二百六十八話 荒野の魔女と再会

 

 煌びやかな宝がいっぱいだ。

 すると、


「ガォォ~」

「にゃ~」


 バルミントと黒猫ロロが鳴く。

 煌びやかな宝飾品が気になるようだ。

 バルは円盤のような丸い部分のある宝飾品が気になったようだ、嘴で突く。

 黒猫ロロは針金のような細い金属に猫パンチを繰り出している。

 肉球パンチを受けた針金が跳ね返って黒猫ロロに向かうと、俄に、相棒は前足を下から繰り出した。肉球顎砕き。と命名――。


 立ちアッパーだ。

 いや、コークスクリュー・ブロー気味か。

 

「ンン――にゃおお」

「ガォォォ」


 針金のバネの反動が天然のパンチングマシーンと化した。

 黒猫ロロとバルミントは夢中になって、ちっこいボクサーと化した。


 ……さて、サーディア荒野に来たが……。

 魔女サジハリの姿はない。

 ここの荒野の先では、前に、ゴブリン狩りをやった覚えがある。


 ……暫く待つか。


 鏡から外れた二十四面体トラペゾヘドロンを掴み、胸ポケットに仕舞った。


「バルミントとロロ、あまり遠くへ行くな。ここでサジハリを待つ」

「ン、ガォ~」

「ンン、にゃぁ」


 装飾品が積み重なる下で穴を掘り出しているバルミント。

 黒猫ロロはその頭の上に乗っかり指示を出していた。


 いったい、何をしているのやら……。


 暇なので、神槍ガンジスを召喚。

 左手に握った神槍で突きと払いからのコンビネーション。

 続いて、月型穂先を斜め上へと傾けて、上から下へと交互に打ち分ける風槍流『顎砕き』の技術を試していった。


 そして、アーゼンのブーツを履いた左足の爪先で荒野の地に小さい半円を描くようにステップワークを踏んでから、強くドンッと衝撃波を出すように地を蹴り高く跳躍。


 空中で標的を想像――。

 神槍ガンジスを両手持ちへ移行した瞬間、リコが前に見せた必殺技をイメージしながら<刺突>の連打を繰り出していく――。


 月型穂先が地に突き刺さり――片膝をつけながら着地した。


 ……さすがに無理か。あれは彼女の独自系の技なのかもしれない。

 そこで<導想魔手>を発動する。

 突き刺さった神槍を抜きながら跳躍。

 <導想魔手歪な魔力の手>を空中に作り、その歪な魔力の手を足場に利用し、上空高くに移動していく。


 訓練は止めて空から竜の姿を確認しようと……見渡していった。

 今日はサジハリと会えずに終わるかな? 

 と、思った矢先……居た。


 真っ赤な大型竜の姿だ。

 鯨とクラゲの群れと戦っている。


 ……ほどなくして、真っ赤な色の大型の竜が鯨肉を口に咥えながらこっちに近付いてくる。

 赤き猛る竜、サジハリさんだ。

 念のため、降りておこう。

 

 リズムよく<導想魔手>を足場に使い地面へ降りていく。

 地上で待っていると、サジハリさんも翼を羽ばたかせて地上に降りてきた。


 その場で人を象った竜婆の姿へ変身。

 赤い冠のような額当ては昔と同じ位置にある。

 頭髪も前と変わらず赤み掛かった黒色だ。

 背中側に流れた長髪が、横風の影響で揺れていた。

 皺があるが、美人ではある。


「……ひゃひゃひゃ、シュウヤカガリ。久しぶりじゃないか」

「サジハリさん、久しぶりです。今日は貴女に会わせてみたい存在を連れてきました」

「……荒野の魔女と云われた、わたしにかい? ――ん?」


 サジハリさんは、すぐに違う魔力を察知したらしい。

 黒猫ロロの隣にいる高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアのバルミントの姿を見つめていた。


「バルミント、ロロ、こっちに来い」

「ガォォ~」

「ン、にゃ? にゃお」


 穴堀りを止めてトコトコと走り寄ってくるバルミント。

 頭の上に黒猫ロロを乗せた状態だ。


 俺の脛へ自身の頭部を擦りつける甘える行動ができないから、その代わりに、四枚の翼を俺の脛へ上下左右に擦りつけてきた。


「……この小型竜の名はバルミント。高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアの一族らしいです」

