第37話 新たな犠牲者

 鎮火したのはそれから一時間後だった。

 思ったよりも火は広がらず、建物全てが全焼には至らなかった。

 予想通り、火元は左韻の部屋。この部屋だけは中にあるモノは何一つ無事にはすまずに燃えてしまったとのこと。

 その中でも、異様なモノが一つあった。

 いや、異様な者が一人いた、という方が正しいだろう。


 左韻の部屋の風呂場。

 出火場所だと思われている、場所。


 そこに焼死体があった。


 その焼死体が誰なのか、後ほど特定された。


 天野岩。


 行方不明になってた彼は、左韻の家の浴槽で焼け死んでいた。

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