第17話 ツバサとアイラみたいです

街に戻る途中に俺はエルフの女に気になったことを幾つか聞いてみた。


「なぁ、そう言えば聞いてなかったけど、お前の名前はなんて言うんだ?」

「…私の…名前……?」

「そうだ、お前以外に誰か相手がいるか?」

「私の…名前はアイラ」

「アイラか…分かった、ヨロシクなアイラ!」

「…はい」

「それとお前…いや、アイラはエルフなのか?」

「はい…ですが、私は…その……純粋なエルフではなく……ハーフエルフ…です」


『ハーフエルフ』と言った時アイラは少し表情を暗くさせていた。


「その反応を見る限り、ハーフエルフってのはエルフたちから嫌われていて、それが原因で住んでいたところを追い出されて、盗賊につかまり、奴隷にされってとこか?」

「はい…ご主人様は…その……ハーフエルフはお嫌いですか?」

「いや、大好きだ!!アイラはすごく可愛いし、それにいい子みたいだからな!」

( (´・ω・`)←こんな顔を美少女エルフにされたら普通の男はノックアウトされてしまうでござるよぉ!!!)


俺は早速テンションアゲアゲだ。

「…ありがとうございます。」


と、天使のような顔をしてアイラは笑った。


「そうだ、そういえばまだ俺の名前を言ってなかったな。俺の名前はツバサだ、

俺はアイラと奴隷と主人みたいな関係になるのは嫌だ。だから俺のことは呼び捨てで頼む、それと敬語は禁止だ。」

「……ん、わかった」


アイラはちゃんとわかってくれたようだった。

(こんな可愛い子が俺の傍に居てくれるなんて幸せすぎて死んでしまうでござるぅ!!!)

と、ハーレム(予定)を目指す男として、美少女耐性が足りないと感じた俺だった。


「とりあえず街に戻ったら殺された女たちを埋葬してやらなきゃいけないんだが…手伝ってくれるか?」

「…ん、私も手伝う」

「ありがとな。そういえば、俺は後でアイラの奴隷契約の解除もやりに行く予定だから安心してくれ」


そう言ってアイラの頭を撫でてやるとアイラは顔を(*´ω`*)←こんな風にして嬉しそうに笑った。

(やべぇ、アイラの笑顔は予想以上に破壊力がある。これは俺の我慢の限界が近いかもしれない…)

と、俺は自分の我慢の限界が近いことを悟った。

こんな感じでアイラとイチャイチャしながら街の入り口の門に着いた

俺は一先ずアイテムボックスにしまっておいた女たちを出して、水魔法で綺麗にしてやり、タオルで包んでアイラと1人ずつ運ぶことにし、引きずってきた頭領らしき男は逃がしてやる…なんてことはなく、そのまま街の中に引きずっていくことにした。

街に入る前に俺が、アイラは俺の奴隷だということを門番に伝えると、難なく街に入ることができた。

こうして街に入った俺は女たちの亡骸を騎士団の詰め所に運んで行った。

それから騎士団の詰め所についた俺は詰め所にいた受付の男に女の死体とボロ雑巾のようになった盗賊の頭領らしき男を引き渡した。


「なんということだ。我々がもっと早く盗賊団のアジトに行って彼女らを助けていればこんなことには…」


と、受付の男は嘆いていた。だが、男がどんなに悔やんでも死んだ人間は生き返

らない。なので俺は受付の男に助言をしておいた。


「今回はまだ一人助かったからいいが、俺が助けに行かなかったら今ここにいるアイラも死んでいた。だから、今度から門を更に強化して、こいつらみたいなクズを入れないようにしろ。と、上に伝えてくれ」

「分かった、今回の件は上に伝えておく。もしかしたら今度盗賊団の壊滅を称えて王都に呼ばれるかもしれん…こいつのいた盗賊団は王都でも有名だったからな。」

「そうか、その時は喜んで出席してやろう。」


そう言って俺は詰め所を出た。


色々あってお腹がすいた俺はとりあえずご飯を食べることにした。

「もう夕方だから飯を食いに行こうと思っているのだが、アイラは何か食べたいものはあるか?」

そう聞いてみると

「…私は、ツバサの…食べたいもの……食べたい…」

と言ったので、この街に来てから結構頻繁に食べに行っている食堂に行くことにした。

「凄い…人、いっぱい」


「凄いだろ!ここはこの街では一番人気な食堂だからなぁ」


そんなことを言いながら、俺は空いていた席にアイラと向かい合わせに座った。


「好きなものを頼んでくれ」


俺がそう言うと


「ツバサと…同じ物、食べたい」


アイラは凄く無邪気な表情をしながら言ってきた

(ファァァァァア!!!!アイラタソマジカワユス!!もうアイラを嫁にしたい!)

だんだん俺の心の声が外に漏れてきていることに本人は全く気付いていなかった。


「…私でいいなら、嫁にしてくれて…いい」

「え?なんだって?」


などと、某アニメの主人公のようなセリフを使って恍けた俺だったが、アイラの無言のプレッシャーによって、聞こえたことを認めざるを得なかった。


「もしかしてさっき俺、アイラを嫁にしたいって言った?」


唯の俺の聞き間違いだったら嫌なので、一応確認の意味を込めて尋ねてみた。


「…ん、言った」

「そのあとアイラは何て言った?」

「…私を、ツバサの……よ、嫁にしてくれて…いいって、言った」

「ほ、本当に俺なんかでいいのか?嫌なら断ってくれ、俺はそういうことを強いるつもりはない」


(これが一時的な気の迷いで、後からアイラがショックを受けるなんてのはゴメンだ)

そう思った俺は、本当に自分の嫁になってもいいのかアイラに聞いてみた。


「ん、私は…自分の命を救ってくれて、皆から嫌われているハーフエルフなのに優しくしてくれて、私に気遣ってくれるツバサが…大好き」


俺はあまりに急な出来事にフリーズした。

(え?もしかして、これってアイラが俺の事を好きってことなのか?しかもアイラは美少女エルフだ…(゜∀゜)キタコレ!!)


「アイラ!俺もアイラが好きだ!!俺の嫁になってくれ!!!」


と、俺が言うとアイラは笑顔で

「ん、喜んで」と、本当にうれしそうに言った。

その後、ちゃっちゃと夕飯を食べ終わった俺はアイラと一緒に宿に向かった。

もちろん宿の受付で部屋をシングルからダブルに変更することも忘れていなかった。

こうして俺はアイラと熱い夜を過ごした。

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