高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアの子供だと? 長年生きてみるもんだねぇ。またまた、吃驚だよ」


 サジハリさんは目を見開いて驚いていた。

 そして、俺の指にあるマークを見つけて、


「その子供と契約を結んだのか……?」

「はい」

「しかも四枚翼の高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアとはな。わたしの知っている高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアの姿の中にいないぞ! 初めて見る。優れた古き者の竜族に間違いないのだろうが……」


 興奮した口調のサジハリ。

 竜婆の彼女も分からないのか……。

 荒神カーズドロウは、違う大陸と言っていたからな。


「このバルミントも竜言語魔法を使えるようになりますか?」

「どうだろうか。同じ竜型といえど、姿が違う。この子を生んだ親竜はどんな姿だったんだい?」

「巨大な竜で四枚翼でした。人型に変身はしなかったですね」

「……ふむ、わたしゃぁ、知っている通り二枚翼だ。この子も知能はあるようだが、種として違うなら使えるようになるか分からないねぇ……」

「……ガォォ~ガァ」


 バルミントは可愛い仕草でサジハリの足元に移動すると、改めて、挨拶をしている。


「おや……まあ、カワイイ声だねぇ」


 サジハリさんは、微笑む。

 婆というより皺があるが若いという顔。なんだろうか。

 表情から若さと老獪さを同時に感じる不思議な表情。


「……にゃ」


 黒猫ロロはバルミントから離れて俺の足元に戻ってきた。


「ン、ガォ~」


 バルミントはサジハリに何かを感じたらしく頭をサジハリの膝へ擦りつけている。


「あらあら、元気がいい子だねぇ……わたしゃーサジハリお婆ちゃんだよ?」


 あの微笑んだ顔を見ると和むが……。

 この地域、近隣の国々で暴れている近隣の国々にとっては不倶戴天の高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアなんだよな。


「バルミントも同じ竜の匂いを感じ取ったようですね」

「少し、このお婆竜と暮らしてみるかい?」

「ガォォ~」


 バルミントは頷くように返事をした。


「そうかい、そうかい」


 バルミントの頭を撫でているサジハリ。

 寂しいが……餌の取り方を含めて、ある程度、竜独自の生活も覚えないといけないしな。

 彼女が了承するなら、任せてみるのもいいかもしれない。


「……サジハリさん、バルミントを預かってくれるのですか?」


 その時、サジハリさんの表情が女らしく変わる。


「……あぁ、恥ずかしいが気持ちは受け取った」


 なんで恥ずかしいんだ?

 と、疑問に思うが、


「この子は竜言語魔法は覚えられないと思うが、高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアとしての誇りならある程度、教えられる」

「ありがとうございます。ですが、人族をむやみやたらに襲うことは止めて頂けますか?」

「……何故だ? 食料だぞ」


 サジハリさんは怒ったのか鱗のような眉を中央に寄せる。


「はい。弱肉強食、生命の維持に喰うか喰われるかの世界は、重々承知しています……」

「分かっているじゃないか」

「俺も血を喰い物にしている化け物の類なので。しかし、女性が好きなんですよ。だから、無闇矢鱈に人を襲いません。バルミントにもこの方針は守らせたい。人を完全な餌だと思ってほしくないのです……」


 お願いする立場なので、丁寧さを心がけた。


「……クククッ、我儘な奴だねぇ。だが、シュウヤカガリの言葉なら真剣に受け入れるとしよう。モンスターの狩り方、空の飛び方、空の王者たる竜の威厳を教えてやるさね。ただ、人が襲ってきた場合は容赦なく喰うからな?」


