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水曜日。ドラッグストアに「ポイント五倍DAY」の幟が出ていたので、今日は二か三の日だと気付くが、どちらかは分からない。どちらにしろ今月は何日に来てもポイントは五倍だ。先月の買い物の合計金額が二万円を超えると次月の買い物は毎回五倍になる。私は毎日ドラッグストアで酒とつまみを買い二万円以上も費いアル中になって急性膵炎になってどうしようというのだろう。今日は病院に行く日だった。明後日に予約を変えてもらった。薬は無い。
水草に付いたヒカリメダカの卵は次の日には孵化した。今朝も腹に卵を付けている雌がいる。慧くんに訊くと店に居たので和希と一緒にAnuenueに向かった。着く前にLINEすれば開けてもらえることになった。
いつ彼女と会っているのだろう。これだけの魚たちの世話をしていたら、自由な時間はほとんどないと思う。もしかしたら一緒に住んでいるのかな。
「まだ卵を持ってるメダカがいるの」
前に買ったものと同じ水槽とホテイアオイを買おうとした。
「持ってけよ」
慧くんは笑顔だったけれど非常に偉そうな言い方だった。
「これからメダカとベタにいるものがあれば提供するから。アイん
アイ。
私の名前は伊藤
湘くんが、愛と呼んでいた。
和希たちがそう呼ぶので慧くんもそう呼んだ。
愛夏だよ。出掛かった言葉は飲み込まれた。慧くんに彼女がいなかったら、好きになりそうだった。水草と魚に詳しくハワイとヴァンズが好きで見た目が良い。でも、私はまだ彼の事を愛している。湘くん。伊藤
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