境目の色

空のように澄んだ海の色 海のような深く遠い空の色


水平線が見える場所で晴れた空の中

他愛もないことを僕は思う


「僕と君の違いはこの色で表現したらどうなるかな?」


そんなロマンチストが似合わなさそうな 僕の声を

君は少し微笑みながら 真剣に聞いていた


「君が空で僕が海かな」

「きっと逆だと思うよ」

小さくつぶやいた君は又小さく笑う


――僕は快晴のような澄んだ青で私を導いてくれる

私は深海のような碧とも蒼ともとれない色

だけど海の深さで貴方を包みたい――


君はそういって水平線を見た


確かに水平線という二分する部分は 僕等には存在しない

だが二人が時に混ざった色が 確実にある


空と深海の間は僕達が 最初から創り出した色に

太陽が沈み始める瞬間の様な

どちらでもあって どちらでもない様な色が僕らには存在する

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