Livela
@marina0804
第1話LIVELA
「お姉さまっ…」
伸ばした手は空を切る。臣下であるグランは私の手を引き姉の元を離れる。
「グラン、どうして。」
「ここにいてはライン様まで命を落とされます。王族が根絶やしとなればこのリベラはもう再建致しません。どうか。」
そう正論を述べながらグランも泣いていた。ひそかに姉に憧れていたグランにはこの選択は「苦渋の決断」であるはずで、それでも感情に流されず臣下として国のことを第一に考えるグランは立派だ。でもー…。
「お姉様、ストラお姉様だけでも!」
「なりません!」
どんどん姉であるストラが遠ざかる。グランに抵抗しているが、力で全く適わずに半ば引きずられる体で連れられていく。
…ストラを何人もの敵が取り囲み、そしてー
…ストラの服が赤く染まり、手足から力が抜けた。
「そんな…。」
「…急ぎましょう。もう少し離れなければ見つかります。」
その後私は何も考えずにひたすら走った。姉の死を無駄にしないために。
そうして道すがら、とうとうグレンも殺された。私はそれでも走った。みんなの死を無駄にしないために。
どうしてだろう数日前まで互いに笑いあってたはずなのに。
Livela @marina0804
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Livelaの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます