Episod II「馬鹿そうな奴だな」




「な、何をっ…」




「だから、お前が伊織に恋したのは俺のせいだってこと」



…意味が全く分からない。



「はー…。これだから人間ってのは嫌いなんだよなー。しかもお前みたいな馬鹿なタイプ」


「ば、馬鹿って…いきなりお前が恋したのは俺のせいだとか言われても誰だって意味分かんないしっ」


「単刀直入に言うと、俺は悪魔だ」


でしょうね。

その黒い羽と尻尾が何よりの証拠でしょうね。


「で、本来、恋の矢は天使が打つんだが、俺がイタズラでお前の大ッ嫌いな奴に打った」


「イタズラァ!?あんたそれマジで言ってんの!?」



イタズラであんな奴に恋させるとかマジで有り得ない!



「…最低。どうやったら治んのよ」

「知らね。天使にでも頼めば?」



天使って…

天使がこの世に存在すると思う?普通。



…いや、悪魔がいるから天使もいるかもしれない。



「ゆまぁー!ちょっと葉書出してきてー!今手が離せないのー!」



なんで私ばっかりこんな目に遭うんだろう。


神様は、意地悪だ。



「はーい、今行くー」



「偉いじゃん、馬鹿のクセに」

「うっさい、悪魔のクセに!」



佑茉は怒りながらも葉書を出しに、自宅のドアを開けた。



と次の瞬間、



「…っいったあああ!!」



頭に激痛が走る。



「…いて…クソ、めんどくせーことになったぜ…」



痛い痛い痛い!

ていうか何!?


頭に何かが落ちてきたんですけど!?



「おい人間。立てるか」



ちょっと待て。

人間って言った?私のこと。


そりゃ私は人間だけど…


…まさか!



「天使さん…です、か…?」

「あぁ?…なんだ、七海佑茉ってお前か。馬鹿そうな奴だな」



…性格が悪魔でしかない天使さんに出会ってしまいました。




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