 その辺は仕方がない。


「えぇ、はい。最低限のモラルを保って頂ければそれで結構です」

「ン、にゃぁ、にゃお」

「ガォガォォン――」


 母親代わりだった黒猫ロロが、バルミントと離れると察したのか、寂し気に鳴く。

 身体を、黒豹の姿に変えていた。母親モードか。


 バルミントが、俺たちへ振り返り黒豹ロロディーヌのもとにトコトコと歩き戻ってきた。


「バル、お前が俺たちの側に居たいなら……」

「ガォ、ガォン――」


 バルミントは、四枚翼を左右に動かす。

 『それは違うガォ』と言ったような気がした。

 バルは長い舌を使い黒豹ロロディーヌの全身を舐めてから、俺の脛にも頭を擦りつけてくる。


 バルミントなりの別れの挨拶か。

 擦りつけてから、俺の顔を見上げてくると、つぶらな瞳から涙を一粒流していた。


「ガオオオォォ」


 泣きながら、ドラゴンらしい咆哮で想いを俺に届けてくる。

 ありがとう、バル。


「気持ちは伝わったぞ。お前も頑張るんだ」

「ガォォン」


 バルミントは俺たちに甘えてから、またサジハリさんのもとへ戻っていく。


「……サジハリさん、バルミントを宜しくお願いします」

「……了解したよ。責任を持って一人で狩りができるようにしてやろう。空は獲物が多いからねぇ……高い高い黒い無空での飛び方も、そこの生物を狩る特別な狩りの仕方も教えてやる」


 サジハリさんは色彩を赤黒く変化させ、三角形の魔法陣の不思議な紋様を瞳に浮かばせながらバルミントを優しく見ていた。


「暫くしたら、戻ってくる予定です。その時、貴女に知らせる印のような物は、ありますか?」

「ふむ。あるぞ――」


 え!? 何を血迷ったのか、突然サジハリさんは、自身の右腕を千切ってから、その右腕を空中に放り投げて、尚、血だらけの左手で自身の胸を突き刺していた。


 そして、自らの心臓を抜き取って……。

 眼前に晒している……。

 千切れた右腕の付け根と胸元から血が勢いよく迸っていく。


 更には、空中に放り投げられた千切れた右腕が、重力に逆らい、不自然に静止していた。

 血は止め処なく滴り落ちている……。

 その片腕だけとなったサジハリさんは、苦しげに表情を歪めながら左の掌に握って蠢いている心臓に自身の魔力を込めた。


 その瞬間――。


 宙に不自然に静止している右腕と傷から放出されていた沢山の血が心臓を握る左手に集結。

 そして、右腕と心臓が融合し歪な縦笛に変化していた。


 サジハリさんはまだ苦し気だ。

 しかし、千切れたところから新しい右腕が生え、胸元の傷も塞がっている……凄い、やはり高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアだ。


 実は心臓が三つ、四つ、五つと、あるのだろうか。


「……これはレーレバの笛。わたしのお婆の名からとった。ここで、このレーレバの笛を吹けば、すぐにバルミントを連れて戻ってこよう――」


 サジハリさんはそう言うと俺に笛を投げてくる。

 そのお婆の笛を受け取った。サジハリさんも婆のような気がするが、指摘はしない。


「……それでは、ここまでだ。強者シュウヤカガリと、その神獣よ」

「ン、にゃお~ん」

「また会おうぞ……」


 ロロディーヌの声に頷いた老婆サジハリ。

 そのまま別れの言葉の余韻を残すように、目の前で赤き猛る竜へ変身。


 バルミントと竜の顔を見合わせて、アイコンタクトをしていた。

 絵になる……形は違えど……親子の竜みたいだ。


「バルミント、頑張れ。時が経ったら必ず会いに来るっ。その時は一緒に空を飛ぼう!」


 寂しい思いを誤魔化すように叫ぶ。


「ガオ! ガオオォォォォォォォォ」


 バルも気合を入れるように高・古代竜ハイ・エンシェントドラゴニアとして応えてくれた。

 俺の右親指の印も光る。バル……。


「にゃおおおお」


 黒豹のロロディーヌも泣いていた。

 卵を温め、いっぱい、おっぱいをあげていたもんな。中庭でも遊んでいた。


 そして、バルミントは新しい母親を見るように赤き竜のサジハリさんの竜顔を見上げていた。

 サジハリさんの背中にある翼の真似をするように、四枚の翼を交互に震わせながら一生懸命伸ばして動かしている。


 飛び方を習いたいとアピールしているように見えた。


「今度会う時が楽しみだ……」

「にゃお」


 黒豹ロロも淋しげに鳴いたが、どこか、母親としての凛々しさを感じる顔だった。


 赤き竜サジハリさんは翼を動かしているバルミントの首を甘咬みして、軽々と、バルを持ち上げると自分の後頭部に乗せていた。

 そして、赤き両翼を広げて風を生み出すように、羽搏くと、もう上空高くに飛んでいた。


 姿が見えなくなってしまった……。


 淋しいから、貰ったばかりだけど……吹いちゃおう。

 レーレバの笛に口をつけて、試しに吹いてみた。


 あれ? 不思議だ。

 吹いた瞬間、音が鳴ったけど、笛自体に魔力が奪われた。

 そして、キスしたような感覚を覚える。


 その瞬間、赤き竜サジハリが急降下して戻ってきた。

 勢いよく人型に変身。その効果で、饅頭のようなふっくらとした胸の起伏が悩ましく揺れている。


 コスチューム系だからハッキリと形が見えた。


「――なんだっ、急用か?」


 竜婆の姿だが、頬の表面に赤色がいていく。


「ガォォ」


 サジハリの頭から降りたバルミントも叫ぶ。


「すまん、試しに吹いてみただけだったりして」


  俺の返事に、サジハリは無表情で、背を真っ直ぐな板のように伸ばしてから、


「……そうかいそうかい、用もなくね……クククッ、ふざけるな! ――ファヅッロアガァァァァァァ」


 やべぇ、怒られた。喉を震わせるような竜言語魔法だ。

 突風が俺の身体を包む。


「ガォヅロアガォォ」


 バルミントも口を広げて可愛く真似をしているが、その口からは吐息程度の空気が発せられているのみ。


「シュウヤカガリ。わたしゃぁ、これでも女なのだぞ? ドキドキさせるとお前を食べたくなる」


 怒った女だ。竜婆さんに食われたくない。

 でも、ちょっと違う怒り方のような気がする。


「すみません、このレーレバの笛に何かあるのですか?」

「……それを聞くか」


 サジハリさんは視線だけで、人族を射殺せるように目を鋭くした。

 縦割れの瞳から魔眼らしき瞳に変化させている。

 色彩が、より赤黒く変化。そして、三角形の魔法陣と不思議な紋様を回転させていく。


「あ、いえ、なんでもないです」

「クククッ、ダメだ。ちゃんと耳の穴ァかっぽじって、よーく聞け。レーレバの笛を与えるということは……〝男〟と認めた相手ということだ!」


 え? ヤベェ、告白だったのか。

 たべるとは男として食べるの意味ですかぁ。


「そ、そうですか、サジハリさんは俺を……」

「ふんッ、だいたいだ、契約した竜の子供を預けること自体が愛の告白だろうが!」


 えぇ? そりゃ知らなかった……。


「……それはしりませんでした」

「そして、レーレバの笛に口を付けて、シュウヤカガリの息吹があたしの心と繋がったからな……もう、契約はなった。うふふん」


 阿部ェえ、いや、ヤベェ、混乱してしまった。

 口調もなんか若くなっているし……。


 そして、レーレバの笛を見ると、俺の名前の文字が浮かんで、サジハリさんの名も浮かんでいた。

 ……いつの間にか、俺とサジハリさんは心が結ばれてしまったらしい。

 魔力と唇を奪われた結果か。


「ガォガォン」


 バルミントはサジハリさんに話し掛けている。


「あいよ、わかっているさね。空を飛びたいんだろう? だが、まずは【ゼルビア皇国】の連中から離れようか。場所は……あの家に行くとするかねぇ……ところで、シュウヤ・カガリ。わたしと繋がった男よ。離れたくないのであれば、暫く一緒についてくるか?」

