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第1話

私は学校帰り猫を見つけた。不思議な猫で少しこちらを一瞥すると済まして歩き始めた。ついて来いと言っているようだったのでついていくと、知らない路地に出た。もう帰らないとお母さんに叱られる。そう思っても、好奇心に勝るものはない。私はまだまだついていって、そうしてまた角を曲がった時ー猫は消えた。おかしいな。そう思って辺りを見渡すと、いつもとは別世界のよう。こんなところがあったのか。自分の無知に驚く。するとまえのほうからひょっこり女の子が出てくる。誰ですかと聞くと、お忘れですか、さっきの猫ですと答えるので合点して何してるのと聞くとあなたがあんまり退屈なので連れてきたんですと言った。なるほど私は退屈だった。いつも通り学校へ行き、いつも通り帰る。それが嫌だった。それで何するんだいと聞くとそれはあなたが決めることですと返された。猫に似合わず、凛とはっきりした声だった。私と猫はとりあえず歩きながら話をした。うちに帰れると思う?と聞くと私は難しいと思いますというので泣きたくなったが堪えた。どんどん行くと林についた。そこへ入っていくと虎がいる。トラを避けては通れないしとらはもうよだれを垂らして舌舐めずりしている。私は静かに通ろうとしたがぐわ後一声聞こえたかと思うとたちまちロープで縛られぐるぐる巻きにされてしまった。私は来ない方が良かったと嘆くと猫は済ました様子でそんなことありませんとも、面白いじゃあありませんかといってたちまち自分はロープから抜け出しました。さすがは猫だと感心するもつかの間、虎は猫の尻尾、いや、女の子の背中ですか、をむんずと千切れんばかりに捕まえて逆さ吊りにしてしまいました。ああああああ、もうどうしようもありません。私は途方に暮れて私たちをどうするのですと聞くと晩飯には向きそうにないのでここで働いてもらうという。猫は阿呆らしくなぜ食べるのに不向きなのと聞いて、虎にお前はそんなに食われたいかと言われて縮み上がっている。私はそれから8年ほど畑仕事をしました。

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