『始まりの始まり』 1-2
「待ってよ、シャル!」
外に出たらシャルは既に大通りに出るところで、急いで走りようやく追い付いたアレンは息を切らしながらも一言文句を言ったが、
「……遅い」
対するシャルはまだ不機嫌なままだった。
そんなに恥ずかしかったのだろうかと先程の会話を思い返してみるが、アレンからしてみればフェルナがアレンのことでシャルを弄るのはいつものことだったので、本人は全く気にしていなかった。シャルのことも大切だとは思っているものの、生まれた時からずっと一緒なので変に意識したことはなかったし、フェルナの冗談を
実はそれこそがシャルの不機嫌の理由の一つで、あの問答の際にアレンは一言も発しなかったのだが、せめて何か反応でも示してくれればシャルとしては不本意でも先に進めるというものだった。しかし、残念ながらこの金髪の少年にそういうことを期待するのはどうやら不毛な願いらしい。
そんなシャルの葛藤は露ほども知らず、煉瓦で綺麗に整えられた道を呑気に歩いていたアレンだったが、ふとパン屋が目に留まり立ち止まった。
「ねぇ、広場に行くんならここらへんでお昼ご飯買っといた方がいいんじゃない?」
いつもなら昼食を摂って外に出るのだが話に夢中でその時間を過ぎてしまい、さらにシャルが飛び出してしまった為弁当すら貰っていなかったのだ。神殿の近くにも飲食店はあるのだが、子供だけで入れるようなところではないのでここで買わないと後でまた戻らなくてはならず、それは正直面倒だ。
シャルも同意見らしく、既に肩に下げた白いポーチから財布を取り出していた。
「それもそうね。今日は特にいるだろうし……」
「今日は?」
少し気になる言い方だったが、シャルはさっさと店内へ入ってしまった。
「いらっしゃい。あぁ、アレンとシャルちゃんか」
店に入ると、四十代前半の男の店主が声を掛けてきた。
「こんにちは、おじさん。いつものセットと、今日は余分に二つずつくらいパンが欲しいんだけど……」
「はいよ、ちょっと待っときな」
店主はそう言うと店の奥に引っ込んだ。
ここは昼食を摂る前に出掛けた時に寄るパン屋の一つで、二人はすっかり常連客になっていた。
しばらくすると店主が手に二つの袋をぶら下げて戻ってきた。シャルはそれを貰うと代わりにアレンの分も含めて何枚か銅貨を払い、笑顔でお礼を言った。勿論アレンの分のお金は事前に貰っている。
「ありがとう」
「まいど。今日も広場に行くのかい?」
「えぇ。でも、今日はいつもとちょっと違うことをするつもりなの」
「おっ、なんだか楽しそうじゃないか。なんだい?」
「それはもちろんヒミツよ。じゃあまた来るわね、おじさん」
「さようなら」
シャルが悪戯っぽい笑顔を向け、二人はすっかり顔馴染みになった店主に別れを告げて店を後にした。
「いつもと違うことって?」
「だからヒミツよ。心配しなくても後でちゃんと教えてあげるから、早く行くわよ」
そう言って結局その時に実際体験するまで教えてくれないのだから、シャルはやっぱりフェルナの娘であると思いつつ、アレンは後を追った。
† † †
生き残った世界、エルスペロは現在五つの大陸に分かれており、南に火の大陸、西に風の大陸、北に水の大陸、東に地の大陸、そして中央に光と闇の大陸と、各属性のうちで最も強く授かる加護に因んだ呼び方をされている。
各大陸には独自の気候と文化があり、その土地の精霊を奉った神殿が存在する。これは、嘗ての大陸分断の際に精霊から加護を授かった人々が、感謝と尊敬の意を込めて建てた物だ。
光と闇の大陸の中心にはセフィロトと呼ばれる
アレン達が住んでいるこの街は『
ガーデンは基礎学院、上級学院、研究院に分かれており、二人は現在基礎学院の四年生で、今は夏休みのちょうど後半に差し掛かったところだった。
