day14:フローイング

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彼女と別れるまで後44日


十四日目



つまらない深夜のテレビチャンネル

それをただただ見つめてる僕は

それは哀しみ

何をしたって埋まりはしないや

それを分かってて繰り返すんだ

それは、それも哀しみなんでしょう



改めて、この物語を記す意味がわかってきた気がする。


そしてきっと、無駄じゃない気がする。


何があったって3/31の結末は変わらない。



忘れてた苦しみが再び私を襲う。


心と脳がフリーズする。



こんな失恋はかれこれ10年ぶりだ。


あの時もそう、愛知県の女に捨てられた。


あの県の女は、こんなどうしようもない自分に、生きる勇気を与えてくれる。


そして、信じられないほど、優しく抱きしめてくれる。


なのに、ひょっこり私のことを捨てるんだ、愛知の女は。


だから、なんとなく予感してた。


今回、こうなること。


だから、好きになっちゃダメだったんだ。


でも止められなかった。



私の2つめの事件は、私の30の誕生日のすぐ後に起きた。


その人は相模原警察署で取り調べを受けていた。

罪状は窃盗。


彼女は私に隠れてパチンコをしていた。


そして、パチンコ屋の中で、他人のパチンコの出玉を盗んだらしい。

それもわざわざ巧妙に証明書まで偽造して。

それをバレないと思いのこのこ次の日も同じパチンコ屋に行き、敢え無く御用に。


そして、店からの通報を受け、その人は逮捕された。


その後、署に連行され、そこからの電話だった。


意味も解らず警察署へ。

簡単な説明を受け、彼女の身元を引き受け、家路へ着いた。


その当時、二人が住んでいた一戸建ての平屋の借家に戻り、事の顛末を聞いた。


私の知らなかった嫌な部分が次から次へと出てきて、聞くだけで吐き気がした。


“こんなことになるくらいなら、なんであの時死んでくれなかったんだろうか”


喉元まで出かかって、言うのを止めた。


全てを話し尽すと、その人は静かに消えた。


気付けば、私は彼女に連絡をしていた。


「一緒にいて」


私が彼女を初めてちゃんと求めた瞬間だった。


予感してた別れだった。

望んでいた別れだった。

しかし、思ったよりも心は打ちのめされていて、自然と涙が止まらなかった。


今度は私の番だった。

彼女は、小さな体で精一杯、私を抱きしめてくれた。


今まで感じことのない柔らかで温かい眠りについた。


朝目が覚め、確信に変わった思いを彼女に伝えた。


「好きだよ」


私からの口づけを彼女は黙って受け入れてくれた。



こんな状況で、好きになるのが止められるわけない。


そんな始まりだった。

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