第37話 勇者召喚をもうちょっと便利に使うための10のTips
サブタイトル
「勇者との
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「俺は小浮気 勇紀って言います。高校二年なんだけど……高校生って言っても通じないか。つまり学生だったんだけど、この世界で勇者として召喚されたんだ。よくわからないけど、強い力を貰ったし、元の世界に戻る為に役目を果たしたいし、それで今は
独り語り本当にありがとうございます。
そもそも僕聞いてないからね。
誰一人勇者の情報きいてないから!
「あっ、僕はガーディ・スティングレイです。しがない旅人です」
向こうが名乗ってこちらが名乗らないのは一応は失礼に当たるからお返しはします。
「ガーディが名前かな?
よろしくね、ガーディ」
呼び捨てキター!
なにこれ? これが勇者の力? 勇者レベルどれくらいでこんな独りよがり属性になるの?
「とりあえず君付けでお願いします。小浮気さん」
こいつの下の名前は呼びたく無い。王道勇者キライ。
とりあえずなんとかして帰ろうと話を切り上げる方向に持って行きたいが、どうしようか。
「わかった、それじゃガーディ君で良いかな?
そうそう、勇者は他にここにいるメンツで、この無気力なのが芳賀で、俺と一緒にいたのが由利、大人しく控えめなのが十五夜で、皆僕のクラスメイト、じゃなかった、学校の友達です」
「ちょっと、何勝手に紹介してるのよ!」
小浮気がメンバーを紹介さると、由利が激しく怒る。今のを表現するなら、由利がベンチからゴガッと音を立て、立ち上がりながら、先ほどの言葉を発した。
確かに、勝手に紹介は今の時代では、個人情報が何たら、情報漏洩がうんたら、などと非常に過敏だ。気持ちはわからなくは無いが、彼女は普段ストーカ被害を普段から受けているのだろうか?
「えっ?何が悪いの?美波が自分で紹介したかったの?」
「そうじゃ無いでしょ!」
「ウッ…」
綺麗なアッパーカットだ。
それにしても、小浮気は全くわかっていないのか?
鈍感系主人公?
「勇気君、多分美波ちゃんは勝手に知らない人に情報を与えたことを怒ってるのかも」
「そうよ! そんなこともわからないの?バカ勇紀!」
「ガッ!」
コントかな?
とりあえず由利さんの属性のキャッチコピーは
《パンチだ! キックだ! プロレスだ! 魔法も兵器も使います。
主人公でも関係なし。死なない程度にやっちゃいます。
アタシの拳が火を噴くぜ! 「最強」のヒドインここにあり!》
で良いと思う。
それにしても、十五夜さんの胸はヤバイ。バインバインである。思わず注視してしまう。それに気がついた十五夜さんが自分の胸を隠すように自らの身体を抱きしめた。
むっ、残念だ。
また今度拝ませて貰おう。
彼女のキャッチコピーはそうだな。
《どんな時でも淑女となれ。主人公にはべた惚れで、どんな時でも尽くします。私の身体は貴方のもの。綺麗な身体を貫きます。純情美少女ここにあり!》
で良いかな。
それにしても、彼女の胸はイイ!
大きさと形のバランスはほぼバストの黄金比に沿っている。きっと世の男性を悩殺できる逸品であろう。
勇者君、君はなんて羨ましいんだ!
君の今後の行いであの胸を揉み放題にできるに違いないぞ!
僕の中のエロ仙人がそう叫んでいる。間違いは無いはずだ。
まぁ、僕の後ろで聞こえたくなかったが
『ディーは胸が好きなのか……。今日から胸を重点的に鍛えるか。』
っていう、男の声が聞こえてしまったが、
(そうじゃないっ!!)
この際聞かなかったことにしよう。
そんな事を考えている間も勇者君は、ビドイン勇者に暴力という名の愛を受けている。本当にコントにしか見えないので、とっとと話を終わらせて帰ろう。何しろこちらはガーディしか名乗っていない。今回は顔合わせして帰ってしまおう。
「小浮気さん達は仲が良いんです「良くないわよ!」」
言葉を被された。でも意識しちゃってる系なんですね。わかります。
「失礼しました。それとこちらはまだ名乗ってなかったですね」
アドフとガヴィール、ウィフィアスを簡単に紹介する。もちろんウィー君のモフモフの偉大さはしっかりと伝えさせてもらう。
「そう、貴方達隣の国から来たの、それで私たちになんか用でもあるの?」
いや、特に無いです。ミーちゃんハーちゃん的なちょっと流行というか、話題の渦中にいる人物を見てみたかっただけなんて言えない。
「この世界では、勇者は特別な意味を持つので、どのような方々なのか確認しておきたかったのです。僕達も旅人という事で、少なくとも勇者召喚で影響を受けるはずですので」
すでに国外出国規制張られてるけどなっ!
そして世界大戦開始前という、誰得フラグ。
とりあえずこれだけ言っておこう。
「もし、何か大きな戦いがあって、それが終わった時に元の世界に帰れなかったら、僕に相談してください。あくまで相談だけですけど、力にはなりますよ」
帰れるとは言わないが、最悪地球に強制送還してやんよ!
「ガーディ君それはどういう意味「ちょっとそれどういう事よ」」
このヒドイン被せ系なの?
芳賀が会話に入らないあたり、面倒臭いのだろうか。気持ちはわからないでもない。でもね、少しは参加して、こっちの精神的体力が持たないから!
「それはその時のお楽しみですよ。それじゃ勇者様、またいつか会いましょうね。アドフさん、ガヴィールさん、行きましょうか。」
会いましょうね、はもう会わないという事だけど、伝わったかな。うん、伝わってないだろう。芳賀は多分わかってるっぽい。
結局顔合わせだけして帰る事になってしまったが、彼らに会う事で、勇者の存在を実際に確認する事ができた。これだけでも十分収穫だろう。いや、そう思いたい。
さて、戦争開戦は何時になるだろうか。
そう遠くない未来に戦争が控えてある事実を認識している者はまだほんの僅かである。
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