第31話 感想への返信、近況ノートを使う。

 感想がついた!

 それは飛び上がるほど嬉しい瞬間です。自分の作品をじっくり読み、感想を書くかどうか悩み、そして実際に感想を書いてくれた人がいる――そうです。あなたの作品は一定の知名度を得たのです。


 どんなふうに感想に返信を返せばいいのでしょうか。いろいろなケースが考えられます。


 誤字脱字の指摘。これは「感想ありがとうございます。直します」と返すといいでしょう。作者としては、なるべく誤字脱字の類いは事前にチェックしておきたいですが、まあ人によっては残ってしまうこともあります。次に生かしましょう。


 読んで面白かった等の、純粋な応援。これは「感想ありがとうございます。今後の励みにしたいと思います」などと返すといいでしょう。ここが面白い、あそこが興味深い。単純ではありますが、作者としては非常に嬉しいやりとりの一つです。


 読んだけどつまらなかった等の、否定の声。これは「感想ありがとうございます。ご一読していただいたことを感謝し、次の作品に生かしたいと思います」などと返すといいでしょう。読んだ後、あえて否定の声を上げてくれたということは、ひそかに作者の成長を願っているのかもしれません。


 設定の矛盾の指摘。これは「感想ありがとうございます。これこれはこういう理由でこうなっています。御了承ください」などと返すといいでしょう。

 こういう読者は、非常に深く設定を読み込んでくれている方です。その情熱に敬意を払い、きちんと返信することで、固定読者になってくれる可能性があります。


 具体例を挙げての質問。これは自分が分かる範囲で調べてから「感想ありがとうございます。不勉強ではありますが、これこれはこういうことではないでしょうか。この作品の設定ではこの説を採用しています」などと返すといいでしょう。

 具体例を挙げて質問してくるということは、感想を書いた読者のほうがそのことについて千倍詳しい、ということも十分ありえます。作者としては、知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと素直に認める姿勢も必要です。


 キャラクターやストーリーに対するリクエスト。このへんからちょっとおかしくなってきます。「感想ありがとうございます。もうプロットは固まっているので、書くとしたら後日談になるかと思います」などとはぐらかしましょう。

 人によっては、この種のリクエストを受けて、筆が硬くなり、続きを書けなくなってしまうことがあります。しかし、それは作者にとっても読者にとっても悲しいことです。都合が悪い時には、うまく受け流す姿勢も必要です。


 ○○○○を殺すような作者はいらない。氏ね!! このへんから感想というよりクレームになってきます。あなたが十分に努力したにも関わらず、登場人物の死が衝撃的すぎて読者に混乱を与えている状態です。律儀に返信する必要が無くなるのがこのあたりです。

 スルーしましょう。作中人物の生殺与奪の権利はあなたが握っているのです。読者にどんなに望まれようと望まれまいと――殺すときは完全にぶち殺しましょう。



 次に近況ノートですが、これは更新通知や、エタり気味の作品の進捗報告などとして使います。あるいは、今後の方針などを読者全体に通知したり、短編として投稿するまでもない内容を語ったりなどです。基本的に削除できないものなので、慎重に書きましょう。

 予想に反して、新着の近況ノートを見ている人は、けっこう多いです。新着の近況ノートから、はじめて作者や作品を知るという人もいます。そのため、近況ノートの使い方を間違えないことが重要です。


 風邪を引いたとかの日記や、過度の馴れ合い談義は、本来の使い方ではありません。あくまで、小説本文の更新通知に伴う、さりげない記述にとどめましょう。などと言っておきながら、お気に入りユーザの近況ノートでのやりとりを楽しく見させていただいているあたり、作者は激しく自己矛盾しておりますが。


 いずれにせよ、カクヨムで活動していくかぎり、近況ノートとは長く付き合うことになるかと思います。あとで見返して死にたくなったりしないように、用法、用量を守り、正しく使っていきましょう。

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