第1章
第6話
俺が目を覚ました日の夜
「ずっと寝てたんだから寝れるわけねーだろ……」
なかなか寝付けずにいた。
夜の病院ってのは不気味だな。
……たったったっ
「……お……ちゃんお兄ちゃん……」
やべ、これは夢か?
いや夢であってほしい……
目があってしまった。
小学生くらいの男の子だ。
成長したらモデルになれるんじゃないか
整いすぎだろ!俺は気に食わんぞ。
いやそんなこと考えてる場合じゃない。
「……お兄ちゃん、助け……て。お願い、お兄ちゃん……」
俺、霊感とかねーけど! なんなんだ!
はっきり見えるし聞こえるぞ。
俺どうしたんだ!
「あの、俺、こういうの初めてでして」
「……お兄ちゃん、僕の声が聞こえるの?」
し、しまった……
これは無視すればよかったんだ。
終わった、俺。
「お話しできる人がいて僕嬉しい!
実はね僕死んじゃったんだ……
ずっとね独りぼっちで寂しかった」
え、幽霊ってこんなフレンドリーなもんなの?
いやえっと、話したほうがいいのか?
「ずっと独りか……大変だったな。」
こんな感じでよかったんだろうか。
「うん。でもね、お兄ちゃんが
こっちに来てくれたら嬉しいな……」
ん?なんだか危ない……か?
「お兄ちゃん、僕とずっと一緒にいて?」
「うわあああああああ!」
さっきまでの顔と全然ちがうぞ。
見てる暇なんかない! 逃げないと‼︎
だっだっだっ……
ガラっ
看護師さん巻き込みたくない……
ん? あれは! 非常階段!
よし。
ギーーー
これで下まで行けばなんとかなるだろう!
だっだっだっだっだっだっ……
はぁはぁはぁ……
体力落ちてんな。
やっと下まできたけどここからどうする⁉︎
考えろ考えろ。思考を止めるな。
ああ、こんなこと初めてだし、
どうすればいいかなんて分かるわけないだろー!
「……みつけた、お兄ちゃん……」
近づいてくる。
どうする⁉︎ 俺はどうしたら……
「お困りですかー?」
「おっ……わわわ誰ッ!? う、浮いてる??
おおお前も俺をッ‼︎」
「落ち着いてくださいよー
私をあんな悪霊と一緒にしないでくださいー」
「悪い奴じゃない…? とりあえず助けてくれ‼︎」
「ええーまあ、助けてあげても……」
「よろしく頼むっ!」
「じゃあ、私のお願いきいてくれますか?」
「わかったわかった! なんでもきくから助けてくれっ!」
「……その言葉お忘れなく。あんな下っ端悪霊、私の敵じゃない。」
なんだこの光……
心地よくてなんだか懐かしいような……
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