第3話

ある日パート先に行くと、無性にイライラしたのです。

理由は、私より一回り歳下の社員が何の屈託もない笑顔でおはようございます、と言ったからだ。

ただ、それだけ。その輝く満面の笑顔が、私の心の隙間をグサグサと刺す。

若くて美しくて、これからたくさん楽しい事が待っているその女性社員が羨ましいのだ。


その日、その女性社員が仕事でミスをし、そのミをこれでもかというほどに、甲高い声で笑ってやった。

すっきりした。


歳下で美しい女はみんな嫌い。前田と言う、不細工な女性社員には当てつけのように優しく接した。


帰りの電車で、今日あった出来事や言われた事、話した事を、携帯電話のメモに残す。

こうしておけば、何かあった時に脅しに使えるし、身を守れる。

帰ったら、浮気男の旦那と、その旦那の母親似の可愛くない子供の夕食の支度をしよう。

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