第3話 彼と彼
この前、私の会社のバイト君にデートに誘われた。
……どうしようかな?
…いったん、保留で
私より、年下のバイト君
かわいいし、悪くはない
でも、私は彼に興味は、ない。
私は、上司と不倫中だ
上司は、お金もある、車もある
そして、次期 社長、
だから将来性もある。
…だけど
妻子持ち。
彼にとって、私は、遊びの関係…
最初は、それでも良かった
…でも、
いつの日からか、私は、
心の どこかで期待し始めた
無いと分かっている
可能性の無い未来を、私は、夢見ていた
………
今日はバイト君に誘われたデートの日
返事は、曖昧にしていた…
だけど、昼間、私に上司から、
メールが来た
私は、上司との不倫の関係を取った
仕事が終わり、私と上司は、
こっそりと会う…
人目を盗んで、個室の料理店で食事
そして、ホテルへ…
いつものパターン
ホテルで私は彼に抱かれ
ベッドの中
私は彼の隣、
私と彼は、ただの恋人どうしの
ように感じる…
今だけは…
「ねぇ、覚えてる?
2年前の今日、あなたが、
私を誘ってくれたんだよ」
「…そうだっけ?
いろいろあったから、
忘れちゃったよ」
「………そう」
その時、彼の携帯が鳴った
「もしもし……
……うん、わかった
……うん、帰るよ
うん」
携帯を置き、ベッドから出る彼
「えっ、帰るの…」
「…うん」
「今日、泊まってもいいって………」
「……悪い」
服を着る彼の背中を見つめる私…
「それじゃ、また明日、会社で」
一人、ベッドの中、天井を見つめる私
…………帰ろ
私は、一人、駅へ歩く
まだ、終電には、余裕がある
にぎやかな、街……
……さみしい?
人ごみの中にバイト君がいた
「おつかれ!」
「……お疲れ様です!」
「ごめんね、今日、用事あってさ…」
「ん?、そんな、いいんですよ」
「ふふ、今から、デートする?」
「マジっすか!」
「どこにいく?」
「どこでも、連れていきますよ!」
「ふふっ」
私達は、歩きながら、話した
そして、彼は、言った
「あの…実は俺、全部、知ってるんです……
だけど、俺は、マジなんで…」
「ねぇ!」
「…はい」
「私と駆け落ちして」
「駆け落ちですか?…ははっ
いいですよ」
「一緒に、どこか遠くに…」
「…行きますか」
……
「ははっ、嘘だよ、
明日も早いし、帰ろっ……一緒に帰ろ」
私達は二人で歩いた
季節は、いつの間にか、春になり、
夜風があたたかかった
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