6 最悪の休み時間
★★★
このめちゃくちゃな設定どうにかならんかな。キャラが定まってないよ。特に魔李ちゃんとかヘルとか。てかヘルという名前変えない?ね?ていうかヘルという人物消さない?てかこの話消さない?
ついそんなことを思ってしまう。
ヘルと魔李ちゃんと俺はあとで職員室に呼ばれることになった。え?なんで俺まで?俺レースなんてしてないけど?
その職員室に呼ばれる放課後までが大変だった。
1時間目の休み時間。
「ヘルさんヘルさん」
と話しかけてくる女子がいた。
とても重い声だ。空気までもが重くなる。
「な、何かな?」
「ヘルさんの上に何か視えるんです」
「な、何かって?」
「ゴキブリが」
「い、嫌だなーじょ、冗談はやめてよー――ってあん!?」
なんかゴキブリ乗ってるんですけど。頭の上にゴキブリ2匹乗ってるんですけど。ビクビクズキズキバッコンバッコン聞こえるんですけど……これ絶対交尾中ですよね!?ですよね!?宇宙最強の生き物が俺の上で交尾だよね!?俺の上でランデブーだよね!?性欲乱れてランデブーだよね!?
てかどうすんだよこれぇぇえ!
「あぁこれがゴキブリの交尾ですか」
「そんなこと言ってないで取れよ!」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
「そっちの撮れじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
「おいやめろ!」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
「ねぇやめて?」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
「やめてください」
パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
「やめてくれぇぇぇぇ!」
「はて?ヘルさんってそんな口調でしたっけ?」
思わず口に手を当ててしまう。
「い、いやだなー龍架ちゃん。私変な口調だったかなー?気のせいじゃないかなー?うん気のせいだと思うよーそんな口調で喋らないもん」
ヤバイよこれ。全力で否定する。うん。
「そうですか、それならいいんですが。それより、ゴキブリの交尾って激しいですね」
「え!……そ、そうですかー?アハハ私そういうのまだわからないからアハハ」
「なら、私が教えてあげましょう!」
龍架が呪符を取り出しかっこいいポーズを机の上でとる。いや、かっこよくないから。てかなんで学校にまで呪符持って来てんだよ!
なんでも呪符に頼るのがこの龍架だ。何もかも。
「いややめて!お願い!」
「知りたくはないのですか?大人の世界を」
「充分知ってるから!うん!知ってる知ってる!むっちゃ知ってるよ!」
「では私に教えてくれませんか?」
しまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!いや確かに知ってるけどさ!陰陽師の子孫に吹き込んだら俺呪い殺されるよね!?藁人形に爆颶蓮雄と書かれて「頭〜足〜心臓〜チ★コ〜」って具合にグサグサ刺されて死ぬよ!助けてぇぇぇ!
どうすればいい!この状況どうすれば!何!アイテムとアイテムをバッコンバッコン合体!って言えばいいのか!?てかアイテムってなんだよ!自分で言ってはずいわ!
てか龍架性知識なさすぎだろ!
「BLとGLとほられたと★や★ら★な★い★か★だけ知ってます」
「ぜってぇあっち系だろ!」
1番最初に知らない方がいいこと知ってるよこの人!
「ラップタイムだよ♪ラ、ラ、ラップ♪」
なんか急にラップ始まったぁぁぁぁぁぁぁ!?てめぇどんな設定だよ!陰陽師で重い声でラップやるキャラだと!ふざけんな!って重い声キャラってなんだよ!違う言い方あるだろ!
……重低音。
アホか!
……自分でボケてツッコミするって悲しくなるね。
「さぁさぁみんなで言ってみよー♪★★が龍架♪龍架が★★♪」
「人のネタぱくってんじゃねーか!訴えるぞ!P音かけても無駄だぞ!」
「何を言ってるんだねー♪P音の♪中身はね♪★し★も★ね★た★だ♪イェイ♪」
「何がイェイだ!何もイェイじゃねーよ!てか下ネタとかもっといかんわ!」
てか声重いんだよ!その声でラップ歌われても暗くなる一方なんだよ!ってあれ?暗くなりすぎじゃね?なんでみんな倒れてってんの!?ランデブー中のゴキブリがぁぁぁ!
ランデブー中のゴキブリが目の前に落ちてきた。ランデブー中で。いや、せめて抜いてから落ちてこいよ。
ていうかマジやばい。空気やばい。教室の色もおかしいよ!?
気づいた時にはすでに遅し。俺とヘルと龍架以外全員倒れていた。校内すべての人が。
「やっと話せますね」
「お、お前何やった!?」
「ちょっくら」
呪符を見せびらかしてきた。
「お眠り頂きました」
「ね、眠った?」
「えぇ。ヘルさんと蓮雄君。あなた達に確認したいことがあって」
不気味な笑顔を浮かべながら喋る。ちょこわ。何あれバケモンじゃん。お前この校長よりバケモンじゃん。
「か、確認したいこと?」
「えぇ。あなた達が本当に入れ替わっているのかを……」
【!?】
ば、バレてる!?
「私はかりにも陰陽師、アベノミク――じゃなくて、安倍晴明――じゃくて、陰陽師の子孫ですよ?それくらい見破れないと、ご先祖様がお怒りになります」
……なんか今おかしなこと聞いた気がするだけど。
「貴様何するつもりだ」
「いえ少し頼み事がありまして……この世界の人物ではない、優凪ヘルさんの力が必要なのですが……」
「な!貴様それまで見破って……!」
「なんでこんなクズのゴミと入れ替わったのでしょうか」
おいひどくね!?クズのゴミって俺のことだよな!?
「もう少しまともだったらチッ」
「それ私も思ったチッ」
おいいじめだ!これはいじめだ!
てかさっきまでの空気はどこ行った!なんでほんわりしてんだよ!俺のせいか!?俺のおかげか!?
「と、ところで……」
怒りを必死に抑えて口を開く。
「頼みごとって?」
「そうでした。幽霊退治、してくれませんか?」
【……は?】
★★★
っていうのか1時間目の休み時間にあった出来事。また詳しい事は放課後に、とのことだ。
呪符を解除したと共に休み時間の終わりのチャイムが鳴る。
そして、2時間目の休み時間。俺は腹が痛くなってトイレに来ていた。すると、隣の個室から何かきしむような音が――なんて展開はなく、逆に俺の真上から何やら変な呼吸音が――。
「俊・将君?な〜にをしているのかな〜?」
「ヘルちゃんの監視で――ぐわっ!」
トイレットペーパーを投げつける。すると、前になぜか個室に落ちてきた。いやまて!普通外だろ!てか今顔しか出てなかったよな!?重量的に顔に当てたら外に落ちるだろ!なんで中に入ってくんだよ!この変態野郎!……なんか俺が変態って言うのが恥ずかしくなってきた。
「な〜にしてるのかな〜?」
必死に怒りを抑えて言うと、ーが〜になってしまう。
「ヘルちゃんがトイレ中に襲われないよう監視しておったでござる!」
敬礼をする。いや何も警察みたいなことしてないから。てめぇが警察に連れかてかれるほうだから。
監視じゃなくて覗き見だよね。うん。
スカートはさっきトイレットペーパー投げる時に履いたから大丈夫だけど。
「誰かー!ここに覗き見――っ!?」
大声で誰か呼ぼうとしたその時!俺は口を抑えられ壁に押し付けられるのであった!ってなるかっ!ってなってる!?
気づいた時にはすでに遅し。俺は俊将に押さえつけられていた。
「んー!んー!」
「ちょ静かに!」
「んー!んー!」
「シー!」
「んー……んー……」
だんだんと疲れて叫ぶ体力もなくなってきた。
何この展開!仮にも俺は男だぞ!外見女ですけど!これはっきり言ったら腐女子が興奮するわ!なんだよこのドキドキ感!何にドキドキしてんだよ俺は!何もドキドキしねーよ!どこがドキドキすんだよ!
すると口に抑えていた手がどけられ、顎クイしてきた。
「もうこれで大丈夫だよ」
何が大丈夫なんだよぉぉぉぉぉぉぉ!?
「もう君は俺の手の中だぜ」
やめて。かっこよくないから。やめて。ときめかないから。ぜってぇてめぇにだけはときめきたくない。
と、俊将が太ももに手を当ててきた。おいこれやべぇぞ!俺やべぇよ!男に犯されるよ!やばい!誰か!
これが男のヤりかたかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
★★★
結局、顔面殴ってKOさせてやったぜ。危ない危ない。もう少しで俺は未知なる世界へと入り込んでしまうところだった。あいつ男に戻ったら殺してやる。
3時間目の休み時間は、4時間目が音楽だった為、移動時間で休み時間は終わった。
そして、昼休み。最悪の休み時間タイムは、この昼休みを逃してはくれなかった。
弁当食べ終わって屋上で寝転んでいたとき。ヘルがある者を連れてきた。
「おい蓮雄。こいつ何をしているのだ」
そう。交尾中のゴキブリだった。ランデブーランデブー。ってまだそのネタ引きずるのかぁぁぁぁ!もう笑えねーよ!もう流石に禁止だわ!
「ランデブー中だよ……」
「おうそうか!ランデブー中なのだな!」
わかるんか?
「……ところでランデブーってなんだ?」
やっぱりな!
と、ここはググれと言いたいところだけど、ヘルはググれの意味も知らないので俺がググる。
えーと、『ランデブー 意味』と。ウッキーさんのを見てみよう。ウッキーさんランデブーじゃなくてランデヴーになってるけどまぁいい。多分意味は同じだ。えーと何何?
1★待ち合わせ★会合★デート★会談の意味のフランス語
ほうほう。えーと次は?
2★合体、つまりドッキング!
……本当は違うけどな。宇宙船が結合する時に使うからな!
2.5★ドッキングと言っても、宇宙船が結合するという意味ではなく、人や虫、動植物同士が結合するという意味
はい次。
3★ドナ★ドのお仕置き
それランデブーじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!
3.5★ランデブーです
何俺に答えてんだよ。
4★てめぇがランデブーだ!
何言ってんだこいつ!?
4.5★今の言葉俺の父さんがうったから許して
なんでだ!?なんで父さんがでてきた!?編集しろや!
5★うぇーん!編集できなかったうぇーん!
泣くなぁぁぁぁぁ!なんで見てるやつがそういう風に思う限定で書いてんだよ!
5.5★泣くかばーか!アホだぁぁぁ!
おい潰すぞゴラァ。
5.55★どうか潰すのだけはご勘弁をぉぉぉぉぉ!(土下座)
なんでだ!?
6★誰か俺を殴って
6.5★俺を殺して……
6.55★死にますさよなら
待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!もう意味でもなんでもねぇ!ただの編集者の気持ちじゃねーか!
もう知らねー!知るか!と、あることに気づく。
これウッキーじゃなくてハッシーじゃん!
編集者、高橋創将。
誰だそれぇぇぇ!こいつクビにしたほうがいいわ。
「どうした?」
「え、いやなんでも……。意味は、ドッキングという意味だよ」
「な、ななななななななななな!貴様!私とドッキングしたいと……!」
「なわけあるか!」
もう本当助けて。
ハッシーみただけでもう気力が……。
というのが昼休みに起こったこと。起こったというかみただね。
5時間目の休み時間は何にも起こらなかった。いや、起こってほしくないけど。嬉しいから!起こらなくて嬉しいから!
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