第23話 事件みたいです
俺達は再び『ガッチリムッチリ武器商店(以下略)』に来ていた。
何故かというと、さっき仲間になったばかりのイズナの武器を探しに来たからだ。
「いらっしゃい。ウホッ、この前の兄ちゃんじゃねぇか。ついに俺の剣が欲しくなったのか?///」
「ツバサ…まさかあんた、そんな性癖が……」
「いや、ねぇぞ!俺はそんな性癖持ってねぇぞ!」
「…ん、ツバサは私の大切な人…」
「相変わらず仲がよろしいみたいでお父さんは嬉しいぜ…」
「あんたはさり気なく人の父親になってんじゃねえ!」
「あんたたちは何気に仲がいいのね…」
そんなことをイズナが言ってきたが、まぁなんだかんだ言ってこのガチムチな店員はイイヤツだからな……ホモだけど
「そういえば、今日は刀を探しに来たんだが…何かいい刀はあるか?まぁイズナは呪い無効化があるから最悪妖刀でも大丈夫だろう」
「え?なにそれ!?私にそんなスキルがあったなんて……」
「んー、確か妖刀が1本だけあったはずだぜ」
「ホントか!ぜひ見せてくれ」
「あぁ、イイ男の頼みは断れないゼ☆」
相変わらず鳥肌が立つようなセリフと時々ぶち込んでくるな…まぁそれも個性として認めるしかないか……
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
そうして案内された先にあった刀は、物凄く禍々しいオーラを出していて、見るからに妖刀だった…
「こ、これはまた凄い刀だな…触った瞬間に呪われそうだ」
だが見ていても何も始まらないのでとりあえず鑑定をすることにした
――――――――――――
遥か昔、鬼を陰ごと切り裂いたという伝説が残されている刀。
所持者に破壊衝動を与える呪い付き
――――――――――――
「こりゃ思いっきり妖刀だな…だが、イズナならこれくらい問題ないか」
「まったく、人ごとだと思って…でも、ありがと。それに、この刀使いやすそうね」
「そうなんだよ、この刀は呪いさえなければ俺の剣みたいな名器になっただろうに……」
お前はどこまで自分の剣を推してるんだよ!!
「とりあえずこの刀はいくらだ?」
「本当は銀貨1枚だったんだが、これは妖刀だし、兄ちゃんはイイ男だから大銅貨1枚でイイぜ☆」
「お、おぅ…サンキュー」
こうしてイズナは妖刀鬼陰を手に入れた。
その後店を出て、アイラたちと次は何をするか話し合っていた時、事件は起きた。
突然男が無言で、魔法陣が書かれた球を投げつけてきた。
そしてそれが俺たちに直撃した。
「うぉ」
「!?」
「え?」
そして激しい閃光とともに俺たちの姿はその街から消えた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
一体何が起こったんだ…ん?ここはどこだ?
そう思って俺は周りを見渡してみた。すると、俺の周りには人の気配がなかった。
「あれ?アイラとイズナはどこへ行ったんだ??」
そんなことを言いながら俺は周りを散策することにした。
俺が周りを暫く探索して分かったことは
・ここはぺルセ街ではない
・俺の半径10㎞以内には生物はいない
・俺のスキルは普通に使える
・遠くの方に森がある
「…どうしよう。俺の『ワープ』だと大陸の移動は出来ないしな…」
突っ立っていても何も始まらないので、俺は直感で森に向かって進むことにした。
「意外と時間が掛かったな」
俺が森に着くと、既に日が暮れかけていた。
なので俺は近くにあった木に登ってその日はそこで寝ることにした。
―その夜、俺は変な夢を見た。
何かを失っていく夢だ…何か大切なモノが消えていく気がする。
俺は何を失った?
何を失ったのか全く思い出せない…
何かの気配がするので俺が目を覚ますと、そこには変な豚みたいな生き物がいた
「なんだこいつは!?」
焦った俺はとりあえず鑑定をすることにした
『鑑定』
------------
攻撃はしてこないが、寝ている人がいるとその人の記憶を食べに来る。
魔大陸にのみ存在する希少種。
------------
「ファ!?」
もしかして、今俺の夢喰われた!?
ヤバくね?めちゃくちゃ大切な記憶を喰われた気がするぞ!
でも、まずはこいつを倒しておいた方がいいな。近付いたら危なそうだからファイヤーライフルで丁度いいだろう。
『ファイヤーライフル』
俺がファイヤーライフルを使うと、魔獏は「ピギィ」と可愛く鳴いてからパタリと息絶えた。
意外と可愛い鳴き声を出すようだが、油断はできない。何しろ俺は大切な記憶を喰われたんだから、これ以上記憶を喰われるわけにはいかない。
「とりあえず仲間を…、そういえば普通に俺は仲間って言ったけど、俺に仲間なんていたっけ?」
俺は早速喰われた記憶が何に関することか分かった。だが、肝心の内容が分からないから結局意味がないんだよな…。
「一先ず日が昇ってきたから、ここら辺にいる生物でも観察してみるか…」
そう言って俺は、魔大陸(仮)の探索を開始した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます