【冒険に行きま章】

第22話 大人の色気♡セクシー・ママさん登場!

 黒井家。自室でくつろぐ鏡太。

「禁止区域の進展がないな~。そろそろ情報が欲しいよね。気分転換にテレビでも観るかな。手がかりがあるかもしれないし」

 鏡太は自室からリビングへ向かう。

「あれ、母さんいないのか?買い物かな~。静かだし、いっか」

 ソファーへ腰掛けテレビを見る。鏡太の後ろに忍び寄る影。

「だ~れだ」

「目隠しなんて、もう母さん子供だな~。買い物から帰ったの?」

「母さんじゃないわよ~。セクシーママよ」

「そんな事、言うのは母さんしかいないよ。ハハハ」


「残念ハッズレ~。愛人のサファイアよ~久しぶりね鏡太君」

「僕マダムキラーじゃないよ!そんな人知りません」

 鏡太に話かけるサファイアはルビーと同じゴスロリ系の姿。顔は美人と言うより可愛い。髪は金髪のポニーテールだ。明らかにルビーと違うのは飛んでもなく巨乳。爆乳という他無い!

 オッパイ半分見えてるような姿に鏡太の目が釘付けになる。

「アハハ。覚えてないんだ~。うちの子連れて昔よく来てたのに」

「もしかして母さんが言ってた友達のサーちゃん?」

「そうよ。サーちゃんて呼んでね♡ところで陽子はいないのかしら?」

「行く先はわかりませんけど、出かけてますね」

「そうなの。頼まれてた情報持ってきたんだけど。どうしようかな~」

「サファイアさん。それ遺産のことですか?僕が母さんに頼んだんです。聞かせてください」

「サーちゃんよ。呼んでくれないと教えな~い」

「サ・サーちゃん」(ピクピク・この人、母さんと同類だ!)


 サーちゃんは鏡太の隣に腰掛け語りだす。

「嬉しい♡。それじゃ遺産の方から言うわね」

「これはバレンタインのダリア遺跡とポプラ遺跡にあるそうよ」

 遺跡2つもか~。鉱山と違い大変そうだと感じる鏡太。

「文献によると、もともとは1つの鎌らしいわ。双頭の鎌てとこかしら。呪文のほうは今だ調査中ね」

「てことは、その二つの遺跡で鎌を見つければいいわけですね。そして組み合わせれば双頭の鎌になると」

「そういうことね。遺跡にはモンスターがいるから用意にはいかないと思うわよ」

「モンスターか~。遺跡の番人てとこですかね」

「財宝狙いで潜った冒険者もいるらしいけど、所在は不明だし」

「財宝あるんですか?」

(それがあるならパルテノン問題も解決するかもしれないな~)

「危険なとこだから、そう言った噂が出るものよ」

「なんにせよ大変な冒険にはなるな~。僕ひとりではとても無理だ。みんなに協力を頼むしかないかな」


「情報はこれだけね。せっかく出て来たのだから陽子にも会いたいけど。どこか遊びにも行きたいわね。鏡太君どこか案内してくれないかな?」

 そう言うとサーちゃんは鏡太の腕をからませ爆乳攻撃。デレ顔そくOKの鏡太。

「いいですよ。お礼も込めて案内します。そんなに良い場所は無いですが近くの公園からでもいいですか」

「ありがとう♡」

 さらにムニュ・ムニュ攻撃。

(凄い弾力だ!やわらか~い♡デレ~)


【森林公園】 

 サーちゃんを連れて公園にやってきた鏡太は説明をしてあげる。

「ここが多目的公園の『憩いの広場』です。池の周囲に露店・フリマ・コミケ・ボート乗り場・アスレチック・遊具などがあります」

 初めて見るものに驚いているサーちゃん。

「へえ~昔はこの公園なかったのよ~。随分変わったのね。どこから行ってみようかしら。少しお腹も空いたし露店から行こうかしら」

「それなら美味しい、たこ焼き屋さんありますよ。連れて行きます」

「それは楽しみだわ~」

 鏡太はサーちゃんを連れて露店へと歩き出した。


 タコ焼き屋についた。ベルがタコ焼きを焼いている。

「ベルさんこんにちわ。2つください」

「今日は愛人連れかい。精がでるね~」

「誰が愛人ですキエーーー!ちょっとサーちゃん腕組まないでくださいよ間違われるじゃないですか~」

「だってはぐれちゃうじゃない。それに愛人でもいいわよchu♡」

「鏡太!本妻の私のとこ戻っておいで!」

「だれが本妻ですか!結婚してません!ほんとベルさんまでやだな~」

「ははは。鏡太は面白いな。でこれからデートかい?」

「デートじゃないですよ。こちらは母さんの友達のサーちゃんです。案内してるだけですよ」

「初めまして。サーちゃんです。いつもピーがお世話になってます」

「だれがピーですか!人の名前禁止用語にしないでください」

「はい。たこ焼き2つお待ち!鏡太、次はあたいもデート誘ってよ」


 二人は近くの芝生にあるベンチへ腰掛けた。

「これは美味しいですわね。来たかいがあったわ~」

 サーちゃんはタコ焼きを美味しそうにパクパク食べている。

「はい鏡太~アーン♡」

 タコ焼きを1つとり鏡太の口元へやるサーちゃん。

「僕は自分のあるからいいですよ」

「遠慮しないで速く~♡」

「そうですか~。じゃアーン」

 あまりに可愛いサーちゃんと爆乳に負けた鏡太。はたからみればラブラブカップルである。


 タコ焼きを食べ終わり露店が並ぶエリアを歩いているとネカマの魔理さんが話しかけてきた。

「あら~鏡太ちゃ~ん女連れなんてつれないわ~」

「魔理さんこんにちわ。儲かっていますか?」

「全然よ~。でそちらはだ~れ?」

「愛人のサーちゃんで~す」

 愛人と聞いて激怒する魔理。

「なんですって~!愛人はあたしよ~鏡太!いつ2号作ったのよ!」

「1号も2号もいません。仮面なんたらじゃないんだよ」

「てことは本妻!きゃ~悔しい~」

 女とオカマの戦い勃発!火花が散っている。

「ただの母さんの友達ですって。今日は案内あるんでまた出てきますね」

 火の粉を被らないうちにサーちゃんを連れて逃げ出す鏡太。

 しばらく歩くとセラと遭遇。

「あれれ。鏡太さんこんにちわです~そちらの方は誰です~?」

「母さんの友達のサーちゃんだよ」

「これはこれは~本妻のセラです~よろしくです~」

「この人最強!」

 先を越されたサーちゃんは落ち込んだ。


(今度の冒険は人数多い方がいいかな。能力次第だけどセラさん頼んでみるか)

「セラさんの能力って見たことないけど、何を使えますか?」

「あっちちです~。熱くて羽がこげてハゲます~」

「てことはファイヤーですか?」

「イグニッションです~。わかりやすく言えばファイヤーです~」

「お~。それ凄いじゃないですか!ぜひ手伝って欲しいことがあるんですけど」

「なんでしょう?」

「今度、遺跡調査に行くのですが同行してくれませんか?」

「いいですよ~。冒険ワクワクです~」

「ありがとう。日程決まったら連絡します。ではちょっと他もあたりますから僕は行きますね」

「はい待ってます~」

(モンスターがいるならファイヤーは大助かりだよ)

 サーちゃんを連れてノヴァがいつも店を出している近くに来た。

「今日はノヴァさんいないのかな?」

 ノヴァの声が聞こえてくる。

「ここよ。ここよ」

「どこよどこよ。わかんないよ。隠れてないで教えてよ」

「上、上、下、下、右、左、右、左、ここよ!」

 鏡太はそのとおりに見て、最後にノヴァを指差して言う。

「最後のコマンドはB・A・K・Aだ!」

「誰がバカよ!足し算ができないだけなのよ!」

「アンタ商売できないよ!」

「そこにいる人、誰なのよ。教えてなのよ」

 ノヴァは鏡太と腕を組んでいるサーちゃんを見ている。

 そしてサーちゃんはノヴァを見ている。

「勝ったわ!オーホッホホ」

 サーちゃん勝利の雄叫び。

「何に勝つのよ!なんか傷ついたのよ・・・」

(この人さっき負けたのが悔しかったんだねw)

「まあまあ。そうだノヴァさん、次は遺跡いきますよ。日時はまた連絡しますから今日はこれで」

「了解なのよ。なんかつれないのよ」


「サーちゃんここがコミケ広場です」

「見たこと無い本が置いてあるわね。あの派手なのがコスプレね。一度やってみたいかも」

 そう言うサーちゃんの姿を見つめる鏡太。

「サーちゃんの格好もコスプレだと思いますけど。それバンパイアで流行ってる

 んですか?」(ルビーと同じ格好してるし)

「あ~これね。吸血鬼の女性は、ほとんどこれよ」

(ゴスロリが民族衣装化してるのか。でもお婆ちゃんが着てたら吐きそう)

「そ、そうですか。サーちゃんは良く似合ってますよ」

「あら嬉しい~。でもこれ胸がパツンパツンなのよ~。はみ出そう」

(いっそ出てください!みたいです!)

