第15話 大切な話みたいです
ゲーイの死体からスキルを奪った俺は死体を抱えたままザックが作り上げた冒険者ギルドに向かった。
「おぉ!めちゃくちゃでかくなってんな!」
そう俺は驚いた
「ふぉっふぉっふぉ、ようやくお主を驚かせることに成功して嬉しいのぅ」
そこにザックがニコニコしながら現れた。
「やっぱり人神は侮れないな、さすが神だな」
俺が珍しく褒めると
「そうじゃろう?そうじゃろう?もっと褒めてもいいんじゃぞ?」
と、めちゃくちゃウザくなったのでスルーをした。
「とりあえず、この死体も引き取ってくれ。ついでにこの間の魔族の死体の分の金もくれ」
そう俺が言うと
「そうじゃのぅ、金を渡しておくとするかのぅ…大切な話があったのに残念なことじゃのぅ」
人神がいじけていた
「おいおい、いくら俺があんたをウザいと思って無視したからって落ち込むことはないだろう」
俺は容赦なく人神に追い打ちをかけていった
「しくしく…」
ついに人神はウソ泣きを始めた
「…帰るか」
「待つのじゃ!!」
「なんだよ、金はもらえないわ、ウソ泣きは始めるわで面倒だな。こっちは疲れたんだ、用があるなら早くしてくれ」
俺がそう言うと、突然人神の雰囲気が変わった。
「明日で儂がこの世界に実体を保っていられなくなってしまうのじゃ。別に儂のいなくなっている間に何もなければそれでいいのじゃが、もうすぐこの周辺の街に魔族や盗賊が次々と襲ってくることになる。そう神さまからお告げがあったのじゃ。しかも、儂が再びこの世界に実態を保てるようになるには40年もかかるのじゃよ」
「まじかよ!そういうことはもっと早く言えよ!!」
俺は思わず叫んでしまった。
「まぁまぁ、とりあえず落ち着いて聞いてほしいのじゃ。一先ずお前さんがこの街に暫く居れば魔族や盗賊は問題ないのじゃが、一つだけ気がかりなことがあってのぅ」
「何だ?」
「お主はよくトラブルに巻き込まれる体質みたいでのぅ、魔族や盗賊としょっちゅう戦いをすることになりそうなのじゃよ」
「なんてこった!じゃあ俺は魔族や盗賊と何回も戦わなきゃいけないのか?」
「そういうことになるのぅ」
「じゃあこんなところで話している暇はないな、すぐに新しい属性の魔術の練習をしないと…」
「それが一番いい選択かもしれんのぅ。危機に立ち向かう力はとても大切じゃ、じゃからお主は大切な人をしっかりと守るための力を手に入れるんじゃぞ!」
「分かっている、俺は世界中の可愛い女の子を守るための力を身につけるぜ!!」
「そ、そうか…お主がそれでいいのならそれでよかろう」
「盗賊だろうが魔族だろうが俺のハーレムを邪魔する奴は許さねぇ!」
「テンションが下がったり上がったり忙しいやつじゃのぅ。まぁよい、ツバサよ…お主が遊べるほどのお金を渡しておくから、この世界を存分に楽しむのじゃぞ」
「あぁ、絶対に楽しんでやる!」
「お主にとって良い結末が訪れんことを…」
そうして俺は人神と別れた。
「さーてと、とりあえず金は貰ったからワープを使って森に入って魔法の練習をするかぁ」
『ワープ』
さっそく覚えたばかりのワープを使って俺は森に入っていった
「よし!最初に習得をするのは雷魔術にしよう!!」
なぜ雷魔術なのかというとただ単に俺がと○るシリーズが大好きだからだ。
「やっぱり雷は外せないよね」
そう言って授業で習った雷の原理を考えながら、それと同じことを魔力で行う。
「たしか、上昇気流等で雲が擦れて静電気が発生して、それが集まったのが雷雲、そして雷雲に溜まった静電気が一気に地表に落ちるのが雷だったっけか?」
俺は暫く授業を受けていなかったので雷についての知識が曖昧だったが、何とか雷の再現は出来たようだ。
「よし、とりあえず成功だな。うーん、次は土魔術だな」
次に土魔術を選んだ理由は、土に穴をあけて落とし穴を作って敵を罠にかけたり、泥沼を作って相手の足止めをしたりできるからだ。
土魔術は土の動きをイメージして魔力を地面に流すだけで簡単にできた
「なんだ、意外と簡単じゃないか」
ちなみに一般の魔術師の場合はイメージがあまり得意ではないので1日以上かかる。これは俺が小説を沢山読んだからこそできたことだろう。
「最後は定番の光魔法!」
などとテンションを上げながら光魔法の練習をしたが、なかなかイメージができなかったので、仕方なく自分で体を傷つけてポーションを飲み、傷の治りを感じ、イメージをすることによって習得できた。
「さてと、久々にステータスを見てみるとしますか」
『ステータス』
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ツバサ 人間??
LV 32
HP 46800/46800
MP 70400/70400
スキル
鑑定 LV10(MAX)
強奪 LV6
吸収 LV15
消化 LV18
水魔法 LV8
火魔法 LV6
風魔法 LV7
無魔術 LV10
雷魔術 LV1
土魔術 LV1
光魔術 LV1
威圧 LV6
剛腕 LV8
跳躍 LV7
状態異常耐性 LV3
気配察知 LV9
アイテムボックス
剣術 LV8
体術 LV5
モンスターテイム LV2
パッシブスキル
ヴァルキリーの恩恵(封印)
ユニークスキル
異世界翻訳
称号
異世界を渡りし者
加護を授かりし者
スライムの天敵
林業の敵
加護
剣神の加護
人神の加護
狩神の加護
戦乙女の加護
破壊神(環境)の加護
武神の加護
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「格闘術ばかりつかったせいか武神の加護が付いてるな」
などと感心したようにステータスを見つめていた俺は何故かさっき会った盗賊が言っていたことを思い出した。
「あいつらって確かこの前街を襲った盗賊の仲間だったはずだよな…街を襲って人を攫ったってことは俺のハーレム(予定)を邪魔する可能性があるな…よーし、明日あの盗賊団をぶっ潰してやるゾ☆」
俺は密かにそう決意した。
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