特殊行為能力者
玉瑛
第1話 序章(設定説明)
『1997年の7月に人類が滅亡する』というのはノストラダムスの大予言で言われていたことだ。人々は不安に思いながらも、心のどこかで
「科学が発達したこのご時世に前触れもなくそんなことあるわけない」
と信じていた。しかし、予言は一部実現することとなる。1997年の7月1日、人工衛星の観測における発見もなく突如太平洋上に巨大な隕石が落下した。隕石の落下により日本の太平洋側沿岸の一部が海に沈んだ。
後の研究によると、その隕石は地球上に存在しない物質でできており、地球上の生物が通常持つタンパク質に対して異常な反応を示した。具体的には、頭が三つある犬や、火を噴くトカゲが発見されたりしたのだ。それは単に珍しい突然変異というわけではなく、この時期の多くの生物に見られたものだった。多くの生物とは、人間も例外ではなく、緑色の髪を持つ者、青い肌を持つ者なども出現した。その中でも特に人間離れした特徴を持った人々を政府や国連によって、特殊行為能力者と呼ぶことになった。
その後隕石は研究などのために国際機関によって厳重に防護された。またその隕石はノストラダムスの大予言に出てくる「恐怖の大王」にちなんで「アンゴルモア」と呼ばれ、隕石を構成した物質を「アンゴルニウム」と呼んだ。アンゴルニウムは人々に混乱と進化をもたらしていった。
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