探求者の記録簿(メモリーログ)
@Liis
第1話始まりの日
魔術 呪術 霊術 神術 陰術 陽術 奇術 体術 世の中にはそう様々な術が存在している。
それぞれの術には殆ど関連性がみられなくさらに存在するのかどうなのかわからないものも多くある。
関連する事は、人が何かを思い何かをするために大昔から存在する手段であって目的ではない。
今の世はその手段を悪用する者が多く世界が荒れている。
荒れ始めたのは歴史が何者かによって湾曲されたからだ。
歴史を正しく記録して後世に残す為に必要なものを託す。
?「真実の名の下に」
ここは、ハテノ村。
名前の通り地球の果てのような場所にある小さく寂れた村だ。
この村には、有名な物とかはなくあるとしたら巨大な樹木がある。
この樹木には大きな穴がいくつか空いており中に人が住めるようになっている。
だがこの樹木に住んでいるひとは2人しかいない。
なぜなら不便だからだ。
クリスタ「ねえ聞いているのアルス」
俺は村を出ようとして幼なじみに捕まえられている。これで何度目だろうか。こっそり抜け出そうとしてもなぜかいつも見つかってしまう。
アルス「聞いてるよ。クリスタで何のことだっけ」
クリスタ「やっぱり聞いていない。いい加減この村のしきたりを覚えてよ」
この村にはしきたりがいくつかある。
1つ 村から無断で外出しない
1つ 村を改造する場合は毎回会議をする
1つ 今ある物を大切にする
1つ 旅人には常に問題を起こさないように見張る
1つ 人を傷つけない
1つ 間違いを正す
最も、しきたりは村長のハロルドが大昔につくったものだ。人のほとんど住んでいない今の村には必要のないものだ。
アルス「しきたりぐらい知っているよでもこんな1人の青少年なんて相手してくれないだろ。お前の爺さんは」
クリスタ「村長の孫としては聞き捨てならないなー。アルスがそんな気だからいけないんだよ。爺様だって本当は気が利く人だから言えば分かるはずだよ」
アルス「とてもそんなようには見えない」
クリスタ「じゃあ、今から行こう」
アルス「今なんて言った?」
クリスタ「一緒に爺様の所に行こう」
アルス「どうして?」
クリスタ「アルスがいつになっても爺様の所に行かないから一緒に行こうって、こと」
アルス「イヤだね。誰がお前なんかと一緒に行くか(だって恥ずかしいじゃないか)」
クリスタ「アルス、なにか言った?」
目線を外したがクリスタが離さなかった。
アルス「何もいっていないだろ」
クリスタ「一緒に行くのが嫌なの?」
アルス「そんなことはない。一緒に行けば良いのだろ」
クリスタ「わかればよろしい」
ちなみになぜ村長の所に行くのかは、俺が村をまた勝手に出て行ったからだ。
村長の家は、村の中心にある大きなお屋敷だ。
アルス「村長いるか?」
ハロルド「このワシに用があるのは、誰じゃ」
ゆらゆらと揺れる木でできた椅子のほうから声が聞こえた。
アルス「俺だ」
ハロルド「アルスかお前さんはまた村から勝手に出たそうじゃな」
アルス「ああ、外にでてやりたいことがあるんだ」
ハロルド「村の外には野獣がいて非常に危険なんじゃ」
アルス「わざわざ村の外に出るたびに村長の許しをえるなんてめんどくさいじゃないか」
ハロルド「アルスよお前さんは少し勘違いをしているようじゃ」
アルス「何をだ?」
ハロルド「しきたりの意味をじゃ。本当は、村を出て行く前の安全を祈る為じゃ」
アルス「それは昔の人の話だろ。今の時代祈りなんてやくにたたない」
ハロルド「あのなアルスよ、ワシはお前さんのことが心配なんじゃ」
クリスタ「実の孫よりも一人の青年のことが心配なの、お じ い さ ま」
クリスタの目つきが鋭くなった。
ハロルド「おおクリスタもいたのか」
クリスタ「それより、どうしてアルスのことが心配なの?」
ハロルド「それはな、昔アルスお前の父さんがよく村を出てやっかいごとを持ってくる事があったんじゃ。
お前も村をよく出て行こうとするじゃろ。
やっぱり血は争えんのう」
アルス「親父と俺は違う」
クリスタ「お爺さまもアルスもケンカしないの。やっぱり血は争えないのかなー」
村長家族とA・レコード一族は実は先祖が同じくなのだ。
ハロルド「そうじゃな、いい年してケンカは恥ずかしいのう」
アルス「老いぼれがいうな」
ハロルド「ほう、まだ若いもんには負けられんのう。そろそろおまえさんに渡すものがある」
村長が本棚から古めかしい本を取り出した。
ハロルド「アルスよ、せめて村を出て行こうとするのならばならせめて、この本を持っておれ」
村長から少し古めかしい本を渡された。
表紙には、firstlibraryと書いてあった。
中身を見ようとして本を開いたが、中には何もかかれていない。
アルス「村長、何もかかれていないのだが」
ハロルド「何もかかれていない、そうきたか。初めて作られた図書館に本がある訳がないじゃろ。それは紛れもなくおまえさんの記録じゃ」
得意気に語った。意味が分からない。
アルス「結局この本は何なんだ?」
ハロルド「名前の通りこれは図書館じゃ。真実のみ記録される。正しき道への道標」
アルス「全く説明にもなっていないのだが」
ハロルド「まあその内分かるはずじゃ。人生は経験を積まんといけない。いくら知識を持っていても決めるのは経験だ」
アルス「白紙の本だというのにそこまで言うからには、かなり凄い物なんだな」
ハロルド「そろそろワシは仕事に戻る。クリスタよアルスの家まで送って行きなさい」
クリスタ「お爺さまわかりました。
アルス家まで送るよ」
そうして俺は村長の家を出た。
帰り道ではクリスタが俺の右手を握って離そうとしなかった。
アルス「もう子供じゃないからそんなことしてもらう必要はない」
クリスタ「そんなこと言っても、また村から飛び出してどっか行くでしょ」
アルス「信用されていないのか」
クリスタ「そんなことないけど。いつも私の心配を無視してまで勝手に出て行こうとするのは何か特別な理由があるんじゃないの?」
初めてこんなことを聞かれた。
せっかくだから理由を彼女に述べた。
アルス「頭の中に何か分からないイメージがたまに湧き上がってくるんだ」
クリスタ「イメージ? どんな?」
アルス「誰か分からない子が、俺を呼んでる」
クリスタ「どんな景色が見える?」
アルス「青い空、白い雲、生い茂る草花、そして遺跡。そう、まるで夢の中みたいな景色だ」
クリスタ「だいぶ前に見た夢なんじゃないの?」
アルス「夢じゃないと思う」
クリスタ「じゃあ現実なの?」
アルス「それは分からないけどその子を見つけたい」
クリスタ「誰なのか分からない、顔も分からない人をそこまでして見つけたいの?」
アルス「昔一緒に暮らしていた人と同じのような懐かしさを感じたんだ。多分昔の事も知っている」
クリスタ「その人はどんなところにいると思う?」
アルス「それは、ここではないどこか遠く、人が踏み入れる事が出来ない神聖な場所。きっとそんな場所にいる」
?(同じ場所に来る?私のいる場所に行きたい?)
どこからかともなくイメージと同じ声が聞こえた。
アルス「今何か聞こえなかったか?」
クリスタに話しかけたらきょとんとしていた。
クリスタ「私は何も聞こえなかったよ」
アルス「気のせいかな」
そう思ったがまた声が聞こえた。
?(気のせいじゃないよ。一緒にいこうよ。アルス・A・レコード。真実の名を持つ青年)
謎の声がそう言うと村長からもらったfirstlibraryが輝きだした。
そして本が開き、目次に文字が浮かび上がった。
アルス「なんだ今の現象は?」
驚きのあまり、本を落としてしまった。
クリスタ「どうしたのアルス? 急に本を落として」
クリスタはあの現象を見ていなかったようだ。
頭がクラクラしてきた。
視界が段々とぼやけてきてたっていられなくなり、膝を地面につけた。
まるで、本の中に吸い込まれる用に意識が遠退いて完全に倒れきった。
バタッ
クリスタ「アルス大丈夫? 大変意識を失ってる。早く家に連れて行かないと」
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