プロローグ
第1話 親方との遭遇
「おいお前、何シケた面してんだ。もっと元気出せや」
親方とであったのは穴の中の奥まった裏通り。本来人が住むには住みにくい場所だ。俺はここで暮らしてはいるが。
「飯は食ってんのか?親は、家もねえのか」
俺は飯と家の部分で首を縦に振り、親は横に振った。
「飯はきちんと食ってんのか。ならまだ良し。親は探す必要もねえか。探す価値もねえ」
なにやら、勝手に話が進んでいるようだ。俺は目の前の男に何をしているのか身振り手振りで伝えようとした。
「ん?どうした、そんなに動いて。まあ、元気に越したことはねえが。なんか喋ったらどうだ」
俺はその質問に首を振って伝えた。喋れないのだと。するとおもむろに神妙な顔になり、深く考え出した。
「声が出ねえのか。どうしたモンかな、村長のやつに世話になる訳にもいかねえからな」
声が小さくてあまり聞こえなかったがなにやら俺にとって不都合なことになりそうだ。そう思い、静かにここから離れようとしたが男に肩をつかまれ前に進めない。
「良し決めた。お前、俺の家に来い。家がねえんだろ?俺の家に来れば家の問題は解決だ」
何が解決だ。一人で勝手に決めやがって。俺は男を睨み付けた。
「ははは、そうカッカすんな。きちんと飯も食わせてやるしベットもあるから安心しな」
違う!そうじゃない。がんばって伝えようとしてるのに伝わる気配がない。そんなこんなで俺はこいつ、親方に引きずられて家に向かった。ついた家で整備士を学びながら過ごしていった。
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