第一章
side,1
何気ない日常と云うものは、実に呆気なく崩れ消え去るものだと思う。
私自身、身をもって実感した。丁度今。
つい先刻、いつものように寝る支度をしていた時、いきなり何やら封筒らしきものが落ちてきた。それも、何も無い空間から。
結論、それは招待状だった。差出人不明の。
普通なら差出人が明記されていなければ、その場で破り捨てるだろう。だけど、それが出来なかった。別に紙だと思わせて実は金属製だったとかそう云う訳では無い。
ただ、何となく嫌な感じがしたからだ。それ以外に理由なんて無い。それで仕方なく開封し、やむ終えず受けることにした。
直感だったけど、断るとか無視するとかいう選択肢は浮かばなかった。
これはもう私が招待状を手にした瞬間から始まっていて、最後までいかないと絶対に解けない呪のようなもの―――。
一人目の贄が、正式に決定した。
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