「次、案内しますね」


「ここがボート乗り場ですね」

「ボートはバレンタインの泉でよく乗ってるから上手よ。まあ今は乗らなくていいわ。次いきましょう」

「あとは商店街くらいしかないですよ。昔と変わってないと思うけど」

「陽子いるかもしれないから、行きましょう」


 だが陽子はいなかったので帰宅したサーちゃんと鏡太。

【黒井家・リビング】

「案内ありがとう助かったわ。陽子は遅いわね~退屈だわ~。そういえば鏡太君カッコよくなったわね~。お姉さんと遊ばな~い♡」

「け、結構です!純情少年からかわないでくださいよ~」

 でも内心は遊びたい鏡太。


 サーちゃんとの会話の途中、静かに後ろから歩み寄る怪しい影。サーちゃんにいきなり目隠しをした。

「だ~れだ」

「なんだ~すぐわかるじゃない。あなたよ。あなた。ビッチよ!」

(この人、平気で言ったよ!くわばら。くわばら)

「久しぶりね~サーちゃん!いつもながらの悪態ね~」

「当然じゃない。あなたに彼氏どれだけ盗られたことか」


「ウフフ・・・。」「アハハ・・・。」

 陽子とサーちゃんの顔は笑っていない。

「まあ、お互い様よね。あの頃は2B(2ビッチ)何て言われてたし」

「鉛筆じゃないってのよ~。ところでサーちゃんはしばらくいるの?」

「鏡太君には遺跡の事は話したから、どうしようかしら」

 予定を悩んでいるサーちゃんに陽子はお願いしてみる。

「こっちは暇だし~。久しぶりにバレンタインへ行きたいわ」

「いいわよ。向こうの庭園でお茶でもして昔話しましょうか」

「やったー。今から行くわよ!鏡ちゃんも準備しなさい」

「え~今からなの~。しょうがないな~準備してくるよ」

 いきなりだけどバレンタインは興味があるので鏡太に異存はなかった。


 準備を済ませた鏡太と陽子。中庭に立ちサーちゃんの空間跳躍を待っている。

「それじゃ準備いいわね?飛ぶわよ~」

 サーちゃんは大鎌を回し呪文を唱えた。

 

 ここはバレンタイン『庭園都市ローズ』美しい草花咲き乱れる都

「ついたわ。直接私の家に飛んだわよ。さあ上がって」

 辺りを見渡す鏡太。広大な庭に大きな屋敷。遠くの方には城らしき物も見える。

「初めてきたけど凄いところだね。凄くのどかで綺麗なとこだよ」

「私は学生の頃、何度か来たわよ。初めはびっくりしたわね」

 昔を懐かしむ陽子と一緒に屋敷へと入る鏡太。

 屋敷の中に入ると頭上にはシャンデリアと大広間があり貴族の家を思わせる

たたずまいをしていた。

「そこに腰掛けてのんびりしててね。そうだ娘を紹介するわね」

 赤いソファーを指した後、思い出したようにサーちゃんは娘を呼ぶ。

「ルビー降りてらっしゃい」

(ルビー?知ってる名前だけど多いのかな?)

「なによママ。誰かお客様?」

 一人の少女が二階から降りてくる。

「あーーー!」

 二人は同時に声をあげた。

「なんで鏡太がここに居るのよ!」「そっちこそどうして?」

「わたしの家だからに決まってるじゃない。そこにいるのはママよ」

「えー!サーちゃんがママだったの!似てるとは思ったけど」

「あんたもサーちゃんて呼ばされてるのね・笑」

 鏡太とルビーの態度をみてサーちゃんが口をはさむ。

「あなたたち昔に会ってたの覚えてないの?よく小さい頃、陽子の家に遊びに連れて行ったのよ」

「良く覚えてないんだけど。かすかな記憶ではそんな気はしてました」

「私は全然覚えてないけど。まあいいわ。それで何しに来たのよ?」

「僕は母さんに連れられて遊びに来ただけだよ。どんなとこか興味あったし」

「ふ~ん。それで遺跡の事、ママに聞いたんでしょ。私も会いに行って話すつもりだったけど」

「ああ、聞いたよ。一応はノヴァさんやセラさんにも話して協力頼んでおいた」

「準備もあるから今すぐは無理だけど、数日したら行こうかと思ってるよ」

「遺跡がある都市へは私が連れて行くわよ。遺跡の場所は付近の住人に聞くしかないわね」

「あらあら話がはずんでるようね。私も陽子と積もる話もあるから今日は泊まって行きなさい。部屋は充分あるから安心してね」

「そうするわサーちゃん。あっ!恵ちゃん置いて来ちゃったわ」

「私が迎えに行ってくるわよ。せっかくだし色々見学するといいわ」

「あんたこれから何するのよ?初めてみたいだし近くを案内するわよ」

「よろしく頼むよルビー」


 こうして黒井一家はルビーの家にお世話になるのだが何かを忘れている。



















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