基礎学院は七歳になる年から通うことができ、主に一般常識として現代語や数学、歴史などを学ぶ他、四年生から六年生を終える頃までには下級魔法と護身程度の武術を習う。先程の話も、ようやく習い始めた魔法に深く関わる精霊の加護が、具体的にどういったものなのかをシャルが口にしたことが発端だった。もっとも、結局肝心な部分は聞けず終いだったのだが。
閑話休題。
基礎学院のうちに各大陸から学びにやってくる子供達はガーデン内で暮らしている家庭にホームステイするのだが、殆どの場合は各大陸に数多く存在する基礎学校を卒業した
上級学院には魔法学部、技術学部、芸術学部、医学部、武術学部があり、生徒達は各学部の必修科目とそれぞれが選んだ選択科目を学び、実習や研究などを数多く行う。勿論学ぶ意志さえあれば学部を越えて授業を受けられる。上級学院は生徒数が非常に多い為、各授業には一から順にクラス分けされている。
研究院は上級学院を卒業した後にさらなる研究を行う者が通う研究科と、教職に就こうという者が通う教職科があり、研究科の生徒で良い結果を出せた者は国が運営する研究施設で働くことができ、さらに個人で研究する際にも援助金が下りる。それが叶わなかった者も、資金繰りをしつつ研究を続ける者が殆どだった。
エルスペロに住む人間の国は全て王政で、身分も貴族と平民に分かれているが、ガーデン内での身分差別は殆どない。
というのも、ガーデンは人間が住まう場所では唯一独立している街だからというのと、最大の要因は、その完全な実力主義の世界にあった。どれほど位の高い貴族出身でも実力が伴わなければ何も出来ず、それでも身分をちらつかせようものなら逆に冷たい目で見られる。その所為か、貴族達の中にはガーデンを嫌い王立の貴族学校を選ぶ者も多かった。
シャルも貴族、それも火の加護を授かるかなり由緒正しい一族なのだが、フェルナ曰く、
「あそこの連中って高飛車で嫌いなのよねー」
とのこと。
余所者が見れば、そんな大貴族の令嬢が昼過ぎとはいえ子供二人で出歩いていて良いのかと疑問に思うかもしれないが、ガーデン内は治安が非常に良く、危惧するようなことは全くない。
流石に最初の頃は道行く人に何度も驚かれ、「シャーロットお嬢様」などと呼ばれていたものの、シャルもフェルナもそれを嫌がって強引に他の子と同等に扱うよう言い続けた結果、今ではすっかり街の人々と顔馴染みになり、呼び方も愛称で呼ばれるようになっていた。
そしてそんな変化をずっと傍らで見ていたアレンは、今ではシャルの付属品としてデフォルトされていた。
そんな訳で二人が休日に神殿前の広場へ向かうのはもはや定番となっていて、それはこの夏休み中も変わらなかった。
「やっと着いたわね」
歩みを止めたシャルの隣で、アレンも立ち止まった。
ここはガーデンの中央に位置するセフィロトと、その周囲の森を囲むように建てられた神殿の手前にある広場だ。
二人は、休みの日は大体ここで日が暮れるまで魔法の訓練をしていた。
四年生に上がったばかりで下級魔法が使えるのは、双方の親達に教わった練習方法と、それを続けてきた努力、そしてやはり他よりも抜きん出ていた才能の
「それで、今日はどうするの? いつもみたいに訓練するわけじゃないんでしょ?」
訊ねたアレンの瞳に、何故かステキな笑顔を浮かべるシャルが映った。
アレンはその顔に全く良い思い出がなく、シャルが思い付いた悪戯を必死に止めようとするものの強行され、それを親達にバレないようになんとかしようと四苦八苦して、結局バレて怒られた過去の自分の姿を思い浮かべて肩を落とした。
「……一応聞くけど、なにをするつもりなの?」
大方神殿周辺のあちこちに魔法で簡単な落とし穴や足枷の罠を作って来訪する人達に悪戯しようとか言うのだろうが、儚い願いだと知りつつも一応訊いてみる。
「それはまだ内緒。良いから神殿まで行くわよ」
意外な答えが返ってきたが、もしやとうとう神殿にまで悪戯をするのかと思い、心の中で頭を抱えた。しかし、結局は付いていくしかないのだった。
「まずいよ、シャル。神殿にまでいたずらしたら、今度こそ家事一週間担当とかじゃ済まないよ?」
そう言った時には既に塀を通り過ぎて神殿の敷地内に入っていたのだが、シャルはお構いなしに歩を進めると、正面の入口に向かうのではなく、道を左に外れてさらに奥へ進んだ。
人目に付かないところでようやく立ち止まると、今度は辺りをきょろきょろ見渡し始めるシャル。やがて誰もいないことを確認して、ようやくアレンへ視線を向けた。
「別に今日はいたずらするつもりはないから安心しなさい。ねぇ、アレン。あんた、神殿の中って見たことある?」
ということはいつかはするのかと
「そりゃあ、誰でも入れるんだから見たことぐらいはあるよ? 年初めにいつもお祈りしに行くし、シャルも一緒だったじゃない」
それはエルスペロの人々にとっては共通の習慣で、年の初めにはその年の平穏を精霊に祈りに、終わりにはそれを感謝する為に多くの人々が神殿へ訪れ、神殿から遠い距離にいる人々は街の教会へ赴いたり、自宅で祈りを捧げる。その為、普段の神殿は日が落ちると入口が閉じられるのだが、その時期だけは一日中開放していた。
神殿内部はとても広く、戦争があった時代は避難所としても使われていたそうだがそれも遥か昔の話で、ここ二千年ほどは戦争など起きていないそうだ。
「でも、祭壇の間以外は特になにもなかったと思うけど……」
アレンの言う通り、神殿内部は正面奥に祭壇の間があるくらいで後は特に何もなかったし、祭壇の間も別段立ち入り禁止という訳ではなかった。そもそも精霊に祈る為の場所なので、余計な物は必要ないのだ。
「それがおかしいのよ」
しかし、まだ壁を調べていたシャルはそれを否定した。
「なんで?」
「この神殿の向こう側にセフィロトがあって、それを神殿の壁が囲んでるでしょ? なのに、肝心のセフィロトへ行くための入口がどこにも見当たらないのよ。もしかしたら何か仕掛けがあるのかも」
確かにセフィロトは周囲を森と神殿の塀に囲まれており、そこへ至る道は見当たらない。塀を越えようにも魔法で結界が張られているらしく中に入るのは不可能で、実際セフィロトへ行ったという話は聞いたことがなかった。
「もしそうだったとしても、どうやって調べるの? そんなことしてたら絶対怒られると思うよ?」
「だから、誰もいなくなってから忍び込むのよ。そろそろ神殿が閉まる時間だし」
いつの間にか辺りが暗くなっていることに今更ながら気付いたが、南西にあるシャルの自宅から神殿までは結構距離があったし、今日はそもそもこちらへ来るつもりではなかったので外に出るのが遅かったのだ。
そして途中で買った昼食をまだ食べていないことを思い出してアレンは急に空腹を感じ始めたが、何やら不審な言葉が聞こえてそれどころではなくなった。
「なんだって?」
「だから忍び込むのよ。それ以外に調べる方法はないでしょ?」
アレンは自分の耳を疑いたくなるような発言に頭が痛くなってきた。
「シャル、どうやって中に入るつもりなんだよ。まさか入口の鍵を盗んだとか言わないよね?」
「そんなことしないわよ。失礼ね」
と言いつつも一度は考えた手段なのでシャルは思わず目を泳がせたが、一応は事実だった。
その様子をジト目で見つめたアレンは、とりあえず罪は犯していないようなので少し安心した。もっとも、忍び込んだらその時点で不法侵入なのだが。
「ならいいけど、じゃあどうするの?」
「ふっふっふっ……」
シャルは怪しげな笑みを浮かべると、壁を探っていた手を止めた。
「誰にも言っちゃ駄目よ?」
少し力を込めて壁を押すと、その部分が正方形に押し込まれていった。
しばらく何も起きなかったが、突然壁に光の亀裂が走りだし、壁の表面に円形をした金色の光が現れた。
「ま、魔法陣!?」
円形の内側には様々な模様が描かれ、外縁には何かの文字が所狭しと埋まっていた。
しばらく淡い光を放っていた魔法陣は徐々に光を失い、やがて消えていった。すると、先程までそこにあった壁も同時に消えていた。
「早くしなさい。この壁、すぐに戻るみたいだから」
呆気に取られているアレンを余所に、シャルは既に奥へと進んでいた。
「……ちょ、ちょっと待ってよ、シャル!」
ハッ、と我に返ったアレンは慌てて後を追い掛けたが、そのすぐ後ろで壁が元に戻るのを感じて少し冷や汗を掻いた。
† † †
「あんなもの、いつの間に見つけたの?」
二人は薄暗い廊下を魔法で照らしながら歩いていた。
二人は光と火が得意なので灯りが落ちた神殿の中でも問題はなかったが、夜の学園
「あれを見つけたのは三日前よ。
アレンは一月も前からそんなことをしていたのかと呆れたが、同時に殆ど毎日一緒に居たのに全く気付けなかった自分に驚いた。
「言ってくれても良かったのに……」
「だって、言ったら止めてたでしょ? それにアレンてば嘘が下手なんだから、すぐにお母さんたちにバレるのがオチよ」
残念ながら全て事実の為反論は出来なかった。もっとも、アレンが止めてやめるのであれば誰も苦労はしないのだが。
「あっ、見て。たぶん、礼拝堂に繋がってる扉よ」
言われて前を照らすと、木で出来た扉が見えた。二人は西側の壁から入って東の方に道なりに進んだので、間違っていなければこの先は確かに礼拝堂がある筈だ。
シャルが扉を開くとそこは予想通り広い礼拝堂だったが、広い空間が一層不気味さを強調していた。
「け、結構不気味ね」
そんなことを言いつつも先へ進むシャルが、ふと立ち止まって後ろを振り返った。
「な、何してるのよ。早く行くわよ」
あくまでも強気な口調だったものの、流石のシャルも怖いようでアレンが来るのを待っている。それがなんだか可笑しくてアレンはついつい笑ってしまいそうになったが、顔には出さずにシャルの隣に並んで歩き始めた。
「行くのはいいけど、どこを調べるの?」
「わたしが見たところじゃ、やっぱり一番怪しいのは祭壇ね。それ以外考えられないわ」
と以前読んだ物語に出てきた名探偵のように自信満々に断言したが、元々物が少なく、アレンから見てもそこ以外に調べるところはなかったので異論はない。そもそも小さな子供二人ではそのくらいが限界だと思っていたので、他の可能性を提示するつもりもなかった。
礼拝堂の奥へ進むと、やがて先程とは違う少し重そうな鉄扉が見えた。
今度はアレンが扉を開けて中へ入ると、灯りの向こうに大きな祭壇が見えた。
「それじゃあ、手分けして調べてみましょう。何か気になる物を見つけたらすぐに報せること。良いわね?」
意気揚々といった風に、シャルは祭壇の台に登って床の部分を調べ始めた。すごく罰当たりな気がしたが、アレンも下の部分を調べてみることにした。
祭壇の下部にはアレンには読めない文字が絡み合うように刻まれていて、その中央には太陽と月が描かれていた。これは光と闇の精霊のシンボルで、他の大陸の祭壇にもこういった精霊のシンボルが描かれていると聞いたことがあった。
他の部分も見てみたがシンボル以外は特に何もなく、
「アレン、ちょっと来て」
上からシャルの声が聞こえたのでそちらへ行くことにした。
台部分の床には下と同じく二つのシンボルが大きく描かれていて、ここにも先程の文字が刻まれていた。
「これを見て」
照らされたところを見てみると、何かの文字が刻まれた、小さな石板のような物が埋め込まれていた。下に刻まれていた文字と似ていて、良く見てみようとさらに近付くと、不意に頭の中に言葉が浮かんできた。
「……光と闇の、狭間? 混、沌を、救いしは、
すると、シャルが心底驚いた声を出した。
「アレン、あんたこれが読めるの?」
「……良くわかんないけど、たぶんそうみたい。これってなんの文字なの? 見たことないや」
自分でも何故読めたのか解らず、なんだか変な感じだった。
「たぶんこれ、古代語よ」
「古代語?」
アレンは聞き慣れない単語に首を傾げた。
「そう。あんた、魔法陣には二つの種類の文字が使われてるって、知ってた?」
「そうなの?」
「そうらしいわ。お母さんから聞いたんだけど、大陸が分かれたばかりの頃はまだ使われていたらしいの。ほら、ここってその頃に建てられた物でしょ? だからあちこちにそれと似たようなのが刻まれてたわ。魔法陣も最初はその文字だけが陣の内側に使われてたんだけど、だんだん読める人が少なくなっていったから、新しく使われ始めた文字を外側に付け足していったんですって」
「でも、じゃあなんで僕が読めたんだろ? それに下にあった文字は読めなかったよ?」
「知らないわよ、そんなの。考古学者とか、高位の魔導師とか、あと精霊と話すことのできる大司祭様とかなら読めるらしいけど」
しかし、アレンはまだ今年十歳になったばかりで下級魔法しか使えないし、ましてや精霊と会話など出来る筈もなかった。
結局幾ら考えても判らないので一旦置いておき、次の疑問を口にする。
「この、七色の輝きっていうのが何なのかが問題よね」
「晴れの日に雨でも降らすのかな?」
冗談半分で言いながら再び石板を見ると、少し違和感があることに気付いた。
「ねぇ、シャル。もしかして、この下になにかあるんじゃない?」
暗くて気付かなかったが、良く見ると石板は床から少しだけ出っ張っていて、頑張ったら外せそうだった。
「……試す価値はあるわね」
シャルは石板を外そうとしたが、どうやら完全に埋まっているらしく、ビクともしない。
「駄目、全然外れないわ。アレンもやってみて」
「わかった」
頷いたアレンは、石板に指を引っ掛けて引っ張ってみた。
外れないと思っていた石板は、少し重い音と共に床を離れた。
「……何であんたには外せるのよ」
「……さぁ、なんでなんだろ」
石板は結構厚くて少し重かったが、裏には特に何もなかったので埋め込まれていた箇所を覗く。すると、そこには宝石のような物がポツンと置かれていた。
「シャル、見てよ」
アレンはそれを手に取って、シャルにも見えるよう上に
「……綺麗。虹みたいに光ってる」
すっかり見惚れてしまっていたシャルは放っておいて、アレンはすぐに話を戻した。
「たぶん、七色の光はこれのことじゃない? 問題はこれをどうするかなんだけど……光と闇の狭間……もしかして」
何かを思いついたアレンは、祭壇の中央へ向かう。
「アレン?」
「……やっぱり。これを見てよ」
アレンが二つのシンボルの中央を照らすと、そこには小さな窪みがあった。
「太陽と月、つまり光と闇の、その狭間……」
そして、そこに先程の宝石を填め込んだ。
すると、
「な、何!?」
突然、虹色に輝く魔法陣が二人の足元に顕れた。
「シャル!」
嫌な予感がしたアレンは、突然のことに慌てふためくシャルの手を咄嗟に取って引き寄せた。
虹色の光は瞬く間に二人を包み込み、やがて消えていった。
二人の姿は、祭壇のどこにも見当たらなかった。
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