ゾンビなんて大嫌い!

高見 雷

頭がとっても編

【愉快な仲間に出会うで章】

第1話 少年の朝はH全開!

      

 惑星『クローデア』。そこは難攻不落の古代遺跡、浮遊大陸などが存在し神秘と謎に満ちた世界。この世界には不死・吸血鬼・精霊・悪魔・有翼が統治する5つの大陸があり、数多あまたの亜人種たちが生活している。


 ここは不死族の国『ジャポネア』地方都市『ネクロ』。そこに暮らすゾンビ少年のアホから物語は始まる。


【黒井家・主人公の自室】

 ピピピ・・・目覚ましの音。

「母さん・・・激しい・・・で、でちゃう」  

 二階の自室。ベッドの上でエッチな?寝言を言う少年。

黒井くろい 鏡太きょうた・16歳』

 好奇心が強い活発的な高校1年生。


「鏡ちゃ~ん。速くおきなさ~い。学校に遅刻するわよ~」

 階下で鏡太を起こす女性。

黒井くろい 陽子ようこ』年齢不詳。鏡太の母。

 長い黒髪のポニーテール。美人でスタイルが良く巨乳。


 鏡太を起こしに2階へあがる陽子。ノックもせず静かに鏡太の部屋へと入って行くと、たくましいをしばらく見つめた。そしてニヤッと不気味な笑顔。

「あら!朝から元気ね~速く処理しないとね。ウフッ♡」

 陽子はそう言ったかと思うとガバッと大股おおまたを広げスカートをまくり上げる。あらわになるフトモモ。

『エッチするんじゃないわよ♡』

 陽子はフトモモのホルダーから拳銃を引き抜きに狙いをつけた。カチッと撃鉄音がなる。

「巨大化せないわ♡」

『バキューーーーーーン!』銃声が鳴り響く。弾は鏡太の局部下へ命中。

「あら、外したわ!・・・でもこれで小さくなるかしら?」

「ヒーーー!た、たすけてーーー!ハーハー。」

 ベッドから飛び起きる鏡太。何が起きたかわからずオロオロ。そして目の前には陽子の色っぽいフトモモ。命の危機のせいか?条件反射か?鏡太の息子は巨大化していく。次第に落ち着きを取り戻す鏡太。陽子の顔と拳銃で状況が飲み込めた鏡太は激怒!陽子に近寄る。

「ほんと毎日毎日、母さん拳銃マグナムで起こすのやめてよー!」 


「キャーこないで!『進撃の巨チン』におかされる~♡」

「どこのAVタイトルですか!(ヒクヒク)」


 陽子は怒りの巨チンを見てジリジリと後退。突然、エプロンより何かを召喚!

ギちゃん出番よ!巨チンなんて駆逐くちくしてやる♡」


「それエリンギ!」


「僕のマグナム弾出ません!進撃どころじゃないよ!」

「たまになんか白いの出てるわよ♡」

「イヤーーー!やめてーーー!聞きたくなーい」

 鏡太はベッドへ飛び乗ると両手で耳をふさぐ。陽子の爆弾発言により自我崩壊しそうな鏡太。


「朝からこんな過激な起こし方する人いないよ・・・」

「いるじゃないここに。た~ぷり愛情そそいで育てたわよ♡」

そそいだのはなまりだよ!」

「もう思春期ししゅんきなのね~♡」

春期なんているか!僕の青春返せ!シクシク」


 なんでこんな家に生まれたんだろう。いや、母さんが普通と違うんだ!といつものように自分を納得させようとする鏡太。ボソッと独り言。

「だいたいチンチンにマグナムて鬼畜きちくすぎ!それに年齢詐欺ねんれいさぎでもあるし」

「もう年齢詐欺て失礼ね~。20歳よ、ハ・タ・チ♡」

「あの~母さん僕、いくつで産んだんですか?」

「産める時にポンッ!と出たのよ」

「あんたニワトリか!」(もしくはガチャポン並かも)


「鏡ちゃん産むまではピッチピッチなんだからね!彼氏100はいたわ♡」

『ピッチじゃなくだろ!』と言いたいけど、拳銃マグナムがランチャーに変わるのが怖い!