「いいのですか?」


 俺としてはそっちの方がいい。


「かまわんさ。バルミントもその方が淋しくないだろう?」

「キュ、ガォ」


 バルミントは幼い頃を思い出したのか、可愛く切ない声を出していた。  

 ……バル。


「それじゃロロ、変身だ。サジハリさんの後についていこう」


 サジハリさんは、その言葉を聞くや否や、赤き猛る竜に変身を、しなかった。 

 変身途中で思い出したように、人型に戻り、


「近くに居るのだから、その笛はもう吹くなよ?」

「あ、はい」


 サジハリさん、顔が首筋辺りまで真っ赤になる。

 鱗系コスチュームは元から赤めだけどハッキリと分かった。

 実は笛を吹いてほしいのか?

 振りかもしれない、と口に笛を持っていこうとしたら、


「おい、冗談じゃなくて止めろ」

「あ、はい」

「何が、あ、はいだ。連続してふざけすぎだ。喰われたいのか?」

「あ、はい。と、冗談です」

「クククッ、いい度胸だ……」


 流れ的にしょうがないだろう……。


「ガォォォォ」

「にゃおぉ」


 サジハリさんと仲良くじゃれていたら、バルミントとロロが止めに入った。


「……風格があるくせに、可笑しな男だ。それでは先に飛ぶぞ」


 サジハリさんは、溜め息交じりに言いながら両脚をすっきりと見せて悩ましく長い髪をたくしあげて、笑うと、赤き猛る竜に変身。


 ロロも黒猫姿から、神獣、巨獅子型黒猫へ変身を遂げた。

 ロロディーヌは大きな黒翼を胴体の横から伸ばす。


「ギャオォォ」

「ガォ」


 神獣ロロの大きな姿に、驚いたような声を上げるサジハリの赤き猛る竜。


 だが、その驚きも束の間、サジハリさんは、さっきと同じように、バルミントの首の上を甘咬みしながら自身の後頭部に乗せていた。

 そして、俺の方に顔を向けて『行くよ。ついてこい!』というように咆哮をあげると、翼を広げて飛んでいく。


 ロロディーヌに飛び乗り、柔らかい黒毛の背中に跨がる。

 ロロも触手手綱を俺の首に伸ばし平たい先端を装着してくれた。

 感覚を共有した瞬間、ロロディーヌは四肢に力を込めると、地面が爆ぜるような蹴りで空へ跳躍する。


 あっという間に、先を飛んでいた赤き竜の後ろ姿が見えてきた。

 太い立派な尻尾だ。ロロの時も思ったが、飛行機のラダーのような作用があるのかもしれない。

 そして、この世界の竜に立派な菊門があることを学ぶ。

 ……既に知っていたが。

 ここでサジハリさんに糞をされたら、俺は……嫌なことを想像してしまった。

 そんなことを感じとった神獣型のロロディーヌ。


 空気を読みサジハリさんの横へ向かう。

 偉いぞ、ロロ。

 でも、飛行速度はロロディーヌの方が上のようだ。


「にゃおぉぉぉ」


 ロロは喜んでいた。

 さっき空を飛びたいと気持ちを伝えてきたからな。

 この際だ、散歩がてら、俺も戦闘機神獣乗りの一人として空を楽しむとする。

 戦闘妖精を起動するイメージで、右目の側面のアタッチメントを指で触りカレウドスコープを起動。


 さぁて、サジハリを抜かすか!

 この青空を震撼させるほどのアフターバーナーを焚くとしよう!

 天使とダンスだ!

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