ツイッター ー呟きの世界は巨大な世界ー

「今日は『ツイッター』についてお話ししますね。」


それも良く聞くねえと言うと、ですよねと答えながら三木はPCを開き、ツイッターの画面を開きながら言った。


「『ツイッター』とはインターネット上に自分が一回140字以内で発言する、そして誰かが140字以内で発言した言葉を聞くサイトです。これが『ツイッター』の画面なんですけどね、この名前の下の『ツイートする』のテキストボックスに入力して、『ツイート』ボタンを押すだけです。 」


三木は[テスト]と入力してツイートボタンを押した。画面のまん中部分に、[テスト]の文字が表示される。


「一郎さんのアカウントは登録しておきましたのでもう使えます。『ツイート』というのは原義は『小鳥がさえずる』という意味なんですが、日本語では『呟く』という表現で使われています。まあ、表現はともかく、投稿するって意味です。ともあれ『呟く』、、、つまり、投稿すると、その発言は『同じくツイッター に登録』している人間で、『あなたの言葉を聞きますよ』という人、これを『フォロワー』と言います。その人の画面に表示されます。


ここでですね、なにかと話題のホリエモンこと、堀江貴文さんのフォロワーの数をみてみましょうか、堀江さんのフォロワーは297万ってところですかね。」


「297万?」


思わず目を見開いた。しかし、画面には間違いなく297万の数字がでている。にわかに信じられない。


三木はその反応は解ってましたとばかりにこちらの方に向き直ると


「堀江さんが一言『呟く』だけで、読まれる、読まれないは別にして、これだけの人数に情報を発信することができるのです。 『フェイスブック』の時に話した雑紙の発行部数の話は覚えてますか?」


「覚えてるよ、たしか有名情報紙が7万冊ぐらいだっけ?」


「そうです。これも同じですね。ツイッターも一秒に一回でもできるので、極端な話、堀江さんがその気になったら、情報『量』としては雑紙より遥かに多い『情報』を出すことができるのです。」


あまりのことにビックリした。時代は本当に変わっている。自分は大分遅れているようだ、、、


「ビックリですよね。でも、事実です。話を使い方の方に戻します。フォロワーになる行為を『フォローする』といいます。宇多田ヒカルさん好きですか?」


「おお!いいね!ヒッキー!大好きだよ」


「宇多田さんのアカウントは@utadahikaruですね。右の上に『フォロー』ていうボタンがありますよね。ここを押します。」


ボタンの部分が『フォロー中』に変わった。


「そうすると、宇多田さんの『情報』が自分の場所に流れてきます。」


「えっ、これヒッキー本人が投稿してるってこと?」


「そうですよ。これも見られる、見られないは別にすると269万以上の『情報』をだすことができますね。」


「すげえ!」


「使い方に戻ります。逆に自分の話を聞いてもらいたい時、、、つまり『自分のフォロワーを増やしたい時』はどうするかと言うと」


三木は再びPCの方に向き直り、ツイッターの上部にある検索窓にこの街の地名をいれた。すぐに検索結果が返され、何人かの人が表示された。


「この単語が名前や『呟き』に含まれていると言う事は、この人達はこの街に住んでいる可能性が高いですよね。なので、まず最初はこの方達を『フォロー』しましょう。そうすると10人に3〜4人ぐらいは『フォローを返してくれます。』最近は大分なくなりましたが、ツイッターには暗黙の了解で『フォロー返し』というのがあります。フォローしてくれた人をフォローしかえすという物です。とりあえず、この地域の方をフォローしましょう。」


そういうと、三十人ほどの人をフォローした。あっと言う間にまん中の部分が文字だらけになった。しかも次々と流れてくる。


「これ、、みんなリアルタイムで呟いているってこと?」


「はい、そうですよ。」


「すげえな、でもこんな早くちゃ、読み切れなくねえ?」


「そうですね。その場合はリストといって、自分が興味のある人のみを集めて見るようにします。気に入った人のアイコンをクリックすると、その人のページに行くのですが、そこでこの人間のアイコンからリストに加えます。そうするとその選択した人の『呟き』しか流れてこないページに行きます。ほとんどの人はそういう使い方をしています。」


「なるほど、、『情報』を取捨選択するわけね、、」


「そうです。だから『ツイッター』は『フェイスブック』と比べると『捨てられる情報』の要素が強いです。『フェイスブック』はお互いの『情報』を行き来させるのに最初に『友達』に成る必要があります。つまり、最初に『許可』という行為がが入るので、『情報』が捨てられる可能性が低いです。


しかしツイッターは許可はいりません。気になったら『フォロー』すればいいだけです。一方的に『情報』を得ることができます。その結果取得する『情報量』が多くなり、その中で取捨選択する。


つまり、一郎さんもリストに拾われるようにしなければなりません。リストに拾われるのは『同じ趣味の人』とか、『同じ街に住んでいる人』とか、『役に立つ情報を出している人』なんかが拾われやすいです。


なので先ほど大きい数字の話をしておいて何ですが、どうやっても“一人では”あんな芸能人みたいに数を増やすことはできません。


小売店の人は『数』より『質』を意識してフォロワーを増やした方がいいです。『フォロワーを自動で増やします』なんていう商売がありますが、それはロボット、つまり自動でフォローを返すプログラムを作って数を増やしたりします。


ロボットなので、当然自分の投稿は読んでくれません。そんなのをいくつ増やしても無駄です。だから検索にこの街の名前を使ったわけですね。ロボットじゃなくて人で、ちゃんとツイッターをやっている人は、フォローを返す場合、まず最初にプロフィールを見るでしょうから、プロフィールはしっかり書いておきました。この街のパン屋だという事と、アイコンも写真にしておきました。


匿名が基本のツイッターであえてきっちり身元がわかるようにしておきました。相手の身元がわかると安心感が違います。フォローを返すにしても、リストに加えるにしても、格段に確立があがるでしょう。『情報』が捨てられる可能性も減ります。地道に繋がっていったほうが最終的には得です。」


「ふーん、だけどさ、じゃあ、芸能人でも無い限りそんなに『情報』を出せそうにないね。」


「いやいや、そんな事はないですよ。」


三木は再度こちらの方に向きかえるとニヤニヤしながら言った。


「先ほど“一人では”と言いましたよね。つまり“一人”じゃなければいいわけです。ツイッターにおいて重要な機能があります。『リツイート』です。」


「リツイート?」


「はい、簡単にいうと、『転載』です。それぞれの投稿の下に『リツイート』の文字がありますよね。ここの事です。」


三木はPC画面の中のリツイートの部分にマウスをあわせた。


「ここをクリックするだけで、クリックした人のフォロワーに全部『情報』が流れます。例えばですね、一郎さんが何かを『呟く』とするじゃないですか?始めたばかりですしまだフォロワーも数人しかいない。

ところが、その投稿をですね、フォロワーが2000人いる人が『リツイート』したとしますよね。そうすると、一郎さんの『呟き』が、その人のフォロワー全員に表示されます。


つまり、いきなり2000強の『情報』になるわけです。さらにその『リツイート』を受け取った人が『リツイート』をして、さらに『リツイート』『リツイート』『リツイート』としたら、、、あっと言う間に大きな数字になります。」


「すげえな、、例えは悪いけどネズミ講みたいなものだな。」


「はい、ですので、これも慣れてきたら商店街のメンバーで勉強会をして、みんなで使えるようにすればいいのです。

『リツイート』をクリックするなんて1秒もかかりませんからね。仲間の『情報』をお互い『リツイート』しあう。そうすれば商店街に来る人が増えると思います。

そして商店街に人がくれば、必然的に『柳原ベーカリー』にも訪れる人が増える。」


「なるほど、、、」


「ツイッターにしろ、フェイスブックにしろ、SNSの『情報』の出し方は一人に依存するスタイルは正しくありません。一人だとよほど影響力の高い人間以外、伝えられる人数が限られるので、いままで通り雑紙やテレビに勝つことはできません。

『100人が100人に対して出す』複数の人間が『情報』をだすから意味があるのです。よく勘違いされる人がいるのですが、1人が1万人に届けるといったスタイルはメルマガやダイレクトメールに代表される昔のスタイル。

SNSにおける情報拡散の仕組みとは根本的に違います。私が覚えていて欲しいと言ったキーワードを覚えてます?」


「ええと、『ファン』と『仲間』だったっけ?」


「そうです。『ファン』も『仲間』も自分以外の人間が『情報』を出してくれます。広告専門の人間をおくことの出来ない小売店にとって、どちらも自分達を助けてくれるとても大切な人達です。フェイスブックの時にもいいましたが、この二つの存在がどれほど大事かというのがこれからも解りますよね。」


確かに、、これは小売店に神様がくれた最後のチャンスかもしれない。


「まあ、ただ、仕事をやりながらツイッターとフェイスブックの両方を押さえるのは大変だし、今はそんな時間ないでしょうから、これは連動してしまいます。」


「連動?」


「はい、フェイスブックに投稿すると、自動でツイッターの方にその投稿が流れるようにしておきます。」


「そんなこと出来るの?」


「はい。ただ、ツイッターに返信が入ったら、スマホに連絡が来るようにしますので、必ず返信してください。ツイッターはフェイスブックと違って顔が出ていません。 そうすると、みんな必ず人の扱いが軽くなります。でも、その先には人がいるということを忘れないでください。『量』より『質』の関係を作ろうとしているので、そこは手を抜いちゃだめです。返事の仕方はこれです。」


と、ツイッターの使い方の資料を渡された。

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