風の音
ただ唐突にそう思ったんだ
―風の音が聞きたい―
他人を遮断するためのどうでもいい音
僕は鞄にしまい込んで 一度軽く深呼吸をする
走ってみるんだ この道の先にある小高い丘まで
息が切れたら休めばいい
誰も文句は言わないだろう それに言わさない
嗚呼もしかしたら
風の心を感じたいと 思ったのかもしれない
そう僕は多分 いやきっと今から
―風の心を聞きに行くんだ―
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