 鏡太はココロの中で何回もツッコミを入れた。


「お尻なんて、まだプリプリなんだからね」

 そんな事を言いながら陽子はミニスカ・エプロン姿で数回転する。

 チラッ!鏡太の視界に何かが見えた!

(ドキッ!今の肉塊にくかいは尻!ま、まさかノーパン?)

「か、母さん!パンツ」

「はいてますわよ♡」(ズコッ)

 鏡太はペロンとスカートをまくりあげた陽子に思い切りコケた。


 顔を両手でおおい指の隙間すきまからチラチラと陽子をみる鏡太。

「どうしたの鏡ちゃん?顔真っ赤にして~」

「だ、だって母さん。それってパ、パンツじゃ」

 鏡太は恥ずかしそうに陽子のパンツを指差す。

「や~ね~。ビキニよ、ビキニ。プールに誘われたから昨日買ったの。試着してみたけど、このTバックお尻が食い込み過ぎて死人でるわね。キャー♡」

 陽子は鏡太に食い込んだお尻を見せ腰を振る。


 そんな親子の会話の中、裾丈すそたけが短いブルーのワンピースを着たオサゲ髪の少女がやってきた。

「お兄ちゃん。お母さん。朝から騒がしいよ」

黒井くろい めぐみ・13歳』

 僕の可愛い妹。だが普通と違う!かなり違う!


「二人共、毎日大声でその会話やめてよね!」

 うらめしそうに鏡太と陽子を見る恵。

「いつも近所のオバサンがゲスな目で私をみるんだよ。あと『いつも激しいわね』とか『養子に来る?』なんて言うし・・・」

 恵は思い返しながら壁に頭をドンドン叩きつけている。

「それと、お兄ちゃん!私が起こしてあげようか~(ニヤリ)」

(ガクガク。ブルブル)恵の不気味な笑顔に震える鏡太。

『チッ!』恵は獲物えものを逃がしたと言わんばかりの顔。

(あいつ絶対に母さん似だよな・・・)


【鏡太の誕生日・回想】

「お兄ちゃん、おきて~朝だよ。やだ~ヨダレたれてる。だらしないんだから♡」

 ゴソゴソ・ゴソゴソ・・・。

「よし!これでOK~ウフフ。可愛い」

 ばぶー。可愛いはずがない。鏡太は赤ちゃん用の前掛まえかけを付けられた。

「このモッコリふくらんでるの何かな?」

 恵は指でチンッ!と弾く。そしてベッドわきにおいてある本を手にとった。

「この本なにかな・・・週間SM?」

 ペラペラ・・・。

「お兄ちゃんのエッチ!」

 ボスッ!ボスッ!恵のモッコリ攻撃。


『パオーーーン!』ゾウは断末魔とともにしずんだ!


 それでも鏡太は起きない。と言うよりアへ顔で気絶していた。

「あっ!そういえば、お兄ちゃん今日は誕生日だよね」

 ガサゴソ。ガサゴソ。

「準備出来た~。お兄ちゃんの悪趣味に答えてみるよ」

 腕をまくり、ガッツポーズをする恵。

「う~ん難しいな~ここをこうして、こうかな~出来た!」


 テッテレ~。『メグミすぺしゃる~』

 全裸&亀甲縛りだが縄ではない!縄跳びである。

 鏡太はピクピクと痙攣けいれんしている。

 恵は上手に出来たと満面の笑み。そして酷い一言をはなつ。

「やだ♡お兄ちゃん変態だよ。恵、今日から赤の他人ね」


「あとは~。誕生日にはあれよね!あれ」

 恵は自室から何かを持ってきて準備を始めた。

「おっぱいに2本と・・・後はお腹でいいよね。完成!では」

(カチ・シュボ)したたり落ちる16本のロウソク。鏡太は体を左右にゆすりもだえる。

「フギャー!・ウヒー!・助けてー!アチー!」


「誕生日おめでと~お兄ちゃん♡恵からのサプライズだよ~」

「あとプレイ料3万になりまーーーす」

「払えるか!」

「ねえ、恵ちゃん。頭の星飾ほしかざり何ですか?クリスマス?」

「う~ん。七夕」「・・・」

「やだ♡お兄ちゃん涙流して嬉しいの?来年も楽しみにしてね♡」

 妹の恵は不思議ちゃんである。行動が予測不能で超怖い!

【回想終了】


 この家は僕と恵と母さんの3人暮らし。父さんは一応はいるけど海外赴任中。なにかの研究者?科学者みたいな仕事らしいけどね。給料がいいから生活に困らず母さんはヒマを持て余して好き放題。父さんが家にいないと欲求不満のはけ口が僕だから凄く迷惑している。


「朝食できてるから、二人共はやく食べなさ~い」

 陽子に言われテーブルにつく鏡太と恵。食卓には目玉焼きとご飯とお味噌汁が

並んでいる。味噌汁から口をつける鏡太。ズズ~。いつもと違う味に気づく。

「母さん、今日の味噌汁めちゃうまいよ!」

「そうでしょ~。今日は色々いれてみたのよ」

 陽子はニコッと微笑むと台所でガサゴソ、ガサゴソ。落ち着きが無い。

「母さんダシも変えたの?なんかいつもと違うね」

『秘密♡』と陽子はウインク。ゴソゴソ。ゴソゴソ。

「おかしいはね~。豆腐とうふ切る時に落としたのかしら?」

(母さん、何を探してるんだろうな?聞いてみるか。ん?何だコレ?)

「この指輪、見覚えが・・・」


          『YOU BEEーーー!(ゲロゲロ)』


 鏡太ははしの先にある物体Xで思い切りゲロった。

「母さんはちじゃないわよ?」

 陽子は鬼の形相で走り寄り『ブツ』を奪うと自分の手に装着。

「気にしない。気にしない。愛情タ~プリ入ってるから食べて。うふっ♡」

「はいってたのは愛情じゃないよ!」

「お兄ちゃん好き嫌いはダメだよ。大きくなれないよ!」

「恵、よくこんなの食えるよな。たまには恵も作ってくれよ~」

「いいけど、私もたまに1本無くすのよね(ボソッ)」

 再びゲロゲロな鏡太。(恵ちゃん・・・ネギだよね?)


 鏡太は学校の制服(紺色のブレザー)に着替えて玄関先へ来た。

「鏡ちゃん、はい。お弁当」

「ありがとう。母さん!」

(だけど、愛妻弁当みたいだよ・・・。それにいつもより大きい)

 陽子が渡した弁当の包は、ピンク色の布地に多数の白いハート模様の柄。

「今日のおかずなんだろ?」

「上は卵焼き、ハンバーグ、ウインナー、おにぎりで~。下はデザートね。

いちごとかメロン、大好物のパイナップルも入ってるわ」

 陽子は弁当の中身をニコニコしながら説明した。

「二段重ねの弁当なんて今日は凄く豪勢ごうせいだね」

「今日は特別よ♡」

「お昼が楽しみだな~。じゃ学校いってくるよ」

「いってらっしゃ~い。気をつけてね~」

 手を振り見送る陽子。(気をつけてなんて母さん心配性だな~)

「お兄ちゃん待って~。私も一緒に学校いく~」


 鏡太と恵が玄関の門から出ると、一人の男子が元気よく挨拶してきた。

「おっす!元気かきょう。恵ちゃんも、おはよ~」

圭介けいすけ兄ちゃん、おはよう」

(あれ新しい健康法なのかな?)圭介を見つめる恵。

「おはよう。圭介は元気そうに見えないね」


 こいつは隣に住んでる幼馴染おさななじみで同級生の

愛田あいだ 圭介けいすけ・16歳』

 僕の親友で小さな時から高校までずっと一緒のくされ縁だ。


 圭介は朝から僕に愚痴ぐちを言ってきた。

「聞いてくれよ~。今朝、顔洗おうと洗面所に行ったら着替えてる姉貴がいてさ」

「どこまで見たの!裸?下着?なんかうらやましいよ!」

 着替えという言葉に敏感に反応した鏡太は想像する。

(岬さん綺麗でスタイルよくて巨乳なんだよね~。デレ~)

「下着姿だったけどよ~。姉弟だし、色気もクソもねえよ!」

「たかがブラパン見たくらいで思いっきり顔面にグーよグー。そこへトドメの強烈なローキック炸裂さくれつよ!痛いのなんのってマジ折れたと思ったぜ」

「岬お姉ちゃん怒ると怖いからね~。あやまっても死刑確定だよ」

 圭介を見ながら首をかしげる恵。

「空手してるし、サンドバッグだよね圭介」(こいつ鈍感なのか?)

「空手もあるけどよ、馬鹿力だからな。ありゃハンパじゃねえぞ!」


「朝から災難だったね。あのさ~圭介。言いにくい事なんだけど」

「なんだよ鏡、俺とお前の仲じゃないか~。悩みか?相談にのるぞ」

「悩みじゃないけど岬さんすごいな~と」「なんだ姉貴に興味でもあるのか?」

「いや、お前に興味が・・・」

 圭介は尻に手をやる。そして顔を真っ赤にして怒鳴どなった。

「俺にそんな趣味はねー!」

「ちがうよ馬鹿!よくそんな体で歩けるザンスね」     

『・・・シェー!』ようやく自分の身に起きた事に気づいた圭介。

 ポーズを取らなくても、顔と足はあらぬ方向へ折れ曲がっている。


「姉貴のやろう!思ったじゃなくマジ折れじゃないか!」

 圭介はコキコキと折れた箇所を修復している。

(こいつ、わりと器用だな。体柔らかいのか?)

「な~んだ。圭介兄ちゃんヨガしてたんだね。今度、恵にも教えてよ」

「あのビッチ許さん!今度、着替えてたらコッソリ写真撮ってやる!そしたら鏡に売ってやるよ」

「マジ!買う!でも圭介それやったら骨折じゃすまないよ。絶対ヤバイって」

「お前に頼まれたことにする!」「エーーー(薄情すぎ)」

 一瞬、心配したけど地獄へ落ちろと思う鏡太であった。

「恵もあげようか裸の写真」「マジですか!」「赤ちゃんだけどね」

「ガーン。そんな~」


(ビューーー突風)ハッ!と恵をみる圭介。

「やだ~危ない、危ない。スカートめくれるとこだった~。圭介兄ちゃんどこ見てるの?目つきがやらしいよ」


(ピューー再び突風)

「キャー!エッチな風ね。見えちゃうじゃないの~」

 ハッ!勢いよくみる鏡太と圭介。

「何見てるの坊やたち。最近の子はエッチね~」

 妖怪ババアが照れている。

「圭介~僕、朝ごはん戻しそう」「俺は寝てないのに悪夢が見えるぞ」


(ピューー突風)

「イヤ~ン♥マイッチング。エッチな風だわ。もう誰も見てないわよね」

「きっとオバさんだ。今時マイッチングはないぞ!」「ゲロゲロはごめんだよ」

 残念。綺麗なお姉さんだった。


 通学中のバカ二人と恵。電柱にあるダンボール箱に気がつく。

「なんだろあれ?」「エロ本でも捨ててあるのか!」

 スケベ顔で駆け寄る鏡太と圭介。箱を開けると一匹の子犬。

 鏡太は子犬を抱きかかえる。

「(ク~ン)おまえ捨て犬か~。誰が捨てたんだろう?」

(クゥ~ン・ペロペロ)めまわす子犬。

「こらやめろって(ペロペロ)かわいいな~」「お前になついたみたいだな」

「圭介も抱いてみろよ。可愛いよ」

 鏡太から子犬をもらいうけ、抱きかかえる圭介。

「お~マジ半端はんぱね~。可愛い!(ペロペロ)」

「恵にも抱かせて~。やだこらウフフ。だめ。そこは。やん♡エッチ」

 座っている恵のスカートの中に頭を入れている子犬。

「圭介~どこ見てるの~」「いや地面のアリさん可愛くてな」

 と言いながら座り込んで地面をいじりながらチラチラ恵みを見ている。

「そういえばお前、腹減ってるよな?少しまってろよ」

 圭介はポケットに手を入れて食べ物を探す。

「あった、あった、これしかないけど、いいよな?ほら食え」

 子犬は大口をあけるとガブッ!圭介の腕にかみついた。

「ウギャーーー!」

 圭介は子犬を腕につけたまま走り回る。

 この世界の動物は見た目にだまされると、とても危険!。


「朝から悲惨の連続だね」

「くそ~ついてないぜ。なんで俺ばかりよ」

 ピピッ!ピピッ!と圭介の腕時計から鳴りひびくアラーム。

「圭介、それってスキル音だよね。ランクあがったの?」

「おおーー!さっきの犬コロであがったのか。ラッキー」

「圭介兄ちゃんばかりいいな~」


【能力:スキル・腕時計の説明】

 この世界の住人は生まれた時から1つ能力(スキル)を身につけている。

 成長過程において(後天性・突発的)新スキルを身につける者。遺伝的に親族と同じ能力を使う者がいる。

 スキルはA,B.C.D.E.Fの6段階のランク(級)があり、上位にSが存在する。ランクUPにおいては詳細は不明。数々の経験蓄積や精神的要素が関連してるため、数値化はされていない

 腕時計(LOW=ライフ・オプション・ウオッチ)通称ロウは誰もが身につけており他者と情報の共有・検索・スキャン・通信・カメラ・スキル上昇を知らせる以外に様々な機能が搭載とうさい。(パソコンより多機能)

 立体映像(フォログラム)や音声によりこれらを可能にしている。

 この世界の住人の生活にロウは欠かせないものである。


「新スキルこないかな~。強力なのが欲しいぞ!」

「犬じゃ新スキルは無理と思うよ。圭介、加速上がったの?」

「ああ。加速だな、Eランクなってるわ。けどバカ姉貴から逃げる為には速度重要!もう少し上らないかな~」

 圭介は腕時計を見ながら走り回る。

「僕も念動力あがらないかな~」


 そんな時、恵も話に参加したいのか唐突とうとつに会話に入ってくる。

「ねえねえ。お兄ちゃん私達のクラスで最近、え歌が流行はやってるんだ。

「お兄ちゃんも『ドレミの歌』でやってみてよ。知ってるかな?」

「知ってるよ『ド』はどうして?のド~。『レ』は連続でのレ~。

『ミ』は味噌汁の中に!のミ~。どうだ!(ドヤ顔)」


「お兄ちゃん。バファリン飲む?」

「お前は朝からファンキーだな」

 圭介も負けずに替え歌を歌った。

「俺に任せろドはどうしてだろ~。レは連続キックだろ~。

ミはミンチにされたんだろ~。どうだ!」


「おまえがファンキーだよ!」「圭介兄ちゃんジャンキーなの?」


「それじゃ~ね。ドナドナは知ってる?」

「あれは可哀想かわいそうだな。姉貴に売られた俺が乗ってやがる」

「・・・」同情した二人。


「じゃ~ね。森のくまさんは?」

「僕が母さんから逃げてるやつだ!あれは怖すぎる!」

 恵と圭介は宙を見つめ想像を開始する。

「お兄ちゃん逃げ方が尋常じゃないよ!涙流して鼻垂れてるよ」

「追いかける陽子さん素敵!俺なら止まって食べられるぞ!」


 おバカな会話をしながら歩いてると学校が見えてきた。

「鏡、校門まで競争だ!」「あっ圭介ずるい!」

 圭介の後ろを追いかける鏡太。


「ゴール!鏡、速く来いよ(ハーハー)」

(さすがに圭介は速いな。僕も気合いれていくぞ!)


『うおおおおおー』全力疾走する鏡太!ゴツン!何かにつまずいた。

「や、やばい!トウッ」

 鏡太はちゅうを舞い圭介とドッキング。


鏡神合体きょうしんがったい!馬乗りヨーーーーン】


「ア~ン♡しびれる~。て痛えぞ!前は気をつけろ」

 ハアハア息づく二人。ザッザッザ・・・。圭介と鏡太から急ぎ離れる通学中の生徒達。

「きゃ~変態!」「肛門ですって」「しびれる程、気持ちいいのかしら?」

「やっぱそういう関係か」「BLコンビ場所考えろー」

 通学中の生徒の中、メモってる少女までいる。

「鏡くんがタチで圭介がネコなの・・BL・・エヘヘ♡」

「わ~凄い合体!恵が記念撮影するね。こっち向いて~。カシャ!」


「えっ!BL(ボーイズ・ラブ)じゃなーーーい」

 顔を真っ赤にして否定する鏡太と圭介。


 僕達はBLコンビなんて呼ばれている。

 黒井(BlackのB)愛田(愛=LOVEのL)でBL。いつも仲がいいので誤解ごかいされやすい。


「BLて何かな?ホモダチのこと?恵、校舎向こうだから先行くね~」

 恵は変な単語を知っていた。


 喧騒けんそうの中、一人の女子が挨拶してくる。

「お二人さん、おはよう。あらっ!朝から元気ですわね」

 股間こかんを同時に見る二人。

「どこ見てるのよ!」


 バカ二人にツッコミを入れる、お嬢様風な女子は同級生の

『青沼 アリサ・16歳』セミロングの茶髪で巻き髪。

 女子の制服は白いブレザーに首元には大きな青いリボン。

 スカートにはヒラヒラとレースが付いていて裾丈は短い。


「これのどこが元気なんだ、視力しりょく怪しいぞ」

「目は良い方でしてよ。貴方のかばんのいかがわしい(エッチな本)物が見えますわ」

「お、お前これ見えるのか!」

 圭介は無駄とわかりつつカバンを隠している。

「私の透視とうしで見えないものはありませんわ、加減次第では内蔵まで

見えますから、健康診断でもしてあげましょうか?」

「これも見えるなんて・・・いやんエッチ!」

 股間こかんを指差し恥ずかしがる圭介。

「そんな粗末そまつなアスパラみるわけないでしょ!ところで貴方なにかにおいますわね」


 アリサはクンクンと鼻をらしてカツカツと圭介に近づく。

「ウッ!あ、あなたの足元。そ、それなんですの!」

 圭介と僕も足元を同時にみる。

「圭介さっきのスキルて」

「ああ。ウンチのおかげだ・・・」

「あのクソ犬め覚えてろよ!だけど、このウンチ困ったな・・・」

「おい、きょうにげるな!アリサ~助けてくれ~」

 鏡太に逃げられた圭介は涙目になりながらアリサにすがろうとする。

「キャー!近寄らないで便器マン!」

 鏡太とアリサはダッシュで校内へと消えた。

「便器マンはひどい!にしてもウンチでランクて悲惨だよな俺・・・」

 そこには泣きながら小枝こえだでウンチを取る圭介の姿があった。 









































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