ディザイア

プロローグ

普通に暮らしていても

人間は時に、

非日常を垣間見る事がある。

それは事件・事故かもしれないし、

または一人の人間の常識を覆す事だったり、

世界の常識を全て覆してしまうものだったり…

普通の生活でそんなモノに出くわしてしまう人は

物凄い確率の偶然なのか、

はたまた運命に吸い寄せられたのか…

その人達の中にもいろんなタイプの人間がいる。

そんな非日常に心の底から憧れていた者

否応なしに引きずり込まれた者

自ら足を踏み入れる者など様々な人間が…

彼らはその出くわした非日常の中で、必死に英雄になろうとする者もいれば、

何事もなかったかのように振る舞おうとする者までそれぞれだろう。

だが―

生まれた時からこの世界の理から外れた人間もいる。

彼らはその『異常』に目覚めた時から、

その身に起こる『非日常』を常に『日常』として捉えて生きている。

そんな彼らの中にも『日常』に圧し潰され、

心身共に崩壊し、

普通の人間としての『日常』をも過ごせなくなっていく者も少なくないだろうが…

つまり彼らの『日常』では、

常にこの世界と戦い、

どんなに能力が優れている者よりも、

心の強い者が生き残る―。

――そんな非日常を夢見ながらも、

否応なしにこっちの『日常』へ引きずり込まれた普通の高校生の少年…

誰よりも優れ、

誰よりもこの『日常』に愛されながらも、

誰よりもこの『日常』に圧し潰されようとしている４人の高校生の少女達―

そんな彼らの、

少し歪な物語。