


 地下都市はオークの勢力以外にも複数の勢力があるからな。


 亜神ゴルゴンチュラの領域だった果樹園を奪いにきた地底神ロルガを信奉していた地下都市の勢力もそうだ。

 第六軍団を指揮していたナズ・オン将軍は強く、とても臭かった。


 捕らえた達磨兵も魔神帝国のフェーン独立都市同盟の話をしていた。

 あの達磨兵……種族はホームズン、も語っていたっけ。

 そういえば彼はまだ果樹園で働いているのだろうか。


 亜神夫婦はまだサイデイル村に居るだろうし果樹園でひとりぼっち?

 あの達磨君も故郷に帰りたいのかな。

 だが、まぁ、本人にとっては生き延びただけでも良しとするだろう。 


「……魔神帝国とかとの争いもあるんだろう?」

「はい。資源を巡り魔神帝国以外にも独立都市同士で戦争があります。キュイズナーも様々な種類が居ますが、強者は恐怖の対象です。対精神防御の魔道具を超えてくる洗脳は受けたくない……」


 アムたちハフマリダ教団と遭遇して地下を旅した時にヘルメと一緒に戦ったキュイズナーたちか。

 キュイズナーは魔神帝国を代表する兵士らしい。


 ヴィーネだけでなくロアとナロミヴァスも語っていた。


「……ノームたちを含めると、対外的な争いも多そうだ」

「そうですね。対外の地下都市の争いよりも、ダークエルフ同士の戦争の方が過酷という皮肉もありますが」


 過酷というより凄惨だろう……。

 俺も鬼となってヴィーネの仇を手伝ったからなんともいえないが。


「よく分かった。そこに所属していたラシュウだったバーレンティンもかなりの強者だったんだな。その首の襟章のバッジは、そのエンパールの家紋?」

「これは闇百弩の証しの一つ。胸元の魔弩紋もそうです。裏に……」


 バーレンティンはバッジを外して見せてくれた。

 裏にはロロディーヌと似た黒豹が、いや、闇虎ドーレが描かれてあった。


 バーレンティンから過去話を聞いたからか……。

 魔力が宿るバッジ一つから凄まじい歴史を感じた。


 バッジを付け直すのを待ってから、


「んじゃ、<筆頭従者長>のヴィーネのことを話しておこう。彼女も君と同じダークエルフなのはさきに話した通り。今は、魔霧の渦森で同じミスティという名の金属を溶かせる<筆頭従者長>とハンカイという名のドワーフの斧使いと過ごしている。そのヴィーネと血文字で連絡を取るから、それをしながら今後の敵と想定している白色の貴婦人との戦いに向けて、どんな連携が可能か、ヴァンパイアなりの戦術の話をしていこうか」


 地底神ロルガという討伐目標もある。

 そして、まだ、彼には聞いていないこともあった。

 それは彼をヴァンパイアにしたヴァンパイアの存在。

 東方の出身らしいが……ま、今はいいか。


「……承知」


 血文字がどんなことか分からないバーレンティン。

 微妙な面を浮かべていた。


 ま、メールとかはないだろうし当然の反応だ。


 迷宮都市ならタブレット系の端末めいた石版が迷宮の宝箱から手に入るし、メール的なモノもあるかもしれない。

 そして、悟性が優秀な者が……。

 そのタブレットアイテムの起動に成功し……。


 メールとか、亜空間通信とか、特殊な星間通信が可能な魔道具の解析に成功しているかもしれない。


 とくにコレクターのシキとか……。

 優秀なアイテム鑑定人のスロザとか。

 俺と同じカレウドスコープを備えたドワーフ女とか……。


 転生する前にも『不確定性原理』は有名だったからな……この世では何が起きているのか。


 その予想は不可能だ。


 そんな数学的にも哲学的にも宗教的にも小難しいことを考えながら血文字でヴィーネと連絡を取った。

 宙に血文字が浮かぶ。

 これ、VR操作を超えているな。


 指で宙にリアルタイムの血文字を描く。


『よう、ヴィーネ。そっちはどうだ』


 から、始まり……。


『え! ラシュウ……【第三位魔導貴族エンパール家】の門番ゾーンキーパーの【闇百弩】たち! 文献にあったラシュウが本当に生きていたとは……地下の放浪を続けていたのですね。吸血鬼となっていることが驚きです……』


 といったように……。

 冷静沈着なバーレンティンの表情が変わるぐらい長くヴィーネと血文字のやりとりをしていった。

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