エピ028「とある日常パート」

副会長:「それでは「新制服紹介」に関するステージの段取りは、以上の通りに決定します。」


今週末に迫った本校入学希望者への学校紹介イベントの事前打ち合わせ。

優等生で学園アイドルな「相田美咲」が、新年度から導入される新しい制服のモデルに抜擢されて、今日は実行委員会で「事前試着会」の最中、


「相田」は頬を染めて、ハニカみながら、…



相田:「ちょっと、恥ずかしいですぅ。」


俺は写真部代表で、諸々パンフレット用とか当日会場の写真撮影担当として駆り出されていた。

て言うか、「相田美咲」に無理矢理問答無用で手伝わされている。



男子A:「資料写真一枚良いですか、相田さん、こっち目線下さい。」


委員の一人が、個人持ちの一眼レフのオートドライブを切りまくる。

…って、一枚じゃねえじゃん、…ってアンタ写真部じゃねえじゃん、



相田:「あ、はい、こんな感じで、…良いですかぁ?」


…って、お前もポーズ取るのか?



打ち合わせ終了後、「相田」が3年生男子から呼び出されている。…

歪に緊張した先輩の表情を見る限り、多分これから決死の「告白」が決行されるのだろう。


当然俺はそんな「相田」の事など放置して、部室へと向かう。

やれやれ、…何で週末まで学校の為に働かなきゃならんのだ?



宗次朗:「ちーす、」

早美都:「お帰りぃ、どうだった? 新しい制服、」


宗次朗:「女子のは良いんだがなぁ、男のは、ちょっと無いだろうアレは、」

早美都:「全校生徒の投票で決めたって聞いたんだけどね、…写真撮ったの?」


宗次朗:「ああ、…」


と、俺はデジカメを「早美都」に手渡して、…

と、その瞬間! 行き成り部室の引き戸が開いて!…「誰か」が、背後から俺の腰に、思いっきり「蹴り」を入れた!


って、こんな事する人、一人しか思いつかないんですけど、……



相田:「ああー、イライラする、蹴って良い? 良いよね?」


いでぇ、地味にイテェ、…って、てめえ!、蹴ってから言うな!



相田:「キモい、キモい、キモい、ナニ、あの男!「春からずっと君の事見てました」とか、アタシは「卵」かっての!」

相田:「「清楚な感じの体つきが嫌いじゃない」てナンなの? つまり色気ないって言ってんの? つまりソレ端的に胸ないって言ってる訳?」


宗次朗:「いや、心配スンナ、…お前の胸はちゃんと膨らんでるぞ、ただ人よりも一寸奥ゆかしいだけだ。」


俺、裸締めで、…首絞められる、



宗次朗:「こら、…奥ゆかしいのが当たってるって! 生理のイライラを俺で発散するのは、…止めろ!」

相田:「言い当てるところが余計にムカつく!のよ!」


更に、動脈が「スコっ!」と決まって、…



宗次朗:「ギブ、ギブ、…本当に死ぬから、、」



涼子:「えっと、写真部で、良いんだよね、…この部室。」


部室の扉の前で、見知らぬ天使が、一部始終を目撃していた、…って、「円先輩」?



博美:「涼子ちゃん先輩!」


今の今まで熟睡していたと思われた2年の「博美先輩」が、突然起き上がった!



涼子:「博美ちゃん! お久しぶり、」

博美:「わぁ、吃驚ぃ、どうしたんですかぁ?」


涼子:「うん、「専門学校の推薦状」をもらいに来たんだけど、アカリン居る?」

博美:「アカリ先生なら、多分準備室で「アンニュ」ってるんじゃないかなぁ、…」


涼子:「相変わらずだねぇ、ちょっと行ってくる、…後でね、」




宗次朗:「円先輩って、うちの関係者なんですか?」

博美:「うん、去年は何回か「ポートレートのモデル」をやってもらった事があったんだ。」


何故だか、急に、黙り込む「相田美咲」、…



宗次朗:「どうした?」

相田:「いや、私より背小っさいのに、…私より胸おっきかった。」


宗次朗:「そんなに引き摺るなよ、人ぞれぞれだ。でかいのが好きな奴もいれば、小さいのが好きな奴もいるぞ、」


不服そうな上目使いで睨む「学園のアイドル」、



相田:「因みに、アンタはどっちよ?」

早美都:「胸って、…そんなに重要なのかな?」


何で?「早美都」迄、…泣きそうになってんの?



博美:「さあ「宗チャン」、「此処の分岐」の「選択」は、…重要だぞぉ。」


って、先輩、なんでそんなに嬉しそうなの?

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