第2話 世界の最初

...いくらなんでも飛びすぎだろ... !よし、ここは残念だが断る事に...... !?


固まっていると、ミサが両手で、俺の頭を胸に引き寄せたではないか 。


「 勇者様、ミサはお母様に聞いた事があります ! 男性を落とす時は、色仕掛けが一番だと ! どうですか ? もっとギュ〜ッてしますからね ! 」


待て待て待て待てっ ! これはヤバい 。 嫌ではないんだけどこれは、色んな意味でいけない事だと思う 。


そんな事を、こんな可愛い子に教える母親っ ! どんな教育してんだ !


「 ちょ、ちょっと待て ! いきなり婚約はないだろ ! 予言だか、なんだか知らんがそうゆうのは、もっと互いを知ってからするものであって、そもそも俺は、勇者じゃないし ! 」


と、一応は言ってはみるがミサはその麗しい瞳をキョトン、とさせてなんの事?みたいな顔をしている...... 。 こいつ...天然だろ 。


そもそも俺は、天使なんて認めたくないっ ! だが、背中の羽根はいったい...


「 と、とにかく今は、無理だ ! てか、なんで俺と婚約なんだ ? あと、俺はここに来てから時間が経ってないし、まだ右も左もわからない状況なんだっ ! 西暦何年の何処の国なのか教えてくれ 。 」


とまぁ、西暦なんてあるのか ? そもそもここは、日本なのかもわからない 。


「 ......西暦...ですか ? 西暦というものはわかりません 。申し訳ありません...しかし、我ら三大天使が創造されてからならば、1500年あまりがたってますね ! それと、ここは下界ですが、ここの国はペリア王国と呼ばれています ! 」


西暦...ではないのか 。仮に1500年というのを西暦に置き換えたら一応は、戦国時代にはなるが


...そもそも、三大天使って、作られたものだったんだな 。それにしても、ペリア王国 ? どの歴史書にも書いてなかったが...



...おそらくは、過去にタイムスリップする事により同時系列の別世界、別の歴史をたどった世界に来てしまったのだろう 。


俺は自分なりに、この世界の事を定義付けた 。


とりあえず俺には、わからない事だらけだ 。


「 んー、俺は未来から過去に飛んできたわけなんだが... ここは俺の知っている過去の世界ではないんだ... それと俺は勇者じゃない 。上沼直也だ 。 」


とりあえずは自分の名前を明かしておく 。勇者様勇者様言われたのでは気が滅入ってしまう 。


「 了解しました ! 直也様ですね ! ところで直也様、未来から過去...と言いますと時元を超えたのですか... ? 我々の世界では時元を超えるためには世界鏡ワールドミラーを使わなければなりません... 」


ミサは、ここで大きな息継ぎをして


「 しかも世界鏡は数が少なく、本来別世界とのゲートの役割ですので... 。 ごく稀に過去や未来にとばされるのですが... 。 そして、その世界鏡は、クロノス卿しか使用するのは、不可能なはず... 。 」


クロノス卿... ? 一体なんの話だ ? 世界鏡 ? ゲート ? 俺は、タイムマシンできたんだぞ ?


「 そして今、クロノス卿は操られているはずなのです 。クロノス卿は、オリュンポス...我々天使からすると、別種族の方々ですが、そこの頂点に立つ方なのです 。 」


まて、オリュンポスって...ギリシャ神話か ?


「 おい、俺の未来の世界では、オリュンポスの神々にしても、ミサ達天使にしても空想の世界の話であって、そもそも二つの話は別なのだが... 」


するとミサは話を忘れてたかの様に


「 失礼しました、直也様。いや、ご明察というべきでしょうか ? 確かに私達とオリュンポスの方々は別世界なのです 。 」


「 私の一族の親類に、ラファエル一族という天使の一族があります 。 ラファエル一族は代々、時を操る力を持っておりまして、世界鏡もラファエル一族がこの世界では、操っておりました 。 」


またまた大きな息継ぎ 。


「 世界鏡は世界に一つ...。 いわば、世界の中心...、核の様な存在です 。 世界鏡をラファエルが操っていた時、オリュンポスと繋がってしまったのです... 」


ラファエル ? 三大天使のラファエルだよな ? 世界鏡はゲートだと言っていたが、クロノス以外も使えるんだな ?


「 じゃあ、そのラファエル一族は何処に居るんだ ? 世界に世界鏡は、数少ないと言ったが、別世界がオリュンポス以外にもあるのか ? 」


と、気になる事は沢山あるのだがとりあえずはこれ位にしておく 。


「 さすがです ! 確かに現在、この世界には世界鏡によりオリュンポスと繋がっており、オリュンポスは、すでに7つの世界と繋がっております 。 我々の世界はオリュンポスの攻撃を受けておりまして... 」


ミサは、少し顔をひそめて暗い声で


「 ...現在ラファエル一族は皆、誘拐されて残りは1人だけです...私のガブリエル一族は、皆殺されたか、散り散りになり何人残っているやら... 」


オリュンポス...。 確かタイタンが子供を喰ったりして残虐だったとは聞いていたが...。殺すとは...。


「 ラファエルは時を操る...ならガブリエルも力が有るのか ? 三大天使なら、ミハエルもいるのか ? 」


「 はい、私達ガブリエル一族は戦と愛を司る天使です 。 この力はオリュンポスから見れば脅威だった様で... 。 ミハエル一族は天使全体の王みたいなものです 。 三大天使以外にも、ウリエル一族など天使一族は沢山います 。 」


戦と愛...、確かに脅威にはなり得るか... 。 オリュンポスのタイタンは、ゼウス・ハデス・ポセイドンによって倒されるはずだ 。


しかし...


「 オリュンポスにはゼウスやハデス、ポセイドンはいるのか ? 」


と聞いてみる 。


「 !? 直也様、またまたご明察です 。 御三方は叛逆の罪で、地の底に囚われております 。 直也様、勇者である貴方には、御三方の救出...。 私達の世界からオリュンポスの帝国勢力を追い出してもらいたいのです 。 」


...俺が... ? 奴らは確か神のはず... 。


「 すいません、婚約に続きいきなり過ぎましたね 。 でも、貴方は勇者様には間違いありません。だって直也様、すでに天籍にはいっておりますから ! 」


......天籍... ?

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